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小さいながらも作る夢の国 8
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だけど大家さんは先生と呼ぶ人に迷いなく背を向けて歩き出した。
ちょ、俺どうすればいいんだよ?!と思うも先生と呼ばれた人はこっちはいいからと言うように七輪に集中するので大家さんの背中を追いかけるように俺も花が詰まったバケツを持ってついて行けば母屋とは違うコンクリートを敷き詰めた床の家のシャッターを開けて案内してくれた。
がらんとした室内は何かの作業部屋のようだった。
「あんまり空気良くないですね」
どこか血の混ざるような空気の重みに顔をしかめてしまうも
「まあ、捌く時この部屋使ってるからな。あ、でも衛生面には気を付けてるぞ」
さらりと何かすごい事を聞いたような気がした。
だけど俺が聞きたい所はそれじゃない。
ちらりと視線を走らせれば綺麗な神棚があり、ちゃんと供養などはしてあるようだけど、それでも集まる物は集まる。こういう所に長くは居たくないなと思うも大家さんはお構いなしにステンレスの机を持って来てその上に四角い黒色のプラスチックの鉢にすでに土を入れて準備したものをトレーに並べて持ってきた。
「仕事しやすいように園芸部が切ってくれたからサクッとやるぞ。
紫陽花のクローンの作り方は簡単だ。
葉っぱは二枚あれば十分だから葉っぱと葉っぱの間ごとに切り分けて、この苗の根っこになる方をカッターで斜めにカットする。正直俺はあまり関係ないと思うけど一応基本に則って教えておく程度の親切さで俺は葉っぱの下1㎝から2㎝ぐらいでカットで問題ないと思っている。
雑な説明だけどそう言うのならと教えられるまま見よう見まねでカットしていた。
「あとは葉っぱに芽が付いているのが分かるだろ?」
チョンと顔を出した芽をこれですねと確認すれば
「この芽を残すように注意すればいいだけだ。二枚の葉っぱは水分の蒸発を防ぎたいから鋏で半分ほどにカット。ここを土がかぶらないようにぶっさしたら終わり!」
「簡単、ですね?」
いや、ほんとそれだけ?
むしろそれでいいのかと思いながらも大家さんが黙々と大量の挿し木を作っていくので俺ももうプロなんじゃないかと言うくらい淡々と鉢に挿していく。
そして何とか挿し終えた所で大家さんがこの小屋の片隅の水道から如雨露に水を汲んでしゃわわわわー……って水やりをしていた。
「え?もう水をあげていいんですか?」
「寧ろ今やっていいぞ。しかもたっぷり鉢の底から水が流れ出て来るまでしっかりと水をあげて、もしこの時に芽に土がかぶってたら洗い流すように土を払ってやれ。あとは風通しの良い明るい木陰で土の水を切らさないように放置。以上!」
「ほんと簡単っすね」
「紫陽花はこれだから面白いくらいに生命力が強いから増殖がやめられない」
そう言って水をたっぷりと含んだ苗を並べたトレーを運ぶので俺も自分が作ったトレーを追いかけるように持ってついて行けば駐車場の陰に作られたホームセンターでよく見るようなビニールハウスに苗を置いた。
ちなみにすでに挿し木にされていた苗もあり
「これ大家さんが作った奴?」
「作った奴。1週間前の奴だけど。根っこが出だすと鋏で切った葉っぱが枯れていくから目安になるぞー」
「そして遠藤さんの師匠が発狂するのですね」
「おかしいなあ。実桜さん好みの苗をわざわざ取り寄せて好きなお花に囲まれる生活を提供したつもりだったのに……」
度が過ぎれば発狂もするだろう。
大家さんの前ではうっかり下手なこと言えないなと気を引き締めて何往復かして苗を無事ビニールハウスに収納した。
「さて、これで紫陽花の挿し木は終わりだ。次は先生の餌の準備をするか」
「あの、片付けは……」
「ああ、この後園芸部が使うからそのままでいいぞー」
そしてちらりと見る。
紫陽花以外の挿し木がいっぱい作ってあって、それはたぶん……
深く考えるのを止めて一際新築にも近いような新しい家の冷蔵庫に食材を取りに行くと言うので手伝いについて行けば冷蔵庫の中に人が入れるサイズが一般家庭にあるのが信じられなくても容赦なく冷蔵庫の中に入れられて食材を運ばされ、隣のこれも人の入れる冷凍庫に案内されれば映画のように凍った肉の塊が吊るされていて……
「絶対夢に出てくる奴だ……」
「なんだ?骨付きの肉にかぶりつきたいって奴か?
