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うちの子のしつけ方
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「ルヴィ様、この子を飼っても宜しいでしょうか?」
メリッサは胸に抱く焼却炉に住み着いた新たな住人を帰ってきたばかりのルヴィとマダム・クイン、今後の予定にとシャルル・スコット、フェリクス・ヴァレリーを連れて屋敷へと戻ってきた直後のメリッサのお願いだった。
この子と言われてどの子と視線を宙に彷徨わせるも胸に抱かれた愛くるしい生き物を見てルヴィ以外の時間はカチリと止まっていた。
それもそうだ。
その胸に抱かれるのはこの世の厄災とも言われるドラゴンの幼生。
メリッサの拘束から逃れようと大きな咢でドラゴンブレスを吐こうとする顔立ちはまだ子犬のように可愛らしく、大きく開けた口を片手でつかまれてドラゴンブレス不発となり、代わりに大きなげっぷのような音を立てる姿があまりに哀れで視線をそらせてしまった。
握力半端ないなと言うかなぜこんな所にドラゴンがいるのだろうか、そしてなぜメリッサが抱きかかえているのか唯一全部を知るアンディに
「説明できる?」
クインが監視役の僕に聞けば
「焼却炉を使えるように掃除をしようとした所コッコが居なくなった場所に住み着いてました。
調教はメリッサ様が大半を終えているので人に向かって攻撃する事はかなり減っています」
「……調教?ドラゴンに?」
「それはもう、生き物なら耐える事の出来ないそれは惨い調教でした」
「なにそれ……」
口元を抑えそっと視線を逸らすアンディにルヴィも怯えるようにメリッサを見るも
「ええとですね、庭師のおじいちゃんがやっていたのですけど、生き物はこうやってぐるぐると回すと目を回して、それを何度か繰り返すと学習してしてはいけないと言う事を理解するそうです」
言いながらぐるぐると腕を回すあたり三半規管に刺激を与えたのだろう。
「因みにそれは調教ではなく拷問って言うの」
誇り高きドラゴン(幼生)のはずなのに人間怖いと言わんばかりに俺達の視線にスライムの如くびくびくとメリッサの腕の中で怯え震えている。
羨ましい、じゃ無くて確かに調教はいい感じに仕上がりつつあるのだろうがやりすぎだ。
動物虐待も良い所だ。
「クイン、メリッサの家の庭師の行方は?」
「ごめん、まだ手がかりないの。
このドラゴンちゃんの為にも見つけちゃいけない気がするんだけどどーする?」
「至急にだ!
あああっ!大体何でドラゴンが家に住み着いているんだ!!!」
普段の口調はなりを潜め男らしい叫び声が室内に響くも
「それはこの屋敷がダンジョン化しているからでしょう?
まだ初期の段階だからダンジョンボスが産まれたと言う感じかしら」
うーんと唸りながらもメリッサの腕の中で怯えるドラゴンに手を伸ばして顎の下を撫でてやっても一向に心は開いてくれない。
「なかなか手ごわいわねぇ」
言いながらもクインはわしゃわしゃと鬣を撫でてやるも鉄壁の心はかたくなに開かなく逃げようもないのが判ってか大人しくメリッサの腕の中に居た。もう対人恐怖症と言っても良い。
「所でお聞きしたいのですが、やはりこの子はドラゴンなのでしょうか?」
メリッサの質問にアンディは視線を逸らした辺りやっぱりドラゴンと認知せずにいたのかと呆れていれば
「そうですね。フェザードラゴンの幼生でしょう。
成体になればそれは見事な翼でこの空を駆け巡りましょう。
国によっては幸運を招くドラゴンとしてその羽をお守りにする風習もあります。
ただし成体になるのは何百年後ですが」
「つまり暫くはこの可愛いままなのね!」
暫くと言うのはどれだけ先の事をさしてなのだろうかと思うが
「所でちゃんと躾が出来ているのならおっさん飼うのはいいと思うわよ。
ただし、屋敷から出しちゃいけない、お客さんも驚くから合わせない様に、屋敷を壊さない様にって言う事を守らせなさい」
それでいいのかとアンディは驚愕の視線を向ける物の
「ようは外にばれないように飼いなさいと言うわけね。
だけどこの面子にばれた時点でもう無理でしょう」
失笑を零しながらのクインに誰ともなくシャルル・スコットを見た。
次期宰相を虎視眈々と狙うこの男は黙ってろと言っても王太子殿下に報告するのであろう。
「むしろ報告して国ぐるみで保護した方が良いのでは?
