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うちの隊長はあまりの展開に思考が追いついてないようです
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ヴォーグの家では引っ越し作業でにぎわっていた。
幼い男の子のいる夫婦が何やら小さな荷車に乗せた家財を運び込んでいる光景が目に飛び込んだ。
近所の人達も手伝いながら既に近所に迎え入れられた様子を呆然と見ていれば、俺達に気づいたホルガーの知り合いであり、この賃貸のオーナーでもある不動産屋のオーナーが俺達の元にやってきた。
「ホルガーさん、隊長さん、ヴォーグさんから頼まれたとおり隊長さんの家の方に荷物を運んでもらいましたよ」
少しだけ寂しそうな顔をしながら
「だけどオヤジさんが危篤だなんて……
喧嘩して家を飛び出したって言ってたけど、やっぱりオヤジさんの事が心配だったんだねぇ。
これを機にお父さんと和解するって……
そりゃ寂しいけどヴォーグさんもこの家のものすべて投げ出してまで駆けつけて行ったんだ。
間に合えばいいと願ってるがなぁ?」
初めて聞く話と言うか、ヴォーグの嘘に俺達は驚きを通り越して表情が固まってしまった。
「ああ、ヴォーグさんの荷物はちょうど家さがしに来てくれたあの親子にそのまま譲り渡す事になったんだよ。
何でも掃除一つもせず押し付ける形にってそりゃ見てる方が申し訳ない位の顔をしててな。
それにあの親子、ここだけの話な?
何でも駆け落ちらしくあの家を持つにはちょっとお金が足りない人達だけど手に職を持ってるって事で見逃してやったよ。
すごく親子仲が良くって、子供も貧乏な事分かっててちゃんと我慢できる立派に躾けられた子でよ……
ヴォーグさんが掃除もしてなく住んでたままでも構わないならって全部譲ってよ……
先払いしていた向こう5年分の家賃もそのまま継続、ヴォーグさんが借りた時の保証金で何とかならないかって……
そりゃ俺も人の子だ。
今すぐにでも親父さんの元に駆け付けたいヴォーグさんの事を考えれば家を大切に使って補償金丸々返済する所をそのまま譲るって本人が言ってるだろ?
俺からのオヤジさんの見舞いじゃないが、ヴォーグさんの希望で手打にしたよ」
なかなかできる事じゃないよなと感心する不動産屋にアレクは他に荷物が混ざってないか不動産屋を介して新しい住人に紹介してもらい、家の中を見せてもらった。
ヴォーグに凝縮しっぱなしの夫婦は少し躊躇いながらもどうぞと言ってくれた。
アレクはあれだけ親切にしてもらったのにと少々ご立腹のようだが
「旦那、あの人達だって運良く手に入れた物を一つでも手放したくないだけだよ」
生活苦の為に親に身体を売らされていたユハは何不自由なく育ったアレクに価値観の違いを説明するのだったが、判らないままにでも一生懸命考えようとするアレクには正面から考えるべき事だと誰もが口を挟まなかった。
ラグナーの物はヴォーグがちゃんと纏めてくれたようで一つも残ってなかった。
地下食料庫は空っぽで、二階の部屋は手作りのようなベットをもう一台入れて既に新たな家族の寝室と模様替えが終わっていて、ヴォーグの私服などは一切なく、ついこの間まで抱き合って寝ていた名残すらなくなっていた。
キッチンや家具はそのまま残され食器などはいくつか思い出の品なのかなくなっていて、吹き抜けの部屋に干されていた薬草はそのままで……
「おかーさん、何でこの家草が干してあるの?」
「これはね薬草って言うのよ。
要らなかったらギルドで買い取ってもらっても良いって言ってたから、売ったお金でミルクの入った美味しいシチューを作りましょうね?」
「やったー!
じゃあ、ジャガイモも入れてくれる?!」
「ええもちろん!
