71 / 73
星屑物語 64
しおりを挟む
なんて眩しい朝なのだろうと思った。
そして少し寒くて毛布の中に潜り込むも少し慣れた、けどいつもと違う温もりが傍らにあった。
この暖かさは何だろうと気づけば普段使っている枕とも硬さが違う。
眩しさを堪えてゆっくりと目を開ければそこには朝日を浴びたきらきらとした……何て生易しい輝きのエル様のまつ毛がすぐ側に在った。
一瞬あまりの近さになんだろう?なんて思うもゆっくりと開いた湖面のような瞳に映し出された自分の顔と、少しだけ覗くその姿に一気に昨夜の事を思い出した。
そうだっ!私っ!!私っっっ!!!
っんあーーーーーっっっ!!!
声にならない絶叫を脳内に響かせて慌てて距離を取ろうとするもこれを世は腕枕と言う腕で引き戻されて
「おはようアリー」
どこか楽しげな瞳はゆっくりと細められていっておでこに朝の挨拶のキスをしてくれた。
「お、おは、おはっ!」
ぼふんっ!!!
まるで魔術が暴発したかのように頭の中が真っ白に爆発してしまったものの、目の前の世界は迷う事無き昨夜の余韻が色濃く残る夫婦の寝室の姿だった。
何も言えずにぱくぱくと魚のように開けたり閉ざしたりを繰り返す私にエル様は吹きだしそうになるのを堪えて
「とりあえずガウンを着よう。
たぶん少し落ち着くよ」
手渡されたガウンに袖を通すもそれでも色々と心細い装備に枕を抱きしめていれば今度こそエル様は声を出して笑っていた。
「何も笑わなくても……」
つい恨めしいと言う様に睨み上げてしまうが
「怒らないで。
これでも可愛くてどうしようって戸惑ってるんだから」
再びの脳内の暴発に毛布を引き寄せれば代わりにそこには全裸のエル様が居た。
これはなかなか見事に鍛え抜いた筋肉……ではなくっ!!!
とりあえず枕を渡しておいた。
くつくつと楽しげな笑いが響く中で
「お風呂入れるけどどうする?」
聞いて布団を頭からかぶって入りたいと言うかこの場から逃げたいと移動をしようとするも
「あ……」
しゃがみこんでしまう。
だって、だって……
もう毛布で頭から全身隠してもエル様が笑っている声が聞こえる。
実際笑ってはないのだけど、羞恥心がすべてそう聞かせる。
だってベットを降りようとした瞬間……
昨夜のエル様のアレとかがね、うち腿を伝ってね……
実家では馬の繁殖とか手伝ったし交尾も良く目にしたよ。
だけどそれた自分の身に降りかかるとね……
羞恥しかなくってどうすればいいの?!
と声を大にして叫びたい。
そんな風にどうすればいいのかとか考えているうちにエル様はガウンを羽織って私を布団事抱き上げる。
エル様力持ちー!なんて思う間もなく布団事でごめんなさいと思いながらバスへと案内される。
何で隣の部屋に続きで風呂場があるのかと思ったけどこういう時の為なのねとしみじみ思いながら少しぬるくなってしまったバスタブに……当然だが私の攻防なんて全くの効果はなく布団とガウンを剥がされて、そっと沈めてもらうのだった。
恥ずかしくて死にそうとはこう言うのかと口元まで沈んでしまうも、エル様は気を使ってか背中を向けたまま
「ごめんね。
本当なら学園を卒業するまではこう言うのはしないつもりだったんだけど」
静かな二人きりのバスルーム。
白いタイルで朝の光を浴びて明るくて暖かくて夜に見る様子とは全く印象が違う。
「アリーは俺の事をどう思ってるか、まあ、昨日で判ったけど。
判らない間はいろいろ俺なりに不安だったんだ。
初めこそ可愛いお嬢さんだったアリーだけど、アリーを知って行くうちにのめり込んでいく俺が居て、ルードは関係ない事は理解していても自分より格上が来てやっと誰にも渡したくない感情が芽生えた。
約束したはずなのに、ごめんね」
背中に広がる濡れた髪を救い上げて毛先にキスをしていた。
こう言うのが様になるのねとやんちゃなお子様しか居なかったクレヴィングの男共のせいで男性に優しくされる免疫は全くない。
寧ろ男より男らしいと言われて来たアリーだったが、初めて女性として扱われて戸惑うのも周りの策略かと思いな口元まで潜ってしまう。
「じゃあ、ナタリーか誰か呼んでくるからまっててね」
離れようとするエル様のガウンの裾を思わずと言う様に掴んでしまった。
「ええと……」
