119 / 308
うちの隊長は決断しました
しおりを挟む
右から左へと綴られる文字を追うように走る視線は下手な文字なんて気にしないというように初心者の速読と言うスピードで次々とページを捲って行った。
本当ならもっと早く読めるのだろう。
だけど妨害をするように幼い手が綴った文字は大人の目には読みにくくどんな熟練者でも時間をとるのだった。
その間に俺は紅茶を入れ替えて、本を読み終える頃直ぐに口につけれるようにと少しだけ冷めた紅茶を差し出せば貴族にしてはあるまじくカップ一杯の紅茶を一気に飲み干すのだった。
「シーヴォラ殿、この本を譲っていただく事には……」
「内容なら改めて書き直してお渡しします」
「しかし……」
言いよどむゴルディーニですらこの本はヴォーグの心の内を表すかのような物語の重要性に気づいたのだろうが俺はこの本は譲らないと奪い返して
「そこでご相談があります」
「相談?
本の代わりに何かあったか?」
簡単に乗らないぞと言ういぶかしげな視線のゴルディーニに俺は真剣な眼差しを向けて
「どうか、私をヴォーグの前に連れて行ってください。
この本を何としてもあいつに届けなくてはいけません」
驚きに見開く瞳は俺の決意に覚悟を決めた物だからだろうか。
「こんな大切にしていた本を置いて行くあいつを怒鳴りに行かなくてはなりませんので」
「君は……この間の殴りに行くといいもうちょっと理性的になれないのかな?」
俺としてはこれ以上とないくらいに真剣に言っているはずなのに目の前に座るゴルディーニは苦笑、失笑と複雑な笑いを織り交ぜながら俺を見て
「貴方の決意が固まったのなら我々は全力で協力するだけです」
「よろしくお願いします」
ゴルディーニは国を助ける為に、俺はヴォーグを救う為にと握手を交わした所で外から馬の嘶きが聞こえた。
時間はいつの間にかそろそろ登城しなくてはいけない時間。
もちろん寝起きの悪い俺を起こす為の時間も含まれている。
いつもの貴族然とした優雅な足取りとは違い、表に止められているゴルディーニ家の馬車を見て駆け足で飛び込んできたアレクは俺達を見て何があったと厳しい視線を向けられた視線に向けて
「アレク、次の社交シーズンでシーヴォラ隊を解散することにした。
悪いがお前が隊の奴らを率いてくれ」
「ラグナー、まさか……」
青ざめるアレクにゴルディーニは真剣の眼差しで
「シーヴォラ隊長は決断されました。
アルホルン大公にお会いするべく決断を下されました」
「アルホルン大公……
どうして、あれだけの目に遭わされたのに……」
これが貴族の娘なら嫁の貰い手も無ければ王都で暮す事もままならないくらいの醜聞だ。
なのにどこにまだヴォーグにこだわる理由があるのかと説いたげな視線に
「詳しくは後から話す。
アレク悪いが今日は急用で休まなくてはならなくなったと伝えてくれ」
「俺が納得する内容だな?」
「ああ、お前だってあいつがどんな希望に縋って生きてきたか知れば俺を止める事は出来ないさ」
簡単な言葉に込められた重すぎる希望にアレクはしばらくのまま言葉無く俺を睨んでいたが
「判りました。
帰りに寄りますが、それまでに俺を説得する準備をしておいてください」
「ゴルディーニと二人分か。
ちょっと頑張らないとな」
気合を入れ直すも
「そうそう、もう少しの間この事はお前の心の中に留めておいてほしい」
「何やら一人で勝手に決意しておいてその程度の決意なのですか?」
「いやな、これで宮廷騎士の昇格試験に落ちたら恥ずかしくて隊長としてやってけないだろ……」
シーヴォラ隊を解散させる理由に宮廷騎士の地位を上げればアレクは何かを言いたそうな言葉をぐっと飲み込んで、そっと視線をそらした。
