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幸運の赤い鳥 3
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「いやー!大変申し訳ない!
そしてごちそうさまでした。大変美味しいお供えありがとうございます」
ぺこりと頭を下げる赤い鳥に綾人と暁は濡れ縁に近い場所に机を持って来てペットボトルのお茶とお水、陽菜乃の子供用おせんべいを並べて派手な鳥の感謝を受けていた。
「まさか神が行き倒れるとか……
神棚もない空き家になんで住み着くかなあ」
呆れたように綾人が言うものの
「これだけ古くて立派な家だ。付喪神か何かだろう」
散々経験しただろと綾人に言えば
「一番考えたくないパターンだ。
そもそもこんな簡単に付喪神って生まれる物かよ」
そっちの方がありえんと言うように言うも
「まあ、何かきっかけで生まれたりする時もあるからな。
リノベする時やたらと立派な古木を使いまくったり、そう言った事で発生するともうちの書簡には書いてあったが心当たりは?」
「ありまくりだな」
ほらそうだろと言う暁の視線に
「離れをリフォームした時ついでにあの部屋の箱とか作り直してくれたり、ここもだけどジイちゃんが残してくれた材木とかも使ったし、そもそもうちもここも手を入れたのが今となれば凄腕の職人さんだからさ……」
「こういう事が起きても仕方がありませんね」
志月さんも納得の話しの流れだったらしい。
しかし目の前には砕いた煎餅を器用に摘まみながらかりかりと齧る鳥。
「朱王聖霊って感じなのに抜けてると言うか……
綺麗なのに残念と言うか……」
「ほうほう、朱王聖霊と呼んで下さるか」
「訂正、朱華で十分だ。
朱くて花より華がある姿そのものだ」
なんて会話に暁も志月も頭を抱えて項垂れる。
「お前な、それやったばかりでぶっ倒れたのもう忘れたのか」
「はあ?俺なんかやったか?」
どうやら無意識でまたしでかしていたようですっとぼけてみたものの睨む暁にはもうだまされないと言うようだった。
「まあ、やっちまったもんはもういい。
だけど覚悟しろよ。神を使役する、神でなくても名を与えて縛り付けたモノ達の未来。
お前が責任とれよ」
珍しく真剣な顔で言われて今さらながら俺がこれの主になった事の責任を今になって考える。
暁の家の様なら代々繋いで行けるが、綾人はこの家を自分の代で終わらせようとしている。
譲れるのは若干三名の候補のみ。
うち二名は素質がなく、残り一人は素質があっても受け継がせるには頼りなさすぎる。
無理だ。
あんなのに任せるぐらいなら他の手を考えよう。
さらりと暁の家に紛れ込ませるのも一つの手。
いやいや、それなら飯田さんの家で美味しいごはんを食べさせてもらうのもありかと思いながら……
「そういや……」
「なんだ?」
「ん?いや、こっちの話し」
そう言ってごまかす。
なんか思い出せそうで思い出せないあまりにもうろ覚えな出来事。
綾人にしたら珍しいと思うも何かが一致しないように現実味のない夢のような出来事だったと記憶している。
だって犬や猫、兎が喋るなんてファンタジーありえんだろ。
その言葉で一蹴したが今となれば目の前の鳥としゃべりながらお茶をし、亀と蛇に絡まれて虎の世話をし架空の生物の龍が俺の頭を気にいってしがみ付かれる日々。
「綾人どうした?なんか面白い顔になってるぞ」
「面白いなら見て笑え。
ただなんとなく思い出したらまずい様な事を思い出しかけてる程度だから」
「なんだそれ」
なんてペットボトルのお茶を飲む暁にそれは俺が聞きたいと言う言葉はうやむやにして
「それよりもこの黒いのをさっさと掃除するぞ」
「だから、掃除でどうこうできるもんじゃねーの。
