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うちの隊長は時々アルホルンの方をぼんやりと見つめてます
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ハイラとフレッドに見送られて足を向けた先にはアルフォニアの木々に囲まれた木陰に静かに墓はあった。
二つ並んでデザインも同じ。
二人の墓にそっとホットワインをカップに注いで置いた。
「やあエリオ、やっぱりハイラは気付いてたよ。
気付いてたから種明かしをしたけど、次に来る時は先代の好きなホットワインを入れてくれるからもうちょっと待っててね」
このアルホルンに来て月が三度巡る事も無く最愛の主の墓にもたれながら眠るように息を引き取っていたエリオを見た時を思い出していた。
その日も今日と同じように雪が降り、朝から先代の墓の雪かきに出かけたエリオがなかなか戻ってこず不安になって見に行けば寄り添うようにその生涯を終えた姿は今も瞼の裏に焼き付いている。
羨ましい……
こんな風に死んでからも一途に愛されている先代か死ぬ時まで愛する人に総てを捧げたエリオかどちらかだなんて両方と言うしかない。
俺とフレッドの間にそんな関係は無理だ。
いや、愛も要らないが、互いが死ぬまで尊敬しあい続けるのは無理な話だ。
フレッドは俺の従者と言う事に誇りを持ち、俺に従う事に生きがいを見つけている。
この場合の俺とはヴェナブルズ家の当主と言う意味。
別に俺だからとと言う意味ではない。
弟が当主となればあれは弟に膝まづくのだろうそう言う男だ。
最近ではハイラに家令としての心構えを教えてもらっているようで俺の見えない所で勉強しているようだが……
他にする事も無いこの地でそれぐらいの時間つぶし位は目を瞑ってやる。
そもそもここまで壊滅的に関係がこじれたのは俺に問題がある。
本音を言えば俺を守る事をしなかった当時十七歳と言う大人にたてつくには無力だった従者フレッドの事を始め、嫉妬して何度も殺そうとしてきた誰にも見向きされなく幼い心が悲鳴を上げて泣いていた幼い次期国王のエリオット、兄役として俺よりたった二歳年上の当時七歳に全責任を押し付けられたヒューブ、常に俺と比べられて次期国王の腹心となるべき約束された未来を持つのに親から育児放棄をされていて心を病むまで追い詰められ、同様に心が死んでいた俺に殺されてしまったジェフ……
ジェフの家は早々に弟に継がされ、息子がした事に心の病を患う両親はあの日から今もずっと領地で静養している。
当然ジェフの家では弟も居ない物だとされて可哀想な子供時代を過ごしていた。
先日城にいる僅かの間に弟に在ったが、ジェフが大きくなったらこんな風になったのかな?と、確か俺より二歳年下だった彼はエリオットから援助を受けてあの悲劇について正しく教育され、エリオット共に育ったと聞く。
どんなふうに教育されたか知らないが二十年ぶりに顔を合わせただろう彼は歩くのも心配な記憶の姿から立派な大人の姿に見知らぬ人を見る様に見るしかなかった俺に対して顔を真っ青にしながら自分の両親と兄のした事を一番に謝るのだった。
何もお前には関係ないのにと思うも
「これは我が一族が生涯背負わなくてはならない国賊にも等しい罪。
陛下に爵位返上を願い出た物の一蹴されて今も恥を晒しながら公爵を名乗らせてもらっています。
どうぞ今こそ御処分を……」
呆れた。
「陛下の言葉は当然だ。
そんな事で爵位を返上されたら誰が貴族をまとめる。
そんなに処分が欲しいのなら生き恥を晒し続け公爵として生き続ける事こそシルヴェストルの処罰。
陰口に耐え、下の身分の者に指を射され笑われ続けても公爵として誇り高くいる事こそお前の一族の謝罪とバックストロムの剣は受け入れる」
ぼろぼろと泣き出して話にならなくなった彼に俺は彼の妻を王族から与える事を約束させた。
彼の兄がした事に国中の貴族の娘は嫁ぐ事を回避する事は判っりきっている。
人殺しをしようとして返り討ちにされた男の弟、バックストロムの剣を亡き者にしようとした国賊の弟、様様な言葉を彼は言われ続けただろうがエリオットが守り続けたとフレッドは言う。
だったらさっさと確固たる地盤を作れと側室の末の娘がちょうど釣り合いが取れると進言すれば次の日には王命で婚約が決まったとか何とかエリオットから睨まれるように報告を聞いた。
「王族の血が流れない娘がこれで王族の血を流す子供をもうける事が出来る。
今まで国費を喰らってきた身分にはいい働きになると思わないか?」
「ああ、これであの王女は正真正銘親戚になるのだからな。
だからと言って強引すぎだろう」
「何所がだ?