「どっちに転んでもシーヴォラ隊は解散ですか」
気が付けば隊が発足して一年ちょっと。
一年持ったから十分か?なんて呟いているアレクにゴルディーニは
「安心してください。
シーヴォラ殿には国を挙げて宮廷騎士にさせますので」
既に用意されていた不正が発覚した瞬間だった。
「大丈夫です。
陛下を筆頭に宰相も司法も味方です。
付け焼刃で何とかしのいでいただければ後からでもどうとなる事ばかりなので大船に乗った気でいてください」
朗らかな顔で剣と魔法に関してはもう十分な結果を残しているので安心ですねと言う言葉に俺にはもう逃げ場がない事を悟った。
逃げるつもりはないが……
それをすぐ傍らで聞く事になったアレクは顔を青ざめていて国ぐるみの不正の現場の証人とされてしまった事に涙こそ流してないが、確実に泣いていた。
「所で三人は無事旅だったか?」
急きょ引っ越しと転職と指名依頼を受けた三人の様子を聞くべく話しを促せばゴルディーニも聞きたいというように勝手に紅茶のおかわりを入れていた。
既にぬるいのになと思うも、茶葉は出してあるから渋くはないだろう紅茶を一人飲んでいた。
「ええ、イリスティーナが気を利かせてくれて父達が戻る前にハイラ達に説明をしてくれてました。
カレヴァはティノとホーリーに指示を出して着替えと仕事道具を持って行ったし、ハイラもアルヴェロ達にいくつかの指示と困った時の為の教本を置いて行って、家令としての身なりの準備と身の回りの物だけを持って行ったよ。
それと一番心配なエリオだが彼は本当にそのまま行こうとするのだからとイリスティーナが文句を言っていた。
家を離れるのに今の主人に挨拶もなしか、お前を呼び寄せたアルホルン大公に申し訳ないと思わないのかと言ってようやく足を止めたそうだ。
その間にハイラの指示でエリオの身の回りの物を使用人達にカバンに詰めさせて、サイズが合わないかもしれないがと断って俺が昔使っていた燕尾服を持たせてくれた。
最も後で俺や父母にも謝ってくれたがハイラの決断に叱る要素はないから感謝したな。
流行遅れのデザインの燕尾服は家令、執事のユニフォームだ。
一度だけ袖を通した物を大切に取っておいた事にも驚いたが腰回りはベルトで何とかなるし、アルホルンは寒いから中に着こめばちょうどよくなると言ってた。
これで先代のアルホルン大公にご挨拶に伺える姿になったと言ってエリオに持たせて行かせて父と母が戻り次第すぐに向こうに行ってしまった」
少しだけ寂しく思うのは二度とエリオは戻ってこないだろうしハイラとの別れにもある。
子供の頃から家族のように一緒にいただけに突然の居なくなった事に寂しさはあるようだが、それでもクラウゼ家はアルホルンとのやり取りができる手段を入手した。
王都から決して近いとは言い切れない距離だがそれでもお互いの様子を尋ねる事の出来る状況は魔法の師弟関係になっていたアレクにとってもほっとした物だろう。
「今日の夕方には向こうに着くだろう。
これでヴォーグの奴も少しは心が休まればいいのだがな」
とっくにアルホルンについているだろう移動距離と時間をひょっとしてヴォーグならありえるかもと言えばさすがに無理でしょうとアレクもゴルディーニも笑う。
だけどそれは一瞬の出来事で
「ひょっとしたらありえるかもしれませんね」
「ええ、精霊の未知の力が少しでも使われれば……
この城もかつてはアルホルンの森の一角だったので……」
「ヴォーグならやるかもな……」
思わず黙り込んでしまうも
「それよりクラウゼ殿はそろそろ城に行かなくてはいけない時間なのでは?」
「はっ?!