何?と言う様に小首かしげるエル様のいつみても爽やかな顔に自分だけがいつまでも子供のように思えて視線をそらしそうになるも、言わなくてはならない事はある。
昨日の夜受け入れたのは私で、それなのに朝になってこんなにも気遣われて……
「これからもよろしくお願いします」
ごめんなさいともご迷惑おかけしましたとも違うと思い選んだ言葉を言ってからよく考えて赤面してしまう。
気のせいだけどお湯の温度が一度上がった気がした。
だってエル様が嬉しそうに、そして何処か照れた様に笑うのだから……
扉を閉ざして離れて行く気配が部屋を出た頃やっと緊張が解けた。
「これが夫婦……
今夜からどうしよう……」
今迄みたいに寝れるのか、昨晩のような事が毎晩繰り広げられるのかとそれだけが頭の中がいっぱいで、暫くしてやってきたナタリーにかわいそうな子を見るように眺められるのだった。
そして私はまだ初夜を迎えた夫婦の儀式が終わってない事を朝食の場で知る。
真っ白のテーブルクロスの上に飾られたブーケ、いつもとは全く違う豪勢な朝食、向かい合って座る席はいつもと同じだが、ゆっくりと進む朝食の場はどこまでも時間をたっぷりとかけたどこか甘ったるさえ感じる空気が漂っている。
これは一体何なんだと思うってモデラーを見上げれば
「おめでとうございます。
今朝はどうぞごゆっくりお食事をお楽しみください」
思いっきり昨夜の事がばれていたようだ。
しかもこの様子なら全員に……
顔を真っ赤にして引き攣らせてしまうも
「お嬢様、この屋敷で起きた事は総て我ら使用人は熟知しております。
どうぞ我らの事など気に留めずにお心のままにお過ごしください」
深々とナタリーが頭を下げればいつ知ったのと叫びたかったものの
「ですが、昨日ルードから送られたブローチだけはこちらで厳重に管理させていただきます」
「ルードのブローチ?」
「はい。誘拐や迷子対策として色々な機能が付いております。
その中に誘拐を前提として会話が聞けるようになっているので」
しれっと言うナタリーだが、マリエルが赤面する所、昨日の夜の事も筒抜けの理由がそれだと気づいてしまった。
「ル、ルード!!!」
思わず名前を叫ぶも
「ルード様は既に登城されて留守にしております。
昼前にはお戻りになられるそうです」
思わずカトラリーを握りしめて逃げたなと机に突き刺してしまうものの
「お嬢様ひとつ宜しいでしょうか?」
ナタリーが座る私の横に立って少しだけ伏せた視線の顔からは感情は一切見当たらない。
「お嬢様はクレヴィングのアリアーネ様ではもうありません。
グレゴールの長として、時としてリンヴェル一族をお諫めにならなくてはならないお役目もある立場です。
常時我らが警護に当たり常時監視されている事を慣れてくださいませ」
「それは、判ってるよ。だけど……」
まさか寝室の中までその対象とは思わなかった。と言うか普通に考えれば一番無防備な時こそ警護は厚くしなくてはならない。
「でもまさかルードがって思うと……」
「クレヴィング様がこの時期ぐらいが王都の生活にも慣れて一番気が抜ける頃だからとルードをよこしたのです。
ルードの事情を知っての通りあの子も監視生活で育ちましたからこそ必要な時必要な警備をアリアーネ様を守る為に施せます。
ファウエル様を信じないのも我々を信じ切らないのもあの子の務め。
ましてやご学友の友人達もルードにとっては危険人物の集団。
随分と立派に性格がねじまがって育ってしまいましたがそうなるしかない環境で育ったルードはこの屋敷の誰よりも危機感を持っております」
「何気に今すごくルードを貶したね」
説教の最中だと言うのに思わず突っ込んでしまうほどの言葉をスルー出来なくて言えば背後のモデラーも深く頷いていた。
「ルードの事はさて置き、明日から議会も始まります。
学校は当面お休みになります。
それなのにそんな浮ついてお腹周りに脂肪も付いたたるんだ様子ではグレゴールは舐められるという物。
運よく昨夜中に初夜を迎えた今もう他に気にする事は何もなのでもう一度最初からお勉強をしましょう」
「え?やだよナタリーさん。って言うか、このおなかの理由はソナーのせいだと思う、いや、先日のルードのカラアゲ攻撃のたまもの?
