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賑やかを通り越す冬の生活 6
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お昼は約束通りカレーだった。
飯田さんが作るカレーはいつの間にか舌に馴染み、飯田さんのカレーを初めて食べる九条家の四人はおしゃべりなんてせずに黙々とカレーを食べ続けていた。
囲炉裏を囲むように、そして囲炉裏にかかるカレーをみんな黙っておかわりする当たり無限に食べれるカレーなのは確定だ。
緑青達はちゅぱタイムを終えた後なのでカレーには興味なさげにまだよちよち歩きで縁側では踏ん張りの効かない真白を頑張ってと応援する緑青の声が響くトレーニング中のようだ。
視線を向ければよちよちと縁側を歩く真白の前を緑青がしっぽをふりふり振ってこっちにおいでと誘っている。
なんて天使だろう!
お迎え一歩手前の俺の状態ではまんざら間違いじゃないなと思う点に召されるほどの愛くるしい光景だが、そこは暁の咳払いで飯に集中しろと言われてしまった。
「綾人さんお替わりはいかがですか?」
「俺はもう十分です。ですがお腹もいっぱいになったのでまた横になりたいので手を貸してもらえますか?」
「はい」
なんてこき使うも逆に喜ばれるのは忠犬モードだからと思いたい。
ご飯を食べた事で少しふらふらは収まったあたり、このふらふら加減は真白に奪われた霊力とかが原因だと見た。
そして食べれば落ち着く。
これが判れば問題は解決だ。
んなわけないだろ、そんな暁の突込みが聞こえた気もしたが、とりあえず対処法としては間違いないだろうと思う。
そうなるとこの眩暈は俺もよく知ってる症状。
金曜日の仕事に掛ける集中力に削られる体力からの問題と似たようなものだと判断。
ならばこの案件は食べる事で問題解決と理解すれば俺は部屋に戻ってベッドに体を起こした状態のまま
「飯田さん。甘いおやつが食べたいです。
本当はポテトグラタンと言いたい所ですがそれはクリスマスの時まで取っておくのでアップルパイとかアップルクランブルとかリンゴのコンポートとかが良いです」
「判りました。リンゴが食べたいのですね?
とりあえずおやつの時間までまだ時間があるので食後のデザートにリンゴを剥いてくるのでとりあえずそれで我慢してください」
「リンゴをすり下ろしてくれたものでもいいですよ?
ブランデーでちょっと香りをつけてくれると嬉しいです」
「たしかにそれはおいしそうですね。
ですが、今は体調の悪い体の為にはちみつを垂らしたもので我慢してください」
「え?リンゴとはちみつって最強じゃん?」
なんて言ってしまうのはカレーを食べた後だから。
一度作ったカレーにすりおろしたリンゴとはちみつを入れて陽菜乃でも食べれるように辛さを調節したのは志月さんが話してくれたから。
逆にそこからずっとリンゴに意識が向いているのが原因だが
「あ、リンゴとはちみつは別々にしてください。
紅茶も飲みたいので一緒にお願いします!」
「はちみつ紅茶ですね。わかりましたよ」
なんて料理というにはお粗末だがそれでも飯田さんは紅茶一杯にも全力で淹れてくれるから
「飯田さんの紅茶をのむと下手な紅茶が飲めなくなるじゃん」
とは笑い話でも言えない。
絶対に
「だったらずっと俺の淹れる紅茶を飲んでくださいね」
なんてさらりと人の好さそうな顔で言うのは目に見えているから言ってはいけないワードに俺は設定しているけど。
とりあえずさっきより軽い足取りになった飯田さんを見送って俺は目を瞑れば
「主ー、真白が上手にあんよ出来るようになったよー」
「あるじー、真白がんばってるよ」
よちよち、というよりぷるぷると言う足取りで何とか部屋に入ってきてベッドの下から俺を見上げる。
だけどまだまだ毛玉なのでベッドの上にいる俺には全く届かず……
「きゅーん、きゅぅーん」
子供ながらのこの甘えた声は確実に俺の心臓を射抜いてくれた。
「仕方がないなあ。ほら、おいで」
なんてベッドの上にあげてしまえばそのまま俺の指に吸い付いてからの
ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ……
こうなる事は判っていたけどね。
とは言え歩く練習した分補給しないといけないし、緑青だって最初はふらふらと風に流されながら飛んでいてもいつの間にか多少の風程度なら問題なく飛べるようになっていたのだ。
俺の命にかかわると言うものの与えなければこの小さな産まれたばかりの付喪神の命にかかわる。
そして何となくわかったが与える霊力の量によって成長も促せるようなのでさっさと成長してもらいたいために俺は遠慮をしない事に決めた。
くたびれたーと言うようにへたばりながらもちゅぱる真白とは別にまだまだ元気いっぱいの緑青は真白と遊びたいらしく周囲をうろうろと飛んでいる。
まだご飯の時間の晴朝たちと遊べないから退屈なのは判らないでもないけどね。
だからと言って真白の周囲をうろうろとしていてもしっかりと疲れた真白はちゅぱタイム中にそのまま寝落ちをしました。
「主ー、真白寝ちゃったよ?」
「まだ目覚めたばかりだからね。いっぱい運動してたくさんねんねするのが真白のお仕事なんだよ」
「ふーん?
じゃあ、緑青は?」
なんて聞かれてもそんなの俺の方が聞きたいと思うものの
「とりあえずいっぱい食べていっぱい遊んでいっぱいお勉強する事だな」
きゅ?とそれはどういう事と言うように小首を傾げるかわいさ。あざといと言われてもこの可愛さなら仕方がないと思う俺は立派な親ばかだ。
「たくさんこの世の中の事をいっぱい覚えて人様のお役に立てる立派な付喪神になるんだよ?」
きゅー?とふたたび小首を傾げる緑青には
「まだ難しかったね。
とりあえず緑青が主をいっぱい幸せにしてくれるようにいっぱい物を覚えようねって事だよ」
なんてわかりやすく言うもその全部は理解できなかったようで
「緑青は主と一緒ならしあわせー!」
うっかりさびと言わずに緑青と言ってしまった為に巨大化してしまった緑青が飛びついてきた挙句に押しつぶされて……
「あれ?綾人さん寝てしまったのですか?」
なんてすりおろしリンゴとはちみつ紅茶の準備をしてくれた飯田さんはこれどうしようかと思いながらも
「とりあえずアップルパイに混ぜればいいか。そうだ。パイ生地階に行かないと……」
ちょっと買い物行ってきますねと飯田が席を外した時に暁が綾人の様子を見に行けば緑青に押しつぶされそうになっている綾人を発見してこれは前途多難だと項垂れるのだった。
飯田さんが作るカレーはいつの間にか舌に馴染み、飯田さんのカレーを初めて食べる九条家の四人はおしゃべりなんてせずに黙々とカレーを食べ続けていた。
囲炉裏を囲むように、そして囲炉裏にかかるカレーをみんな黙っておかわりする当たり無限に食べれるカレーなのは確定だ。
緑青達はちゅぱタイムを終えた後なのでカレーには興味なさげにまだよちよち歩きで縁側では踏ん張りの効かない真白を頑張ってと応援する緑青の声が響くトレーニング中のようだ。
視線を向ければよちよちと縁側を歩く真白の前を緑青がしっぽをふりふり振ってこっちにおいでと誘っている。
なんて天使だろう!
お迎え一歩手前の俺の状態ではまんざら間違いじゃないなと思う点に召されるほどの愛くるしい光景だが、そこは暁の咳払いで飯に集中しろと言われてしまった。
「綾人さんお替わりはいかがですか?」
「俺はもう十分です。ですがお腹もいっぱいになったのでまた横になりたいので手を貸してもらえますか?」
「はい」
なんてこき使うも逆に喜ばれるのは忠犬モードだからと思いたい。
ご飯を食べた事で少しふらふらは収まったあたり、このふらふら加減は真白に奪われた霊力とかが原因だと見た。
そして食べれば落ち着く。
これが判れば問題は解決だ。
んなわけないだろ、そんな暁の突込みが聞こえた気もしたが、とりあえず対処法としては間違いないだろうと思う。
そうなるとこの眩暈は俺もよく知ってる症状。
金曜日の仕事に掛ける集中力に削られる体力からの問題と似たようなものだと判断。
ならばこの案件は食べる事で問題解決と理解すれば俺は部屋に戻ってベッドに体を起こした状態のまま
「飯田さん。甘いおやつが食べたいです。
本当はポテトグラタンと言いたい所ですがそれはクリスマスの時まで取っておくのでアップルパイとかアップルクランブルとかリンゴのコンポートとかが良いです」
「判りました。リンゴが食べたいのですね?
とりあえずおやつの時間までまだ時間があるので食後のデザートにリンゴを剥いてくるのでとりあえずそれで我慢してください」
「リンゴをすり下ろしてくれたものでもいいですよ?
ブランデーでちょっと香りをつけてくれると嬉しいです」
「たしかにそれはおいしそうですね。
ですが、今は体調の悪い体の為にはちみつを垂らしたもので我慢してください」
「え?リンゴとはちみつって最強じゃん?」
なんて言ってしまうのはカレーを食べた後だから。
一度作ったカレーにすりおろしたリンゴとはちみつを入れて陽菜乃でも食べれるように辛さを調節したのは志月さんが話してくれたから。
逆にそこからずっとリンゴに意識が向いているのが原因だが
「あ、リンゴとはちみつは別々にしてください。
紅茶も飲みたいので一緒にお願いします!」
「はちみつ紅茶ですね。わかりましたよ」
なんて料理というにはお粗末だがそれでも飯田さんは紅茶一杯にも全力で淹れてくれるから
「飯田さんの紅茶をのむと下手な紅茶が飲めなくなるじゃん」
とは笑い話でも言えない。
絶対に
「だったらずっと俺の淹れる紅茶を飲んでくださいね」
なんてさらりと人の好さそうな顔で言うのは目に見えているから言ってはいけないワードに俺は設定しているけど。
とりあえずさっきより軽い足取りになった飯田さんを見送って俺は目を瞑れば
「主ー、真白が上手にあんよ出来るようになったよー」
「あるじー、真白がんばってるよ」
よちよち、というよりぷるぷると言う足取りで何とか部屋に入ってきてベッドの下から俺を見上げる。
だけどまだまだ毛玉なのでベッドの上にいる俺には全く届かず……
「きゅーん、きゅぅーん」
子供ながらのこの甘えた声は確実に俺の心臓を射抜いてくれた。
「仕方がないなあ。ほら、おいで」
なんてベッドの上にあげてしまえばそのまま俺の指に吸い付いてからの
ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ……
こうなる事は判っていたけどね。
とは言え歩く練習した分補給しないといけないし、緑青だって最初はふらふらと風に流されながら飛んでいてもいつの間にか多少の風程度なら問題なく飛べるようになっていたのだ。
俺の命にかかわると言うものの与えなければこの小さな産まれたばかりの付喪神の命にかかわる。
そして何となくわかったが与える霊力の量によって成長も促せるようなのでさっさと成長してもらいたいために俺は遠慮をしない事に決めた。
くたびれたーと言うようにへたばりながらもちゅぱる真白とは別にまだまだ元気いっぱいの緑青は真白と遊びたいらしく周囲をうろうろと飛んでいる。
まだご飯の時間の晴朝たちと遊べないから退屈なのは判らないでもないけどね。
だからと言って真白の周囲をうろうろとしていてもしっかりと疲れた真白はちゅぱタイム中にそのまま寝落ちをしました。
「主ー、真白寝ちゃったよ?」
「まだ目覚めたばかりだからね。いっぱい運動してたくさんねんねするのが真白のお仕事なんだよ」
「ふーん?
じゃあ、緑青は?」
なんて聞かれてもそんなの俺の方が聞きたいと思うものの
「とりあえずいっぱい食べていっぱい遊んでいっぱいお勉強する事だな」
きゅ?とそれはどういう事と言うように小首を傾げるかわいさ。あざといと言われてもこの可愛さなら仕方がないと思う俺は立派な親ばかだ。
「たくさんこの世の中の事をいっぱい覚えて人様のお役に立てる立派な付喪神になるんだよ?」
きゅー?とふたたび小首を傾げる緑青には
「まだ難しかったね。
とりあえず緑青が主をいっぱい幸せにしてくれるようにいっぱい物を覚えようねって事だよ」
なんてわかりやすく言うもその全部は理解できなかったようで
「緑青は主と一緒ならしあわせー!」
うっかりさびと言わずに緑青と言ってしまった為に巨大化してしまった緑青が飛びついてきた挙句に押しつぶされて……
「あれ?綾人さん寝てしまったのですか?」
なんてすりおろしリンゴとはちみつ紅茶の準備をしてくれた飯田さんはこれどうしようかと思いながらも
「とりあえずアップルパイに混ぜればいいか。そうだ。パイ生地階に行かないと……」
ちょっと買い物行ってきますねと飯田が席を外した時に暁が綾人の様子を見に行けば緑青に押しつぶされそうになっている綾人を発見してこれは前途多難だと項垂れるのだった。
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