今日はお前の寝起きの悪さに付き合わないと思ってたらこんな罠が……」
「それは良いから早く行けよ」
「くっ、仮病する奴に言われる屈辱……
たっぷり仕事を貰って帰ってくるから覚えて置け」
「クラウゼ副隊長、シーヴォラ隊長、仕事は城外に持ち出し禁止ですぞ」
「あ……」
「隊長では行ってまいります」
「え?ちょっと待て!
いま俺とゴルディーニを二人にする何て……」
「私も仕事帰りに本を頂きに参ります。
随分寝不足のお顔をしておられますが、隊長たる者仕事を休んでの重要任務、この程度の寝不足は問題ありませんよね?」
「え、ええ……はい。
徹夜はシーヴォラ隊の名物なので……」
「そんな名物知りたくありません。
とりあえずこちらに来る時にはどうにか用意をお願いします」
「了解しました。
ですが、この物語の全部を読んで冷静でいる事を約束してください」
「冷静とは……」
「まだ何も理解できない子供にだから読ませれる事が出来た内容だと思うというか、寧ろこれも教育の内かと疑わないと読めないような内容が一部ありますので」
それを俺もこれから書かなくてはいけないのかと、インクで汚れた指の跡が残る本を大切に抱えて二人を見送る。
アレクは城に、そしてゴルディーニも城に……
あの人も徹夜組かと多分ヴォーグの中では宮廷騎士で一番手ごわい人と判断されただろうゴルディーニを城に縛り付けるとは油断ならないなと考え込みながら階段を上って部屋の書斎に置かれた机に座る。
かつてクラウゼ家の当主が代々使用したと思われる立派な机は俺にしたら立派過ぎる物だろう。
抽斗から紙とペンとインク壺を取り出して見本となる本を置いて
「さてやるか……」
驚くほど薄くて、でも上質な紙に書かれたヴォーグの文字を見ながらこいつはこんな小っちゃい時に向こうの言葉を訳しながら書いていたのかと感心しながらヴォーグの拙い文字を見ながら俺はペンを滑らすのだった……
本当ならもっと早く読めるのだろう。
だけど妨害をするように幼い手が綴った文字は大人の目には読みにくくどんな熟練者でも時間をとるのだった。
その間に俺は紅茶を入れ替えて、本を読み終える頃直ぐに口につけれるようにと少しだけ冷めた紅茶を差し出せば貴族にしてはあるまじくカップ一杯の紅茶を一気に飲み干すのだった。
「シーヴォラ殿、この本を譲っていただく事には……」
「内容なら改めて書き直してお渡しします」
「しかし……」
言いよどむゴルディーニですらこの本はヴォーグの心の内を表すかのような物語の重要性に気づいたのだろうが俺はこの本は譲らないと奪い返して
「そこでご相談があります」
「相談?