って言うか目つきがほんと怖いんですけど?!
何か気に障る事でもした?私何か変な事やった?!」
何故か朝からご立腹で説教モードを始めたナタリーを他所にエル様にケイトが何か囁いていて……ナタリーを哀れむ視線を向けて納得をしていた。
声は全く聞こえなかったけど、何か絶大な地雷を踏んだらしい。
「さあ、本来ゆっくりとブランチとする予定でしたがちゃっちゃと食べてお礼状を書きましょう。
ええ、たかだか100件に満たない数です。
さあ、早くお召し上がりください。
この後明日の議会の議題を頭に叩き込んでいただかなくてはならないのですから。
ここはもう戦場の食事の場なのですから!」
「ええ?!何かよくわからないけどごめんなさーい!!!」
まるで八つ当たりのようなナタリーの気配にとりあえず謝っておいて監視下の元本日のノルマをこなし、その夜やっと寝る頃になってエル様から事情を聞かされたのだ。
私達が屋敷に戻ってきた頃ナタリーが何とかしてルードを寝室に連れ込んでやっとその気にさせていざとこれからという所を邪魔されたと言う……愛の為なら平気で戦争を仕掛ける事で有名なノヴァエスの気性を確かに彼女も受けついでいるなとやっとあの苛立ちようと朝からルードが居ない事を理解すればそれでいいのかと呆れるエル様は私を抱き寄せて……
ナタリーの拷問に耐え続けた私を今夜も甘やかすのだった。
そして少し寒くて毛布の中に潜り込むも少し慣れた、けどいつもと違う温もりが傍らにあった。
この暖かさは何だろうと気づけば普段使っている枕とも硬さが違う。
眩しさを堪えてゆっくりと目を開ければそこには朝日を浴びたきらきらとした……何て生易しい輝きのエル様のまつ毛がすぐ側に在った。
一瞬あまりの近さになんだろう?なんて思うもゆっくりと開いた湖面のような瞳に映し出された自分の顔と、少しだけ覗くその姿に一気に昨夜の事を思い出した。
そうだっ!私っ!!私っっっ!!!
っんあーーーーーっっっ!!!
声にならない絶叫を脳内に響かせて慌てて距離を取ろうとするもこれを世は腕枕と言う腕で引き戻されて
「おはようアリー」
どこか楽しげな瞳はゆっくりと細められていっておでこに朝の挨拶のキスをしてくれた。
「お、おは、おはっ!」
ぼふんっ!!!
まるで魔術が暴発したかのように頭の中が真っ白に爆発してしまったものの、目の前の世界は迷う事無き昨夜の余韻が色濃く残る夫婦の寝室の姿だった。
何も言えずにぱくぱくと魚のように開けたり閉ざしたりを繰り返す私にエル様は吹きだしそうになるのを堪えて
「とりあえずガウンを着よう。
たぶん少し落ち着くよ」
手渡されたガウンに袖を通すもそれでも色々と心細い装備に枕を抱きしめていれば今度こそエル様は声を出して笑っていた。
「何も笑わなくても……」
つい恨めしいと言う様に睨み上げてしまうが
「怒らないで。
これでも可愛くてどうしようって戸惑ってるんだから」
再びの脳内の暴発に毛布を引き寄せれば代わりにそこには全裸のエル様が居た。
これはなかなか見事に鍛え抜いた筋肉……ではなくっ!!!