お前がバグってるのいい加減に気付け」
「はあ?んなの知るか。
うちは代々箒でゴミは外に掻き出す事にしてるんだよ。
バアちゃんもひいバアちゃんもやってたんだから間違いんだよ」
「それがすでに間違いなんだぞ!」
言いながら暁は札を取り出し、志月は数珠を握りしめて何やら唱え始めていた。
その間晴朝は陽菜乃の面倒を見るように窓際の温かい所で絵本の読み聞かせをしていた。
良く出来た子だと俺もこういう兄妹が欲しかったと思うのはどっちかというと面倒を見る側だったから。ほとんど一人で何でもした可愛げのない子供時代は横に置いて俺は握りしめた箒で天井から埃を落とすように掃いていく。
ただでさえ真っ黒ハウス、少し明度が上がった室内だと言うのに今度は頭上からの埃という物理的な攻撃。
暁に睨まれてしまったけど似合ってるぞと心の中で突っ込むだけにしているのは俺の口にも埃が入るから。
空気を入れ替えるだけでは家の中は綺麗にならないかとまめに掃除しないといけないか?誰に頼もうかと思うも時間に余裕のある人材がいないのが辛い。
いや、大家の俺がやれって言うだけの話しだけど家から遠いしという言い訳をして宮下に頼む事にしよう。
「所で主殿、一体何をしているので?」
ちょん、ちょんと朱い鳥は足元へやって来た。
主殿と呼ばれるのもくすぐったいけど、俺は腕を伸ばして首を少し傾げれば朱い鳥は俺の肩にとまってくれた。
なんだろう。
こういう阿吽の呼吸と言うか何と言うか……
「朱華はかわいいなあ!」
「ふふふ、朱華は主の望み位判ってしまうのです!」
「できる鳥は違うな!それに比べて暁、いつまで準備を続けてる」
「うるせー!
何もなければさっきでばっさばっさ払えばいいけどここに付喪神が住み着いてるなら話は別だろ!」
ストレスでも吐き出すかのような叫び声をあげる割には手元はせっせと仕事の準備に取り掛かっている。
「本職も大変だな」
「徳の高い方とお見受けしましたが……
主殿の方が格が違いますね」
「当然だろ?
凝り固まった常識に取りつかれている分際が俺にかなうと思うのか?」
「……」
黙ってしまった暁をもう面白くないと言うように俺は箒で壁を掃いていれば
「主がお仕事を頑張っているので朱華もお手伝いします!」
「そうか?だったら頼もうかな」
なんて気の利く鳥だろうとどこかの暁とは大違いだとそのスラリとした喉元を撫でながら
「お手伝いにご満足いただけたらお願いを聞いていただけますか?」
「飯ぐらいなら食わせてやるぞ?」
「さすが主殿!
朱華の欲しいものを言い当てるなんて感動です!」
「なに、頑張って仕事をする子には腹いっぱい食べさせてやるって言うのが吉野だからな」
そんなジイちゃんの言葉を俺が朱華に言えば
「そこまで言っていただけるのでは張り切らねばなりませんね!」
そう言って肩からひょいと朱華には広いとは言えない室内を器用に飛び回り、羽ではたはたと羽ばたいたかと思えば黒い靄としたものがあっさりと家の外へと吐き出された。
「おおー!」
思わず感嘆の溜息を零しながらも俺も箒で棚の中に隠れていた黒い靄を外へと掃きだす。
「ふふふーん。こんなの朱華の手にかかればちょちょいのちょいです!」
という割には行き倒れていたなと言う突込みは綾人はしない。
どこぞの暁よりよっぽど役に立つ朱い鳥に
「手伝ってくれてありがとう。
仕事がはかどって助かるよ」
「ご飯が待っているのです!朱華だって張り切りますよ!」
なんてあっと言う間に黒いもやもやを統べて家から払い出した朱華。
これには綾人も拍手をし
「この働きぶりならご飯を奮発しないとな」
首を少し傾げればすぐに肩にとまる赤い鳥の滑らかな羽のくすぐったさに手を伸ばして首を撫でてやれば
