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公爵様、その後の話などいかがです?
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ビクトールはフランの学園時代の話しを聞いて不安にならずにはいられなかった。
何で特待生のフランがあんな負い目を追わなくてはいけないのか。
この国ではセントラルにあるセンチュリーと言う魔力の大食い機関の為に一人でも大な魔力持ちを確保する必要がある。
世間には知られてない事だが、主に貴族に魔力値の高いものが生まれるはずなのにここ数年残念な人数しか確保できていない。
だけどフランの言葉で疑問が沸き上がり、少し調べさせる前にフランの言葉で確信を持てた。
フランが入学する頃学園長が変わった。
調べればその頃からセントラルに派遣されるべき人数もへっていた。
さらに調べればその頃から学園の教師陣も大きく変わっていた。
たった数年で半数以上が変わるなんてとバスクと父を引き連れてアルベルトに親を連れて来いと言って調査結果を広げれば誰もが知った事実に頭を抱えるのは当然の結果だった。
現在の学園長はごってごての貴族至上主義かつ序列主義。
そして教師陣もその手下にすり替わっていた。
横領着服袖の下は勿論賄賂献金その金額次第という内容に良くこの数年気付かなかったものだと監視役を召喚して問えば彼が博打に嵌って借金を抱えている事を弱みにして黙らされていたという。
「自国の国名を冠る学院でこんな事が……」
国王はぱたりとソファーに倒れて妻のひざまくらをしてもらうと言う……
アルベルトよ、確かに親を連れてこいと入ったが両親揃えて連れてこいと言ってない事ぐら言判るだろ?と睨むも横に首を振る王太子様は側室腹違いの兄弟を追い出した事で侍女も整理して風通しのいい空間にしたら体調も良くなったからと散歩ついでに夫婦そろうのは良い事だろうと死んだ目で訴えられてしまった。
政略結婚とは言え結婚してすぐにアルベルトが生まれ一緒に育ててた時期もあった。
ただ周囲からの他にも王子を世継ぎをもっとと言う言葉に王妃は負けてしまったのだ。
だけど風通しの良い今はこうやって夫婦仲よろしくいちゃついてくれている。
知った仲と言うのもあるし、キュラーの為に王妃主導で後宮は今急ピッチで整えられてると言う。
あのキュラーが怯えてふるえるくらいの財をかけての大改造はまるで元側室達がいた名残を消すような位の大工事。
王様はそれで気が済むならどんどんやれとあおる始末。
まぁ、ツケはアルベルト達の時代に回ってくるからねと、でも後宮で籠ってて使わなかった分の予算費は積もり積もってこの国の一年の国家予算ほど。
美しい象牙の扇子を持って指示する様はさすが王妃様と言わんばかりの貫録だ。
そんな王妃様は美しい眉間を潜め
「何でフランはそのような目に合わされても言い返さなかったのでしょう」
かつての自分を思ってか零れ落ちる声は酷く暗い。
だけど答えは耳を疑う内容だ。
「あの子は学園に来るまで農家の牛小屋で過ごしてました。
農家の主と言うより奥方と子供からの嫌がらせの日々を比べるとそんな学園生活でも天と地ほどの生活だと言いまして……」
目を点にする王妃様はほどなくして出されたシャンパンでのどを潤していた。
酒でも飲んでないとやってらんないという意味合いに俺達も同様にワインを要求した。
赤のどっしりと重い奴を。
チーズやナッツ、チョコレートを齧りながら
「以降は寮の寮母達の話しになります」
机の上に書類を置いて全員で覗き込むように見る。
『フラン君の対応はおかしいとは思ってたのよ。
学園長が変わってから寮費の費用もどんどん削られて行ってねぇ。
けどうちの料理長の腕がいいからかさ増し料理で誤魔化してるけど毎月減って行くからそろそろ仕入れ先も検討しなくちゃって思ってた所なの』
思わず耳を疑う。
『あと制服。
私服もそうだけど貴族のこったら卒業したら毎年残して行くのを片付ける身にもなって欲しいわ。
売って寮費に計上して備品を買い替えたりするから文句は言わないけど。
え?フラン君の制服?
私服はもちろん靴も下着もすべて賄えるくらいあるわよ~』
下着はやめてくれと切に願った。
『教科書も学園生の子達はみんな残して行くからねぇ、古本屋に売ってるわよ。
ええ、もちろんアルベルト王子の教科書は私達がちゃんと保管してますよ?
見ます?ペラペラ漫画を描いておいででなかなか面白いですよ?』
「お願いです!
