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うちの隊長は何やら餌付けされているようです
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森の中のような濃い緑の匂い。
思わず懐かしさに目を瞑る。
生まれ育った土地の匂いに心が少し懐かしさを訴えた。
冷たいどこか埃っぽい風の吹く中から案内された暖かな室内を見回せば柔らかな魔石の明かりが四方の壁で輝いており、吹き抜けの天井には緑の魔法使いに相応しく魔草だろう物が吊りさげられていてどこかほっとするこの匂いはそれかと理解した所で
「へー、外から見たよりは広いアパートだな」
「はい。ギルドの仕事をしている時に古い空き家でよければって格安でお借りする事が出来ましたが良く家が判りましたね」
「これでも隊長だから部下の家の住所位簡単に把握できるぞ?」
「ははは……とりあえずお茶でもどうぞ」
そう言って案内されたのはキッチンとダイニングが併用した部屋だった。
何かを煮ているのか大き目の鍋から湯気が立ち上り、他にも小さいなべやフライパンが所狭しと並べてあった。
「へー、自炊してるのか?」
魔石に込められた魔力でコンロに火を点けてケトルを置く慣れた手順に感心する。
「それもありますが、俺の目標の方の物がメイン何で」
「ああ、緑の魔法使いか。
じゃあ今作ってるのも何か魔法薬的な何か?」
「はい。これはポーションですよ。出来たてなんですが試飲します?」
「ポーションに試飲なんてあるのか?」
「一日の疲れが軽減するぐらいにはなりますよ」
言いながら小さなカップに入れた物を出してくれた。
薄い透明な緑色の液体は爽やかな香りと共に室内に広がる。
「なんか熱いポーションって言うのも新鮮って言うか、普通もっと色って濃くないか?」
「ギルドや商店で売っている物はこれを一息で飲めるぐらいに煮詰めて濃縮した物になります。
このコップ一杯分が普通に売られているポーションサイズ分まで煮詰めるとあんな色になりますね」
へー、と初めて聞く話に耳を傾けながら爽やかなかんきつ系の香りのするポーションを一口息を吹き付けながら舐める様に口をつけて目を瞠る。
「これ、美味いな……」
驚きに思わず口に付いた言葉と共にまた息を吹き付けながらゆっくりと口に含んで舌の上で極上のワインのように味わい、ゆっくりと喉の奥へと流し込む。
こくり、体に沁み渡る様にその熱が身体へと広がってそっと満足げに溜息を零してしまった。
「俺の知ってるポーションの味と違うが、作り手ごとに味は変る物か?」
大体どこで買っても似たような味なのに、美味しいと思うのは初めてで驚いてしまう。
「これを煮詰めて冷まして、数日放置すれば他のポーションと同じような味になりますよ。
味の変化はこの味を三分の一まで濃縮して煮詰める事で渋みが増して、時間が経つにつれて酸化する事によってえぐみが増すと言う変化になります」
言いながらハーブティーのような爽やかな酸味のある味わいを堪能しながら
「そういや、まるで誰かが来るのが判っていたかのように扉を開けたが、俺が居ても大丈夫なのか?」
さすがに女関連まで調査はしてなかったのでどのような私生活なのかここに来てしまったなと思う物の
「ギルドの時にお世話になってる方が来るんですよ。
月に一度か二月に一度の割合で採取の護衛の仕事を依頼しています。
その関係で報酬がお金ではなく俺が作ったポーションなのですが、さすがに作ってから長い事放置された物を渡すわけにはいかないので必要な時に前もって連絡を貰って用意してます。
ここのところ中々帰れなくって連絡の確認し忘れていたら今日受け取りたいって書いてあったので今急いで作ってる所なんです」
「それはすまないと思ってる……
って言うか間に合うのか?」
「すぐには手渡せませんがあと一時間ほど煮詰めればちょうど約束の時間なので完成するので問題はないかとおもいます」
そう言う割には空笑いが虚しく室内に響くが合えて気付かないふりをして置いた。
「そう言えば隊長は何でうちに?」
「ん?まあ、せっかく結婚した相手の私生活を覗きに?」