「でしたら遠慮なくごちそうになります!」
「ん?」
まだご飯の準備はしてないぞと言いたかったけど、その瞬間目の前が暗転していた……
そしてごちそうさまでした。大変美味しいお供えありがとうございます」
ぺこりと頭を下げる赤い鳥に綾人と暁は濡れ縁に近い場所に机を持って来てペットボトルのお茶とお水、陽菜乃の子供用おせんべいを並べて派手な鳥の感謝を受けていた。
「まさか神が行き倒れるとか……
神棚もない空き家になんで住み着くかなあ」
呆れたように綾人が言うものの
「これだけ古くて立派な家だ。付喪神か何かだろう」
散々経験しただろと綾人に言えば
「一番考えたくないパターンだ。
そもそもこんな簡単に付喪神って生まれる物かよ」
そっちの方がありえんと言うように言うも
「まあ、何かきっかけで生まれたりする時もあるからな。
リノベする時やたらと立派な古木を使いまくったり、そう言った事で発生するともうちの書簡には書いてあったが心当たりは?」
「ありまくりだな」
ほらそうだろと言う暁の視線に
「離れをリフォームした時ついでにあの部屋の箱とか作り直してくれたり、ここもだけどジイちゃんが残してくれた材木とかも使ったし、そもそもうちもここも手を入れたのが今となれば凄腕の職人さんだからさ……」
「こういう事が起きても仕方がありませんね」
志月さんも納得の話しの流れだったらしい。
しかし目の前には砕いた煎餅を器用に摘まみながらかりかりと齧る鳥。
「朱王聖霊って感じなのに抜けてると言うか……
綺麗なのに残念と言うか……」
「ほうほう、朱王聖霊と呼んで下さるか」
「訂正、朱華で十分だ。
朱くて花より華がある姿そのものだ」
なんて会話に暁も志月も頭を抱えて項垂れる。
「お前な、それやったばかりでぶっ倒れたのもう忘れたのか」
「はあ?俺なんかやったか?」
どうやら無意識でまたしでかしていたようですっとぼけてみたものの睨む暁にはもうだまされないと言うようだった。
「まあ、やっちまったもんはもういい。
だけど覚悟しろよ。神を使役する、神でなくても名を与えて縛り付けたモノ達の未来。
お前が責任とれよ」
珍しく真剣な顔で言われて今さらながら俺がこれの主になった事の責任を今になって考える。
暁の家の様なら代々繋いで行けるが、綾人はこの家を自分の代で終わらせようとしている。
譲れるのは若干三名の候補のみ。
うち二名は素質がなく、残り一人は素質があっても受け継がせるには頼りなさすぎる。
無理だ。
あんなのに任せるぐらいなら他の手を考えよう。
さらりと暁の家に紛れ込ませるのも一つの手。
いやいや、それなら飯田さんの家で美味しいごはんを食べさせてもらうのもありかと思いながら……
「そういや……」
「なんだ?」
「ん?いや、こっちの話し」
そう言ってごまかす。
なんか思い出せそうで思い出せないあまりにもうろ覚えな出来事。
綾人にしたら珍しいと思うも何かが一致しないように現実味のない夢のような出来事だったと記憶している。
だって犬や猫、兎が喋るなんてファンタジーありえんだろ。
その言葉で一蹴したが今となれば目の前の鳥としゃべりながらお茶をし、亀と蛇に絡まれて虎の世話をし架空の生物の龍が俺の頭を気にいってしがみ付かれる日々。
「綾人どうした?なんか面白い顔になってるぞ」
「面白いなら見て笑え。
ただなんとなく思い出したらまずい様な事を思い出しかけてる程度だから」
「なんだそれ」
なんてペットボトルのお茶を飲む暁にそれは俺が聞きたいと言う言葉はうやむやにして
「それよりもこの黒いのをさっさと掃除するぞ」
「だから、掃除でどうこうできるもんじゃねーの。
お前がバグってるのいい加減に気付け」
「はあ?んなの知るか。
うちは代々箒でゴミは外に掻き出す事にしてるんだよ。