これこそ王族の務めだろう。
仮にも王族の末端に名を連ねるのならそれぐらいの仕事をしろってだけだ」
「まだ恋も知らぬ子供にお前は無茶を言うな」
「子供子供って、お前が王位を継げばあの子達は王宮から出されるんだ。
今の内に居場所を決めておかないと苦労するのはあの子達だ」
「だからと言って7歳の子供に婚約だなんて可哀想だろ!」
「ん?」
「……」
あまりに国を留守にしていたツケがこんな形で発覚する事になった。
「おかしいな、確か17歳ぐらいになっていたと思ったんだけど……」
「それからもう一人産まれた。
王女教育がようやく習慣になり出した年頃だ。
末の娘といい加減な事を言うからこうなった責任は取るのだろうな?!」
「そりゃ盛大にお祝いはしたいが生きていられるか自信ないし?
でもまあ、目標ある人生設計でいいじゃないか」
「お前は楽観的な……」
「まぁいいさ。
王族落ちした七歳の女の子に将来何てどこぞのジジイと結婚位しかない未来。
侯爵夫人何て素敵じゃないか」
「シルヴェストルの十年後も立派なジジイのうちだ」
「まぁ、財産はあるだろうから不満は言わさないさ」
「夢すらない少女時代だな」
「夢すらない少年時代だったから言わせてもらえば先のある未来が描けるだけましさ」
毒づいてしまうのはエリオットの顔を見ているからだ。
フレッドと言いヒューブと言い……
精霊に近い俺は一度嫌いだと決めつけた相手はとことん嫌いで居るしかない厄介な体質だ。
本来精霊とは戦う事を忌み嫌う者達で、争う事を回避するために拒絶本能が発達しすぎて一度嫌いだと決めた者達には顔を合わせるなり近寄りたくもないと拒絶して回避するという厄介な体質がある。
本能的に魔族を嫌うように、嫌った者は魔族を嫌うように顔も見たくもない状態になる。
『だから幼い精霊を育てるのは難しいんだ』
エリオット達と仲直りしたいのについ悪口を言ってしまうと泣いていた幼い頃の俺に先生が教えてくれた言葉だ。
『大切に守られるべき幼い頃にそんな体験をしてしまえば嫌いだと決めつけてしまうのは仕方がない事。
だけど友達が傷ついていると同じように君も傷ついている。
同じ痛みなんだからどう向き合うか考えて行けるだろ?