とりあえず枕を渡しておいた。
くつくつと楽しげな笑いが響く中で
「お風呂入れるけどどうする?」
聞いて布団を頭からかぶって入りたいと言うかこの場から逃げたいと移動をしようとするも
「あ……」
しゃがみこんでしまう。
だって、だって……
もう毛布で頭から全身隠してもエル様が笑っている声が聞こえる。
実際笑ってはないのだけど、羞恥心がすべてそう聞かせる。
だってベットを降りようとした瞬間……
昨夜のエル様のアレとかがね、うち腿を伝ってね……
実家では馬の繁殖とか手伝ったし交尾も良く目にしたよ。
だけどそれた自分の身に降りかかるとね……
羞恥しかなくってどうすればいいの?!
と声を大にして叫びたい。
そんな風にどうすればいいのかとか考えているうちにエル様はガウンを羽織って私を布団事抱き上げる。
エル様力持ちー!なんて思う間もなく布団事でごめんなさいと思いながらバスへと案内される。
何で隣の部屋に続きで風呂場があるのかと思ったけどこういう時の為なのねとしみじみ思いながら少しぬるくなってしまったバスタブに……当然だが私の攻防なんて全くの効果はなく布団とガウンを剥がされて、そっと沈めてもらうのだった。
恥ずかしくて死にそうとはこう言うのかと口元まで沈んでしまうも、エル様は気を使ってか背中を向けたまま
「ごめんね。
本当なら学園を卒業するまではこう言うのはしないつもりだったんだけど」
静かな二人きりのバスルーム。
白いタイルで朝の光を浴びて明るくて暖かくて夜に見る様子とは全く印象が違う。
「アリーは俺の事をどう思ってるか、まあ、昨日で判ったけど。
判らない間はいろいろ俺なりに不安だったんだ。
初めこそ可愛いお嬢さんだったアリーだけど、アリーを知って行くうちにのめり込んでいく俺が居て、ルードは関係ない事は理解していても自分より格上が来てやっと誰にも渡したくない感情が芽生えた。
約束したはずなのに、ごめんね」
背中に広がる濡れた髪を救い上げて毛先にキスをしていた。
こう言うのが様になるのねとやんちゃなお子様しか居なかったクレヴィングの男共のせいで男性に優しくされる免疫は全くない。
寧ろ男より男らしいと言われて来たアリーだったが、初めて女性として扱われて戸惑うのも周りの策略かと思いな口元まで潜ってしまう。
「じゃあ、ナタリーか誰か呼んでくるからまっててね」
離れようとするエル様のガウンの裾を思わずと言う様に掴んでしまった。
「ええと……」
何?と言う様に小首かしげるエル様のいつみても爽やかな顔に自分だけがいつまでも子供のように思えて視線をそらしそうになるも、言わなくてはならない事はある。
昨日の夜受け入れたのは私で、それなのに朝になってこんなにも気遣われて……
「これからもよろしくお願いします」
ごめんなさいともご迷惑おかけしましたとも違うと思い選んだ言葉を言ってからよく考えて赤面してしまう。
気のせいだけどお湯の温度が一度上がった気がした。
だってエル様が嬉しそうに、そして何処か照れた様に笑うのだから……
扉を閉ざして離れて行く気配が部屋を出た頃やっと緊張が解けた。
「これが夫婦……
今夜からどうしよう……」
今迄みたいに寝れるのか、昨晩のような事が毎晩繰り広げられるのかとそれだけが頭の中がいっぱいで、暫くしてやってきたナタリーにかわいそうな子を見るように眺められるのだった。
