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言の葉の裏側 3
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シャワーを浴びれば家中にいい匂いが漂っていた。
「お味噌汁の匂いだ」
二十数年食べなれたみそ汁の匂いに心が躍ってしまうのは当然だろう。
買ったばかりの新しいシャツに袖を通せば気分もすっきりとする。いい事だ。
匂いにつられてふらふらと台所に行けば
「まだご飯できてないわよ」
「今日の晩御飯は?」
「生姜焼きよ。あと冷ややっこでいいでしょ?」
「生姜焼き大盛りで」
「突然帰ってきてそんなにもあるわけないでしょ。代わりにキャベツを大盛りにしてあげるわ」
会わない間にかなり病んでいた母さんのお祝いとでも言いだしそうな声とは別に俺も久しぶりの母さんのご飯にご機嫌だ。
そして何より付喪神達に左右される事のない食卓。
肉がいっぱい食べれるー!
いや、ちびっ子たちが食べる量なんて知れたものだけどそれでも気兼ねなく肉料理を食べれるというのは気持ちの問題で嬉しいというもの。
思わず楽しみ過ぎてテーブルについて料理を作る母さんの後姿を見ていれば
「真、帰ってきてたのか」
「まあ、いつ帰って来たの?」
すでにいい歳だけど正月に会って以来がくっと老いた気のする爺ちゃんと婆ちゃんがいた。
「ただいまー。今回父さんがいろいろしてくれたおかげで大家さんが激おこになっちゃって何しでかすか分からないからついてきたんだけど、ほんと大変だったんだから」
言えば今まで俺の事なんて眼中にないとでもいう顔をしてきた爺ちゃんが
「あれはお前の差し金か?!」
「沢村さんの事?
大家さんの当然の権利でした事だよ。
しかもちゃんと証拠も残っていて、すでに警察に提出済みだって。親父も連れて行くみたいだしー。今頃事情聴取とかかなー。
っていうか仕事早いよねー」
それはよくわかっていた。
分かっていたがここまで堂々としでかす人だとは思わなくって、それが全く誰にも気づかれないとかありえないだろうと頭を抱える内容。まあ今さら気にしても止まらないだろうし止められる人がいるかなんてそっちこそ想像が出来ないけど。
とりあえず考えながらプルプルと震えながら怒りを溜めている爺ちゃんに俺はもう遠慮するのはやめた。
年寄りだからとか、小さい頃みたいに兄貴同様可愛がってもらいたいとかそういう期待はもうしない。
だって今は代わりに全力で可愛がってあげたい子たちがいるからね。
今夜は母さんととにかく今後の事を一杯相談して明日の朝になったら飯田家に緑青達を迎えに行ってはやく家に帰りたい。朱華の様子も気になるし、何より一人で留守番をしている真白が心配なのだ。
花さんというあの映像の人がいるから大丈夫とか言うけどやっぱりはやく緑青の安全を見せてあげたいし玄さんと岩さんと一緒に遊ばせてあげたい。
いち早くいつもの日常を取り戻したいだけなのだと心に決めれば何やら側で騒いでいる爺ちゃんなんて気にならない。
「真!聞いているのか?!」
俺のあまりにも見事な無視っぷりについにキレた様子にちらりと視線を向ける。
爺ちゃんの背後でおろおろしている婆ちゃんがいて、ああ、この家は爺ちゃんに支配されていたんだ。
いまさらながら理解をした。
頭の中ではわかっていたんだけどなーなんて考えながら兄貴ばかりかわいがるこの家族だったけど、母さんはちゃんと俺と向き合ってくれたし、兄貴と同じように扱ってくれたからそこまで寂しくも何もなかったのだと納得をした。
まあ、別に今更だけどと言うように爺ちゃんと向き合って席を立つ。
小さい頃は見上げるように大きく、そして家を出る頃はもう向き合う事もせず、そして今。
こんな小さかったっけと言うように視線を落として正面に立った。
爺ちゃんも久しぶりに見るいないも同然の孫に見下ろされて瞳の中に脅えの色が見えた。
ああ、ただ虚勢を張って大きな声を張り上げていただけの人だったのかと本当に恐ろしい人を知った後だからこの程度の小物に脅える心はどこにもない。
酷い荒治療だななんて失笑してしまえば
「何を笑っている!」
大きな声で威嚇する程度の攻撃。
当然のように感情を発露する自分の感情をコントロールできない人に
「前にさテレビで見たんだけど。
感情のコントロールが出来ないのって前頭葉の委縮が原因だっけ?
