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うちの隊長は嫉妬していたようです
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一人森に入ればたった一人の人間に魔物はわんさかと現れた。
剣を構えて脳裏に浮かぶ動きをトレースする。
俊足のヴィヴィユーを剣一本で確実に仕留めるこの国きっての最高ランクの動きを。
豪快で繊細な動きを持つ太刀筋は子供から大人まで憧れる栄光をもぎ取って来た事で証明されているが、俺が求めるのはそれではない。
たった一度見ただけの剣。
この国最高峰に剣術は勝てないと言わせた物。
太刀筋が俺の目でも追えなくて、思い出すだけで冷や汗の出るヴォーグの剣技。
どうすればあのような動きが出来るのか、そしてあのようにコントロール出来るのか。
強いなんて物じゃないあの剣に守られて以来脳裏にこびりついた感情は嫉妬。
だけどそれと同時に生まれた羨望と言う厄介な感情。
二つ併せ持つと厄介な物に生まれ変わった物だと溜息を零す。
今も魔物を二体屠ってはみた物のあの時見た動きや太刀筋からは無駄が多く見苦しい結果。
別に真似なくてもいいのだろうが、それでも構え一つとってもあの柔軟さは俺にはまねが出来ない。
それでも上が居ると言うのだから世の中広いよなと再度現れた魔物を屠った所で目標にしていた数を倒した事で拠点へと足を向けるのだった。
うろうろと彷徨ってアトラ小隊長の方向感覚を誤魔化したここから目と鼻の先の拠点へとアレクに向かうように指示はしたからとっくに無事着いてるだろうと信じている。
根拠は別れてからそこまで森が騒いでいないから。
先日ヴォーグに森に連れて行ってもらった時に耳を澄ませて神経をとがらせていればその内どこに魔物が居るのか僅かな殺気を感じ取れるようになる。感じ取れるようになったらどんどん感覚を広げる様に、木の枝が広がる様に手足を伸ばす感覚と視界も広げるようなイメージを学ぶと良いと言った。
『それは決して神経をとがらせるという意味ではないんだ。
神経をとがらせるという行為は殺気を振りまくという行為にも類似している。
魔物達はそう言った事に酷く敏感だから怯えさせて警戒させてしまい、戦う事になってしまう。
だからなるべく神経を逆なでしない方法で、そうだね。
俺に教えてくれた師匠は空から全体を眺める様にって俺も未だによくわからない方法を教えてくれたんだ』
けど気が付いたらなんとなく意識が広がるような感覚を理解したと言って笑ったヴォーグの助言を信じて挑戦してみるも今だその感覚は分からず。
魔族達に出会うまでにスキルを習得しておきたいなと思っての単独行動だが如何せん。
やはり一昼夜では身に付かない技術に拠点に帰る事にしたのだ。
「ですが、やはり隊長ともあろう方が単独行動は感心しませんね」
拠点に戻って顔を合わせた途端開口一番にグロス副団長は苦笑紛れに言うのだった。
「申し訳ありません。
別れた場所からなら私が居なくても物の数分でたどり着ける場所へと誘導していたので問題ないと判断しました」
「ええ、そうでしょう。貴方なら的確な判断を出せるのでしょう。
ですが初めての実戦訓練にアトラ小隊長の取り乱し方を見れば一言言わないと可哀想な状況なのですよ?」
言ってカントラ隊のテントへと案内されればアトラ小隊長以下一緒に行動していた連中がカントラ隊長にしがみつくようにして泣いていた。
カントラ隊長も困ったように、そして任せていたアレクも困ったような顔で俺とグロス副団長にすがるような目で見つめてきた。
俺はテントの低い天井を見上げながら
「カントラ隊長、これは貴方の責任です。
何でこの長期間アルホルンに滞在していて未だ箱入り娘状態なのか俺の方こそ説明が欲しいです」
うちの隊の人間じゃないのできっぱりと言ってやった。
「貴族の子息令嬢だからという理由にはなりませんよ。