少なくとも向こうは仲直りしたいと言っている。
その言葉を覚えておくだけでも十分じゃないかな?』
ニコリと笑った笑顔が太陽の様で心がポカポカと温かくなった。
『謝る事は出来ない。
だけど別の態度で示せるはずだ。
悪いと思ったら彼らの願いを一つ叶える。
言葉はなくとも君が誠実にあれば十分じゃないか。
そもそも原因は向こう何だから君が頭を下げる必要はないんだし?』
俺は何も悪くない。
そう言ってくれる人を初めて得た俺は初めて心に安らぎを覚え、やっと自分に向かれていた思いを何というのか知るのだった。
「エリオ、だけど俺は前みたいにはなれない。
距離を取って、遠くから眺める事しか出来ないんだ」
子供の事過ぎて覚えてない事でも体が拒絶する。
十数年ぶりに会ったエリオットの顔なんて覚えてないのに、しっかりと吐き気を覚えて俺は逃げた。
「遠くからみんなの様子を見るしかない。
それが俺に与えられた罰だ」
もうあの頃の楽しい輪の中に入る事は出来ない。
「だけど、それでも……」
何と言えばいいのか。
羨ましいのか、懐かしいのか、寂しいのか……
「俺が願うのはもう誰も悲しまないでほしいという事だけなのにね」
それを最後にくるりと振り向いて鬱蒼とする森へと足を運ぶのだった。
二つ並んでデザインも同じ。
二人の墓にそっとホットワインをカップに注いで置いた。
「やあエリオ、やっぱりハイラは気付いてたよ。
気付いてたから種明かしをしたけど、次に来る時は先代の好きなホットワインを入れてくれるからもうちょっと待っててね」
このアルホルンに来て月が三度巡る事も無く最愛の主の墓にもたれながら眠るように息を引き取っていたエリオを見た時を思い出していた。
その日も今日と同じように雪が降り、朝から先代の墓の雪かきに出かけたエリオがなかなか戻ってこず不安になって見に行けば寄り添うようにその生涯を終えた姿は今も瞼の裏に焼き付いている。
羨ましい……
こんな風に死んでからも一途に愛されている先代か死ぬ時まで愛する人に総てを捧げたエリオかどちらかだなんて両方と言うしかない。
俺とフレッドの間にそんな関係は無理だ。
いや、愛も要らないが、互いが死ぬまで尊敬しあい続けるのは無理な話だ。
フレッドは俺の従者と言う事に誇りを持ち、俺に従う事に生きがいを見つけている。
この場合の俺とはヴェナブルズ家の当主と言う意味。
別に俺だからとと言う意味ではない。
弟が当主となればあれは弟に膝まづくのだろうそう言う男だ。
最近ではハイラに家令としての心構えを教えてもらっているようで俺の見えない所で勉強しているようだが……
他にする事も無いこの地でそれぐらいの時間つぶし位は目を瞑ってやる。
そもそもここまで壊滅的に関係がこじれたのは俺に問題がある。
本音を言えば俺を守る事をしなかった当時十七歳と言う大人にたてつくには無力だった従者フレッドの事を始め、嫉妬して何度も殺そうとしてきた誰にも見向きされなく幼い心が悲鳴を上げて泣いていた幼い次期国王のエリオット、兄役として俺よりたった二歳年上の当時七歳に全責任を押し付けられたヒューブ、常に俺と比べられて次期国王の腹心となるべき約束された未来を持つのに親から育児放棄をされていて心を病むまで追い詰められ、同様に心が死んでいた俺に殺されてしまったジェフ……
ジェフの家は早々に弟に継がされ、息子がした事に心の病を患う両親はあの日から今もずっと領地で静養している。
当然ジェフの家では弟も居ない物だとされて可哀想な子供時代を過ごしていた。
先日城にいる僅かの間に弟に在ったが、ジェフが大きくなったらこんな風になったのかな?と、確か俺より二歳年下だった彼はエリオットから援助を受けてあの悲劇について正しく教育され、エリオット共に育ったと聞く。
どんなふうに教育されたか知らないが二十年ぶりに顔を合わせただろう彼は歩くのも心配な記憶の姿から立派な大人の姿に見知らぬ人を見る様に見るしかなかった俺に対して顔を真っ青にしながら自分の両親と兄のした事を一番に謝るのだった。
何もお前には関係ないのにと思うも
「これは我が一族が生涯背負わなくてはならない国賊にも等しい罪。
陛下に爵位返上を願い出た物の一蹴されて今も恥を晒しながら公爵を名乗らせてもらっています。
どうぞ今こそ御処分を……」
呆れた。
「陛下の言葉は当然だ。
そんな事で爵位を返上されたら誰が貴族をまとめる。
そんなに処分が欲しいのなら生き恥を晒し続け公爵として生き続ける事こそシルヴェストルの処罰。
陰口に耐え、下の身分の者に指を射され笑われ続けても公爵として誇り高くいる事こそお前の一族の謝罪とバックストロムの剣は受け入れる」
ぼろぼろと泣き出して話にならなくなった彼に俺は彼の妻を王族から与える事を約束させた。
彼の兄がした事に国中の貴族の娘は嫁ぐ事を回避する事は判っりきっている。
人殺しをしようとして返り討ちにされた男の弟、バックストロムの剣を亡き者にしようとした国賊の弟、様様な言葉を彼は言われ続けただろうがエリオットが守り続けたとフレッドは言う。
だったらさっさと確固たる地盤を作れと側室の末の娘がちょうど釣り合いが取れると進言すれば次の日には王命で婚約が決まったとか何とかエリオットから睨まれるように報告を聞いた。
「王族の血が流れない娘がこれで王族の血を流す子供をもうける事が出来る。
今まで国費を喰らってきた身分にはいい働きになると思わないか?」
「ああ、これであの王女は正真正銘親戚になるのだからな。
だからと言って強引すぎだろう」
「何所がだ?