深い意味はない、ただ綺麗なあの字を書くヴォーグの普段がどんな生活かちょっと気になった程度で覗きに来た程度なのだ。
こんな事はアレクにも部下にもした事はないが、まあ結婚相手への好奇心と言う事で許してもらおう。
「覗きに来ても大して面白い物なんてありませんよ」
くつくつと笑いながら鍋を長細い棒で鍋をかき回すヴォーグに
「そうか?充分面白いぞ。
特に緑の魔法使いの仕事中に遭遇できるとか、ポーションが意外と美味いとか驚きの連続だ」
「そう言ってもらえるとちょっと安心しますね。
そうだ、夕食がまだでしたら何か召し上がりますか?俺の夕食の残りになりますが」
「軽く食べた程度だが、ちなみに今夜のメニューは?」
「鶏肉の香草焼きとジャガイモのポタージュです」
「悪いが頂きたい。
エールとナッツとチーズだけだからな」
「隊長さんなのにそれじゃあ体が持ちませんよ」
「この程度で持たないような体作りはしてない。
寝れないのも食事が出来ないのも訓練の内だ。何てことない」
「でもおなかはすいていたのですね?」
言いながらパンまで温めて出してくれた。
「まだまだ食べ盛りな物で」
笑いながらポタージュを口へと運べば丁寧に裏ごししたジャガイモの滑らかさとバターの香りにパンが進み、先に一口大に切って出してくれた香草焼きの香りのよさにここにこそエールがあれば完璧だと思ってしまう。
きっとそんな事が顔に出ていたのだろう。
「ワインならありますよ?」
そう言って持って来たものは一般家庭でもちょっとお金を出せば購入する事の出来る小さな樽ワインだった。
「結構イケる口か?」
「実はワインの蔵元の帳簿の仕事の謝礼なんです。
依頼料の報酬がお金ではなくワインでしたので」
「それはそれで美味しいな?」
「現金が欲しかったころなので結構な痛手でしたが、最悪ワインを売り払えばと考えていたのにせっかくだからと一口飲んだら売り払うのがもったいなくなってしまいまして」
言いながらテーブルワインですがと言って差し出してくれた。
まぁ、ワインも嫌いじゃないしと思って香りを楽しんでから一口口へとゆっくり含む。
思わず小首を傾げてパンを食べて口の中の香草焼きの香り事呑み込んでからもう一度ワインへと口をつける。
「俺はワインは詳しい事は判らないがこれはテーブルワインっていう程度の代物ではないんじゃないか?」
「やっぱりそう思います?
帳簿の仕事と他にもいろいろついでに手伝ったおかげでテーブルワインがグレードアップした物だと思います。
聞こうにも依頼が終わってしまった後だし、先日お会いした時に訪ねてもそれだけの仕事をしたんだとしかおっしゃらないのでそう言う物だと思うようにしてます」
「あまりワインは得意じゃないんだが、これだけ美味いとワイン好きの奴らの言い分も納得できるな」
「よかったらまだ樽があるので持ち帰りますか?」
「……」
「さすがに多いですか?」
あははと笑うヴォーグに違うと断って
「噂で耳にした事ぐらいあると思うが、俺の財産管理とかいろいろな事をアレクの家の実家の家令に頼んでいるんだが?」
知ってるかと聞けば少し躊躇った後に「はい」と頷くのを見て話しを進める。
「まぁ、俺の都合で無理やりの結婚に付き合わせてもらったからな、その事で色々と書類に認めたいと言われて一度クラウゼ家の屋敷でアレクのオヤジさんを交えて話をしなくてはならないといけない事になった。
なんせクラウゼ伯爵家にいろいろかばってもらう身の騎士爵だ。
挨拶と紹介も兼ねて三日後辺りに調節しているが?」
「三日後でしたら大丈夫です」
「悪いが付き合ってもらいたい。
その時にだ。
手土産でそのワインの樽を持っていけばいいと思う。
執事に預けりゃそのワインの銘柄位教えてくれるかもしれんぞ?」
「飲み終わったら買いに行く時に役に立ちますね」
これでやっと一樽消化できると拳を突き上げるヴォーグに一体何樽貰ったのか聞けば地下食料庫に招かれて見せてくれた。
ずらりと並べられたのは壁横一列ほど。
どれだけ感謝されたのかは痛いほどよくわかり
「やっぱり俺も一樽貰っても良いか?」
「いくらでもどうぞ」
現物を見て態度を変える俺に苦笑するヴォーグが不意に顔を上げる。