引っ越しのお祝いにしましょうね?」
マイヤが思わずと言うように何か言い出そうとした手を引っ込めて視線を外した。
俺も同じようにこの家族の暮らしぶりが簡単に想像できて、何も口を出せないまま眺めていれば父親らしき男が荷車に本を積んでいた。
思わずと言うように
「その本をどうするおつもりで?」
何往復もして運ぶ父親の手を掴んでいた。
「ああ、本屋に売ろうかと思ってな。
これだけ本があればこいつを学校に入れてやれる。
俺と妻は文字が読めないから本はいらないが、だからこそ息子には学校に行って文字が読めるようになってもらいたいんだよ。
こんな小さな文字を読める頃まで大切に取っておける自信もないし、この部屋があれば妻の十分な作業場になる。
妻はこう見えても刺繍を刺させたら指折りの名人なんだ」
誇らしげに妻を語る夫は汗をかきながら本をまた運び出そうとして、ラグナーはその肩に手を置いた。
「すまない、その本俺に譲ってもらいたい。
もちろん金は払う」
焦る様に言えば男は少しだけ眉間を寄せて
「さっき質屋のオヤジが様子を見に来たんだが、この本全部で金貨三十枚は下らないと言ってたぞ?」
「だったら四十枚出そう。
ホルガー、悪いがこの荷車を家まで持っていってもらえるか?」
「え、ああ。そりゃかまわねえが……」
男を見ながら答えている合間にもラグナーは収納空間から金貨を四十枚取り出して新たな家主へと渡せば、家主は慌ててポケットに突っ込んで交渉が決まり、俺達は本を運び出すのを手伝うのだった。
「おい、それはラグナーにーちゃんに渡さないといけないんだぞ!」
本を運び出している時に響いた声に振り向けば兄妹の二人が階段の影で何かを引っ張り合いをしていた。
外に出たついでに様子を見れば妹が両手で抱え込むように、奪われないように持っていたのは一冊の本だった。
「どうしたんだ?」
言えば二人は顔色を悪くして
「ごめんなさい!
妹がラグナーにーちゃんの本を……」
兄はそう言えども妹は本を抱え込んで蹲ってしまったのだ。
よほどの宝物だったのだろう。
黙ってぽろぽろと涙を流しながらもよほどその本はお気に入りなのかと思うも見覚えのある一冊。
「ああ、それは……」
荷車に本を置いて妹からするりと本を取り上げれば、妹は途端に大泣きを始めるのだった。
さすがにそれには周囲の大人達も足を止めるも、俺は道路に座り込み、足の上に妹を座らせ、弟を手招きして隣に座らせた。
よく見たヴォーグが本を読み聞かせる光景だった。
妹はぐしぐしと鼻を鳴らしながら泣いていたものの、ヴォーグ手作りのしおりの所から頁をめくる頃には近所のガキ共が集まってきていた。
みんな各々自分のポジションが決まっているのか前に見た景色通りの配置に感心するも、一人取り残された子供がぽつんと立っていた。
どこか羨ましげに、だけどそこに踏み込んでいいのか判らなく立ちすくんでいる子供を見て手招きする。
俺の周りにいた奴らも驚いていたが、俺が呼び寄せるのを躊躇いつつも、受け入れるように場所を作ってくれていた。
子供にも子供なりにどう付き合えばいいのだろうかと思っていたらしい。
そうやって全員が俺と同じように話を聞く体勢に入った所を見て俺はしおりから物語を続けるた。
物語は終盤で魔王クウォールッツによって一人遠くに飛ばされた精霊アルホルンはいつしか魔女と呼ばれ森の中でひっそりと暮していました。
月が巡るのも数えるのを止めた頃、人間の若者と出会いそして熱烈なまでの求婚を受け続けていました。
それは何年にもわたり、若者から青年になった頃、あまりにも一途でけなげな青年を精霊アルホルンはついに応え、青年を受け入れ、愛し合うようになりました。
月日は流れ、青年と二人の子供を産んだ精霊アルホルンはそこで力尽きて命を落としてしまうも、生まれた兄クレルヴォと妹サリーは逞しくそして美しく育っていくのだった。
精霊アルホルンから生まれた男児は立派な青年となり、そして女児は母親を思い出す美しい娘となっていた。
だがやがて魔王の配下は精霊アルホルンが暮した森にもやってきた。
美しい娘は母親と同じく精霊の力を持ち、森の木々に命じて命を守り、父親から剣を学んだ青年は母親の森の木から作った一本の剣で魔族へと立ち向かうのだった。
