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うちの隊長は団長を敵と認定したようです
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目の前には一本の漆黒の剣。
ヴォーグの愛剣。
傷口よりやや心臓側に剣を置いて、何やら呪文を唱え始める。
口の中で唱える呪文はくぐもってよく聞こえなくて、でもその瞬間五芒星の魔力力場が発生した。
「うわっ!」
「きゃっ!!」
側にいた俺とランダーは強制的にはじき出されるという……
どれだけの強力な魔力なんだと初めて強制的に弾かれた痛みに腕をさすりながらも、ランダーは側に寄ろうとして再び力場に弾き飛ばされてしまった。
難しい魔法は得意ではないが、力場に発生した魔法陣は次々に生まれて行く重にも重なりより複雑な魔法陣に変化していく様子に嫌でも高位魔法である事は理解できる。
「何だ?こんな現象見た事ない……」
アレクでさえ目を疑う光景に誰もが呆然と見ていれば
「一体何事だ!この魔力は一体何なんだ!
シーヴォラ何をやって……!!」
アヴェリオ騎士団長とグロス副団長、そしてカントラ隊長がそろってやって来た。
だけど三人ともヴォーグが魔法を構築しているその光景を見て、これはと呟いたカントラ隊長は大きく目を瞠り
「そんなありえない!
それは失われた魔法だ!!!
発動するわけのない魔法を何故彼が!!!」
カントラ隊長の悲鳴にグロス副団長はいきなりカントラ隊長の腹に当て身を喰らわせて、呻いて蹲るカントラ隊長を足蹴にテントの隅に追いやっていた。
「止めないか!
これだけの大きな欠損を、これでは君もただじゃすまないぞ!」
アヴェリオ騎士団長の叫び声にヴォーグはちらりと後ろを振り向いて、見た事もない位の冷たい瞳で一瞥したかと思えばそのまままたマイヤへと視線を移して手に持っていた剣でマイヤの下半身をひと思いで切り落としていた。
目の前の出来事にランダーは狂ったかのように何度も弾かれようと力場へと突進し、止めろと叫ぶ団長の悲鳴に俺はもう目の前で何が起きているか判らないまま立ちすくみながらその光景を見ていた。
それから眩いくらい目のくらむように目を細めても何も見えないくらいの強い光がテント内を満たせば
まるで子守歌のような旋律が聞こえた。
この国の言葉ではない。
だけど、それは何て優しいんだろうという音が室内を光と共に満たし、なんて温かいんだろうと熱はないはずなのに満たされる何かにうっとりとヴォーグの紡ぐ旋律に耳を傾けていた。
やがて歌の終わりと共に光が収まっていき……
何が起きた?
誰もがきょろきょろと見回す中大量の魔力の消費に喘ぎながら大量の汗を流してベットに手をついて喘いでいるヴォーグの姿が見えた。
剣を片手に持ったまま、まるで騎士の祈りのような姿のままマイヤの傍らに消耗して倒れ込むのを辛うじて耐える姿に血の気が引く。
「ヴォーグ!」
思わずと言うように出た名前と共に手を伸ばそうとしたらそれよりも早く動き出していた影がヴォーグの手を持ち上げて俺よりも大きな体を担ぎ上げていたその反動もあって、薄っすらと瞼が開いた事で少しだけホッとした。
「バカ者が!
そのような高度な魔法を容易く使う物があるか!」
騎士団長アヴェリオの厳しい叱咤だった。
「だが成功した。
あとはちゃんと目を覚ますか……」
「それはカントラに任せろ!
それよりもヴォーグ、お前の回復の方が優先だ!」
「ヴォーグ殿、団長のテントをお借りして休みましょう」
「必要ない」
そう言いながらアヴェリオ騎士団長とグロス騎士団副団長の腕を払いのけて取り出した魔法薬の瓶を一口で呷った。
「万全ではないけどこれで十分だ」
十分と言うように自分の足でしっかりと立つヴォーグにそれでもアヴェリオ騎士団長は顔を真っ赤にして厳しい顔のまま睨みつけていたが、お互いの意見はこのまま平行線のようなのを察し団長はヴォーグを睨みつけたまま
「それで十分なら今現時点を持って任務に戻れ」
「了解いたしました。
副団長、申し訳ないですが毒で汚染されたそれは念入りに焼却処分をしておいてください」
「え?あ、はい?」
そのまま人垣が出来ているテントの入り口を出て行くヴォーグをぼんやりと見送り、今のは何だったんだと頭の中は真っ白のままだった。
ベットに横たわるマイヤの隣に置かれた足は腐り、はらわたのはみ出した女性の下半身とその隣で眠るマイヤは総て全身揃っていて、下半身がむき出しなのが悩ましくそっとカントラ隊長は血まみれの毛布を掛けていた。
「アヴェリオ団長これはありえませんぞ!