「やっと来たか」
パタパタと階段を上がって出迎えに行く後姿を追うように着いて行けばそこにはすでに出迎えて家の中に入っている五人の男女が居た。
思わず懐かしさに目を瞑る。
生まれ育った土地の匂いに心が少し懐かしさを訴えた。
冷たいどこか埃っぽい風の吹く中から案内された暖かな室内を見回せば柔らかな魔石の明かりが四方の壁で輝いており、吹き抜けの天井には緑の魔法使いに相応しく魔草だろう物が吊りさげられていてどこかほっとするこの匂いはそれかと理解した所で
「へー、外から見たよりは広いアパートだな」
「はい。ギルドの仕事をしている時に古い空き家でよければって格安でお借りする事が出来ましたが良く家が判りましたね」
「これでも隊長だから部下の家の住所位簡単に把握できるぞ?」
「ははは……とりあえずお茶でもどうぞ」
そう言って案内されたのはキッチンとダイニングが併用した部屋だった。
何かを煮ているのか大き目の鍋から湯気が立ち上り、他にも小さいなべやフライパンが所狭しと並べてあった。
「へー、自炊してるのか?」
魔石に込められた魔力でコンロに火を点けてケトルを置く慣れた手順に感心する。
「それもありますが、俺の目標の方の物がメイン何で」
「ああ、緑の魔法使いか。
じゃあ今作ってるのも何か魔法薬的な何か?」
「はい。これはポーションですよ。出来たてなんですが試飲します?」
「ポーションに試飲なんてあるのか?」
「一日の疲れが軽減するぐらいにはなりますよ」
言いながら小さなカップに入れた物を出してくれた。
薄い透明な緑色の液体は爽やかな香りと共に室内に広がる。
「なんか熱いポーションって言うのも新鮮って言うか、普通もっと色って濃くないか?」
「ギルドや商店で売っている物はこれを一息で飲めるぐらいに煮詰めて濃縮した物になります。
このコップ一杯分が普通に売られているポーションサイズ分まで煮詰めるとあんな色になりますね」
へー、と初めて聞く話に耳を傾けながら爽やかなかんきつ系の香りのするポーションを一口息を吹き付けながら舐める様に口をつけて目を瞠る。
「これ、美味いな……」
驚きに思わず口に付いた言葉と共にまた息を吹き付けながらゆっくりと口に含んで舌の上で極上のワインのように味わい、ゆっくりと喉の奥へと流し込む。
こくり、体に沁み渡る様にその熱が身体へと広がってそっと満足げに溜息を零してしまった。
「俺の知ってるポーションの味と違うが、作り手ごとに味は変る物か?」
大体どこで買っても似たような味なのに、美味しいと思うのは初めてで驚いてしまう。
「これを煮詰めて冷まして、数日放置すれば他のポーションと同じような味になりますよ。
味の変化はこの味を三分の一まで濃縮して煮詰める事で渋みが増して、時間が経つにつれて酸化する事によってえぐみが増すと言う変化になります」
言いながらハーブティーのような爽やかな酸味のある味わいを堪能しながら
「そういや、まるで誰かが来るのが判っていたかのように扉を開けたが、俺が居ても大丈夫なのか?」
さすがに女関連まで調査はしてなかったのでどのような私生活なのかここに来てしまったなと思う物の
「ギルドの時にお世話になってる方が来るんですよ。
月に一度か二月に一度の割合で採取の護衛の仕事を依頼しています。
その関係で報酬がお金ではなく俺が作ったポーションなのですが、さすがに作ってから長い事放置された物を渡すわけにはいかないので必要な時に前もって連絡を貰って用意してます。
ここのところ中々帰れなくって連絡の確認し忘れていたら今日受け取りたいって書いてあったので今急いで作ってる所なんです」
「それはすまないと思ってる……
って言うか間に合うのか?」
「すぐには手渡せませんがあと一時間ほど煮詰めればちょうど約束の時間なので完成するので問題はないかとおもいます」
そう言う割には空笑いが虚しく室内に響くが合えて気付かないふりをして置いた。
「そう言えば隊長は何でうちに?」
「ん?まあ、せっかく結婚した相手の私生活を覗きに?」
深い意味はない、ただ綺麗なあの字を書くヴォーグの普段がどんな生活かちょっと気になった程度で覗きに来た程度なのだ。