誰もがそんな木の剣で魔族に立ち向かうなんてと思うも、その木は青年を守る様に、どんな鉄の剣にも勝る太刀筋で魔族に打ち勝ち、激しい戦いの後に平和を取り戻すしのであった。
クレルヴォの側にはやがて人が集まりその時住んでいたバックストロムという平原は何時しか国となって王として平原の平和を守り、サリーは母アルホルンとの約束の通り精霊クウォールッツがいつか必ず迎えに来ると信じて森に残り今も待ち続けているそうです。
「おしまい」
そんな言葉で綴られた物語を終えれば足に座っている少女に本を差だして
「今度は自分で読むんだよ。
その為にはちゃんとお母さんの言う事を聞いて勉強も頑張るんだ」
くしゃりとその小さな頭を撫でながら立ち上がり、いつしか浴びていた注目もなくなっていた。
「ラグナー、準備が出来ました」
「そうか……」
ホルガーは出発しているのか既にいなくなった姿を探しもせずに俺は目を瞑っても家まで帰る事の出来る歩きなれた道を最後にと歩くのだった……
幼い男の子のいる夫婦が何やら小さな荷車に乗せた家財を運び込んでいる光景が目に飛び込んだ。
近所の人達も手伝いながら既に近所に迎え入れられた様子を呆然と見ていれば、俺達に気づいたホルガーの知り合いであり、この賃貸のオーナーでもある不動産屋のオーナーが俺達の元にやってきた。
「ホルガーさん、隊長さん、ヴォーグさんから頼まれたとおり隊長さんの家の方に荷物を運んでもらいましたよ」
少しだけ寂しそうな顔をしながら
「だけどオヤジさんが危篤だなんて……
喧嘩して家を飛び出したって言ってたけど、やっぱりオヤジさんの事が心配だったんだねぇ。
これを機にお父さんと和解するって……
そりゃ寂しいけどヴォーグさんもこの家のものすべて投げ出してまで駆けつけて行ったんだ。
間に合えばいいと願ってるがなぁ?」
初めて聞く話と言うか、ヴォーグの嘘に俺達は驚きを通り越して表情が固まってしまった。
「ああ、ヴォーグさんの荷物はちょうど家さがしに来てくれたあの親子にそのまま譲り渡す事になったんだよ。
何でも掃除一つもせず押し付ける形にってそりゃ見てる方が申し訳ない位の顔をしててな。
それにあの親子、ここだけの話な?
何でも駆け落ちらしくあの家を持つにはちょっとお金が足りない人達だけど手に職を持ってるって事で見逃してやったよ。
すごく親子仲が良くって、子供も貧乏な事分かっててちゃんと我慢できる立派に躾けられた子でよ……
ヴォーグさんが掃除もしてなく住んでたままでも構わないならって全部譲ってよ……
先払いしていた向こう5年分の家賃もそのまま継続、ヴォーグさんが借りた時の保証金で何とかならないかって……
そりゃ俺も人の子だ。
今すぐにでも親父さんの元に駆け付けたいヴォーグさんの事を考えれば家を大切に使って補償金丸々返済する所をそのまま譲るって本人が言ってるだろ?
俺からのオヤジさんの見舞いじゃないが、ヴォーグさんの希望で手打にしたよ」
なかなかできる事じゃないよなと感心する不動産屋にアレクは他に荷物が混ざってないか不動産屋を介して新しい住人に紹介してもらい、家の中を見せてもらった。
ヴォーグに凝縮しっぱなしの夫婦は少し躊躇いながらもどうぞと言ってくれた。
アレクはあれだけ親切にしてもらったのにと少々ご立腹のようだが
「旦那、あの人達だって運良く手に入れた物を一つでも手放したくないだけだよ」
生活苦の為に親に身体を売らされていたユハは何不自由なく育ったアレクに価値観の違いを説明するのだったが、判らないままにでも一生懸命考えようとするアレクには正面から考えるべき事だと誰もが口を挟まなかった。
ラグナーの物はヴォーグがちゃんと纏めてくれたようで一つも残ってなかった。
地下食料庫は空っぽで、二階の部屋は手作りのようなベットをもう一台入れて既に新たな家族の寝室と模様替えが終わっていて、ヴォーグの私服などは一切なく、ついこの間まで抱き合って寝ていた名残すらなくなっていた。
キッチンや家具はそのまま残され食器などはいくつか思い出の品なのかなくなっていて、吹き抜けの部屋に干されていた薬草はそのままで……
「おかーさん、何でこの家草が干してあるの?」
「これはね薬草って言うのよ。
要らなかったらギルドで買い取ってもらっても良いって言ってたから、売ったお金でミルクの入った美味しいシチューを作りましょうね?」
「やったー!
じゃあ、ジャガイモも入れてくれる?!」
「ええもちろん!