老人ホーム入る前に一度病院行って検査してもらうと良いよ」
「真!」
安い挑発は効果覿面。左頬に鈍い痛みが響いた。
「お爺さん止めてください!」
「暴力は止めてください!」
いきなり殴りかかって来たけど俺だってそのつもりで殴られたのだ。
わざと机を押すように倒れればその先にある食器棚に思いっきりぶつかって派手に陶器の器が砕ける音が響けば負けんばかりに母さんと婆ちゃんの悲鳴も響き渡った。
自分でしておいて言うのはさすがにアレだけど、気持ちいいくらいの家庭崩壊の絵柄が出来た。
爺ちゃんは自分のしたことに今更驚いて呆然としているし、暫く誰もが現状を理解できなくて無言で固まっていれば
「皐月ちゃん、すごいもの音がしたけど……」
お隣のお婆さんが心配で覗きにやって来た。
だけどこの状況を説明できなくて誰もが黙ってしまうもそこはずっと古くから家族ぐるみのお付き合いのあるお隣さん。勝手口を勝手に開けて
「由紀恵さんはいないの……」
そして見られてしまった。
派手に食器の砕けた床とついでに落ちたトースター。そのそばに殴られて頬を押さえて倒れる俺と握り拳を見て唖然としている爺ちゃんとそれを止める婆ちゃん。と俺に寄り添う母さん。
「ちょっと一体何があったの?!
あなた!あなたちょっと来て!」
お隣さんもショックを受けたようにすぐにお隣に戻ってご主人とお嫁さんを連れてきたまではよかったけど、俺が食器で手を切っていて血が流れていた所に、そして運悪くさっき飲んだままの飲みかけの置きっぱなしの麦茶が合わさってかなりの流血をしたようにも見えた景色が広がっていた。
慌てて取り出したスマホで救急車を呼ばれてしまい……
「申し訳ありません。うちの嫁が動揺してしまって」
「いえ、この程度の怪我で済んでよかったです」
救急車の音につられてご近所さんややじ馬が集まり、当然この偶然が重なった悲惨な光景を見られてしまい……
「今回は事件性もないという事で戻りますが、お爺さん。一度病院に診察に来てください。不安になる事はありませんからね」
そんな注意を受けるもショックの方が大きかったらしくどこかうつろな声で返事をしていた。
とりあえずと言うように俺と母さんで救急車を見送り、そして心配で集まってきてもらった方に頭を下げて回るのだった。
救急隊員の方には一度病院で見てもらった方がいいと言われたけど、既に水道で綺麗にしてから消毒薬を塗る程度の処置はしたのだ。血もだらだら出る事はなく、縫う必要性もないという事らしいので絆創膏で血が周囲につかない程度の保護で済ませて終われたから心配する必要はない。多分。
婆ちゃんは爺ちゃんを連れて部屋へと篭ってしまった。
爺ちゃん同様婆ちゃんもかなりショックを受けており、逆にちょっとわざとらしく倒れこんだ俺の方が心を痛めてしまう。
とは言え
「真、わざとやって怪我をするのは真の責任だからお母さん何も言わないし、先にあっちが暴力振るってきたから謝る必要はないと思うけど、後でちゃんと様子ぐらい見に行きなさい」
まさかのこの大惨事に楽しみにしていた生姜焼きも味気ない物になり、食事の時間になっても部屋に出てこない二人の為にご飯を運ぶついでに怪我の状態の報告と爺ちゃんの具合を聞いたり、母さんと今後の話しをしながら何処か苦い心のままやがて人の手に渡るこの家での最後の夜を過ごすのだった。
「お味噌汁の匂いだ」
二十数年食べなれたみそ汁の匂いに心が躍ってしまうのは当然だろう。
買ったばかりの新しいシャツに袖を通せば気分もすっきりとする。いい事だ。
匂いにつられてふらふらと台所に行けば
「まだご飯できてないわよ」
「今日の晩御飯は?」
「生姜焼きよ。あと冷ややっこでいいでしょ?」
「生姜焼き大盛りで」
「突然帰ってきてそんなにもあるわけないでしょ。代わりにキャベツを大盛りにしてあげるわ」
会わない間にかなり病んでいた母さんのお祝いとでも言いだしそうな声とは別に俺も久しぶりの母さんのご飯にご機嫌だ。
そして何より付喪神達に左右される事のない食卓。
肉がいっぱい食べれるー!
