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うちの隊長は森の王に出会ったようです
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剣を交えた後にヴォーグは俺達を背で守る体勢で立っていた。
俺から見た様子では剣術は互角。
魔術もほぼ互角だろうか。
魔族の魔力と渡り合えるなんてと驚くも、先ほどからヴォーグは呪文を必要としない低レベルの魔術を放ってばかりだった。
凶悪な、見るからに命を刈り取ろうとするヘヴェデスの魔法をそのレベルの魔術で相殺するのだから上手いと言えばいいのかその辺の判断は判らない。
だが、ヘヴェデスの苛立つ顔に魔法に対抗するのが魔術な為か
「貴様はこのヘヴェデスを愚弄するのか!」
やはりご立腹だった。
ヴォーグは以前赤味を帯びていた剣は今では青味を帯びた剣で構え直し
「ラグナーに傷を負わせてこの程度で済むと思ってたのか?」
「あの程度の傷で、精霊の執着心はやはりしつこいな。
だが宝を傷つけられた事より守りきれなかった己の未熟さを恨め」
何を言っているというようにゆっくりと頭を上げる後姿に俺達は分けも判らず鳥肌を立てていた。
魔力の質が変わったと言えばいいのだろうか、ヴォーグの怒りをはっきりと理解した。
「所で知ってるか?
この国には『アルフォニアの森に足を踏み入れてはいけない』という言葉がある事を」
ヘヴェデスは知らんと言うように小首をかしげるが、俺達は当然知っている。
アルホルン物語に在る話だ。
精霊アルホルンとこの国の祖となる青年バックストロムと出会いの前に書かれている話になる。
アルフォニアの森の中にはお宝が隠されているが、邪な心を持つ者は二度と出る事が出来ないそんな話を確かめにバックストロムは森へと入る事になった……
先日子供達に読んだ時はもうその後の話しだったが、あの子供達は無事だろうかと心配しながらもヴォーグの語りに耳を傾けていた。
「この国のどこかに在ると言われているアルフォニアの森。
現在のアルホルンの森とされているが物語のようなアルフォニアの森はどこにもない。
ならばどこからそのような言葉が発生されたのか?」
眉間に皺を寄せるヘヴェデスにヴォーグは剣を持つ手を振り払った。
「精霊アルホルンには戦う為の爪や牙もなく代わりに戦う妖精も居ない。
だが、精霊アルホルンの能力は防御にある」
ざわり……
大気が、大地が、水が、魔素がヴォーグの言葉に耳を傾ける様にざわついていた。
人間よりも敏感なヘヴェデスが弾かれたように顔を上げて周囲を伺う。
何かが起きているのは漠然と感じていた俺達よりも明白のようだ。
「防御は時として絶大な攻撃となる」
ざわり、まるで意志を持つかのようにうねる髪はヴォーグの怒りを反映しているようで
「お前は手を出してはいけない物に手を出した」
不安を覚えたのか周囲を異様なまでに警戒するヘヴェデスにヴォーグは冷静に言葉を紡ぐ。
「アルフォニアの森はお前を許さない」
その言葉と同時に床から何本と言うのもはばかれるように突如急速に大木が育ち始めた。
玉座付近にいる俺達を避けるように、それは幹と幹をこすり合わせるように育ち、一部の隙もなく寄り添いながら大木へと変わり、森の匂いの正体が現れた。
「何なんだ!これは一体何なんだ!」
ヘヴェデスの叫び声に木々がまるで答えるかのように俺達の視界を広げてくれた。
木々が避けて見せてくれた景色には木々に挟まれて身動き取れないヘヴェデスとその正面に立つヴォーグ。
何やら魔法を使おうと叫んでいるが
「魔力は木の栄養として吸収されるから魔法はおろか魔術も使えない」
だから黙れと言ってヴォーグは剣をヘヴェデスの眉間にピタリと当てる。
その合間にも体が木々にすり潰されていくが
「魔族に肉体的な攻撃は意味がない」
ポツリとつぶやきながらヴォーグは剣を持たない方の手をヘヴェデスへと向ける。
何が起きるのかと言うように初めて悲鳴を上げるヘヴェデスをヴォーグは何の感情も乗せない表情で
「君を純粋な魔族ではなくす。
人を魔物にする種がある様に俺は魔族を魔物に変える」
「や、止めろ……
この私をあんな下等な奴らと一緒に……」
「これはアルフォニアの葉だ」
ぽう……と輝く葉の一枚にあからさまに顔を歪め
「何だそれは!