まあ、25歳だもんな。やってみたいお年頃ってやつだな。ちなみに俺はさんざんやって今さら夢には見ないぞ」
「……」
違う。
今俺と大家さんの価値観の差が激しく溝がある事を理解した。
だってそうだろ?
人が入れるような巨大冷凍庫の半分近くを占める肉がぶら下がる景色を見て『骨付きの肉にかぶりつきたい』って笑いながら言えるか?!
俺が言いたいのは悪夢を見るって事なのに、なんでこんなハッピーな思考になるのか教えてほしいと腕の中の発泡スチロールの中身がウニじゃなければ投げつけてやりたいのにと顔は笑顔で心の中ではこの理不尽さに大泣きの俺は力ない足取りで大家さんを追いかけて母屋へとついて行った。
母屋に近づけば香ばしい匂いが強くなってきた。この匂いはあれかなーなんて思っていれば
「せんせーはまたいきなり何を焼き始めてるんだか」
「なに、夏休み前恒例の宿題づくりに疲れたから魚でも食べようかと思っただけだ」
「ビール片手にいい身分だな」
「どうせお前たちも炭を使うだろ?冷蔵庫で大量の魚介類を見たぞ」
「仕方がないだろ。山で海産物は獲れないんだから」
当たり前の事を言いながら
「で、そいつは誰だ?」
かなり失礼な人だと思ったけど昼間からビールを飲んでる人だから仕方がないかとあまり回りに居ないような人にこれからも付き合わないといけないのかと思うも
「先生のとこの近くの家を貸してる人。九条真君25歳」
「あー、水野と植田が言ってたな。植田の後輩だったな?」
「ええと、皆さんお知り合いで?」
ひょっとして逃げられない人間関係になるのかと思えば
「俺達の高校の時の教師で理科部の顧問の高山先生。面倒臭いから適当にせんせーって呼んでおけばいいよ」
「綾人はもうちょっと先生を尊敬してー」
かけらも尊敬できそうにないけど大家さんが安心しきってる顔で笑うから悪い人じゃないんだろうなとそんな評価。
「そういや植田が心配してたぞ。後輩が引っ越してきたけど友達がいないみたいだから寂しくないか心配だって」
「お互い遠い所に住んでいるのでリモートだけどちゃんと交流あります」
なんてボッチの寂しい子じゃないもんと言うように言えば
「まあ、だいたいそうだよな」
なんて独り頷きながらビールを呷っていた。
「で、お前らは紫陽花を入れたバケツを持ってうろうろしていたけど何してたんだ?
あ、紫陽花を焼いて食べるのは勧めないぞ?」
「誰が食べるかって。
九条と園芸部が九条の庭を改造するって張り切っているからせっかくだから園芸の楽しさを教えてやろうって初心者向けの苗を育てさせてやろうと思ってだな」
「お前はまた紫陽花を増殖させる気か?
実桜さん紫陽花ばかりで面白くないって喚いていたぞ?」
「だが俺は面白い。品種改良とか楽しいぞ?種をまいてみたら大繁殖して笑いが止まらなかった」
「それはお前だけだ」
笑う先生の適当さも酷いが
「それよりもビール飲んで待ってるからメシの準備頼むな」
ハイハイなんて大家さんはスルーするけど
「あの人本当に教師なんですか?」
思わずと言うように聞いてしまえば大家さんは苦虫を潰した顔で
「信じたくないけどあれで教師なんだから酷い話だ」
なんて評価をするけど、そのわりにはさっさと飯にしようぜと言う大家さんの足取りがウキウキとして軽くなってる様子が楽しそうなのがなんだか面白さを覚えた。
ちょ、俺どうすればいいんだよ?!と思うも先生と呼ばれた人はこっちはいいからと言うように七輪に集中するので大家さんの背中を追いかけるように俺も花が詰まったバケツを持ってついて行けば母屋とは違うコンクリートを敷き詰めた床の家のシャッターを開けて案内してくれた。
がらんとした室内は何かの作業部屋のようだった。
「あんまり空気良くないですね」
どこか血の混ざるような空気の重みに顔をしかめてしまうも
「まあ、捌く時この部屋使ってるからな。あ、でも衛生面には気を付けてるぞ」
さらりと何かすごい事を聞いたような気がした。
だけど俺が聞きたい所はそれじゃない。
ちらりと視線を走らせれば綺麗な神棚があり、ちゃんと供養などはしてあるようだけど、それでも集まる物は集まる。こういう所に長くは居たくないなと思うも大家さんはお構いなしにステンレスの机を持って来てその上に四角い黒色のプラスチックの鉢にすでに土を入れて準備したものをトレーに並べて持ってきた。
「仕事しやすいように園芸部が切ってくれたからサクッとやるぞ。
紫陽花のクローンの作り方は簡単だ。
葉っぱは二枚あれば十分だから葉っぱと葉っぱの間ごとに切り分けて、この苗の根っこになる方をカッターで斜めにカットする。正直俺はあまり関係ないと思うけど一応基本に則って教えておく程度の親切さで俺は葉っぱの下1㎝から2㎝ぐらいでカットで問題ないと思っている。
雑な説明だけどそう言うのならと教えられるまま見よう見まねでカットしていた。
「あとは葉っぱに芽が付いているのが分かるだろ?」
チョンと顔を出した芽をこれですねと確認すれば
「この芽を残すように注意すればいいだけだ。二枚の葉っぱは水分の蒸発を防ぎたいから鋏で半分ほどにカット。ここを土がかぶらないようにぶっさしたら終わり!」
「簡単、ですね?」
いや、ほんとそれだけ?
むしろそれでいいのかと思いながらも大家さんが黙々と大量の挿し木を作っていくので俺ももうプロなんじゃないかと言うくらい淡々と鉢に挿していく。
そして何とか挿し終えた所で大家さんがこの小屋の片隅の水道から如雨露に水を汲んでしゃわわわわー……って水やりをしていた。
「え?もう水をあげていいんですか?」
「寧ろ今やっていいぞ。しかもたっぷり鉢の底から水が流れ出て来るまでしっかりと水をあげて、もしこの時に芽に土がかぶってたら洗い流すように土を払ってやれ。あとは風通しの良い明るい木陰で土の水を切らさないように放置。以上!」
「ほんと簡単っすね」
「紫陽花はこれだから面白いくらいに生命力が強いから増殖がやめられない」
そう言って水をたっぷりと含んだ苗を並べたトレーを運ぶので俺も自分が作ったトレーを追いかけるように持ってついて行けば駐車場の陰に作られたホームセンターでよく見るようなビニールハウスに苗を置いた。
ちなみにすでに挿し木にされていた苗もあり
「これ大家さんが作った奴?」
「作った奴。1週間前の奴だけど。根っこが出だすと鋏で切った葉っぱが枯れていくから目安になるぞー」
「そして遠藤さんの師匠が発狂するのですね」
「おかしいなあ。実桜さん好みの苗をわざわざ取り寄せて好きなお花に囲まれる生活を提供したつもりだったのに……」
度が過ぎれば発狂もするだろう。
大家さんの前ではうっかり下手なこと言えないなと気を引き締めて何往復かして苗を無事ビニールハウスに収納した。
「さて、これで紫陽花の挿し木は終わりだ。次は先生の餌の準備をするか」
「あの、片付けは……」
「ああ、この後園芸部が使うからそのままでいいぞー」
そしてちらりと見る。
紫陽花以外の挿し木がいっぱい作ってあって、それはたぶん……
深く考えるのを止めて一際新築にも近いような新しい家の冷蔵庫に食材を取りに行くと言うので手伝いについて行けば冷蔵庫の中に人が入れるサイズが一般家庭にあるのが信じられなくても容赦なく冷蔵庫の中に入れられて食材を運ばされ、隣のこれも人の入れる冷凍庫に案内されれば映画のように凍った肉の塊が吊るされていて……
「絶対夢に出てくる奴だ……」
「なんだ?骨付きの肉にかぶりつきたいって奴か?
