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うちの隊長は部下がとんでもない事になっている事を知りません
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数日前の朝には副隊長昇格試験を受けれると、憧れでもあるシーヴォラ隊長に一歩近くなれると喜びに満ちた顔に向かって奴隷になれ何て、人事の様にはいられなかった。
「まてよ!それはオヤジさんの借金であって子供には関係ないだろ?!」
思わずと言うように僅かに知る借金知識で地面に頭を付けて謝罪をするその姿との間に割り込むも
「これは……
シルビオ小隊長殿と小隊の皆様、夜間警備お疲れ様です」
丁寧に深々と頭を下げる金貸しの男はきちんとした身なりで俺達をそれなりに丁重に扱ってくれることに戸惑いを覚えるも
「ですが御覧の通り、既に契約書にはサインが入っております」
見せてくれた契約書にはトゥーレ・ノラスの名前と妹のラナ・ノラスの名前が書かれていた。
「先日丁寧に説明した折りに承諾してもらって連帯人としてサインを入れていただきました。
それなりの覚悟をお持ちで記入していただいたと思います」
あまりの内容に記入されたサインはいつもの滑らかな筆跡とは違い震える手で書かれた歪なサインに食い入るように内容を見てる合間に金貸しに契約の借用書を取り上げられた。
「そのようなわけで、どうぞご理解をお願いいたします。
ではノラスさん、期日の三か月後に」
真っ直ぐな背筋のままノラスの両親に深々と頭を下げる男はそのまま次の取り立て先か自分の店かなんてどうでもいいが護衛を連れて去っていく背中をぼんやりと見送り
「ノラスのオヤジさん、この事あいつは知っているのか?」
思わず地面に泣き崩れる夫婦に向かって言うも、何かあるのか泣き声だけがぴたりと止まる。
こればかりは後は知った光景だ。
貧困街ではよくある光景、よく見てきた光景。
「まさかトゥーレやラナに黙ってサイン入れたのかよ?!」
思わず視線を合わせる様にしゃがみ込めば
「あ、あの時はそうするしかなかったんだ!
あの時そうしなければ私達はもうこの国に、この世にはいられなかったんだ!!!」
「ごめんなさい!許して!
あの子達を巻き込んだ私達を許して!
お願い!
この事はあの子達には黙ってて頂戴!
今度は、今度こそあの子達に迷惑かけないから!!」
許すも何も、この家族が懸命に働いて借金を返してきていた事は見て知っている。
合間合間も勉強と、そして任務の合間に休む事なく魔物を狩って副収入を得てそれも全て借金に宛てていた事も知っている。
縋りついて泣き崩れる様に懇願する親友の両親に俺は地面に膝をついて二人を抱き寄せて
「あいつは、やっと夢を一つ叶えようとしている。
話聞いたか?
あいつ副隊長になれるチャンスを掴んだんだ。
隊長の後ろじゃなくて隣で仕事ができるようになるんだ!
頼むからあいつの夢を、親ならあいつの夢を邪魔しないでくれ!」
叫ぶようにあいつの夢を吐き出し、そのまま二人を押しのけて走り出せば背後から俺をほっとけないと言うように追いかけてくる部下の足音を聞いた。
その足で俺達は長期で借りている安宿の一室に集まった。
昔はそこそこの宿屋だったがおんぼろの建物を見ての通り管理する主達も老夫婦のみで室内の手入れは追いついていないそんな宿。
食事の世話も掃除もしない代わりの格安の宿は駆け出しの冒険者達が住み着いていると言っても良い間借り状態で、運よく空室のあった一室を俺達は任務外の討伐の時の為の作戦会議の場所として借りていた。
あまり広くない一室の部屋に人数が減って八人のシルビオ隊でも狭いが、今は無駄に広くなくて逆に落ち着いた。
「何だよ、黙ってろなんて……
一刻も早く言わなくちゃならねー事じゃないのか?」
「しょーたいちょー、オヤジさん達覚悟決めちゃったんじゃないっすかー?」
同じようにぐすぐすと鼻を鳴らして泣く部下達も取り立てのえげつなさを知っている者ばかり達。
「自分達の命で清算するつもりっすよ。
たぶん……」
身の回りにいる借金取りの追い立てられる者の顛末はそれだった。