いや、ちびっ子たちが食べる量なんて知れたものだけどそれでも気兼ねなく肉料理を食べれるというのは気持ちの問題で嬉しいというもの。
思わず楽しみ過ぎてテーブルについて料理を作る母さんの後姿を見ていれば
「真、帰ってきてたのか」
「まあ、いつ帰って来たの?」
すでにいい歳だけど正月に会って以来がくっと老いた気のする爺ちゃんと婆ちゃんがいた。
「ただいまー。今回父さんがいろいろしてくれたおかげで大家さんが激おこになっちゃって何しでかすか分からないからついてきたんだけど、ほんと大変だったんだから」
言えば今まで俺の事なんて眼中にないとでもいう顔をしてきた爺ちゃんが
「あれはお前の差し金か?!」
「沢村さんの事?
大家さんの当然の権利でした事だよ。
しかもちゃんと証拠も残っていて、すでに警察に提出済みだって。親父も連れて行くみたいだしー。今頃事情聴取とかかなー。
っていうか仕事早いよねー」
それはよくわかっていた。
分かっていたがここまで堂々としでかす人だとは思わなくって、それが全く誰にも気づかれないとかありえないだろうと頭を抱える内容。まあ今さら気にしても止まらないだろうし止められる人がいるかなんてそっちこそ想像が出来ないけど。
とりあえず考えながらプルプルと震えながら怒りを溜めている爺ちゃんに俺はもう遠慮するのはやめた。
年寄りだからとか、小さい頃みたいに兄貴同様可愛がってもらいたいとかそういう期待はもうしない。
だって今は代わりに全力で可愛がってあげたい子たちがいるからね。
今夜は母さんととにかく今後の事を一杯相談して明日の朝になったら飯田家に緑青達を迎えに行ってはやく家に帰りたい。朱華の様子も気になるし、何より一人で留守番をしている真白が心配なのだ。
花さんというあの映像の人がいるから大丈夫とか言うけどやっぱりはやく緑青の安全を見せてあげたいし玄さんと岩さんと一緒に遊ばせてあげたい。
いち早くいつもの日常を取り戻したいだけなのだと心に決めれば何やら側で騒いでいる爺ちゃんなんて気にならない。
「真!聞いているのか?!」
俺のあまりにも見事な無視っぷりについにキレた様子にちらりと視線を向ける。
爺ちゃんの背後でおろおろしている婆ちゃんがいて、ああ、この家は爺ちゃんに支配されていたんだ。
いまさらながら理解をした。
頭の中ではわかっていたんだけどなーなんて考えながら兄貴ばかりかわいがるこの家族だったけど、母さんはちゃんと俺と向き合ってくれたし、兄貴と同じように扱ってくれたからそこまで寂しくも何もなかったのだと納得をした。
まあ、別に今更だけどと言うように爺ちゃんと向き合って席を立つ。
小さい頃は見上げるように大きく、そして家を出る頃はもう向き合う事もせず、そして今。
こんな小さかったっけと言うように視線を落として正面に立った。
爺ちゃんも久しぶりに見るいないも同然の孫に見下ろされて瞳の中に脅えの色が見えた。
ああ、ただ虚勢を張って大きな声を張り上げていただけの人だったのかと本当に恐ろしい人を知った後だからこの程度の小物に脅える心はどこにもない。
酷い荒治療だななんて失笑してしまえば
「何を笑っている!」
大きな声で威嚇する程度の攻撃。
当然のように感情を発露する自分の感情をコントロールできない人に
「前にさテレビで見たんだけど。
感情のコントロールが出来ないのって前頭葉の委縮が原因だっけ?