それは取り上げて消去を……!」
「お前と言う奴はっ!!!」
復活した国王様が王太子様の頭に拳骨を落してました。
王妃様は口元を象牙の扇子で隠されて驚いてましたがとても眩しいようなものを見る目で二人を見守ってます。
『魔法の杖が貸し出されないって言ってたけど、貸し出し用の魔法の杖を学園長が売り払って懐に入れちゃったから貸す物も無いのは仕方がないよねぇ?
魔法の杖は高いからどの家の貴族の子達は絶対置いて行かなかったけど、教科書も制服もそれと同じ位大切にしてほしいわ』
学園に入学するに当たり何百と金貨を積んで購入する家が多いのも問題だと頭を抱えていた。
『とりあえずこの学園の悪い所は在学は身分と金次第って言う風潮よね』
そう言いきる寮母さん達は平民での元卒業生だ。
ちなみに密かに卒業する貴族の子息といい感じになったり、卒業の折りに卒業生の父親達の目に留まってその家に転職と言うステップアップの場でもある。
その為に彼女たちは良物件にアピールをしまくるというのも問題だが……
それなりに美味しい思いをした事もある面々はそっと視線をそらして王妃様の顰蹙を買うのは当然の出来事だ。
と言う前にそれは立派な窃盗と言う事を彼女らは理解してるのかが一番の問題だ。
「証拠はシメオンが十分すぎるほど集めている。
近く近衛に出動してもらってしょっ引いてもらうぞ」
「ああ、こんな事でフランの貴重な学園時代をめちゃくちゃにして許されると思ってるのか……」
公爵様の本気に「こわーい」とアルベルトは全く怖がってない顔で怖がるも
「所で弾劾するのはよろしいのですがその後は考えてるのですか?」
王妃の一言に俺は少し迷いながらも
「実は、学園長にフランを推薦しようかと思っております」
俺の一言に王族親子は驚きの顔をバスクに向けていた。
「まだまだ公爵の妻として未熟で魔道士としても未熟だ。
だけどそれ以上に世間にも無知すぎるフランの意識改革の為にもう一度社会の中に放り込まなくてはとビッキーはもちろんシメオンとサムソンとも話をしなくてはいけない状況になっている。
なんせ公爵夫人と言う立場なのにあいつの感覚はやっと辛うじて平民程度になったんだ。
侍女達の仕事の手伝いはもちろんブリュノを連れて庭師の手伝いまでしようとする。
下の者の気持ちは十分すぎるほど熟知している。
けど今のあいつに必要なのはもっと上の、責任ある立場と言うのを学ばなくてはならないと思ってまして」
王族夫婦はなるほどとやっと納得してくれた。
「もちろん抜けた穴は魔導院からもフランの事を知っていて護衛と言う役割も出来る者達を選りすぐって選出するつもりです。
未婚の若い者、引退して暇を持て余してる方ともにフル活用するつもりです」
「騎士団からも同様に」
結婚の斡旋と口うるさい暇な年寄りの遊び場の提供をするつもりという内容に国王もそれは素晴らしいと頷き
「では他の面の人材は儂が補充しよう。
優秀なのに遊んでいる者達が多いからな。
たまには若い者と触れ合うのもいい刺激になるだろう」
それは良い提案なのですか?などと王妃が象牙越しの扇子の向こうでおっしゃってますがとりあえずスルーして男共はひっそりと笑いあう。
はたから見れば悪役が顔を合わせほそく笑みながら悪だくみの会合をしているような光景だと後に王妃様が仰りましたが……
そんなたくらみがあったとは知らずに新学年を迎える季節が来た。
この季節を何度迎えてもまだ幼い顔立ちの子供が生意気な顔をして、でも少し不安さを覚えながらも胸を張ってこの門をくぐるのを微笑ましく見ていた。
相変わらず門の外で馬車から降ろされる子供や門の中に入れない辻馬車でやってくる子供達もいるし、少ない荷物を抱えて不安そうに歩いてくる子供もいる。
今でこそ懐かしいと当時の自分を思い出しながらも在校生達に声をかけてアルバイト代として学食の食券一人に付き五枚と引き換えに案内役を手伝わせていた。
心細そうな子供達に手を伸ばせばまるであの日のジェルのようにほっとしたかのように目元の涙を手の甲で拭う子供達を寮に案内し、そのまま寮生活の準備の手伝い、そして案内を手伝わせる。
もちろん食券狙いの貧乏学生は積極的に何度でも手伝ってくれてそれが切っ掛けでその後も手を引いた彼ら彼女らと何らかのつながりを作っていた。
さらに前年度の卒業生が残して行った制服は回収させてそう言った事情を抱えた子供達に渡していた。
当然余る分は成長期を迎えている在校生達にも交換と言う条件で渡したり、それでも余る分を売って新入生達に足りない物を貸す為の物資を購入する。
ちなみにお金がなければ働けばいい、と言っていつの間にか顔見知りはいなくなってしまった寮母さん達の手伝いで購入させる事にした。
寮母の入れ替わりは激しかったが何年か前に学園全体で横領事件があり大半が騎士団に連れて行かれたという噂話を聞いた。
あの優しい人達が変な事に巻き込まなければと願いながらも新たな仕事にそんな心配もいつの間にか追いやられてしまった。
俺が学園長に付いて色々と新体制になって予算を組まないといけなくなって本当に大変だったけど、俺と同じ年に来たばかりの経理の人が全体的に予算を見直すから今の内にしっかりと予算枠を作っちゃいましょうと結構な年齢のはずなのにちゃっちゃと予算を組んで、勉学の場は勿論寮生活に大切な物は買い替える準備をしてくれた。
もちろん一番高価になりやすい魔法の杖も経理の人が意見を述べてくれた。
「いっその事持ち込み禁止にして総て同一規格の魔法の杖を全員分用意するのはどうです?