死して身の回りの物を総て取り上げられ、残された物はただそこに残され後は関与せず。
あわよくば甘い言葉で引き取りどこに落とされるかなんて判りきった事だ。
幸いにもトゥーレやラナには手に職がある。
この近辺では誰もが声をかけたくなるという顔立ちの妹のラナは大店のお針子として顧客も抱えている位の腕前だ。
そして美貌も相まって貴族の子息から沢山のプレゼントをもらっているも、あっさりと換金して借金に返済する始末。
そのつれなさがまたいいと言われているが、当人はどうせ若いうちだけよとあっさりとしている。
イリスティーナやランダーとも仲良く妹のように時折社交界に連れ回されて他の一流どころのドレスを見て回ったりしてたりシーヴォラ隊にも兄の忘れ物を届けに顔を出したりと馴染ある顔の行方何て想像するだけでも悍ましくて……
「だけど本当にそれだけで終わるんっすか?!」
別の部下が顔を青くして
「なんか連帯人とかノラス小隊長のサインとか、なんか嫌な予感がします!」
俺も気になっていたがそんな事詳しく知らないしと誰もが誰もの顔を見る中
「しょうたいちょ、ヴォーグさんに相談してみませんか?」
ちょうどこれから一度家に戻って家で食事を済ませたら討伐に向おうとする所。
何かあったら王都から一番近いアルホルンの森で呼んでくれとは言われていたのを思いだして
「とりあえず食事を家に置いたらすぐにブロムクヴィストの門の所に集合だ」
「「「「「了解しました!」」」」」
かつてはそこそこ立派だった宿屋の安全管理は見かけによらず確かで家には置いておけない討伐用の装備を身に着けて駆け足で家へと帰り、誰もがパンを咥えてブロムクヴィストの屋敷の門の前に集合するのだった。
門番から白い目で見られるも別に知らない顔ではない。
ヴォーグが居た時に何度かアルバイトと称して葡萄畑の仕事に駆り出された事もある仲だ。
だけど俺達の纏う空気がいつもとは違い、声をかけづらいと視線をそらして立っている横で揃ったメンバーと共に通り過ぎて地図上はアルホルンの森ではないものの、ヴォーグは人が住んで開拓が進み、とぎれとぎれになりながらも今も辛うじてアルホルンの森の一角だと言いながら古いアルフォニアの大木に手を添える姿を思い出していた。
ここに来たからって会えるとは限らない。
寧ろいないのが当たり前だ。
だけど俺は一つの賭けに出た……
「まてよ!それはオヤジさんの借金であって子供には関係ないだろ?!」
思わずと言うように僅かに知る借金知識で地面に頭を付けて謝罪をするその姿との間に割り込むも
「これは……
シルビオ小隊長殿と小隊の皆様、夜間警備お疲れ様です」
丁寧に深々と頭を下げる金貸しの男はきちんとした身なりで俺達をそれなりに丁重に扱ってくれることに戸惑いを覚えるも
「ですが御覧の通り、既に契約書にはサインが入っております」
見せてくれた契約書にはトゥーレ・ノラスの名前と妹のラナ・ノラスの名前が書かれていた。
「先日丁寧に説明した折りに承諾してもらって連帯人としてサインを入れていただきました。
それなりの覚悟をお持ちで記入していただいたと思います」
あまりの内容に記入されたサインはいつもの滑らかな筆跡とは違い震える手で書かれた歪なサインに食い入るように内容を見てる合間に金貸しに契約の借用書を取り上げられた。
「そのようなわけで、どうぞご理解をお願いいたします。
ではノラスさん、期日の三か月後に」
真っ直ぐな背筋のままノラスの両親に深々と頭を下げる男はそのまま次の取り立て先か自分の店かなんてどうでもいいが護衛を連れて去っていく背中をぼんやりと見送り
「ノラスのオヤジさん、この事あいつは知っているのか?」
思わず地面に泣き崩れる夫婦に向かって言うも、何かあるのか泣き声だけがぴたりと止まる。
こればかりは後は知った光景だ。
貧困街ではよくある光景、よく見てきた光景。
「まさかトゥーレやラナに黙ってサイン入れたのかよ?!」
思わず視線を合わせる様にしゃがみ込めば
「あ、あの時はそうするしかなかったんだ!
あの時そうしなければ私達はもうこの国に、この世にはいられなかったんだ!!!」
「ごめんなさい!許して!
あの子達を巻き込んだ私達を許して!
お願い!
この事はあの子達には黙ってて頂戴!