あのむかつく団長だって立派な貴族で彼らと同じ独身なのです。
違いは年齢と数年の在籍の期間の差ぐらい」
「シーヴォラ隊長、いくら真実でもほどほどに」
グロス副団長の待てに俺は少し間を置き
「カントラ隊長も知っての通り我らの任務は魔法薬は与えられますが貴方方医療班を割り当てられた事はありません。
なのでそれなりに自分達で治癒魔法を覚えて今まで何とかしてやってきました。
なのにこの貴重な実践が出来る場で今まで一度も戦闘に出さず、そして今更この窮地になってようやく訓練なんて……
その場しのぎで恐怖は克服できる物ではありません。
ましてやごらんの通り。
守ってもらう事が当たり前前提の戦闘医療班は邪魔で仕方がありません。
今回はアトラ小隊長以下の戦場に置いての覚悟の無さをしっかりと学ぶ場をお望み通り提供して学習してもらいました。
明日も連れて行こうとは思ってますが、覚悟がないのなら今すぐ荷物を纏めて王都へお帰り下さい。
貴重な食料や備品の無駄遣いになりますので」
「シーヴォラ隊長、いかに真実でももう少し言葉を選ぶのが隊長と言う身分ですよ」
グロス副団長にもうちょっと隊長の立場なら言葉回しを学びなさいとの指摘だけにとどまる注意にカントラ隊長も深く頭を下げて
「申し訳ありません」
と頭を下げて一言だけの謝罪。
そしてアトラ小隊長はこの様子を目の前で黙って眺めた後、ぐすぐすと鼻を鳴らしながらみっともない顔を曝して
「申し訳ありませんでした。
初めての事に取り乱してご迷惑おかけしました。
グロス副団長の取り計らいでシーヴォラ隊長の下で貴重な体験が出来る期会をふいにしてしまいました。
明日もぜひ学ばせてください」
アトラ小隊長の頭を下げての謝罪ともう一度チャンスが欲しいとの願いはそれに続く部下達も同様かは判らないがそろって頭を下げる様子にアトラ小隊長が信頼に足りる人物だと言うのは判るがそれはカントラ隊長指揮下の後方の一番安全な場所での話なので俺は全く信じてない。
だが俺にだって隊長としての矜持ぐらいはある。挑発して頭を下げさせたのだ。この結果に責任は持つつもりだ。
「わかった。明日は日の出と共にここを出発する。
それまでに準備を。
明日こそシーヴォラ隊の一員として仲間として、シーヴォラ隊を信じて泣き言を言わずについて来い」
「……っ、はい!」
あまりのいい返事に思わず声を殺して鼻で笑ってしまう。
きっと今までここまで叱られた事がなかったのだろう。
恥とも未熟とも言われるような事もなかったのだろう。
そして何よりこんな風に迎え入れられる経験もなかったのだろう。
配属されたカントラ隊で当たり前の様に何不自由なくここまで来てしまった男の顔は何を勘違いしてか何処か晴れやかとしていて……
「カントラ隊長、帰ったら奢って下さいよ」
「何の事だ?」
「貴方の可愛い部下が無事貴方の下に再び帰ってくるお祝いです」
そこまで言えば言い逃れは出来んかと言わんばかりに肩をすくめて去って行く後姿を見送った所でランダーが食事の準備が出来たと教えてくれた。
そこで俺はアトラ小隊を親睦の為にも食事の時間も共にするように言った。
「皆も知っての通りこのアルホルンの森の状態は酷く悪い。
因って今から最後の悪あがきで治癒能力を上げて行くぞ」
「「「はい!!!」」」
一斉の返事に一緒に食事をしていたグロス副団長も俺達と食事を終えた後荷物を持って今夜から合流する事にしたアトラ小隊もぎょっとした顔をする。
「シーヴォラ隊長悪あがきとは?」
冷や汗交じりのグロス副団長に
「今ちょうどこの付近には治癒能力を上げる為の素材がいっぱい転がっています。
日付が変わるくらいまで治癒行為を続けて行けば朝までには回復するでしょう。
魔力の増大も狙ってますが、あまり時間はないので本当に経験積みの悪あがきですよ」
「クラウゼ副隊長、貴方達の隊はいつもこのような事を?」
「まぁ、わりと良くありますね……」