失われた欠損部分の、いや下半身の完全回復など聞いた事ありません!
騎士団の書庫には既に失われた魔法としてあるのに彼が使えるとは!何故彼が?!
ぜひ彼を私に!」
「何を言ってるカントラ隊長?」
隊長の俺ですら身のすくむような地を這う凍える声にカントラ隊長は口をピタリと閉ざす。
「彼は私の専属の部下だ。
そう、誰よりも優秀だから私の専属なのだよ。
なぜ備品の管理も部下の指導もいい加減な君の所に渡さねばならんのだ?」
「ですが、彼は貴重な魔法を、あの魔法があればどれだけの人が救えるか……」
「何を言っている?
それこそ君の仕事だ。
薬1つ管理できない君に何故彼を預ける事が出来る?」
アヴェリオ団長は言いながら腰にはいた剣を抜いてぐさりと地面に突きつける。
「君が彼をどう思うか私にはわからないが、彼は私と宮廷騎士団が守るべき価値ある者だ。
君の意見なぞ彼の価値の前には意味をなさん。
さあ、君は彼女の介抱を頼むよ」
そのままテントから出て行けばマイヤの下半身を副団長はシーツに来るんで抱え、そしてそのままでは王都に持ち帰れない遺体を焼くための場所で彼女の下半身は骨も残らないほど焼き尽くされる事になった。
「ラグナー、どうします?」
血の匂いの籠るテント内の中で
「アレク、悪いがホルガーに連絡を。
向こうが引き受けられそうならマイヤを引き取ってもらいたいと」
「承知いたしました」
駆け足で去って行く姿に溜息をつき
「ここはシーヴォラ隊隊長のテントだ。
関係のない者は出て行くように!」
野次馬根性と下半身がどうなってると言わんばかりに興味を持つ男共を追い出して、未だ膝を抱えて涙を流しているランダーは放置し、俺はカントラ隊長に抜身の剣をちらつかせながら
「隊長、悪いが今は俺はものすごく機嫌が悪い。
黙って彼女が引き取られるまで診察と看病を」
そのまま彼が変な事をしないように見守っていればカントラ隊長は脈を取ったり、ヴォーグに斬られた辺りを見たり、新たに作られた足を見たり、反射があるか足を張りで突いてみたりと診察をしていたが、暫くもしないうちに顔を青ざめたホルガーがなだれ込むようにやってきて
「マイヤは?!」
「ヴォーグのおかげで無事だ」
その一言を聞いて膝から崩れ落ちたホルガーに
「詳しくは落ち着いてから話してくれ。こっちもバタバタしててな……」
「らしいな。
後でこちらからも話を聞きに行く事になる」
「すまねえ……
俺が無理にでも付いて行けば……」
「過去の反省は未来に活かせ。
あとヴォーグは何かヤバい事をしたらしいから顔を合わせた時感謝しておけよ」
「ああ、あいつがいろいろとヤバい事は知ってるが今度は何やらかしたんだあいつは……
悪い。ここから先はあいつに聞いてくれ」
「判った」
言いながらまだマイヤを実験体のように触れるカントラ隊長からマイヤを毛布にくるめてホルガーに渡す。
「シーヴォラ隊長、貴重なサンプルを!」
ぎょっとするホルガーに
「カントラ隊長、ここはいつどこから魔物が現れるか判らない場所。
何が起きてもおかしくない場所なのです」
脅迫ともいえる言葉をと剣先を正面からぶつける。
さすがに俺を見て本気な事を理解してかしどろもどろとなり、テントから逃げて行ったが
「悪いな……」
「いや、こっちこそ何か大事になってすまない。
ヴォーグにも迷惑かけたといっといてくれ」
「ああ」
もう行けと言えば部屋に取り残されたランダーを見て
「アレク、ランダーを連れてってくれ。
俺も休みたいし今は一人になりたい……」
俺の声はランダーにも届いているのか、アレクが差し伸べた手を借りて立ち上がってテントを出て行った。
室内を見回せばシーツも毛布もなくなったベットがあり、床は所々血がしたたり落ちた跡が点々としている。
ヴォーグではないが軽く掃除をし、シーツもない簡易ベットにマントを敷いてその上に寝転んだ。
ほんの一時前までここでヴォーグと裸で抱き合って、俺の思いも通じてさあ今からと言う所で全部をまた団長に持っていかれて、思わず枕を投げつければそのままテントの外へと飛んで行ってしまった……
枕ぐらいどうでもいい。
自分の腕を枕にして初めて見るヴォーグを思い出し、あれがヴォーグが躊躇って口に出せなかった事かと思えば納得もいくし、実家から逃げたり名前を変えたりする理由も納得できる。
あの才能を実家は利用しようとしている事ぐらい嫌でも想像できた。
考える事は多いがとりあえずホッとできた一人の空間で横たえた体に瞼は重くなってきて、いつの間にかテントに入って来たアレクに揺り起こされるまで俺は夢も見ずにひたすら深く眠っていたようだった……
ヴォーグの愛剣。
傷口よりやや心臓側に剣を置いて、何やら呪文を唱え始める。
口の中で唱える呪文はくぐもってよく聞こえなくて、でもその瞬間五芒星の魔力力場が発生した。
「うわっ!」
「きゃっ!!」
側にいた俺とランダーは強制的にはじき出されるという……
どれだけの強力な魔力なんだと初めて強制的に弾かれた痛みに腕をさすりながらも、ランダーは側に寄ろうとして再び力場に弾き飛ばされてしまった。
難しい魔法は得意ではないが、力場に発生した魔法陣は次々に生まれて行く重にも重なりより複雑な魔法陣に変化していく様子に嫌でも高位魔法である事は理解できる。
「何だ?こんな現象見た事ない……」
アレクでさえ目を疑う光景に誰もが呆然と見ていれば
「一体何事だ!この魔力は一体何なんだ!