今度は、今度こそあの子達に迷惑かけないから!!」
許すも何も、この家族が懸命に働いて借金を返してきていた事は見て知っている。
合間合間も勉強と、そして任務の合間に休む事なく魔物を狩って副収入を得てそれも全て借金に宛てていた事も知っている。
縋りついて泣き崩れる様に懇願する親友の両親に俺は地面に膝をついて二人を抱き寄せて
「あいつは、やっと夢を一つ叶えようとしている。
話聞いたか?
あいつ副隊長になれるチャンスを掴んだんだ。
隊長の後ろじゃなくて隣で仕事ができるようになるんだ!
頼むからあいつの夢を、親ならあいつの夢を邪魔しないでくれ!」
叫ぶようにあいつの夢を吐き出し、そのまま二人を押しのけて走り出せば背後から俺をほっとけないと言うように追いかけてくる部下の足音を聞いた。
その足で俺達は長期で借りている安宿の一室に集まった。
昔はそこそこの宿屋だったがおんぼろの建物を見ての通り管理する主達も老夫婦のみで室内の手入れは追いついていないそんな宿。
食事の世話も掃除もしない代わりの格安の宿は駆け出しの冒険者達が住み着いていると言っても良い間借り状態で、運よく空室のあった一室を俺達は任務外の討伐の時の為の作戦会議の場所として借りていた。
あまり広くない一室の部屋に人数が減って八人のシルビオ隊でも狭いが、今は無駄に広くなくて逆に落ち着いた。
「何だよ、黙ってろなんて……
一刻も早く言わなくちゃならねー事じゃないのか?」
「しょーたいちょー、オヤジさん達覚悟決めちゃったんじゃないっすかー?」
同じようにぐすぐすと鼻を鳴らして泣く部下達も取り立てのえげつなさを知っている者ばかり達。
「自分達の命で清算するつもりっすよ。
たぶん……」
身の回りにいる借金取りの追い立てられる者の顛末はそれだった。
死して身の回りの物を総て取り上げられ、残された物はただそこに残され後は関与せず。
あわよくば甘い言葉で引き取りどこに落とされるかなんて判りきった事だ。
幸いにもトゥーレやラナには手に職がある。
この近辺では誰もが声をかけたくなるという顔立ちの妹のラナは大店のお針子として顧客も抱えている位の腕前だ。
そして美貌も相まって貴族の子息から沢山のプレゼントをもらっているも、あっさりと換金して借金に返済する始末。
そのつれなさがまたいいと言われているが、当人はどうせ若いうちだけよとあっさりとしている。
イリスティーナやランダーとも仲良く妹のように時折社交界に連れ回されて他の一流どころのドレスを見て回ったりしてたりシーヴォラ隊にも兄の忘れ物を届けに顔を出したりと馴染ある顔の行方何て想像するだけでも悍ましくて……
「だけど本当にそれだけで終わるんっすか?!」
別の部下が顔を青くして
「なんか連帯人とかノラス小隊長のサインとか、なんか嫌な予感がします!」
俺も気になっていたがそんな事詳しく知らないしと誰もが誰もの顔を見る中
「しょうたいちょ、ヴォーグさんに相談してみませんか?」
ちょうどこれから一度家に戻って家で食事を済ませたら討伐に向おうとする所。
何かあったら王都から一番近いアルホルンの森で呼んでくれとは言われていたのを思いだして
「とりあえず食事を家に置いたらすぐにブロムクヴィストの門の所に集合だ」
「「「「「了解しました!」」」」」
かつてはそこそこ立派だった宿屋の安全管理は見かけによらず確かで家には置いておけない討伐用の装備を身に着けて駆け足で家へと帰り、誰もがパンを咥えてブロムクヴィストの屋敷の門の前に集合するのだった。
門番から白い目で見られるも別に知らない顔ではない。
ヴォーグが居た時に何度かアルバイトと称して葡萄畑の仕事に駆り出された事もある仲だ。
だけど俺達の纏う空気がいつもとは違い、声をかけづらいと視線をそらして立っている横で揃ったメンバーと共に通り過ぎて地図上はアルホルンの森ではないものの、ヴォーグは人が住んで開拓が進み、とぎれとぎれになりながらも今も辛うじてアルホルンの森の一角だと言いながら古いアルフォニアの大木に手を添える姿を思い出していた。
ここに来たからって会えるとは限らない。
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だけど俺は一つの賭けに出た……
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