これが普通じゃない事ぐらいよく理解しているアレクは俺からそっぽを向くようにでも否定せずにうちでは普通の事ですと説明してくれた。
出来た副隊長を持つ俺は幸せ者だと思う事にして置いた。
剣を構えて脳裏に浮かぶ動きをトレースする。
俊足のヴィヴィユーを剣一本で確実に仕留めるこの国きっての最高ランクの動きを。
豪快で繊細な動きを持つ太刀筋は子供から大人まで憧れる栄光をもぎ取って来た事で証明されているが、俺が求めるのはそれではない。
たった一度見ただけの剣。
この国最高峰に剣術は勝てないと言わせた物。
太刀筋が俺の目でも追えなくて、思い出すだけで冷や汗の出るヴォーグの剣技。
どうすればあのような動きが出来るのか、そしてあのようにコントロール出来るのか。
強いなんて物じゃないあの剣に守られて以来脳裏にこびりついた感情は嫉妬。
だけどそれと同時に生まれた羨望と言う厄介な感情。
二つ併せ持つと厄介な物に生まれ変わった物だと溜息を零す。
今も魔物を二体屠ってはみた物のあの時見た動きや太刀筋からは無駄が多く見苦しい結果。
別に真似なくてもいいのだろうが、それでも構え一つとってもあの柔軟さは俺にはまねが出来ない。
それでも上が居ると言うのだから世の中広いよなと再度現れた魔物を屠った所で目標にしていた数を倒した事で拠点へと足を向けるのだった。
うろうろと彷徨ってアトラ小隊長の方向感覚を誤魔化したここから目と鼻の先の拠点へとアレクに向かうように指示はしたからとっくに無事着いてるだろうと信じている。
根拠は別れてからそこまで森が騒いでいないから。
先日ヴォーグに森に連れて行ってもらった時に耳を澄ませて神経をとがらせていればその内どこに魔物が居るのか僅かな殺気を感じ取れるようになる。感じ取れるようになったらどんどん感覚を広げる様に、木の枝が広がる様に手足を伸ばす感覚と視界も広げるようなイメージを学ぶと良いと言った。
『それは決して神経をとがらせるという意味ではないんだ。
神経をとがらせるという行為は殺気を振りまくという行為にも類似している。
魔物達はそう言った事に酷く敏感だから怯えさせて警戒させてしまい、戦う事になってしまう。
だからなるべく神経を逆なでしない方法で、そうだね。
俺に教えてくれた師匠は空から全体を眺める様にって俺も未だによくわからない方法を教えてくれたんだ』
けど気が付いたらなんとなく意識が広がるような感覚を理解したと言って笑ったヴォーグの助言を信じて挑戦してみるも今だその感覚は分からず。
魔族達に出会うまでにスキルを習得しておきたいなと思っての単独行動だが如何せん。
やはり一昼夜では身に付かない技術に拠点に帰る事にしたのだ。
「ですが、やはり隊長ともあろう方が単独行動は感心しませんね」
拠点に戻って顔を合わせた途端開口一番にグロス副団長は苦笑紛れに言うのだった。
「申し訳ありません。
別れた場所からなら私が居なくても物の数分でたどり着ける場所へと誘導していたので問題ないと判断しました」
「ええ、そうでしょう。貴方なら的確な判断を出せるのでしょう。
ですが初めての実戦訓練にアトラ小隊長の取り乱し方を見れば一言言わないと可哀想な状況なのですよ?」
言ってカントラ隊のテントへと案内されればアトラ小隊長以下一緒に行動していた連中がカントラ隊長にしがみつくようにして泣いていた。
カントラ隊長も困ったように、そして任せていたアレクも困ったような顔で俺とグロス副団長にすがるような目で見つめてきた。
俺はテントの低い天井を見上げながら
「カントラ隊長、これは貴方の責任です。
何でこの長期間アルホルンに滞在していて未だ箱入り娘状態なのか俺の方こそ説明が欲しいです」
うちの隊の人間じゃないのできっぱりと言ってやった。
「貴族の子息令嬢だからという理由にはなりませんよ。
あのむかつく団長だって立派な貴族で彼らと同じ独身なのです。
違いは年齢と数年の在籍の期間の差ぐらい」
「シーヴォラ隊長、いくら真実でもほどほどに」
グロス副団長の待てに俺は少し間を置き