薄気味悪いそれをどけろ!」
「薄気味悪いとは失礼だ。
まぁ、魔物や魔族の嫌いな波動を放っているけどね」
言いながら身動き取れないヘヴェデスの頭にその葉を飾った。
満足げに頷けばどこからか育った枝がヴォーグを座らせてそのまま俺達の方へと移動させていた。
「やめろ!今すぐこれを取れ!」
身動き取れなくても懸命に頭を振り払って払い落そうとするもそれよりも早く葉っぱの付け根から根っこが伸び、皮膚に食い込んで急激に育っていった……
俺達もあまりの攻撃と言うかこれは防御なのだろうか。
そんな展開に置いて行かれてただただ言葉無く見ていただけで。
「今君の総てはアルフォニアと同化した」
止めてくれと言うように先ほどまでの傲慢なヘヴェデスから想像もつかない顔で涙を流し鼻水を垂らしてヘヴェデスと言う人格の視線が懇願していた。
周囲の木は俺達から良く見える様に場を広げてくれて、木々の枝で作られた椅子に優美に座るヴォーグはまるで森の王のように見えた。
「アルフォニアの森に足を踏み入れてはいけない。
見聞きする話では精霊アルホルンの庭と言うように解釈できるだろう。
だが実際は?
アルフォニアの森はアルホルンが作り出す絶対支配の領域。
そこに迷い込んだ者がどうなるかなんて生かすも殺すもアルホルン次第。
つまり俺次第だ」
僅かな希望も失い、懇願する声をなくし、そして皮膚が木と同化してアルフォニアの養分となって取り込まれて行ったヘヴェデスの姿はいつの間にか無くなっていた。
とても静かな戦いだった。
先ほどまでの剣の戦いは何だったのだろうと思うくらい一方的な物だった。
だけど今も振り返らない背中は語っている。
俺を見るなと言うように拒絶された物は、多分俺達が最初に見た驚きが恐怖と言う言葉だという事を知っているからだろう。
森の木々が一本一本どこに行くのかと言うように幻想的に光の粒子となって空気に溶けて行った。
気が付けば木などどこにもなくヴォーグだけが立っていた。
ヘヴェデスの姿もなく彼も空気に溶けたのだろうかと考えていればすぐ隣で影が走った。
全速力でひな壇を駆け下りてヴォーグへとまっすぐ向かう姿に俺達も追いかけようと足を運びだした所でヴォーグの体がぐらりと揺れた。
俺から見た様子では剣術は互角。
魔術もほぼ互角だろうか。
魔族の魔力と渡り合えるなんてと驚くも、先ほどからヴォーグは呪文を必要としない低レベルの魔術を放ってばかりだった。
凶悪な、見るからに命を刈り取ろうとするヘヴェデスの魔法をそのレベルの魔術で相殺するのだから上手いと言えばいいのかその辺の判断は判らない。
だが、ヘヴェデスの苛立つ顔に魔法に対抗するのが魔術な為か
「貴様はこのヘヴェデスを愚弄するのか!」
やはりご立腹だった。
ヴォーグは以前赤味を帯びていた剣は今では青味を帯びた剣で構え直し
「ラグナーに傷を負わせてこの程度で済むと思ってたのか?」
「あの程度の傷で、精霊の執着心はやはりしつこいな。
だが宝を傷つけられた事より守りきれなかった己の未熟さを恨め」
何を言っているというようにゆっくりと頭を上げる後姿に俺達は分けも判らず鳥肌を立てていた。
魔力の質が変わったと言えばいいのだろうか、ヴォーグの怒りをはっきりと理解した。
「所で知ってるか?