そして私はまだ初夜を迎えた夫婦の儀式が終わってない事を朝食の場で知る。
真っ白のテーブルクロスの上に飾られたブーケ、いつもとは全く違う豪勢な朝食、向かい合って座る席はいつもと同じだが、ゆっくりと進む朝食の場はどこまでも時間をたっぷりとかけたどこか甘ったるさえ感じる空気が漂っている。
これは一体何なんだと思うってモデラーを見上げれば
「おめでとうございます。
今朝はどうぞごゆっくりお食事をお楽しみください」
思いっきり昨夜の事がばれていたようだ。
しかもこの様子なら全員に……
顔を真っ赤にして引き攣らせてしまうも
「お嬢様、この屋敷で起きた事は総て我ら使用人は熟知しております。
どうぞ我らの事など気に留めずにお心のままにお過ごしください」
深々とナタリーが頭を下げればいつ知ったのと叫びたかったものの
「ですが、昨日ルードから送られたブローチだけはこちらで厳重に管理させていただきます」
「ルードのブローチ?」
「はい。誘拐や迷子対策として色々な機能が付いております。
その中に誘拐を前提として会話が聞けるようになっているので」
しれっと言うナタリーだが、マリエルが赤面する所、昨日の夜の事も筒抜けの理由がそれだと気づいてしまった。
「ル、ルード!!!」
思わず名前を叫ぶも
「ルード様は既に登城されて留守にしております。
昼前にはお戻りになられるそうです」
思わずカトラリーを握りしめて逃げたなと机に突き刺してしまうものの
「お嬢様ひとつ宜しいでしょうか?」
ナタリーが座る私の横に立って少しだけ伏せた視線の顔からは感情は一切見当たらない。
「お嬢様はクレヴィングのアリアーネ様ではもうありません。
グレゴールの長として、時としてリンヴェル一族をお諫めにならなくてはならないお役目もある立場です。
常時我らが警護に当たり常時監視されている事を慣れてくださいませ」
「それは、判ってるよ。だけど……」
まさか寝室の中までその対象とは思わなかった。と言うか普通に考えれば一番無防備な時こそ警護は厚くしなくてはならない。
「でもまさかルードがって思うと……」
「クレヴィング様がこの時期ぐらいが王都の生活にも慣れて一番気が抜ける頃だからとルードをよこしたのです。
ルードの事情を知っての通りあの子も監視生活で育ちましたからこそ必要な時必要な警備をアリアーネ様を守る為に施せます。
ファウエル様を信じないのも我々を信じ切らないのもあの子の務め。
ましてやご学友の友人達もルードにとっては危険人物の集団。
随分と立派に性格がねじまがって育ってしまいましたがそうなるしかない環境で育ったルードはこの屋敷の誰よりも危機感を持っております」
「何気に今すごくルードを貶したね」
説教の最中だと言うのに思わず突っ込んでしまうほどの言葉をスルー出来なくて言えば背後のモデラーも深く頷いていた。
「ルードの事はさて置き、明日から議会も始まります。
学校は当面お休みになります。
それなのにそんな浮ついてお腹周りに脂肪も付いたたるんだ様子ではグレゴールは舐められるという物。
運よく昨夜中に初夜を迎えた今もう他に気にする事は何もなのでもう一度最初からお勉強をしましょう」
「え?やだよナタリーさん。って言うか、このおなかの理由はソナーのせいだと思う、いや、先日のルードのカラアゲ攻撃のたまもの?
って言うか目つきがほんと怖いんですけど?!