まあ、25歳だもんな。やってみたいお年頃ってやつだな。ちなみに俺はさんざんやって今さら夢には見ないぞ」
「……」
違う。
今俺と大家さんの価値観の差が激しく溝がある事を理解した。
だってそうだろ?
人が入れるような巨大冷凍庫の半分近くを占める肉がぶら下がる景色を見て『骨付きの肉にかぶりつきたい』って笑いながら言えるか?!
俺が言いたいのは悪夢を見るって事なのに、なんでこんなハッピーな思考になるのか教えてほしいと腕の中の発泡スチロールの中身がウニじゃなければ投げつけてやりたいのにと顔は笑顔で心の中ではこの理不尽さに大泣きの俺は力ない足取りで大家さんを追いかけて母屋へとついて行った。
母屋に近づけば香ばしい匂いが強くなってきた。この匂いはあれかなーなんて思っていれば
「せんせーはまたいきなり何を焼き始めてるんだか」
「なに、夏休み前恒例の宿題づくりに疲れたから魚でも食べようかと思っただけだ」
「ビール片手にいい身分だな」
「どうせお前たちも炭を使うだろ?冷蔵庫で大量の魚介類を見たぞ」
「仕方がないだろ。山で海産物は獲れないんだから」
当たり前の事を言いながら
「で、そいつは誰だ?」
かなり失礼な人だと思ったけど昼間からビールを飲んでる人だから仕方がないかとあまり回りに居ないような人にこれからも付き合わないといけないのかと思うも
「先生のとこの近くの家を貸してる人。九条真君25歳」
「あー、水野と植田が言ってたな。植田の後輩だったな?」
「ええと、皆さんお知り合いで?」
ひょっとして逃げられない人間関係になるのかと思えば
「俺達の高校の時の教師で理科部の顧問の高山先生。面倒臭いから適当にせんせーって呼んでおけばいいよ」
「綾人はもうちょっと先生を尊敬してー」
かけらも尊敬できそうにないけど大家さんが安心しきってる顔で笑うから悪い人じゃないんだろうなとそんな評価。
「そういや植田が心配してたぞ。後輩が引っ越してきたけど友達がいないみたいだから寂しくないか心配だって」
「お互い遠い所に住んでいるのでリモートだけどちゃんと交流あります」
なんてボッチの寂しい子じゃないもんと言うように言えば
「まあ、だいたいそうだよな」
なんて独り頷きながらビールを呷っていた。
「で、お前らは紫陽花を入れたバケツを持ってうろうろしていたけど何してたんだ?
あ、紫陽花を焼いて食べるのは勧めないぞ?」
「誰が食べるかって。
九条と園芸部が九条の庭を改造するって張り切っているからせっかくだから園芸の楽しさを教えてやろうって初心者向けの苗を育てさせてやろうと思ってだな」
「お前はまた紫陽花を増殖させる気か?
実桜さん紫陽花ばかりで面白くないって喚いていたぞ?」
「だが俺は面白い。品種改良とか楽しいぞ?種をまいてみたら大繁殖して笑いが止まらなかった」
「それはお前だけだ」
笑う先生の適当さも酷いが
「それよりもビール飲んで待ってるからメシの準備頼むな」
ハイハイなんて大家さんはスルーするけど
「あの人本当に教師なんですか?」
思わずと言うように聞いてしまえば大家さんは苦虫を潰した顔で
「信じたくないけどあれで教師なんだから酷い話だ」
なんて評価をするけど、そのわりにはさっさと飯にしようぜと言う大家さんの足取りがウキウキとして軽くなってる様子が楽しそうなのがなんだか面白さを覚えた。
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