本の代わりに何かあったか?」
簡単に乗らないぞと言ういぶかしげな視線のゴルディーニに俺は真剣な眼差しを向けて
「どうか、私をヴォーグの前に連れて行ってください。
この本を何としてもあいつに届けなくてはいけません」
驚きに見開く瞳は俺の決意に覚悟を決めた物だからだろうか。
「こんな大切にしていた本を置いて行くあいつを怒鳴りに行かなくてはなりませんので」
「君は……この間の殴りに行くといいもうちょっと理性的になれないのかな?」
俺としてはこれ以上とないくらいに真剣に言っているはずなのに目の前に座るゴルディーニは苦笑、失笑と複雑な笑いを織り交ぜながら俺を見て
「貴方の決意が固まったのなら我々は全力で協力するだけです」
「よろしくお願いします」
ゴルディーニは国を助ける為に、俺はヴォーグを救う為にと握手を交わした所で外から馬の嘶きが聞こえた。
時間はいつの間にかそろそろ登城しなくてはいけない時間。
もちろん寝起きの悪い俺を起こす為の時間も含まれている。
いつもの貴族然とした優雅な足取りとは違い、表に止められているゴルディーニ家の馬車を見て駆け足で飛び込んできたアレクは俺達を見て何があったと厳しい視線を向けられた視線に向けて
「アレク、次の社交シーズンでシーヴォラ隊を解散することにした。
悪いがお前が隊の奴らを率いてくれ」
「ラグナー、まさか……」
青ざめるアレクにゴルディーニは真剣の眼差しで
「シーヴォラ隊長は決断されました。
アルホルン大公にお会いするべく決断を下されました」
「アルホルン大公……
どうして、あれだけの目に遭わされたのに……」
これが貴族の娘なら嫁の貰い手も無ければ王都で暮す事もままならないくらいの醜聞だ。
なのにどこにまだヴォーグにこだわる理由があるのかと説いたげな視線に
「詳しくは後から話す。
アレク悪いが今日は急用で休まなくてはならなくなったと伝えてくれ」
「俺が納得する内容だな?」
「ああ、お前だってあいつがどんな希望に縋って生きてきたか知れば俺を止める事は出来ないさ」
簡単な言葉に込められた重すぎる希望にアレクはしばらくのまま言葉無く俺を睨んでいたが
「判りました。
帰りに寄りますが、それまでに俺を説得する準備をしておいてください」
「ゴルディーニと二人分か。
ちょっと頑張らないとな」
気合を入れ直すも
「そうそう、もう少しの間この事はお前の心の中に留めておいてほしい」
「何やら一人で勝手に決意しておいてその程度の決意なのですか?」
「いやな、これで宮廷騎士の昇格試験に落ちたら恥ずかしくて隊長としてやってけないだろ……」
シーヴォラ隊を解散させる理由に宮廷騎士の地位を上げればアレクは何かを言いたそうな言葉をぐっと飲み込んで、そっと視線をそらした。
「どっちに転んでもシーヴォラ隊は解散ですか」
気が付けば隊が発足して一年ちょっと。
一年持ったから十分か?なんて呟いているアレクにゴルディーニは
「安心してください。
シーヴォラ殿には国を挙げて宮廷騎士にさせますので」
既に用意されていた不正が発覚した瞬間だった。
「大丈夫です。
陛下を筆頭に宰相も司法も味方です。
付け焼刃で何とかしのいでいただければ後からでもどうとなる事ばかりなので大船に乗った気でいてください」
朗らかな顔で剣と魔法に関してはもう十分な結果を残しているので安心ですねと言う言葉に俺にはもう逃げ場がない事を悟った。
逃げるつもりはないが……
それをすぐ傍らで聞く事になったアレクは顔を青ざめていて国ぐるみの不正の現場の証人とされてしまった事に涙こそ流してないが、確実に泣いていた。
「所で三人は無事旅だったか?」
急きょ引っ越しと転職と指名依頼を受けた三人の様子を聞くべく話しを促せばゴルディーニも聞きたいというように勝手に紅茶のおかわりを入れていた。
既にぬるいのになと思うも、茶葉は出してあるから渋くはないだろう紅茶を一人飲んでいた。
「ええ、イリスティーナが気を利かせてくれて父達が戻る前にハイラ達に説明をしてくれてました。
カレヴァはティノとホーリーに指示を出して着替えと仕事道具を持って行ったし、ハイラもアルヴェロ達にいくつかの指示と困った時の為の教本を置いて行って、家令としての身なりの準備と身の回りの物だけを持って行ったよ。
