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中庭にはためく白い……以下省略
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アンディはメリッサの仕事を横目で見ながら手伝うのが主人からのお願いだと思っていた。
中庭に洗濯紐を張り巡らし洗い終えた洗濯物を絞りながら干して行く。
洗濯女ならばなかなかの手なれだと思う物の貴族の令嬢だった彼女が文字通り山となっているベルリオーズ様の下着を何の感情も浮かべないまませっせと干して行く様は手慣れた手つきを感心する前に凄いシュールな絵図らだと思っていた。と言うか山ほどの洗濯物の大半はほぼ下着で占められている。
シャツではなく下履きの方、いわゆるパンツ。
父親でもない、ましてやいつ履いていたかもわからない物をシワを伸ばしながら干して行く様は男性の視線からも背けたい光景だと言うのに彼女は文句言わない働き者だった。
そして視界一面には風にそよそよと靡く下着を眺めながらふと疑問。
四方が壁に囲まれている中庭で何故風が?と思う疑問はメリッサが何やら洗濯物を見上げながら
「もうちょっと風を回しておいた方がいいかしら?」
などと言う、深く考えたらいけない呟きは気づかなかった事にしておこう。
この中庭規模の広さを洗濯物が飛ばない程度の揺らめく微弱な風魔法を長々と当たり前のように使うコントロールは大きな魔法を扱うより難しく、ただ全力でぶっ放す魔法を使うより高度な技術が必要な事を少なくとも俺は知っている。
「じゃあアンディ様、次はメインキッチンの続きをしましょう!
水回りは回復できたから火を使えるようにしたいわ!」
「そうなるとパンも焼けたりするから賛成するが、その前にゴミ捨て場を復活させよう」
「……焼却炉の事ですか?」
「ああ、あそこにはもうコッコはいない。空き家をそのままにしておくとまた何かが住み着く可能性がある。
コッコみたいなやつならともかく、ヘビみたいな奴が住み付いたらさすがに嫌だろ?」
「ヘビは嫌いです」
鳥肌が立つと言う様に震えて見せるもコッコ事コカトリスのしっぽはヘビだ。しっぽが切り落とされていた為にヘビの部分がなかったがそれは良いのかと全力で問いただしたいものの……
「もう二度と戻らないコッコの為にコッコの家は正しく焼却炉として復活させるのが家主の管理問題だ。
その権限を預かっているのなら綺麗にしないとな」
「そうですね……」
しょぼんと項垂れるのはペットロスの最中か、それともあわよくばまたコッコが住み着くようにとの期待だろうか。
とりあえず王都内に魔物が産まれて住み着くのは在ってはならないので箒と塵取りを持って焼却炉へと向かう事になった。
ただし何故かメリッサは他にも何点か手にしている物を見て俺は視界を疑っていた。
「所で聞きたいのだが、そのフライパンとフライ返しは一体何なのか聞いても?」
「もちろん何かあった時の為です!
私のような戦いを知らないまま育ってきた貴族の娘が武器を手にするなんてありえない事でしたので。
ですがルヴィ様のお屋敷に来てもう私は何時までも貴族の娘ではいられないのですから!
武器を振るうだけの力はまだないけどフライパンぐらいなら上手にオムレツが作れるくらい腕を上げたので使い慣れた物で自分の事位は守れるように努力をしようかと!」
ふんすーと拳を振り上げるメリッサに意識が遠くなりそうだけど
「ああ、あんた魔法特化だったもんな。
魔道具も使わずにポンポン魔法を使える凄腕だもんな。
戦闘能力は……どうなんだ?」
自称武器は使えないと言うがもうその言葉を鵜呑みにできない勇者の末裔の一族に警戒に越したことはないとフライパン一つでどうこう出来るものでもないしと考えている間に焼却炉へとついてしまった。
焼却炉は高い煙突と周囲に火の粉が飛んでも火事にならない様にとレンガの壁でぐるりと囲んであった。
そして周囲にはネズミーらしき骨格の一部が転がっているものの気にせずに焼却炉の近くに箒で纏める。
「メリッサ、一応焼却炉の中のゴミを出してもらえるかな?」
「うん、今火搔き棒でゴミを出そうとしたんだけど、この中なんかいる……」
火搔き棒を捨ててフライパンとフライ返しを手に警戒する姿にフライ返しより火搔き棒の方が攻撃力ありそうだろうと心の中で突っ込むもメリッサは俺が集めたネズミーの頭蓋骨を投げ込めば、焼却炉のゴミを入れる場所から何かが一瞬姿を現した。
思わずメリッサの手を引っ張って焼却炉から距離を取り
「何かいたね」
「こ、コッコ……」
「じゃない。コッコはもう居ないんだ」
「ならいっその事火を入れちゃいましょう」
コッコじゃないとわかればその潔よさに逆に感心してしまう合間にも魔法で火を放つあたり感心ない事には全く興味を持たないのだなと眺めていれば
ヒュゴーーーッッッ
目を疑う様な火魔法は煙突からも炎が溢れ出す光景に目を疑いながらもあまりの熱さに近寄れないと黙って火が引いて行くのを待とうと思った瞬間
きゅいいいいいんっ!!!
何だか悲痛な叫び声が聞こえたかと思えば焼却炉から炎の塊が飛び出してきた。
「あぶないっ!」
火から守る様にメリッサの手を引こうとするもそれより早くフライパンを構えて
ガゴッッッ!!!
「はあっ?!」
フルスイングで火の塊を焼却炉へと跳ね返していた。
さすがに見間違いではないのかと思うも
「ふいー。
時々火の粉がはぜるから焼却も油断ならないわー」
「そうじゃない」
明らかに何か飛び出してきただろうと言うように焼却炉を指させばその先から何かフラフラした足取りの何かが出てきて……
「コッコ?」
「じゃない」
なんでもコッコにするなと言いたかったがふらふらとした足取りで俺達の前にやってくるもついに力なくパタンと倒れた。
と言うかあれだけの火力に焼かれても全く無傷なボディは煤で汚れて真っ黒になっている程度。せいぜいフライパンで叩かれた直後に焼却炉の壁にぶつかっての脳震盪と見たが
「ねえアンディ様。
なんかこの子可愛くないですか?」
なんか物騒な事をこのお嬢様はおっしゃった。
「この子一体何なんだろう?
お顔は犬っぽい?わあ、凶悪そうな牙がまたアンバランスでかわいい!
羽生えてるけどこれ飛べるのかしら?
後ろの脚はぶっといけど前足はアンバランスなくらい小さいし。ふふっ、ぶっとい脚は大きくなれる証だぞー。大きくなれよー。
鬣がふさふさしてて尻尾もかわいい!あ、鱗も生えてる。コッコを思い出すわあ!
アンディ様もそう思わない?
ルヴィ様にこの子飼ってもいいか聞かなくちゃ!焼却炉をこの子のお家にすればいいと思わない?」
「ちょっと待て!
総合的に見たらそいつは多分ドラゴンだぞ!」
見たこともないけど多分そうだと教科書の記述どおりの特徴に待ったをかけるもメリッサはキョトンとした顔をして
「もうやだなあー。
いくら私に学が無くてもドラゴンがどう言ったものかぐらいか知ってますよー。
自慢じゃないけど私の生家には昔ドラゴンの記述の本がいっぱいあったのです。その本によればどれもこれもドラゴンと言うものは人の何倍も大きい生き物だと書いてありました。
よって、こんなおちびちゃんがドラゴンなわけ無いでしょう!」
なんてドヤ顔で決めるメリッサにドラゴンも生まれた時からあんな巨体じゃ無いんだと許されるものなら全力で殴り倒してやりたかった。
中庭に洗濯紐を張り巡らし洗い終えた洗濯物を絞りながら干して行く。
洗濯女ならばなかなかの手なれだと思う物の貴族の令嬢だった彼女が文字通り山となっているベルリオーズ様の下着を何の感情も浮かべないまませっせと干して行く様は手慣れた手つきを感心する前に凄いシュールな絵図らだと思っていた。と言うか山ほどの洗濯物の大半はほぼ下着で占められている。
シャツではなく下履きの方、いわゆるパンツ。
父親でもない、ましてやいつ履いていたかもわからない物をシワを伸ばしながら干して行く様は男性の視線からも背けたい光景だと言うのに彼女は文句言わない働き者だった。
そして視界一面には風にそよそよと靡く下着を眺めながらふと疑問。
四方が壁に囲まれている中庭で何故風が?と思う疑問はメリッサが何やら洗濯物を見上げながら
「もうちょっと風を回しておいた方がいいかしら?」
などと言う、深く考えたらいけない呟きは気づかなかった事にしておこう。
この中庭規模の広さを洗濯物が飛ばない程度の揺らめく微弱な風魔法を長々と当たり前のように使うコントロールは大きな魔法を扱うより難しく、ただ全力でぶっ放す魔法を使うより高度な技術が必要な事を少なくとも俺は知っている。
「じゃあアンディ様、次はメインキッチンの続きをしましょう!
水回りは回復できたから火を使えるようにしたいわ!」
「そうなるとパンも焼けたりするから賛成するが、その前にゴミ捨て場を復活させよう」
「……焼却炉の事ですか?」
「ああ、あそこにはもうコッコはいない。空き家をそのままにしておくとまた何かが住み着く可能性がある。
コッコみたいなやつならともかく、ヘビみたいな奴が住み付いたらさすがに嫌だろ?」
「ヘビは嫌いです」
鳥肌が立つと言う様に震えて見せるもコッコ事コカトリスのしっぽはヘビだ。しっぽが切り落とされていた為にヘビの部分がなかったがそれは良いのかと全力で問いただしたいものの……
「もう二度と戻らないコッコの為にコッコの家は正しく焼却炉として復活させるのが家主の管理問題だ。
その権限を預かっているのなら綺麗にしないとな」
「そうですね……」
しょぼんと項垂れるのはペットロスの最中か、それともあわよくばまたコッコが住み着くようにとの期待だろうか。
とりあえず王都内に魔物が産まれて住み着くのは在ってはならないので箒と塵取りを持って焼却炉へと向かう事になった。
ただし何故かメリッサは他にも何点か手にしている物を見て俺は視界を疑っていた。
「所で聞きたいのだが、そのフライパンとフライ返しは一体何なのか聞いても?」
「もちろん何かあった時の為です!
私のような戦いを知らないまま育ってきた貴族の娘が武器を手にするなんてありえない事でしたので。
ですがルヴィ様のお屋敷に来てもう私は何時までも貴族の娘ではいられないのですから!
武器を振るうだけの力はまだないけどフライパンぐらいなら上手にオムレツが作れるくらい腕を上げたので使い慣れた物で自分の事位は守れるように努力をしようかと!」
ふんすーと拳を振り上げるメリッサに意識が遠くなりそうだけど
「ああ、あんた魔法特化だったもんな。
魔道具も使わずにポンポン魔法を使える凄腕だもんな。
戦闘能力は……どうなんだ?」
自称武器は使えないと言うがもうその言葉を鵜呑みにできない勇者の末裔の一族に警戒に越したことはないとフライパン一つでどうこう出来るものでもないしと考えている間に焼却炉へとついてしまった。
焼却炉は高い煙突と周囲に火の粉が飛んでも火事にならない様にとレンガの壁でぐるりと囲んであった。
そして周囲にはネズミーらしき骨格の一部が転がっているものの気にせずに焼却炉の近くに箒で纏める。
「メリッサ、一応焼却炉の中のゴミを出してもらえるかな?」
「うん、今火搔き棒でゴミを出そうとしたんだけど、この中なんかいる……」
火搔き棒を捨ててフライパンとフライ返しを手に警戒する姿にフライ返しより火搔き棒の方が攻撃力ありそうだろうと心の中で突っ込むもメリッサは俺が集めたネズミーの頭蓋骨を投げ込めば、焼却炉のゴミを入れる場所から何かが一瞬姿を現した。
思わずメリッサの手を引っ張って焼却炉から距離を取り
「何かいたね」
「こ、コッコ……」
「じゃない。コッコはもう居ないんだ」
「ならいっその事火を入れちゃいましょう」
コッコじゃないとわかればその潔よさに逆に感心してしまう合間にも魔法で火を放つあたり感心ない事には全く興味を持たないのだなと眺めていれば
ヒュゴーーーッッッ
目を疑う様な火魔法は煙突からも炎が溢れ出す光景に目を疑いながらもあまりの熱さに近寄れないと黙って火が引いて行くのを待とうと思った瞬間
きゅいいいいいんっ!!!
何だか悲痛な叫び声が聞こえたかと思えば焼却炉から炎の塊が飛び出してきた。
「あぶないっ!」
火から守る様にメリッサの手を引こうとするもそれより早くフライパンを構えて
ガゴッッッ!!!
「はあっ?!」
フルスイングで火の塊を焼却炉へと跳ね返していた。
さすがに見間違いではないのかと思うも
「ふいー。
時々火の粉がはぜるから焼却も油断ならないわー」
「そうじゃない」
明らかに何か飛び出してきただろうと言うように焼却炉を指させばその先から何かフラフラした足取りの何かが出てきて……
「コッコ?」
「じゃない」
なんでもコッコにするなと言いたかったがふらふらとした足取りで俺達の前にやってくるもついに力なくパタンと倒れた。
と言うかあれだけの火力に焼かれても全く無傷なボディは煤で汚れて真っ黒になっている程度。せいぜいフライパンで叩かれた直後に焼却炉の壁にぶつかっての脳震盪と見たが
「ねえアンディ様。
なんかこの子可愛くないですか?」
なんか物騒な事をこのお嬢様はおっしゃった。
「この子一体何なんだろう?
お顔は犬っぽい?わあ、凶悪そうな牙がまたアンバランスでかわいい!
羽生えてるけどこれ飛べるのかしら?
後ろの脚はぶっといけど前足はアンバランスなくらい小さいし。ふふっ、ぶっとい脚は大きくなれる証だぞー。大きくなれよー。
鬣がふさふさしてて尻尾もかわいい!あ、鱗も生えてる。コッコを思い出すわあ!
アンディ様もそう思わない?
ルヴィ様にこの子飼ってもいいか聞かなくちゃ!焼却炉をこの子のお家にすればいいと思わない?」
「ちょっと待て!
総合的に見たらそいつは多分ドラゴンだぞ!」
見たこともないけど多分そうだと教科書の記述どおりの特徴に待ったをかけるもメリッサはキョトンとした顔をして
「もうやだなあー。
いくら私に学が無くてもドラゴンがどう言ったものかぐらいか知ってますよー。
自慢じゃないけど私の生家には昔ドラゴンの記述の本がいっぱいあったのです。その本によればどれもこれもドラゴンと言うものは人の何倍も大きい生き物だと書いてありました。
よって、こんなおちびちゃんがドラゴンなわけ無いでしょう!」
なんてドヤ顔で決めるメリッサにドラゴンも生まれた時からあんな巨体じゃ無いんだと許されるものなら全力で殴り倒してやりたかった。
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