引っ越しのお祝いにしましょうね?」
マイヤが思わずと言うように何か言い出そうとした手を引っ込めて視線を外した。
俺も同じようにこの家族の暮らしぶりが簡単に想像できて、何も口を出せないまま眺めていれば父親らしき男が荷車に本を積んでいた。
思わずと言うように
「その本をどうするおつもりで?」
何往復もして運ぶ父親の手を掴んでいた。
「ああ、本屋に売ろうかと思ってな。
これだけ本があればこいつを学校に入れてやれる。
俺と妻は文字が読めないから本はいらないが、だからこそ息子には学校に行って文字が読めるようになってもらいたいんだよ。
こんな小さな文字を読める頃まで大切に取っておける自信もないし、この部屋があれば妻の十分な作業場になる。
妻はこう見えても刺繍を刺させたら指折りの名人なんだ」
誇らしげに妻を語る夫は汗をかきながら本をまた運び出そうとして、ラグナーはその肩に手を置いた。
「すまない、その本俺に譲ってもらいたい。
もちろん金は払う」
焦る様に言えば男は少しだけ眉間を寄せて
「さっき質屋のオヤジが様子を見に来たんだが、この本全部で金貨三十枚は下らないと言ってたぞ?」
「だったら四十枚出そう。
ホルガー、悪いがこの荷車を家まで持っていってもらえるか?」
「え、ああ。そりゃかまわねえが……」
男を見ながら答えている合間にもラグナーは収納空間から金貨を四十枚取り出して新たな家主へと渡せば、家主は慌ててポケットに突っ込んで交渉が決まり、俺達は本を運び出すのを手伝うのだった。
「おい、それはラグナーにーちゃんに渡さないといけないんだぞ!」
本を運び出している時に響いた声に振り向けば兄妹の二人が階段の影で何かを引っ張り合いをしていた。
外に出たついでに様子を見れば妹が両手で抱え込むように、奪われないように持っていたのは一冊の本だった。
「どうしたんだ?」
言えば二人は顔色を悪くして
「ごめんなさい!
妹がラグナーにーちゃんの本を……」
兄はそう言えども妹は本を抱え込んで蹲ってしまったのだ。
よほどの宝物だったのだろう。
黙ってぽろぽろと涙を流しながらもよほどその本はお気に入りなのかと思うも見覚えのある一冊。
「ああ、それは……」
荷車に本を置いて妹からするりと本を取り上げれば、妹は途端に大泣きを始めるのだった。
さすがにそれには周囲の大人達も足を止めるも、俺は道路に座り込み、足の上に妹を座らせ、弟を手招きして隣に座らせた。
よく見たヴォーグが本を読み聞かせる光景だった。
妹はぐしぐしと鼻を鳴らしながら泣いていたものの、ヴォーグ手作りのしおりの所から頁をめくる頃には近所のガキ共が集まってきていた。
みんな各々自分のポジションが決まっているのか前に見た景色通りの配置に感心するも、一人取り残された子供がぽつんと立っていた。
どこか羨ましげに、だけどそこに踏み込んでいいのか判らなく立ちすくんでいる子供を見て手招きする。
俺の周りにいた奴らも驚いていたが、俺が呼び寄せるのを躊躇いつつも、受け入れるように場所を作ってくれていた。
子供にも子供なりにどう付き合えばいいのだろうかと思っていたらしい。
そうやって全員が俺と同じように話を聞く体勢に入った所を見て俺はしおりから物語を続けるた。
物語は終盤で魔王クウォールッツによって一人遠くに飛ばされた精霊アルホルンはいつしか魔女と呼ばれ森の中でひっそりと暮していました。
月が巡るのも数えるのを止めた頃、人間の若者と出会いそして熱烈なまでの求婚を受け続けていました。
それは何年にもわたり、若者から青年になった頃、あまりにも一途でけなげな青年を精霊アルホルンはついに応え、青年を受け入れ、愛し合うようになりました。
月日は流れ、青年と二人の子供を産んだ精霊アルホルンはそこで力尽きて命を落としてしまうも、生まれた兄クレルヴォと妹サリーは逞しくそして美しく育っていくのだった。
精霊アルホルンから生まれた男児は立派な青年となり、そして女児は母親を思い出す美しい娘となっていた。
だがやがて魔王の配下は精霊アルホルンが暮した森にもやってきた。
美しい娘は母親と同じく精霊の力を持ち、森の木々に命じて命を守り、父親から剣を学んだ青年は母親の森の木から作った一本の剣で魔族へと立ち向かうのだった。
誰もがそんな木の剣で魔族に立ち向かうなんてと思うも、その木は青年を守る様に、どんな鉄の剣にも勝る太刀筋で魔族に打ち勝ち、激しい戦いの後に平和を取り戻すしのであった。
クレルヴォの側にはやがて人が集まりその時住んでいたバックストロムという平原は何時しか国となって王として平原の平和を守り、サリーは母アルホルンとの約束の通り精霊クウォールッツがいつか必ず迎えに来ると信じて森に残り今も待ち続けているそうです。
「おしまい」
そんな言葉で綴られた物語を終えれば足に座っている少女に本を差だして
「今度は自分で読むんだよ。
その為にはちゃんとお母さんの言う事を聞いて勉強も頑張るんだ」
くしゃりとその小さな頭を撫でながら立ち上がり、いつしか浴びていた注目もなくなっていた。
「ラグナー、準備が出来ました」
「そうか……」
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