バアちゃんもひいバアちゃんもやってたんだから間違いんだよ」
「それがすでに間違いなんだぞ!」
言いながら暁は札を取り出し、志月は数珠を握りしめて何やら唱え始めていた。
その間晴朝は陽菜乃の面倒を見るように窓際の温かい所で絵本の読み聞かせをしていた。
良く出来た子だと俺もこういう兄妹が欲しかったと思うのはどっちかというと面倒を見る側だったから。ほとんど一人で何でもした可愛げのない子供時代は横に置いて俺は握りしめた箒で天井から埃を落とすように掃いていく。
ただでさえ真っ黒ハウス、少し明度が上がった室内だと言うのに今度は頭上からの埃という物理的な攻撃。
暁に睨まれてしまったけど似合ってるぞと心の中で突っ込むだけにしているのは俺の口にも埃が入るから。
空気を入れ替えるだけでは家の中は綺麗にならないかとまめに掃除しないといけないか?誰に頼もうかと思うも時間に余裕のある人材がいないのが辛い。
いや、大家の俺がやれって言うだけの話しだけど家から遠いしという言い訳をして宮下に頼む事にしよう。
「所で主殿、一体何をしているので?」
ちょん、ちょんと朱い鳥は足元へやって来た。
主殿と呼ばれるのもくすぐったいけど、俺は腕を伸ばして首を少し傾げれば朱い鳥は俺の肩にとまってくれた。
なんだろう。
こういう阿吽の呼吸と言うか何と言うか……
「朱華はかわいいなあ!」
「ふふふ、朱華は主の望み位判ってしまうのです!」
「できる鳥は違うな!それに比べて暁、いつまで準備を続けてる」
「うるせー!
何もなければさっきでばっさばっさ払えばいいけどここに付喪神が住み着いてるなら話は別だろ!」
ストレスでも吐き出すかのような叫び声をあげる割には手元はせっせと仕事の準備に取り掛かっている。
「本職も大変だな」
「徳の高い方とお見受けしましたが……
主殿の方が格が違いますね」
「当然だろ?
凝り固まった常識に取りつかれている分際が俺にかなうと思うのか?」
「……」
黙ってしまった暁をもう面白くないと言うように俺は箒で壁を掃いていれば
「主がお仕事を頑張っているので朱華もお手伝いします!」
「そうか?だったら頼もうかな」
なんて気の利く鳥だろうとどこかの暁とは大違いだとそのスラリとした喉元を撫でながら
「お手伝いにご満足いただけたらお願いを聞いていただけますか?」
「飯ぐらいなら食わせてやるぞ?」
「さすが主殿!
朱華の欲しいものを言い当てるなんて感動です!」
「なに、頑張って仕事をする子には腹いっぱい食べさせてやるって言うのが吉野だからな」
そんなジイちゃんの言葉を俺が朱華に言えば
「そこまで言っていただけるのでは張り切らねばなりませんね!」
そう言って肩からひょいと朱華には広いとは言えない室内を器用に飛び回り、羽ではたはたと羽ばたいたかと思えば黒い靄としたものがあっさりと家の外へと吐き出された。
「おおー!」
思わず感嘆の溜息を零しながらも俺も箒で棚の中に隠れていた黒い靄を外へと掃きだす。
「ふふふーん。こんなの朱華の手にかかればちょちょいのちょいです!」
という割には行き倒れていたなと言う突込みは綾人はしない。
どこぞの暁よりよっぽど役に立つ朱い鳥に
「手伝ってくれてありがとう。
仕事がはかどって助かるよ」
「ご飯が待っているのです!朱華だって張り切りますよ!」
なんてあっと言う間に黒いもやもやを統べて家から払い出した朱華。
これには綾人も拍手をし
「この働きぶりならご飯を奮発しないとな」
首を少し傾げればすぐに肩にとまる赤い鳥の滑らかな羽のくすぐったさに手を伸ばして首を撫でてやれば
「でしたら遠慮なくごちそうになります!」
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