隣国もどちらかと言うとフェザードラゴンを崇拝するお国柄。
政治利用と言うのは不謹慎ですが、それでも十分殿下のお力になりましょう」
誰もがどう考えても政治的利用じゃんと不満そうな顔でスコットの顔を見るもスコットは冷静に
「王都内でダンジョンが発生するのもあってはなりませんし、更にはダンジョンの主が誕生するなんて以ての外です。
どのみち報告しなくてはいけない事ですし直ぐに討伐されたくなければ早々に連絡するべきです。
さらに言わせてもらえば」
じっとルヴィ様を睨みつけて
「あなたがこのダンジョンマスターなのです。
まさか屋敷の放置からこのようなダンジョンが産まれたと言うのは貴方の学生時代の悪名高き話から間違いないと、ダンジョンの破壊をすべくマスター討伐をしなくてはなりません。
今ならまだ手が付けられる段階なので早めに報告をして対応を取りましょう」
「まさか少し掃除をしなかっただけでこうなるなんて……」
「ルヴィ様、少しと言うにはささやかすぎる表現ですよー」
俺様はないもしてないんだ!と泣きわめくもこの場合は全く何もしなかったのが原因だ。机に突っ伏して泣くルヴィの頭を撫でるメリッサを真似するかのようにフェザードラゴンの幼生も尻尾で頭を撫でている。
ダンジョンマスターとダンジョンの主の関係は良好のようだ。
「とりあえずそのドラゴンは何処で育てるつもりなの?」
興味深げにクインが聞けば
「焼却炉にしようかと思いましたが、まだこの大きさなので私の目が届く所に置いて躾をしようかと思います」
「それが良いわね。
所でこの子何を食べるか判るの?」
よかったら一緒に調べましょうと提案してくれるも
「ネズミー退治の時にネズミーを食べていたので当面はそれで十分かと思います」
ポッコリと膨らんだ腹を見てなるほどと思いながら
「頭から骨ごとバリバリ血をしたたらせながら食べて、可愛い顔なのにやはり肉食でした」
しょぼんと項垂れるメリッサに
「それは仕方がないですよ。
ドラゴンはある程度大きくなれば光や風を生命力に変える事が出来ますが、それまでは普通に獲物を刈って命の糧にする我らと何ら変わらない哀れな生き物なのです。
せっかくドラゴンとして生まれたと言うのに、幼体と呼ばれるこの時期は逆に捕食される可能性もある力なき者なのでメリッサ殿のような保護者に養われるのも、保護される為にこのような愛らしい姿なのも生き延びる知恵なのです」
さすが宰相候補と言うべきかスコットの博識にメリッサもなるほどと頷きながら
「つまり、ルヴィ様のお屋敷でお世話した方がこの子の為にもなるのですね」
それはどうだろう?とアンディは呟くもメリッサは華麗に無視をして
「明日もたくさんネズミーを取ってあげるからいっぱい食べて大きくなろうねフェズ」
「くぁぁぁ」
返事をするかのような鳴き声と
「フェズ?」
何だそれはと聞けば
「この子の名前です」
胸を張って言う。
「ドラゴンってアンディ様が言ってたけどルヴィ様に聞くまで信用が出来なくて。
ですが躾するには名前が必要です。
一応ドラちゃんとかゴンちゃんとかラゴンちゃんとかいろいろ考えてみました」
名前の安直さにここは避けて通れない道だとドラゴンを誰もが憐れむ瞳で見る中
「だけどフェザードラゴンと仰いましたので候補を総て止めてフェズにしてみました。
フェザードラゴンのフェズ。中々どうしてピッタリな名前だと思いません?」
胸を張って誇らしげに発表するメリッサに誰もが頷く。
メリッサのネーミングセンスなら妥当だなと……
「まぁ、どうでもいいけど、さっき言い付けたお約束は守る様に。
そして躾はしっかりとね?」
約束ね、と言う様に言えば
「確かに承りました!」
ドラゴンの飼育を許可されて満面な笑みでふわふわだけどちょっと焼却炉の汚れがひどいフェザードラゴンを抱えてよろしくねー何て頬ずりする姿にルヴィはハンカチを取り出して煤だらけになりかけた顔を拭ってやるのだった。
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握力半端ないなと言うかなぜこんな所にドラゴンがいるのだろうか、そしてなぜメリッサが抱きかかえているのか唯一全部を知るアンディに
「説明できる?」
クインが監視役の僕に聞けば
「焼却炉を使えるように掃除をしようとした所コッコが居なくなった場所に住み着いてました。
調教はメリッサ様が大半を終えているので人に向かって攻撃する事はかなり減っています」
「……調教?ドラゴンに?」
「それはもう、生き物なら耐える事の出来ないそれは惨い調教でした」
「なにそれ……」
口元を抑えそっと視線を逸らすアンディにルヴィも怯えるようにメリッサを見るも
「ええとですね、庭師のおじいちゃんがやっていたのですけど、生き物はこうやってぐるぐると回すと目を回して、それを何度か繰り返すと学習してしてはいけないと言う事を理解するそうです」
言いながらぐるぐると腕を回すあたり三半規管に刺激を与えたのだろう。
「因みにそれは調教ではなく拷問って言うの」
誇り高きドラゴン(幼生)のはずなのに人間怖いと言わんばかりに俺達の視線にスライムの如くびくびくとメリッサの腕の中で怯え震えている。
羨ましい、じゃ無くて確かに調教はいい感じに仕上がりつつあるのだろうがやりすぎだ。
動物虐待も良い所だ。
「クイン、メリッサの家の庭師の行方は?」
「ごめん、まだ手がかりないの。
このドラゴンちゃんの為にも見つけちゃいけない気がするんだけどどーする?」
「至急にだ!
あああっ!大体何でドラゴンが家に住み着いているんだ!!!」
普段の口調はなりを潜め男らしい叫び声が室内に響くも
「それはこの屋敷がダンジョン化しているからでしょう?
まだ初期の段階だからダンジョンボスが産まれたと言う感じかしら」
うーんと唸りながらもメリッサの腕の中で怯えるドラゴンに手を伸ばして顎の下を撫でてやっても一向に心は開いてくれない。
「なかなか手ごわいわねぇ」
言いながらもクインはわしゃわしゃと鬣を撫でてやるも鉄壁の心はかたくなに開かなく逃げようもないのが判ってか大人しくメリッサの腕の中に居た。もう対人恐怖症と言っても良い。
「所でお聞きしたいのですが、やはりこの子はドラゴンなのでしょうか?」
メリッサの質問にアンディは視線を逸らした辺りやっぱりドラゴンと認知せずにいたのかと呆れていれば
「そうですね。フェザードラゴンの幼生でしょう。
成体になればそれは見事な翼でこの空を駆け巡りましょう。
国によっては幸運を招くドラゴンとしてその羽をお守りにする風習もあります。
ただし成体になるのは何百年後ですが」
「つまり暫くはこの可愛いままなのね!」
暫くと言うのはどれだけ先の事をさしてなのだろうかと思うが
「所でちゃんと躾が出来ているのならおっさん飼うのはいいと思うわよ。
ただし、屋敷から出しちゃいけない、お客さんも驚くから合わせない様に、屋敷を壊さない様にって言う事を守らせなさい」
それでいいのかとアンディは驚愕の視線を向ける物の
「ようは外にばれないように飼いなさいと言うわけね。
だけどこの面子にばれた時点でもう無理でしょう」
失笑を零しながらのクインに誰ともなくシャルル・スコットを見た。
次期宰相を虎視眈々と狙うこの男は黙ってろと言っても王太子殿下に報告するのであろう。
「むしろ報告して国ぐるみで保護した方が良いのでは?
隣国もどちらかと言うとフェザードラゴンを崇拝するお国柄。
政治利用と言うのは不謹慎ですが、それでも十分殿下のお力になりましょう」
誰もがどう考えても政治的利用じゃんと不満そうな顔でスコットの顔を見るもスコットは冷静に
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どのみち報告しなくてはいけない事ですし直ぐに討伐されたくなければ早々に連絡するべきです。
さらに言わせてもらえば」
じっとルヴィ様を睨みつけて
「あなたがこのダンジョンマスターなのです。
まさか屋敷の放置からこのようなダンジョンが産まれたと言うのは貴方の学生時代の悪名高き話から間違いないと、ダンジョンの破壊をすべくマスター討伐をしなくてはなりません。
今ならまだ手が付けられる段階なので早めに報告をして対応を取りましょう」
「まさか少し掃除をしなかっただけでこうなるなんて……」
「ルヴィ様、少しと言うにはささやかすぎる表現ですよー」
俺様はないもしてないんだ!と泣きわめくもこの場合は全く何もしなかったのが原因だ。机に突っ伏して泣くルヴィの頭を撫でるメリッサを真似するかのようにフェザードラゴンの幼生も尻尾で頭を撫でている。
ダンジョンマスターとダンジョンの主の関係は良好のようだ。
「とりあえずそのドラゴンは何処で育てるつもりなの?」
興味深げにクインが聞けば
「焼却炉にしようかと思いましたが、まだこの大きさなので私の目が届く所に置いて躾をしようかと思います」
「それが良いわね。
所でこの子何を食べるか判るの?」
よかったら一緒に調べましょうと提案してくれるも
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ポッコリと膨らんだ腹を見てなるほどと思いながら
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しょぼんと項垂れるメリッサに
「それは仕方がないですよ。
ドラゴンはある程度大きくなれば光や風を生命力に変える事が出来ますが、それまでは普通に獲物を刈って命の糧にする我らと何ら変わらない哀れな生き物なのです。
せっかくドラゴンとして生まれたと言うのに、幼体と呼ばれるこの時期は逆に捕食される可能性もある力なき者なのでメリッサ殿のような保護者に養われるのも、保護される為にこのような愛らしい姿なのも生き延びる知恵なのです」
さすが宰相候補と言うべきかスコットの博識にメリッサもなるほどと頷きながら
「つまり、ルヴィ様のお屋敷でお世話した方がこの子の為にもなるのですね」
それはどうだろう?とアンディは呟くもメリッサは華麗に無視をして
「明日もたくさんネズミーを取ってあげるからいっぱい食べて大きくなろうねフェズ」
「くぁぁぁ」
返事をするかのような鳴き声と
「フェズ?」
何だそれはと聞けば
「この子の名前です」
胸を張って言う。
「ドラゴンってアンディ様が言ってたけどルヴィ様に聞くまで信用が出来なくて。
ですが躾するには名前が必要です。
一応ドラちゃんとかゴンちゃんとかラゴンちゃんとかいろいろ考えてみました」
名前の安直さにここは避けて通れない道だとドラゴンを誰もが憐れむ瞳で見る中
「だけどフェザードラゴンと仰いましたので候補を総て止めてフェズにしてみました。
フェザードラゴンのフェズ。中々どうしてピッタリな名前だと思いません?」
胸を張って誇らしげに発表するメリッサに誰もが頷く。
メリッサのネーミングセンスなら妥当だなと……
「まぁ、どうでもいいけど、さっき言い付けたお約束は守る様に。
そして躾はしっかりとね?」
約束ね、と言う様に言えば
「確かに承りました!」
ドラゴンの飼育を許可されて満面な笑みでふわふわだけどちょっと焼却炉の汚れがひどいフェザードラゴンを抱えてよろしくねー何て頬ずりする姿にルヴィはハンカチを取り出して煤だらけになりかけた顔を拭ってやるのだった。
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