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おっさんご乱心
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そうこう言っているうちに魔法の実験も終わって屋敷の中に入りながらルヴィ様は私の顔をしばらく眺めた後に溜息を吐いた。
失礼な人と言う事は知っているけどほんとに失礼ねと心の中でむっとしてしまうも
「世間知らずのメルちゃんに少しずつ順序を持って物を教えて行こうとしてたけど、メルちゃんに必要なのは知識だっておっさん理解したわぁ」
悩みながらもワインの瓶に直接口を付けて何口か飲んで
「メルちゃんとこの庭師が何者か知らないけど、メルちゃんが草刈り魔法って呼んで居る奴はね、おっさん達魔法をたしなむ人達の間では『ウィンドカッター』って一般では呼ばれている物なの」
「何だか本格的な魔法の名前っぽいですね」
感心すると言う様に驚くメルちゃんに俺様は項垂れながら
「そして二回目にズバーッと草刈りした奴あるでしょ?」
「はい、草刈り発展系ですね」
「……まあ、いいわ。
あれはおっさん達魔法使いの間ではウィンドスラッシャーって呼んでるの」
「長い名前ですね。
私は両方とも草刈りって呼んでますよ?」
「そうね、魔法は名前が大切じゃないものね。大切なのはイメージだから名前にこだわるのは愚の骨頂よね。
でもいつもあんな風に「えいっ」とか言ってるの?」
「いえ、いつもはテンション上げる為に「飛んでけー」とか適当に言ってます。けど飽きるので途中から何も言いませんよ」
家の庭なら危険もないし、父も母も草刈りを手伝ってくれるわけもない。
いくら気合い入れても頑張っても誰も褒めてくれないの最後は黙々とこなすだけの作業だ。
「メリッサ……」
「なんでしょう旦那様」
突如真面目に名前を呼ばれて背筋を伸ばして正しい使用人のように本来呼ぶべき名称で呼べば
「毎日とは言わない。三日に一回でいいからおっさんと城に行くわよ」
「し、城って……
私……」
「城は社交界に行ってない人だって働ける場所なのよ」
呆れながら頼りない知識に不安を覚えてしまうも
「メル、ギルドカード見せなさい」
「それは昨日誰にも見せるなって……」
「おっさんメルの事全く知らないから知らないままでいいやって思ってたけどそんなわけにはいかなくなったの。
表を起動して魔法のページにを呼び出しなさい」
あまりに強引な言い方だけどいつものオカマ口調ではなく真剣な言葉に不安を覚えながらも表面を起動して魔法のページがどれだか判らないけど一ページずつ指示を受けてめくればそこには他のページと違いぎっしりと文字の羅列が書かれたページがあった。
「これ、メルが使った魔法が履歴として残ってるの。
メルが使える魔法の一覧表って言うものなの。だからまだ使ってない魔法はここに記録されてないんだけど……
俺様正直驚きの連続の途中なのわかる?
風の魔法は勿論水の魔法、火の魔法も使えるのね。ああ、土の魔法に光の魔法……さすが全属性使えるだけあって万遍なく使っててどう驚けばいいか判らないぞ。
と言うか、こんなにも何に使ったのだ?」
昨日はマッピング機能が楽しくって色んな事を記録して遊んでそこまで気づかなかったけどまさかこれほどの種類の魔法を使っているとは自分でも思わなくってギルドカードをまじまじと見てしまう。
「ええと、風は草刈りに火と水は調理や洗濯に、その、いつもの癖で使ってしまいました。
土は今朝仕留めた鳥の内臓を埋めるのにお庭の一角に穴を掘って埋めまして、光は夜ギルドカードを見る為に明かりにちょっと……」
「昨日の夜なんかガサガサしてると思ったらそんな事してたのねぇ」
「いやぁ……」
返す言葉が見つからなくって照れながらもそっぽを向いてしまう。
「そしてこれが本日の討伐数のページ。
見てごらんなさい。
ネズミー108体なんてちょっとしたモンパレなのよ?!」
「ネズミーじゃなくってビックラットです」
「ここまでの大群だともうネズミーの方が呼び方が楽でいいわ!
初心者向けのモンスターだけどそれでもこいつらにかまれて命を落とす冒険者だっていまだに珍しくないのに108体って一体何……
いくら雑魚でもこの数の退治は俺様だって骨が折れるわよ」
「この汚屋敷の真の住人です。
差し詰め旦那様はダンジョンマスターですね」
「なんか言い返せないって悔しいわね!」
そう言って私の指を掴んでまたページを移動する。
そこは二番目のページの……
「これから見る数字を覚えておきなさい。
メルのLvは32。そして宮廷魔道士筆頭のおっさんは79。
城での目安だけど魔導学校卒業の目安がLv.20ぐらいなの。
同年代の子と比べて自分の凄さをちょっと理解しなさい。
そして一番気にする所はこのMPよ!HPはLv.30ぐらいの標準だから気にしなくてもいいわ!すでにLvが標準じゃないけどね!
で、大問題のMPよ!
メルはとっくに10000をオーバーしているの!判る?!
おっさんとほぼ同じぐらいの魔力を保有しているのよ?!
Lv.80に近いおっさんとほぼ同量ってありえないでしょう!!!」
吼えるように叫んだ後にワインの瓶に残っていたワインを一気に飲み干した。
失礼な人と言う事は知っているけどほんとに失礼ねと心の中でむっとしてしまうも
「世間知らずのメルちゃんに少しずつ順序を持って物を教えて行こうとしてたけど、メルちゃんに必要なのは知識だっておっさん理解したわぁ」
悩みながらもワインの瓶に直接口を付けて何口か飲んで
「メルちゃんとこの庭師が何者か知らないけど、メルちゃんが草刈り魔法って呼んで居る奴はね、おっさん達魔法をたしなむ人達の間では『ウィンドカッター』って一般では呼ばれている物なの」
「何だか本格的な魔法の名前っぽいですね」
感心すると言う様に驚くメルちゃんに俺様は項垂れながら
「そして二回目にズバーッと草刈りした奴あるでしょ?」
「はい、草刈り発展系ですね」
「……まあ、いいわ。
あれはおっさん達魔法使いの間ではウィンドスラッシャーって呼んでるの」
「長い名前ですね。
私は両方とも草刈りって呼んでますよ?」
「そうね、魔法は名前が大切じゃないものね。大切なのはイメージだから名前にこだわるのは愚の骨頂よね。
でもいつもあんな風に「えいっ」とか言ってるの?」
「いえ、いつもはテンション上げる為に「飛んでけー」とか適当に言ってます。けど飽きるので途中から何も言いませんよ」
家の庭なら危険もないし、父も母も草刈りを手伝ってくれるわけもない。
いくら気合い入れても頑張っても誰も褒めてくれないの最後は黙々とこなすだけの作業だ。
「メリッサ……」
「なんでしょう旦那様」
突如真面目に名前を呼ばれて背筋を伸ばして正しい使用人のように本来呼ぶべき名称で呼べば
「毎日とは言わない。三日に一回でいいからおっさんと城に行くわよ」
「し、城って……
私……」
「城は社交界に行ってない人だって働ける場所なのよ」
呆れながら頼りない知識に不安を覚えてしまうも
「メル、ギルドカード見せなさい」
「それは昨日誰にも見せるなって……」
「おっさんメルの事全く知らないから知らないままでいいやって思ってたけどそんなわけにはいかなくなったの。
表を起動して魔法のページにを呼び出しなさい」
あまりに強引な言い方だけどいつものオカマ口調ではなく真剣な言葉に不安を覚えながらも表面を起動して魔法のページがどれだか判らないけど一ページずつ指示を受けてめくればそこには他のページと違いぎっしりと文字の羅列が書かれたページがあった。
「これ、メルが使った魔法が履歴として残ってるの。
メルが使える魔法の一覧表って言うものなの。だからまだ使ってない魔法はここに記録されてないんだけど……
俺様正直驚きの連続の途中なのわかる?
風の魔法は勿論水の魔法、火の魔法も使えるのね。ああ、土の魔法に光の魔法……さすが全属性使えるだけあって万遍なく使っててどう驚けばいいか判らないぞ。
と言うか、こんなにも何に使ったのだ?」
昨日はマッピング機能が楽しくって色んな事を記録して遊んでそこまで気づかなかったけどまさかこれほどの種類の魔法を使っているとは自分でも思わなくってギルドカードをまじまじと見てしまう。
「ええと、風は草刈りに火と水は調理や洗濯に、その、いつもの癖で使ってしまいました。
土は今朝仕留めた鳥の内臓を埋めるのにお庭の一角に穴を掘って埋めまして、光は夜ギルドカードを見る為に明かりにちょっと……」
「昨日の夜なんかガサガサしてると思ったらそんな事してたのねぇ」
「いやぁ……」
返す言葉が見つからなくって照れながらもそっぽを向いてしまう。
「そしてこれが本日の討伐数のページ。
見てごらんなさい。
ネズミー108体なんてちょっとしたモンパレなのよ?!」
「ネズミーじゃなくってビックラットです」
「ここまでの大群だともうネズミーの方が呼び方が楽でいいわ!
初心者向けのモンスターだけどそれでもこいつらにかまれて命を落とす冒険者だっていまだに珍しくないのに108体って一体何……
いくら雑魚でもこの数の退治は俺様だって骨が折れるわよ」
「この汚屋敷の真の住人です。
差し詰め旦那様はダンジョンマスターですね」
「なんか言い返せないって悔しいわね!」
そう言って私の指を掴んでまたページを移動する。
そこは二番目のページの……
「これから見る数字を覚えておきなさい。
メルのLvは32。そして宮廷魔道士筆頭のおっさんは79。
城での目安だけど魔導学校卒業の目安がLv.20ぐらいなの。
同年代の子と比べて自分の凄さをちょっと理解しなさい。
そして一番気にする所はこのMPよ!HPはLv.30ぐらいの標準だから気にしなくてもいいわ!すでにLvが標準じゃないけどね!
で、大問題のMPよ!
メルはとっくに10000をオーバーしているの!判る?!
おっさんとほぼ同じぐらいの魔力を保有しているのよ?!
Lv.80に近いおっさんとほぼ同量ってありえないでしょう!!!」
吼えるように叫んだ後にワインの瓶に残っていたワインを一気に飲み干した。
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