老人ホーム入る前に一度病院行って検査してもらうと良いよ」
「真!」
安い挑発は効果覿面。左頬に鈍い痛みが響いた。
「お爺さん止めてください!」
「暴力は止めてください!」
いきなり殴りかかって来たけど俺だってそのつもりで殴られたのだ。
わざと机を押すように倒れればその先にある食器棚に思いっきりぶつかって派手に陶器の器が砕ける音が響けば負けんばかりに母さんと婆ちゃんの悲鳴も響き渡った。
自分でしておいて言うのはさすがにアレだけど、気持ちいいくらいの家庭崩壊の絵柄が出来た。
爺ちゃんは自分のしたことに今更驚いて呆然としているし、暫く誰もが現状を理解できなくて無言で固まっていれば
「皐月ちゃん、すごいもの音がしたけど……」
お隣のお婆さんが心配で覗きにやって来た。
だけどこの状況を説明できなくて誰もが黙ってしまうもそこはずっと古くから家族ぐるみのお付き合いのあるお隣さん。勝手口を勝手に開けて
「由紀恵さんはいないの……」
そして見られてしまった。
派手に食器の砕けた床とついでに落ちたトースター。そのそばに殴られて頬を押さえて倒れる俺と握り拳を見て唖然としている爺ちゃんとそれを止める婆ちゃん。と俺に寄り添う母さん。
「ちょっと一体何があったの?!
あなた!あなたちょっと来て!」
お隣さんもショックを受けたようにすぐにお隣に戻ってご主人とお嫁さんを連れてきたまではよかったけど、俺が食器で手を切っていて血が流れていた所に、そして運悪くさっき飲んだままの飲みかけの置きっぱなしの麦茶が合わさってかなりの流血をしたようにも見えた景色が広がっていた。
慌てて取り出したスマホで救急車を呼ばれてしまい……
「申し訳ありません。うちの嫁が動揺してしまって」
「いえ、この程度の怪我で済んでよかったです」
救急車の音につられてご近所さんややじ馬が集まり、当然この偶然が重なった悲惨な光景を見られてしまい……
「今回は事件性もないという事で戻りますが、お爺さん。一度病院に診察に来てください。不安になる事はありませんからね」
そんな注意を受けるもショックの方が大きかったらしくどこかうつろな声で返事をしていた。
とりあえずと言うように俺と母さんで救急車を見送り、そして心配で集まってきてもらった方に頭を下げて回るのだった。
救急隊員の方には一度病院で見てもらった方がいいと言われたけど、既に水道で綺麗にしてから消毒薬を塗る程度の処置はしたのだ。血もだらだら出る事はなく、縫う必要性もないという事らしいので絆創膏で血が周囲につかない程度の保護で済ませて終われたから心配する必要はない。多分。
婆ちゃんは爺ちゃんを連れて部屋へと篭ってしまった。
爺ちゃん同様婆ちゃんもかなりショックを受けており、逆にちょっとわざとらしく倒れこんだ俺の方が心を痛めてしまう。
とは言え
「真、わざとやって怪我をするのは真の責任だからお母さん何も言わないし、先にあっちが暴力振るってきたから謝る必要はないと思うけど、後でちゃんと様子ぐらい見に行きなさい」
まさかのこの大惨事に楽しみにしていた生姜焼きも味気ない物になり、食事の時間になっても部屋に出てこない二人の為にご飯を運ぶついでに怪我の状態の報告と爺ちゃんの具合を聞いたり、母さんと今後の話しをしながら何処か苦い心のままやがて人の手に渡るこの家での最後の夜を過ごすのだった。
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