これこそ王族の務めだろう。
仮にも王族の末端に名を連ねるのならそれぐらいの仕事をしろってだけだ」
「まだ恋も知らぬ子供にお前は無茶を言うな」
「子供子供って、お前が王位を継げばあの子達は王宮から出されるんだ。
今の内に居場所を決めておかないと苦労するのはあの子達だ」
「だからと言って7歳の子供に婚約だなんて可哀想だろ!」
「ん?」
「……」
あまりに国を留守にしていたツケがこんな形で発覚する事になった。
「おかしいな、確か17歳ぐらいになっていたと思ったんだけど……」
「それからもう一人産まれた。
王女教育がようやく習慣になり出した年頃だ。
末の娘といい加減な事を言うからこうなった責任は取るのだろうな?!」
「そりゃ盛大にお祝いはしたいが生きていられるか自信ないし?
でもまあ、目標ある人生設計でいいじゃないか」
「お前は楽観的な……」
「まぁいいさ。
王族落ちした七歳の女の子に将来何てどこぞのジジイと結婚位しかない未来。
侯爵夫人何て素敵じゃないか」
「シルヴェストルの十年後も立派なジジイのうちだ」
「まぁ、財産はあるだろうから不満は言わさないさ」
「夢すらない少女時代だな」
「夢すらない少年時代だったから言わせてもらえば先のある未来が描けるだけましさ」
毒づいてしまうのはエリオットの顔を見ているからだ。
フレッドと言いヒューブと言い……
精霊に近い俺は一度嫌いだと決めつけた相手はとことん嫌いで居るしかない厄介な体質だ。
本来精霊とは戦う事を忌み嫌う者達で、争う事を回避するために拒絶本能が発達しすぎて一度嫌いだと決めた者達には顔を合わせるなり近寄りたくもないと拒絶して回避するという厄介な体質がある。
本能的に魔族を嫌うように、嫌った者は魔族を嫌うように顔も見たくもない状態になる。
『だから幼い精霊を育てるのは難しいんだ』
エリオット達と仲直りしたいのについ悪口を言ってしまうと泣いていた幼い頃の俺に先生が教えてくれた言葉だ。
『大切に守られるべき幼い頃にそんな体験をしてしまえば嫌いだと決めつけてしまうのは仕方がない事。
だけど友達が傷ついていると同じように君も傷ついている。
同じ痛みなんだからどう向き合うか考えて行けるだろ?
少なくとも向こうは仲直りしたいと言っている。
その言葉を覚えておくだけでも十分じゃないかな?』
ニコリと笑った笑顔が太陽の様で心がポカポカと温かくなった。
『謝る事は出来ない。
だけど別の態度で示せるはずだ。
悪いと思ったら彼らの願いを一つ叶える。
言葉はなくとも君が誠実にあれば十分じゃないか。
そもそも原因は向こう何だから君が頭を下げる必要はないんだし?』
俺は何も悪くない。
そう言ってくれる人を初めて得た俺は初めて心に安らぎを覚え、やっと自分に向かれていた思いを何というのか知るのだった。
「エリオ、だけど俺は前みたいにはなれない。
距離を取って、遠くから眺める事しか出来ないんだ」
子供の事過ぎて覚えてない事でも体が拒絶する。
十数年ぶりに会ったエリオットの顔なんて覚えてないのに、しっかりと吐き気を覚えて俺は逃げた。
「遠くからみんなの様子を見るしかない。
それが俺に与えられた罰だ」
もうあの頃の楽しい輪の中に入る事は出来ない。
「だけど、それでも……」
何と言えばいいのか。
羨ましいのか、懐かしいのか、寂しいのか……
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