こんな事はアレクにも部下にもした事はないが、まあ結婚相手への好奇心と言う事で許してもらおう。
「覗きに来ても大して面白い物なんてありませんよ」
くつくつと笑いながら鍋を長細い棒で鍋をかき回すヴォーグに
「そうか?充分面白いぞ。
特に緑の魔法使いの仕事中に遭遇できるとか、ポーションが意外と美味いとか驚きの連続だ」
「そう言ってもらえるとちょっと安心しますね。
そうだ、夕食がまだでしたら何か召し上がりますか?俺の夕食の残りになりますが」
「軽く食べた程度だが、ちなみに今夜のメニューは?」
「鶏肉の香草焼きとジャガイモのポタージュです」
「悪いが頂きたい。
エールとナッツとチーズだけだからな」
「隊長さんなのにそれじゃあ体が持ちませんよ」
「この程度で持たないような体作りはしてない。
寝れないのも食事が出来ないのも訓練の内だ。何てことない」
「でもおなかはすいていたのですね?」
言いながらパンまで温めて出してくれた。
「まだまだ食べ盛りな物で」
笑いながらポタージュを口へと運べば丁寧に裏ごししたジャガイモの滑らかさとバターの香りにパンが進み、先に一口大に切って出してくれた香草焼きの香りのよさにここにこそエールがあれば完璧だと思ってしまう。
きっとそんな事が顔に出ていたのだろう。
「ワインならありますよ?」
そう言って持って来たものは一般家庭でもちょっとお金を出せば購入する事の出来る小さな樽ワインだった。
「結構イケる口か?」
「実はワインの蔵元の帳簿の仕事の謝礼なんです。
依頼料の報酬がお金ではなくワインでしたので」
「それはそれで美味しいな?」
「現金が欲しかったころなので結構な痛手でしたが、最悪ワインを売り払えばと考えていたのにせっかくだからと一口飲んだら売り払うのがもったいなくなってしまいまして」
言いながらテーブルワインですがと言って差し出してくれた。
まぁ、ワインも嫌いじゃないしと思って香りを楽しんでから一口口へとゆっくり含む。
思わず小首を傾げてパンを食べて口の中の香草焼きの香り事呑み込んでからもう一度ワインへと口をつける。
「俺はワインは詳しい事は判らないがこれはテーブルワインっていう程度の代物ではないんじゃないか?」
「やっぱりそう思います?
帳簿の仕事と他にもいろいろついでに手伝ったおかげでテーブルワインがグレードアップした物だと思います。
聞こうにも依頼が終わってしまった後だし、先日お会いした時に訪ねてもそれだけの仕事をしたんだとしかおっしゃらないのでそう言う物だと思うようにしてます」
「あまりワインは得意じゃないんだが、これだけ美味いとワイン好きの奴らの言い分も納得できるな」
「よかったらまだ樽があるので持ち帰りますか?」
「……」
「さすがに多いですか?」
あははと笑うヴォーグに違うと断って
「噂で耳にした事ぐらいあると思うが、俺の財産管理とかいろいろな事をアレクの家の実家の家令に頼んでいるんだが?」
知ってるかと聞けば少し躊躇った後に「はい」と頷くのを見て話しを進める。
「まぁ、俺の都合で無理やりの結婚に付き合わせてもらったからな、その事で色々と書類に認めたいと言われて一度クラウゼ家の屋敷でアレクのオヤジさんを交えて話をしなくてはならないといけない事になった。
なんせクラウゼ伯爵家にいろいろかばってもらう身の騎士爵だ。
挨拶と紹介も兼ねて三日後辺りに調節しているが?」
「三日後でしたら大丈夫です」
「悪いが付き合ってもらいたい。
その時にだ。
手土産でそのワインの樽を持っていけばいいと思う。
執事に預けりゃそのワインの銘柄位教えてくれるかもしれんぞ?」
「飲み終わったら買いに行く時に役に立ちますね」
これでやっと一樽消化できると拳を突き上げるヴォーグに一体何樽貰ったのか聞けば地下食料庫に招かれて見せてくれた。
ずらりと並べられたのは壁横一列ほど。
どれだけ感謝されたのかは痛いほどよくわかり
「やっぱり俺も一樽貰っても良いか?」
「いくらでもどうぞ」
現物を見て態度を変える俺に苦笑するヴォーグが不意に顔を上げる。
「やっと来たか」
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