この国には『アルフォニアの森に足を踏み入れてはいけない』という言葉がある事を」
ヘヴェデスは知らんと言うように小首をかしげるが、俺達は当然知っている。
アルホルン物語に在る話だ。
精霊アルホルンとこの国の祖となる青年バックストロムと出会いの前に書かれている話になる。
アルフォニアの森の中にはお宝が隠されているが、邪な心を持つ者は二度と出る事が出来ないそんな話を確かめにバックストロムは森へと入る事になった……
先日子供達に読んだ時はもうその後の話しだったが、あの子供達は無事だろうかと心配しながらもヴォーグの語りに耳を傾けていた。
「この国のどこかに在ると言われているアルフォニアの森。
現在のアルホルンの森とされているが物語のようなアルフォニアの森はどこにもない。
ならばどこからそのような言葉が発生されたのか?」
眉間に皺を寄せるヘヴェデスにヴォーグは剣を持つ手を振り払った。
「精霊アルホルンには戦う為の爪や牙もなく代わりに戦う妖精も居ない。
だが、精霊アルホルンの能力は防御にある」
ざわり……
大気が、大地が、水が、魔素がヴォーグの言葉に耳を傾ける様にざわついていた。
人間よりも敏感なヘヴェデスが弾かれたように顔を上げて周囲を伺う。
何かが起きているのは漠然と感じていた俺達よりも明白のようだ。
「防御は時として絶大な攻撃となる」
ざわり、まるで意志を持つかのようにうねる髪はヴォーグの怒りを反映しているようで
「お前は手を出してはいけない物に手を出した」
不安を覚えたのか周囲を異様なまでに警戒するヘヴェデスにヴォーグは冷静に言葉を紡ぐ。
「アルフォニアの森はお前を許さない」
その言葉と同時に床から何本と言うのもはばかれるように突如急速に大木が育ち始めた。
玉座付近にいる俺達を避けるように、それは幹と幹をこすり合わせるように育ち、一部の隙もなく寄り添いながら大木へと変わり、森の匂いの正体が現れた。
「何なんだ!これは一体何なんだ!」
ヘヴェデスの叫び声に木々がまるで答えるかのように俺達の視界を広げてくれた。
木々が避けて見せてくれた景色には木々に挟まれて身動き取れないヘヴェデスとその正面に立つヴォーグ。
何やら魔法を使おうと叫んでいるが
「魔力は木の栄養として吸収されるから魔法はおろか魔術も使えない」
だから黙れと言ってヴォーグは剣をヘヴェデスの眉間にピタリと当てる。
その合間にも体が木々にすり潰されていくが
「魔族に肉体的な攻撃は意味がない」
ポツリとつぶやきながらヴォーグは剣を持たない方の手をヘヴェデスへと向ける。
何が起きるのかと言うように初めて悲鳴を上げるヘヴェデスをヴォーグは何の感情も乗せない表情で
「君を純粋な魔族ではなくす。
人を魔物にする種がある様に俺は魔族を魔物に変える」
「や、止めろ……
この私をあんな下等な奴らと一緒に……」
「これはアルフォニアの葉だ」
ぽう……と輝く葉の一枚にあからさまに顔を歪め
「何だそれは!
薄気味悪いそれをどけろ!」
「薄気味悪いとは失礼だ。
まぁ、魔物や魔族の嫌いな波動を放っているけどね」
言いながら身動き取れないヘヴェデスの頭にその葉を飾った。
満足げに頷けばどこからか育った枝がヴォーグを座らせてそのまま俺達の方へと移動させていた。
「やめろ!今すぐこれを取れ!」
身動き取れなくても懸命に頭を振り払って払い落そうとするもそれよりも早く葉っぱの付け根から根っこが伸び、皮膚に食い込んで急激に育っていった……
俺達もあまりの攻撃と言うかこれは防御なのだろうか。
そんな展開に置いて行かれてただただ言葉無く見ていただけで。
「今君の総てはアルフォニアと同化した」
止めてくれと言うように先ほどまでの傲慢なヘヴェデスから想像もつかない顔で涙を流し鼻水を垂らしてヘヴェデスと言う人格の視線が懇願していた。
周囲の木は俺達から良く見える様に場を広げてくれて、木々の枝で作られた椅子に優美に座るヴォーグはまるで森の王のように見えた。
「アルフォニアの森に足を踏み入れてはいけない。
見聞きする話では精霊アルホルンの庭と言うように解釈できるだろう。
だが実際は?
アルフォニアの森はアルホルンが作り出す絶対支配の領域。
そこに迷い込んだ者がどうなるかなんて生かすも殺すもアルホルン次第。
つまり俺次第だ」
僅かな希望も失い、懇願する声をなくし、そして皮膚が木と同化してアルフォニアの養分となって取り込まれて行ったヘヴェデスの姿はいつの間にか無くなっていた。
とても静かな戦いだった。
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だけど今も振り返らない背中は語っている。
俺を見るなと言うように拒絶された物は、多分俺達が最初に見た驚きが恐怖と言う言葉だという事を知っているからだろう。
森の木々が一本一本どこに行くのかと言うように幻想的に光の粒子となって空気に溶けて行った。
気が付けば木などどこにもなくヴォーグだけが立っていた。
ヘヴェデスの姿もなく彼も空気に溶けたのだろうかと考えていればすぐ隣で影が走った。
全速力でひな壇を駆け下りてヴォーグへとまっすぐ向かう姿に俺達も追いかけようと足を運びだした所でヴォーグの体がぐらりと揺れた。
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