それと一番心配なエリオだが彼は本当にそのまま行こうとするのだからとイリスティーナが文句を言っていた。
家を離れるのに今の主人に挨拶もなしか、お前を呼び寄せたアルホルン大公に申し訳ないと思わないのかと言ってようやく足を止めたそうだ。
その間にハイラの指示でエリオの身の回りの物を使用人達にカバンに詰めさせて、サイズが合わないかもしれないがと断って俺が昔使っていた燕尾服を持たせてくれた。
最も後で俺や父母にも謝ってくれたがハイラの決断に叱る要素はないから感謝したな。
流行遅れのデザインの燕尾服は家令、執事のユニフォームだ。
一度だけ袖を通した物を大切に取っておいた事にも驚いたが腰回りはベルトで何とかなるし、アルホルンは寒いから中に着こめばちょうどよくなると言ってた。
これで先代のアルホルン大公にご挨拶に伺える姿になったと言ってエリオに持たせて行かせて父と母が戻り次第すぐに向こうに行ってしまった」
少しだけ寂しく思うのは二度とエリオは戻ってこないだろうしハイラとの別れにもある。
子供の頃から家族のように一緒にいただけに突然の居なくなった事に寂しさはあるようだが、それでもクラウゼ家はアルホルンとのやり取りができる手段を入手した。
王都から決して近いとは言い切れない距離だがそれでもお互いの様子を尋ねる事の出来る状況は魔法の師弟関係になっていたアレクにとってもほっとした物だろう。
「今日の夕方には向こうに着くだろう。
これでヴォーグの奴も少しは心が休まればいいのだがな」
とっくにアルホルンについているだろう移動距離と時間をひょっとしてヴォーグならありえるかもと言えばさすがに無理でしょうとアレクもゴルディーニも笑う。
だけどそれは一瞬の出来事で
「ひょっとしたらありえるかもしれませんね」
「ええ、精霊の未知の力が少しでも使われれば……
この城もかつてはアルホルンの森の一角だったので……」
「ヴォーグならやるかもな……」
思わず黙り込んでしまうも
「それよりクラウゼ殿はそろそろ城に行かなくてはいけない時間なのでは?」
「はっ?!
今日はお前の寝起きの悪さに付き合わないと思ってたらこんな罠が……」
「それは良いから早く行けよ」
「くっ、仮病する奴に言われる屈辱……
たっぷり仕事を貰って帰ってくるから覚えて置け」
「クラウゼ副隊長、シーヴォラ隊長、仕事は城外に持ち出し禁止ですぞ」
「あ……」
「隊長では行ってまいります」
「え?ちょっと待て!
いま俺とゴルディーニを二人にする何て……」
「私も仕事帰りに本を頂きに参ります。
随分寝不足のお顔をしておられますが、隊長たる者仕事を休んでの重要任務、この程度の寝不足は問題ありませんよね?」
「え、ええ……はい。
徹夜はシーヴォラ隊の名物なので……」
「そんな名物知りたくありません。
とりあえずこちらに来る時にはどうにか用意をお願いします」
「了解しました。
ですが、この物語の全部を読んで冷静でいる事を約束してください」
「冷静とは……」
「まだ何も理解できない子供にだから読ませれる事が出来た内容だと思うというか、寧ろこれも教育の内かと疑わないと読めないような内容が一部ありますので」
それを俺もこれから書かなくてはいけないのかと、インクで汚れた指の跡が残る本を大切に抱えて二人を見送る。
アレクは城に、そしてゴルディーニも城に……
あの人も徹夜組かと多分ヴォーグの中では宮廷騎士で一番手ごわい人と判断されただろうゴルディーニを城に縛り付けるとは油断ならないなと考え込みながら階段を上って部屋の書斎に置かれた机に座る。
かつてクラウゼ家の当主が代々使用したと思われる立派な机は俺にしたら立派過ぎる物だろう。
抽斗から紙とペンとインク壺を取り出して見本となる本を置いて
「さてやるか……」
驚くほど薄くて、でも上質な紙に書かれたヴォーグの文字を見ながらこいつはこんな小っちゃい時に向こうの言葉を訳しながら書いていたのかと感心しながらヴォーグの拙い文字を見ながら俺はペンを滑らすのだった……
24
お気に入りに追加
1,322
あなたにおすすめの小説
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。
兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる