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弟子希望は判りましたが、この屋敷を見て本当に弟子になりたいですか?と全力で問いたいです
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コッコをこんがりと焼いて穴に埋める間にアンディ様が朝食を用意してくれた。
手伝う頃には朝食の準備が終わっていて、昨日買った物より素晴らしい食材の内容にどうした物かと思えば時折マダムが遊びに来て一緒に食事をするのでこうやって来る時は食材は常に持ってくるようにしていると教えてくれた。
「今回使わなかった分は置いて行くから使ってくれると嬉しいわ~」
ドアの外からマダムが仰ってくれたのでありがたく食器棚に茶葉を片付けたり調味料を詰めていく。
「正直君がいてくれたのは助かった。
マダムもこの屋敷に安心して腰を下ろせる部屋がもうこの部屋しかない事を知ってらっしゃるから何とか死守するように命じられていたのだが、それ以上に散らかすのが早い方なので昨日この炊事場の整ってる様子を見て自分の目を疑ったぐらいだからな」
夢じゃないかとマダムにも見てもらったと笑うアンディ様は急に真面目な顔になり
「私は本当はベルリオーズ様の弟子になりたかったんだ」
ぽつり心の内に在った言葉を吐きだした。
「だけどベルリオーズ様は弟子は取らないとおっしゃって代わりにマダムの所に私を預けてくれたんだ」
パンにバターを塗って野菜とハムとチーズを重ねてサンドイッチを作る。
「マダムの所にはベルリオーズ様に弟子入りを志願した人たちが他にもいっぱいいてね、あの人は誰も弟子を取らないと初めて知ったんだ」
パンの縁を切り落として一口大にかっとする。
「もちろんマダムも尊敬するほどの使い手だが、私はそれでもベルリオーズ様に師事したかった。
だから侍女とは言え君を雇った事が正直憎たらしかった……」
「ええと、ギルドの依頼状からですが……」
「君の他にもギルドから何人も来たさ。
だけどベルリオーズ様はその方達もみんな断っている。彼ら彼女らの職歴に傷つかないように自分に非があるようにして辞めて行ってもらっていたんだ」
みんな気付かずに辞めていったけどねと笑った後私をじっと見て
「君が勇者の末裔と言う事を知って納得いった。
ベルリオーズ様の期待に応えれるのは君ぐらいだろ。
先ほどの魔法を見て私も納得せざるを得なかった。
魔法学校でこれでも主席を取っていたが、君の魔法を見てすっかり自信を無くしてしまった。
今まで何を学んできたのだろう、この程度でベルリオーズ様から何を学べるのだろう。
痛感したよ……」
少し寂しげな顔でほほ笑んでタマゴサンドを作って行く。
それからは私もなにも言えないまま黙々とサンドイッチを作って芸術的な断面図の並ぶサンドイッチに感動するのだった。
一切れを三口で食べれる上品なサンドイッチを四人で囲みながら舌鼓を打った後は……
「さすがクイン。いい仕事するわー。
あれよ、孫にも衣装ってやつねー」
出資者のルヴィ様の評価に私は反論できずに立ち尽くしていた。
紺色のドレスは華やかさこそない。
だけど一級品の布地はただそれだけで華を持ち、嫌というほどの貴族らしさを醸し出す蜂蜜を垂らしたかのような金の髪が控え目な紺の髪飾りによって黄金のティアラのように輝かせていた。
いえ、これはアンディ様によるお手入れの結果ですが、それでも僅か十分も掛けずに毛先を整え、オイルで艶を出し、丁寧に櫛を通したあと編み込みを始めてアップでまとめてくれたのだった。
マダムの髪のお手入れで慣れているとは言っていたけど
「ルヴィ様、鏡なのに別人が写ってます!なんて言う魔法ですか!」
「二人ともまずはアンディの技術を褒めなさい!
別人を作り上げるなんてお手の物なんだから!」
「いえ、普通に褒めていただければ幸いです。
と言うか褒められてないですよね?」
アンディの詐欺メイクで仕上がった私はもはや赤の他人レベルの変貌を遂げるのだった。
そしてこれがお城に行く時の標準スタイルにしましょう!とのマダムの一言で決定する事になった。
その日はアンディ様が朝から来てくれる事になると言うおまけ付き。
何でこんな事になった?!
そんな疑問を抱えながらマダムは私たちを馬車で城へと送ってくれるのだった……
手伝う頃には朝食の準備が終わっていて、昨日買った物より素晴らしい食材の内容にどうした物かと思えば時折マダムが遊びに来て一緒に食事をするのでこうやって来る時は食材は常に持ってくるようにしていると教えてくれた。
「今回使わなかった分は置いて行くから使ってくれると嬉しいわ~」
ドアの外からマダムが仰ってくれたのでありがたく食器棚に茶葉を片付けたり調味料を詰めていく。
「正直君がいてくれたのは助かった。
マダムもこの屋敷に安心して腰を下ろせる部屋がもうこの部屋しかない事を知ってらっしゃるから何とか死守するように命じられていたのだが、それ以上に散らかすのが早い方なので昨日この炊事場の整ってる様子を見て自分の目を疑ったぐらいだからな」
夢じゃないかとマダムにも見てもらったと笑うアンディ様は急に真面目な顔になり
「私は本当はベルリオーズ様の弟子になりたかったんだ」
ぽつり心の内に在った言葉を吐きだした。
「だけどベルリオーズ様は弟子は取らないとおっしゃって代わりにマダムの所に私を預けてくれたんだ」
パンにバターを塗って野菜とハムとチーズを重ねてサンドイッチを作る。
「マダムの所にはベルリオーズ様に弟子入りを志願した人たちが他にもいっぱいいてね、あの人は誰も弟子を取らないと初めて知ったんだ」
パンの縁を切り落として一口大にかっとする。
「もちろんマダムも尊敬するほどの使い手だが、私はそれでもベルリオーズ様に師事したかった。
だから侍女とは言え君を雇った事が正直憎たらしかった……」
「ええと、ギルドの依頼状からですが……」
「君の他にもギルドから何人も来たさ。
だけどベルリオーズ様はその方達もみんな断っている。彼ら彼女らの職歴に傷つかないように自分に非があるようにして辞めて行ってもらっていたんだ」
みんな気付かずに辞めていったけどねと笑った後私をじっと見て
「君が勇者の末裔と言う事を知って納得いった。
ベルリオーズ様の期待に応えれるのは君ぐらいだろ。
先ほどの魔法を見て私も納得せざるを得なかった。
魔法学校でこれでも主席を取っていたが、君の魔法を見てすっかり自信を無くしてしまった。
今まで何を学んできたのだろう、この程度でベルリオーズ様から何を学べるのだろう。
痛感したよ……」
少し寂しげな顔でほほ笑んでタマゴサンドを作って行く。
それからは私もなにも言えないまま黙々とサンドイッチを作って芸術的な断面図の並ぶサンドイッチに感動するのだった。
一切れを三口で食べれる上品なサンドイッチを四人で囲みながら舌鼓を打った後は……
「さすがクイン。いい仕事するわー。
あれよ、孫にも衣装ってやつねー」
出資者のルヴィ様の評価に私は反論できずに立ち尽くしていた。
紺色のドレスは華やかさこそない。
だけど一級品の布地はただそれだけで華を持ち、嫌というほどの貴族らしさを醸し出す蜂蜜を垂らしたかのような金の髪が控え目な紺の髪飾りによって黄金のティアラのように輝かせていた。
いえ、これはアンディ様によるお手入れの結果ですが、それでも僅か十分も掛けずに毛先を整え、オイルで艶を出し、丁寧に櫛を通したあと編み込みを始めてアップでまとめてくれたのだった。
マダムの髪のお手入れで慣れているとは言っていたけど
「ルヴィ様、鏡なのに別人が写ってます!なんて言う魔法ですか!」
「二人ともまずはアンディの技術を褒めなさい!
別人を作り上げるなんてお手の物なんだから!」
「いえ、普通に褒めていただければ幸いです。
と言うか褒められてないですよね?」
アンディの詐欺メイクで仕上がった私はもはや赤の他人レベルの変貌を遂げるのだった。
そしてこれがお城に行く時の標準スタイルにしましょう!とのマダムの一言で決定する事になった。
その日はアンディ様が朝から来てくれる事になると言うおまけ付き。
何でこんな事になった?!
そんな疑問を抱えながらマダムは私たちを馬車で城へと送ってくれるのだった……
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