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何だかいい感じにまとめようとしている人がいるんだけど

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「アンディ!お屋敷のお掃除頼むわぁ!」
「ジゼルもクインの家の執事の技を学んで花嫁修業に励めよ!」

 優雅な所作で頭を下げて見送るアンディとその隣には戦闘要員ではないただの自称事務員の為に掃除を一緒にがんばれと置いて行かれたジゼルは理不尽な顔で見送っていた。
 ホークさん曰く先日彼氏の浮気で恋人と別れたばかりとか。
 美人でそつのないジゼルさんに恋人さんはもうちょっとダメな子がご希望だったとか。
 ホークさんもジゼルさんの元恋人と新しい彼女さんを見てジゼルを見て仕方ないと言った。
 比較的標準体形よりややスリムなジゼルさんと女性らしい以上になまめかしすぎる体の持ち主さんにホークさんがかけれた言葉は

「どうせすぐ別れるだろう。多分その時戻ってくるかもしれないからそれまでにあいつを踏み台にしてもっといい女になれ」

 それから仕事に没頭しているジゼルさんを私の担当と言う理由でひっぱりだしたと言うのがホークさんの理由。
 そして

「それにしてもホークはやっぱり目が高いわぁ!」

 ジゼルの失恋話を聞いて顔をほころばせるのはマダム・クイン。

「アンディは優良物件よぉ!
 お金のある男爵家の二男だし、あの子の両親は親バカだから。
 成人して独立したお祝いにお屋敷をポンとプレゼントしちゃったダメな親だから。
 家督はお兄ちゃんがついでご両親は既に領地に引っ込んでいるし、職場はあたしが面倒見てあげているから安泰よぉ!ジゼルちゃんも安心してアンディと結婚して見返しちゃいなさい!」

 何て素敵な雇用主でしょ!とくるくる回りながら説明してくれるマダムに周囲が勝手に外堀を埋めにかかっているとメリッサはドキドキしながらこの話を聞いていた。
 マダムの話しではマダムのお世話をする中で一番年若いまだまだ修行中の執事だと言う物の最初のつんけんとした空気が無くなった今はとても話しのしやすい好青年だと言う事は判っている。職業柄いつも身なりはきちんとしているし、酷い言葉を口にする事もない。
 執事としての面しか知らないがご飯もおいしいので風邪をひいた時なんか側に居てくれると安心できるだろうし、冒険者と言う荒くれ者達の中での生活なら彼のような静かなたたずまいは物足りなく思うかもしれないが癒しとなるだろう。
 メリッサは知らないが剣士としても一流とまでは言わないが騎士科の学生を差し置いてそれなりに学年上位に居続けたアンディはホークほどではない物の一般常識的にもギルドのランク的にも十分強い部類だとホークは評価する。
 そしてジゼルも華奢な女性ながらに元冒険者でシーフをしていた時期もあるのだ。短剣を使わせれば付き合っていた男より圧倒的に強い事は元彼氏さんも知らない秘密で普通の女の子に戻ります宣言したジゼルの話しは無理だろうと心の中で突っ込みつつも暗黙の了解となっている周知の秘密。
 綺麗で親切なジゼルとちょっと無口だけど気配り上手なアンディが一緒になれば素敵だろうなとニマニマ考えているメリッサ以上にこの話どう考えても良い話過ぎじゃないと本人たち以上にテンションが高くなってるクインを止めれる者と言うか止めようとする者はいなかった……






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