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お屋敷の中でバトルスタート?!
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臭いなんてもんじゃない。
カビの匂いと腐った下水の匂いとそして、そして……
慌てて廊下側の窓を開けて換気をして北側から中庭に続く扉の鍵を開けて脱出口の確保をして、メインキッチンの二つある扉の奥側に行って扉を大きく開けたところでダッシュして中庭に近い入口の扉を開けてから北棟を脱出したのだった。
私以外誰もいないはずの屋敷からざわつく物音。
突然開いた扉から入り込む新鮮な風に慌てる巣食う者達。
ざわざわと言う足音と共に扉から溢れ出した黒い奴らとどこで繁殖していたのか目を光らせて私を睨みつけるネズミーなモンスター達!
「嘘でしょーっ!
さすがにこの数はありえないわよ!!!」
悲鳴と絶叫が気に障ったのかネズミーなモンスター達が一斉に飛びかかって来るのを見て思わず扉を閉めてしまった。
ドンドンドンと扉越しに感じる衝撃にほんとに襲ってきたと血の気が引いてしまう。
だけど開けた窓から飛び出して私に襲ってくるから側にあった塵取りと箒を持ってとびかかってきた瞬間に箒と塵取りで叩き返す。
「いやぁー!!!」
せっかく新しいワンピースを買ってもらったのにネズミーに齧られてたまる物かと仕方がなく古い箒がいつまで持つか判らないけど箒に魔力を纏わせて
「草刈っ!」
次々に襲い掛かってくるネズミーに向かって振り払えば一瞬にして……以下省略。
それを何度か繰り返すうちに数も少なくなり、襲い掛かってくるモンスターは居なくなった所で座り込んでしまった。
「うええ……気持ちわるかったよ……」
侯爵家の屋敷でモンスターに襲われた事か目の前の惨事のどちらについてかはメリッサは言わなかった。
そして静かになった北館のドアをそっと開ければさっきまでなかった廊下の至る所にある点点点……
「ううう、この汚屋敷怖いよ……」
綺麗にする以上中に入らないと言う選択はない。
せっかく優しいルヴィ様にいろいろお世話になっておきながらここで仕事が出来ないと言うのは私は叔父のお嫁さんにしかなるしかない価値のない人間だと言う事を認めてしまうような物。
震える足を進めれば黒い奴らはザザザ……とどれだけいるのか判らない足音を立ててキッチンの薄暗い方へと向かって行く。
今からキッチンに行くのに勘弁してーと薄暗いキッチンの悪臭のすさまじさに鼻を摘みながら何とか入り口そばにあるはずの明かりのスイッチを押す事が出来た。明かりはちゃんと稼働してか室内の全貌を見渡す事が出来たのだ。
うん、見たくなかった。
ひど……いや、広い水場に積まれた布の山は見るからにカビが生えているし、流し場から溢れた皿やコップがネズミーの悪戯でことごとく割れている。
そして齧られた食器棚や戸棚も再利用不可なまでに穴が開いていて、そこに向かって黒い奴らは潜り込んでいく。
カビの匂いもさることながら流しから逆流する下水の匂いはもう末期的で……
だけど……
「攻略するのはあそこからね」
とりあえず膝の高さまで物が溢れた室内の中に入るには入口から片づけなくちゃとフライパンらしきものを見つけたから箒替わりではないもののそれを使って入口近辺の一角を廊下に崩すように崩壊させればあふれ出たごみの中からネズミーの干からびた……
何としてもルヴィ様の為にとしがみつく決意はした物の叫ばずにはいられない。
「いやあああっっっーーー!!!」
空に向かって絶叫しても誰もいないこのベルリオーズ邸から誰の助けも飛んでは来ない。
ただ先程慌てて逃げた鳥が戻ってきていたらしく、メリッサの腹の底からの悲鳴にまた飛び立っていくのを涙目で見送るのだった。
カビの匂いと腐った下水の匂いとそして、そして……
慌てて廊下側の窓を開けて換気をして北側から中庭に続く扉の鍵を開けて脱出口の確保をして、メインキッチンの二つある扉の奥側に行って扉を大きく開けたところでダッシュして中庭に近い入口の扉を開けてから北棟を脱出したのだった。
私以外誰もいないはずの屋敷からざわつく物音。
突然開いた扉から入り込む新鮮な風に慌てる巣食う者達。
ざわざわと言う足音と共に扉から溢れ出した黒い奴らとどこで繁殖していたのか目を光らせて私を睨みつけるネズミーなモンスター達!
「嘘でしょーっ!
さすがにこの数はありえないわよ!!!」
悲鳴と絶叫が気に障ったのかネズミーなモンスター達が一斉に飛びかかって来るのを見て思わず扉を閉めてしまった。
ドンドンドンと扉越しに感じる衝撃にほんとに襲ってきたと血の気が引いてしまう。
だけど開けた窓から飛び出して私に襲ってくるから側にあった塵取りと箒を持ってとびかかってきた瞬間に箒と塵取りで叩き返す。
「いやぁー!!!」
せっかく新しいワンピースを買ってもらったのにネズミーに齧られてたまる物かと仕方がなく古い箒がいつまで持つか判らないけど箒に魔力を纏わせて
「草刈っ!」
次々に襲い掛かってくるネズミーに向かって振り払えば一瞬にして……以下省略。
それを何度か繰り返すうちに数も少なくなり、襲い掛かってくるモンスターは居なくなった所で座り込んでしまった。
「うええ……気持ちわるかったよ……」
侯爵家の屋敷でモンスターに襲われた事か目の前の惨事のどちらについてかはメリッサは言わなかった。
そして静かになった北館のドアをそっと開ければさっきまでなかった廊下の至る所にある点点点……
「ううう、この汚屋敷怖いよ……」
綺麗にする以上中に入らないと言う選択はない。
せっかく優しいルヴィ様にいろいろお世話になっておきながらここで仕事が出来ないと言うのは私は叔父のお嫁さんにしかなるしかない価値のない人間だと言う事を認めてしまうような物。
震える足を進めれば黒い奴らはザザザ……とどれだけいるのか判らない足音を立ててキッチンの薄暗い方へと向かって行く。
今からキッチンに行くのに勘弁してーと薄暗いキッチンの悪臭のすさまじさに鼻を摘みながら何とか入り口そばにあるはずの明かりのスイッチを押す事が出来た。明かりはちゃんと稼働してか室内の全貌を見渡す事が出来たのだ。
うん、見たくなかった。
ひど……いや、広い水場に積まれた布の山は見るからにカビが生えているし、流し場から溢れた皿やコップがネズミーの悪戯でことごとく割れている。
そして齧られた食器棚や戸棚も再利用不可なまでに穴が開いていて、そこに向かって黒い奴らは潜り込んでいく。
カビの匂いもさることながら流しから逆流する下水の匂いはもう末期的で……
だけど……
「攻略するのはあそこからね」
とりあえず膝の高さまで物が溢れた室内の中に入るには入口から片づけなくちゃとフライパンらしきものを見つけたから箒替わりではないもののそれを使って入口近辺の一角を廊下に崩すように崩壊させればあふれ出たごみの中からネズミーの干からびた……
何としてもルヴィ様の為にとしがみつく決意はした物の叫ばずにはいられない。
「いやあああっっっーーー!!!」
空に向かって絶叫しても誰もいないこのベルリオーズ邸から誰の助けも飛んでは来ない。
ただ先程慌てて逃げた鳥が戻ってきていたらしく、メリッサの腹の底からの悲鳴にまた飛び立っていくのを涙目で見送るのだった。
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