「カントラ隊長も知っての通り我らの任務は魔法薬は与えられますが貴方方医療班を割り当てられた事はありません。
なのでそれなりに自分達で治癒魔法を覚えて今まで何とかしてやってきました。
なのにこの貴重な実践が出来る場で今まで一度も戦闘に出さず、そして今更この窮地になってようやく訓練なんて……
その場しのぎで恐怖は克服できる物ではありません。
ましてやごらんの通り。
守ってもらう事が当たり前前提の戦闘医療班は邪魔で仕方がありません。
今回はアトラ小隊長以下の戦場に置いての覚悟の無さをしっかりと学ぶ場をお望み通り提供して学習してもらいました。
明日も連れて行こうとは思ってますが、覚悟がないのなら今すぐ荷物を纏めて王都へお帰り下さい。
貴重な食料や備品の無駄遣いになりますので」
「シーヴォラ隊長、いかに真実でももう少し言葉を選ぶのが隊長と言う身分ですよ」
グロス副団長にもうちょっと隊長の立場なら言葉回しを学びなさいとの指摘だけにとどまる注意にカントラ隊長も深く頭を下げて
「申し訳ありません」
と頭を下げて一言だけの謝罪。
そしてアトラ小隊長はこの様子を目の前で黙って眺めた後、ぐすぐすと鼻を鳴らしながらみっともない顔を曝して
「申し訳ありませんでした。
初めての事に取り乱してご迷惑おかけしました。
グロス副団長の取り計らいでシーヴォラ隊長の下で貴重な体験が出来る期会をふいにしてしまいました。
明日もぜひ学ばせてください」
アトラ小隊長の頭を下げての謝罪ともう一度チャンスが欲しいとの願いはそれに続く部下達も同様かは判らないがそろって頭を下げる様子にアトラ小隊長が信頼に足りる人物だと言うのは判るがそれはカントラ隊長指揮下の後方の一番安全な場所での話なので俺は全く信じてない。
だが俺にだって隊長としての矜持ぐらいはある。挑発して頭を下げさせたのだ。この結果に責任は持つつもりだ。
「わかった。明日は日の出と共にここを出発する。
それまでに準備を。
明日こそシーヴォラ隊の一員として仲間として、シーヴォラ隊を信じて泣き言を言わずについて来い」
「……っ、はい!」
あまりのいい返事に思わず声を殺して鼻で笑ってしまう。
きっと今までここまで叱られた事がなかったのだろう。
恥とも未熟とも言われるような事もなかったのだろう。
そして何よりこんな風に迎え入れられる経験もなかったのだろう。
配属されたカントラ隊で当たり前の様に何不自由なくここまで来てしまった男の顔は何を勘違いしてか何処か晴れやかとしていて……
「カントラ隊長、帰ったら奢って下さいよ」
「何の事だ?」
「貴方の可愛い部下が無事貴方の下に再び帰ってくるお祝いです」
そこまで言えば言い逃れは出来んかと言わんばかりに肩をすくめて去って行く後姿を見送った所でランダーが食事の準備が出来たと教えてくれた。
そこで俺はアトラ小隊を親睦の為にも食事の時間も共にするように言った。
「皆も知っての通りこのアルホルンの森の状態は酷く悪い。
因って今から最後の悪あがきで治癒能力を上げて行くぞ」
「「「はい!!!」」」
一斉の返事に一緒に食事をしていたグロス副団長も俺達と食事を終えた後荷物を持って今夜から合流する事にしたアトラ小隊もぎょっとした顔をする。
「シーヴォラ隊長悪あがきとは?」
冷や汗交じりのグロス副団長に
「今ちょうどこの付近には治癒能力を上げる為の素材がいっぱい転がっています。
日付が変わるくらいまで治癒行為を続けて行けば朝までには回復するでしょう。
魔力の増大も狙ってますが、あまり時間はないので本当に経験積みの悪あがきですよ」
「クラウゼ副隊長、貴方達の隊はいつもこのような事を?」
「まぁ、わりと良くありますね……」
これが普通じゃない事ぐらいよく理解しているアレクは俺からそっぽを向くようにでも否定せずにうちでは普通の事ですと説明してくれた。
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