シーヴォラ何をやって……!!」
アヴェリオ騎士団長とグロス副団長、そしてカントラ隊長がそろってやって来た。
だけど三人ともヴォーグが魔法を構築しているその光景を見て、これはと呟いたカントラ隊長は大きく目を瞠り
「そんなありえない!
それは失われた魔法だ!!!
発動するわけのない魔法を何故彼が!!!」
カントラ隊長の悲鳴にグロス副団長はいきなりカントラ隊長の腹に当て身を喰らわせて、呻いて蹲るカントラ隊長を足蹴にテントの隅に追いやっていた。
「止めないか!
これだけの大きな欠損を、これでは君もただじゃすまないぞ!」
アヴェリオ騎士団長の叫び声にヴォーグはちらりと後ろを振り向いて、見た事もない位の冷たい瞳で一瞥したかと思えばそのまままたマイヤへと視線を移して手に持っていた剣でマイヤの下半身をひと思いで切り落としていた。
目の前の出来事にランダーは狂ったかのように何度も弾かれようと力場へと突進し、止めろと叫ぶ団長の悲鳴に俺はもう目の前で何が起きているか判らないまま立ちすくみながらその光景を見ていた。
それから眩いくらい目のくらむように目を細めても何も見えないくらいの強い光がテント内を満たせば
まるで子守歌のような旋律が聞こえた。
この国の言葉ではない。
だけど、それは何て優しいんだろうという音が室内を光と共に満たし、なんて温かいんだろうと熱はないはずなのに満たされる何かにうっとりとヴォーグの紡ぐ旋律に耳を傾けていた。
やがて歌の終わりと共に光が収まっていき……
何が起きた?
誰もがきょろきょろと見回す中大量の魔力の消費に喘ぎながら大量の汗を流してベットに手をついて喘いでいるヴォーグの姿が見えた。
剣を片手に持ったまま、まるで騎士の祈りのような姿のままマイヤの傍らに消耗して倒れ込むのを辛うじて耐える姿に血の気が引く。
「ヴォーグ!」
思わずと言うように出た名前と共に手を伸ばそうとしたらそれよりも早く動き出していた影がヴォーグの手を持ち上げて俺よりも大きな体を担ぎ上げていたその反動もあって、薄っすらと瞼が開いた事で少しだけホッとした。
「バカ者が!
そのような高度な魔法を容易く使う物があるか!」
騎士団長アヴェリオの厳しい叱咤だった。
「だが成功した。
あとはちゃんと目を覚ますか……」
「それはカントラに任せろ!
それよりもヴォーグ、お前の回復の方が優先だ!」
「ヴォーグ殿、団長のテントをお借りして休みましょう」
「必要ない」
そう言いながらアヴェリオ騎士団長とグロス騎士団副団長の腕を払いのけて取り出した魔法薬の瓶を一口で呷った。
「万全ではないけどこれで十分だ」
十分と言うように自分の足でしっかりと立つヴォーグにそれでもアヴェリオ騎士団長は顔を真っ赤にして厳しい顔のまま睨みつけていたが、お互いの意見はこのまま平行線のようなのを察し団長はヴォーグを睨みつけたまま
「それで十分なら今現時点を持って任務に戻れ」
「了解いたしました。
副団長、申し訳ないですが毒で汚染されたそれは念入りに焼却処分をしておいてください」
「え?あ、はい?」
そのまま人垣が出来ているテントの入り口を出て行くヴォーグをぼんやりと見送り、今のは何だったんだと頭の中は真っ白のままだった。
ベットに横たわるマイヤの隣に置かれた足は腐り、はらわたのはみ出した女性の下半身とその隣で眠るマイヤは総て全身揃っていて、下半身がむき出しなのが悩ましくそっとカントラ隊長は血まみれの毛布を掛けていた。
「アヴェリオ団長これはありえませんぞ!