何か気に障る事でもした?私何か変な事やった?!」
何故か朝からご立腹で説教モードを始めたナタリーを他所にエル様にケイトが何か囁いていて……ナタリーを哀れむ視線を向けて納得をしていた。
声は全く聞こえなかったけど、何か絶大な地雷を踏んだらしい。
「さあ、本来ゆっくりとブランチとする予定でしたがちゃっちゃと食べてお礼状を書きましょう。
ええ、たかだか100件に満たない数です。
さあ、早くお召し上がりください。
この後明日の議会の議題を頭に叩き込んでいただかなくてはならないのですから。
ここはもう戦場の食事の場なのですから!」
「ええ?!何かよくわからないけどごめんなさーい!!!」
まるで八つ当たりのようなナタリーの気配にとりあえず謝っておいて監視下の元本日のノルマをこなし、その夜やっと寝る頃になってエル様から事情を聞かされたのだ。
私達が屋敷に戻ってきた頃ナタリーが何とかしてルードを寝室に連れ込んでやっとその気にさせていざとこれからという所を邪魔されたと言う……愛の為なら平気で戦争を仕掛ける事で有名なノヴァエスの気性を確かに彼女も受けついでいるなとやっとあの苛立ちようと朝からルードが居ない事を理解すればそれでいいのかと呆れるエル様は私を抱き寄せて……
ナタリーの拷問に耐え続けた私を今夜も甘やかすのだった。
12
お気に入りに追加
363
あなたにおすすめの小説
我慢してきた令嬢は、はっちゃける事にしたようです。
和威
恋愛
侯爵令嬢ミリア(15)はギルベルト伯爵(24)と結婚しました。ただ、この伯爵……別館に愛人囲ってて私に構ってる暇は無いそうです。本館で好きに過ごして良いらしいので、はっちゃけようかな?って感じの話です。1話1500~2000字程です。お気に入り登録5000人突破です!有り難うございまーす!2度見しました(笑)
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
転生して異世界の第7王子に生まれ変わったが、魔力が0で無能者と言われ、僻地に追放されたので自由に生きる。
黒ハット
ファンタジー
【完結】ヤクザだった大宅宗一35歳は死んで記憶を持ったまま異世界の第7王子に転生する。魔力が0で魔法を使えないので、無能者と言われて王族の籍を抜かれ僻地の領主に追放される。魔法を使える事が分かって2回目の人生は前世の知識と魔法を使って領地を発展させながら自由に生きるつもりだったが、波乱万丈の人生を送る事になる
魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
富士とまと
ファンタジー
一緒に異世界に召喚された従妹は魔力が高く、私は魔力がゼロだそうだ。
「私は聖女になるかも、姉さんバイバイ」とイケメンを侍らせた従妹に手を振られ、私は王都を追放された。
魔力はないけれど、霊感は日本にいたころから強かったんだよね。そのおかげで「英霊」だとか「精霊」だとかに盲愛されています。
――いや、あの、精霊の指輪とかいらないんですけど、は、外れない?!
――ってか、イケメン幽霊が号泣って、私が悪いの?
私を追放した王都の人たちが困っている?従妹が大変な目にあってる?魔力ゼロを低級民と馬鹿にしてきた人たちが助けを求めているようですが……。
今更、魔力ゼロの人間にしか作れない特級魔力回復薬が欲しいとか言われてもね、こちらはあなたたちから何も欲しいわけじゃないのですけど。
重複投稿ですが、改稿してます
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
私が我慢する必要ありますか?【2024年12月25日電子書籍配信決定しました】
青太郎
恋愛
ある日前世の記憶が戻りました。
そして気付いてしまったのです。
私が我慢する必要ありますか?
※ 株式会社MARCOT様より電子書籍化決定!
コミックシーモア様にて12/25より配信されます。
コミックシーモア様限定の短編もありますので興味のある方はぜひお手に取って頂けると嬉しいです。
リンク先
https://www.cmoa.jp/title/1101438094/vol/1/
男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~
富士とまと
恋愛
リリーは極度の男性アレルギー持ちだった。修道院に行きたいと言ったものの公爵令嬢と言う立場ゆえに父親に反対され、誰でもいいから結婚しろと迫られる。そんな中、婚約者探しに出かけた舞踏会で、アレルギーの出ない男性と出会った。いや、姿だけは男性だけれど、心は女性であるエミリオだ。
二人は友達になり、お互いの秘密を共有し、親を納得させるための偽装結婚をすることに。でも、実はエミリオには打ち明けてない秘密が一つあった。
強い祝福が原因だった
棗
恋愛
大魔法使いと呼ばれる父と前公爵夫人である母の不貞により生まれた令嬢エイレーネー。
父を憎む義父や義父に同調する使用人達から冷遇されながらも、エイレーネーにしか姿が見えないうさぎのイヴのお陰で孤独にはならずに済んでいた。
大魔法使いを王国に留めておきたい王家の思惑により、王弟を父に持つソレイユ公爵家の公子ラウルと婚約関係にある。しかし、彼が愛情に満ち、優しく笑い合うのは義父の娘ガブリエルで。
愛される未来がないのなら、全てを捨てて実父の許へ行くと決意した。
※「殿下が好きなのは私だった」と同じ世界観となりますが此方の話を読まなくても大丈夫です。
※なろうさんにも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる