没落令嬢はお屋敷ダンジョンを攻略します!

雪那 由多

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原因の大半はお前だな

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 エントランスで待っていればルヴィとメルが揃ってやってくるもそのメルの腕にはここに居てはいけないはずの羽毛系爬虫類のもふもふが居た。
 案の定ホークもジゼルも目を点にして武器を手に持ちメルの腕の中の生き物に釘付けになっているものの、そんな二人にルヴィは警戒したけどメルはその視線ににっこりと笑い

「見てください!
 ルヴィ様が飼っても良いっておっしゃってくれたのです!
 フェズって言います。よろしくお願いします!」
 フェズもこちらの綺麗な人がギルドで私のお世話をしてくれるジゼルさんで、こっちのおっきい人がギルドマスターのホークさんだよ。はいご挨拶」
「くるる、くるるるる!」

 短い前足を上げて「よう!」なんて気軽な挨拶をしているようにも見える姿にホークはしばらくの後肺の底から空気を吐きだして脱力をする。

「ルヴィ説明しろ」

そのまましゃがみこんで体験を抱きしめているホークに

「内緒の話だけど家で産まれたフェザードラゴンのフェズ。
 ほんと産まれたばかりの幼体よ?」
「いや、何でお前んちで生まれたって言うのがそもそもの疑問だ!大問題だ!」

 半眼でルヴィを見上げるように聞くもさっと反らされた顔を見てクインへと向ける。
 少しだけめんどくそうな顔をした物の

「ほらぁ、あの汚屋敷の産物よ。
 ダンジョン化してボスが産まれたんでしょうねぇ。
 こうなると当然ダンジョンの主はルヴィよ」

 嘘でしょと言う様にジゼルは目を点にしてルヴィを見上げホークはお前はまたと頭を抱える。

「学生時代のダンジョンコアをまだ残ってたとか言わないよな」
「あー、ひょっとしたらあるかもしれないけどどこに在るなんて判るわけないだろう」

 まさかのダンジョン化の原因に一同耳を疑う。

「ルヴィあんたダンジョンコアなんて持ってたの?!」

 やめてよ!言う様にあの日の惨劇を知るクインにアンディもヴァレリーも顔が真っ青だ。
 全く知らないメルとダンジョンの核となる物だと言う一般知識の事ぐらいしか知らないスコットはきょとんとその青ざめて行く様子を見ている。
 だけど魔術に精通、もしくはダンジョンの構造を良く知る四人はルヴィを睨みつけ

「学生時代に作った奴の模写よ~。
 ほら、俺様の学校の歴史に残る七大大事件のうち四つを作っただろ?一応反省して何がいけなかったのか家で復習したわけよ」
「ダンジョンの核って騎士団とか魔導院が保管する重要な物じゃなかったかしら?」
「ん?あんなの一度構造見れば作るのは簡単だろ」

 天才様は事も無げにおっしゃった。
 何を聞いたのかわからずに沈黙を保って誰もが話を進むのを待てば

「そりゃ構築式は複雑で魔力もごっそりと持って行かれて何度も起動に失敗したし、二重、三重どころじゃない魔法の同時展開発動何て当時の俺様は知らなかったけど、あのダンジョン事件から何年した頃だったかしら、ある国の山奥で精霊様が魔法使う所を偶然見てねぇ。
 そりゃ今思い出しても綺麗な魔法陣だったわぁ。
 あれを越える魔法を俺様はまだ知らないけど、魔法陣が一つ発動すると次の魔法陣が勝手に発動して行ってな、それを複数同時に発動して一つの魔法を無駄な魔力を必要なく作り上げるその理論もすごいが、何がすごいって一番最初の魔法を起動してから発動するまでのタイムロスのなさ。
 精霊が別格なのは判ってたけど、あんな術式を呼吸する様に使う精霊様に俺っちはこんな所で足踏みしてるわけにもいかないいて思ってねぇ。
 その結果が自作のダンジョンコアの製作の完成だったのよ」

 ドヤ!と胸を張って自慢げな笑顔を見せる。

「メルちゃん、うちの子達を投入するからルヴィの家のお掃除少しがんばりましょうね?」
「一部屋五日のペースでは遅いですか?」
「十分だけど緊急性が出て来たから。
 頑張って南棟までの侵入通路が欲しいわ」
「申し訳ありません。
 西回りの通路は扉の奥の荷物のせいで開かないので東側経由になります。
 北棟からとなると階段のゴミを片付けなければならないのでまだ時間がかかるかと」
「階段のゴミ?」
「はい。片づけると上の階からなだれ落ちてきますので……」

 ゴミの雪崩にメルが流されていく光景を想像して改めて汚屋敷っぷりを理解するが

「ですがゴミの大半はワインの瓶です。
 飲み残しはほとんどないので重量と量と足場の悪さだけが敵なのでそれほど注意する点は……下着位だけです」

 まだ重大の女の子だと言うのに下着ばかり洗濯させられるあの日の光景を知るアンディは顔を背けて涙をぬぐう。
 
「それはさて置き、お屋敷の中を拝見してもよろしいでしょうか?」

 スコットは終わりそうもない話に待ったをかけて屋敷の中を見たいと言う。
 それもそうねとルヴィは懐から鍵を取り出して両開きのエントランスの大きな扉をあけた。








 
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