失われた欠損部分の、いや下半身の完全回復など聞いた事ありません!
騎士団の書庫には既に失われた魔法としてあるのに彼が使えるとは!何故彼が?!
ぜひ彼を私に!」
「何を言ってるカントラ隊長?」
隊長の俺ですら身のすくむような地を這う凍える声にカントラ隊長は口をピタリと閉ざす。
「彼は私の専属の部下だ。
そう、誰よりも優秀だから私の専属なのだよ。
なぜ備品の管理も部下の指導もいい加減な君の所に渡さねばならんのだ?」
「ですが、彼は貴重な魔法を、あの魔法があればどれだけの人が救えるか……」
「何を言っている?
それこそ君の仕事だ。
薬1つ管理できない君に何故彼を預ける事が出来る?」
アヴェリオ団長は言いながら腰にはいた剣を抜いてぐさりと地面に突きつける。
「君が彼をどう思うか私にはわからないが、彼は私と宮廷騎士団が守るべき価値ある者だ。
君の意見なぞ彼の価値の前には意味をなさん。
さあ、君は彼女の介抱を頼むよ」
そのままテントから出て行けばマイヤの下半身を副団長はシーツに来るんで抱え、そしてそのままでは王都に持ち帰れない遺体を焼くための場所で彼女の下半身は骨も残らないほど焼き尽くされる事になった。
「ラグナー、どうします?」
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「アレク、悪いがホルガーに連絡を。
向こうが引き受けられそうならマイヤを引き取ってもらいたいと」
「承知いたしました」
駆け足で去って行く姿に溜息をつき
「ここはシーヴォラ隊隊長のテントだ。
関係のない者は出て行くように!」
野次馬根性と下半身がどうなってると言わんばかりに興味を持つ男共を追い出して、未だ膝を抱えて涙を流しているランダーは放置し、俺はカントラ隊長に抜身の剣をちらつかせながら
「隊長、悪いが今は俺はものすごく機嫌が悪い。
黙って彼女が引き取られるまで診察と看病を」
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「マイヤは?!」
「ヴォーグのおかげで無事だ」
その一言を聞いて膝から崩れ落ちたホルガーに
「詳しくは落ち着いてから話してくれ。こっちもバタバタしててな……」
「らしいな。
後でこちらからも話を聞きに行く事になる」
「すまねえ……
俺が無理にでも付いて行けば……」
「過去の反省は未来に活かせ。
あとヴォーグは何かヤバい事をしたらしいから顔を合わせた時感謝しておけよ」
「ああ、あいつがいろいろとヤバい事は知ってるが今度は何やらかしたんだあいつは……
悪い。ここから先はあいつに聞いてくれ」
「判った」
言いながらまだマイヤを実験体のように触れるカントラ隊長からマイヤを毛布にくるめてホルガーに渡す。
「シーヴォラ隊長、貴重なサンプルを!」
ぎょっとするホルガーに
「カントラ隊長、ここはいつどこから魔物が現れるか判らない場所。
何が起きてもおかしくない場所なのです」
脅迫ともいえる言葉をと剣先を正面からぶつける。
さすがに俺を見て本気な事を理解してかしどろもどろとなり、テントから逃げて行ったが
「悪いな……」
「いや、こっちこそ何か大事になってすまない。
ヴォーグにも迷惑かけたといっといてくれ」
「ああ」
もう行けと言えば部屋に取り残されたランダーを見て
「アレク、ランダーを連れてってくれ。
俺も休みたいし今は一人になりたい……」
俺の声はランダーにも届いているのか、アレクが差し伸べた手を借りて立ち上がってテントを出て行った。
室内を見回せばシーツも毛布もなくなったベットがあり、床は所々血がしたたり落ちた跡が点々としている。
ヴォーグではないが軽く掃除をし、シーツもない簡易ベットにマントを敷いてその上に寝転んだ。
ほんの一時前までここでヴォーグと裸で抱き合って、俺の思いも通じてさあ今からと言う所で全部をまた団長に持っていかれて、思わず枕を投げつければそのままテントの外へと飛んで行ってしまった……
枕ぐらいどうでもいい。
自分の腕を枕にして初めて見るヴォーグを思い出し、あれがヴォーグが躊躇って口に出せなかった事かと思えば納得もいくし、実家から逃げたり名前を変えたりする理由も納得できる。
あの才能を実家は利用しようとしている事ぐらい嫌でも想像できた。
考える事は多いがとりあえずホッとできた一人の空間で横たえた体に瞼は重くなってきて、いつの間にかテントに入って来たアレクに揺り起こされるまで俺は夢も見ずにひたすら深く眠っていたようだった……
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