当然剣もそうですよ?
みんな一緒で同じものという条件こそ学生らしいじゃありませんか。
それに騎士団だって魔導院だって入団したばかりは皆同じ条件でしょ?
先にそう言う自由のない環境を学ぶと言う意味合いでも十分理由になりますよ」
ビクトール様からここ数年の学園長の私物化と言う大まかな話を聞かされて任された時は驚く内容の話しだったが、俺には過ぎる人達をサポートに付けてもらって何とか学園の園長をさせてもらっている。
とは言え経理の人は深い皺を更に深くして申し訳なさそうな顔で「予算は馬鹿高くなりますが」と笑うもその分は横領した奴らから巻き上げ……じゃなくって返却させた金額から今も十分に賄う事が出来る。
どれだけ横領したんだよと頭の痛くなる話だが、知らなかったとはいえこうやって奪われた青春時代を自分の手で正しく新たな時代の子供達を育てようとしているフランは毎日が思考錯誤だけど充実していた。
もちろん経理の人の話を聞いて反対意見を言う人も言う。
「何バカな事を言ってるのです?!
騎士団魔道士の入団したばかりの条件と同じ?!
冗談はよしてくれ!」
どしょっぱなから机を叩いて真っ向から反対意見を述べる人もいた。
「何でこの栄えあるモリエンテス王立学園の卒業生がちょっと素質のある子供達ど同レベルだなんて冗談じゃない!
ここを卒業する時は最低条件として中級クラスの環境を与えて中級クラスの実力者にしなくては意味がないじゃないですか!
学園を出たらすぐに実戦に赴けるようにしなくては何の意味の学園時代でしょう!!」
この人も経理のおじいちゃんと負けずのおじいちゃんだったが誰よりも熱い人だった。
目の覚めるような答弁はこの一言をスタートに如何にこの昨今の卒業生が役に立たないのかを次々に語り続ける内容に俺達は顔を青ざめさせる。
フラン自身も在学していた時もそれなりに遊びの場と化していたがそれ以上にエスカレートしていたという話に現場からの直の言葉を聞いた俺達は授業よりも授業後、長期休暇の補習にも単位を与える代わりと言う条件と共に重きを置いて遅れる授業のフォローをしっかりとる内容も模索する。
当然金銭的な面でアルバイトをしないとと言う子供にも魔道具を作って学園の売店で売ると言う計画も模索したり、簡単なポーションと言った素材などを集めさせ作らせて学園に買い取らせるという、指導員を置いての計画も練る。
でも俺が一番重要としているのは
「いかに三年間学ぶ場を作り守るのが教師としての務めだと俺は思います」
その意見に先生方は誰もが強く頷いてくれてそれに合わせてざっと経理のおじいちゃんはざっくりと予算案を作ってくれた。
それを皆に配布して
「微調整の余地はまだあるがとりあえずこれぐらいでいきましょう。
足りない分は来年以降我らの成果と共に引き出させましょう」
経理のおじいちゃん事元学園長様はニヤリとした笑みを浮かべれば前前騎士団長様も
「後任に騎士団を任せて暇をしていたがちょうどいい」
孫がこの学園に入るそれまでにその腐った根性を一掃してやるとおっしゃっているのはバスク様のお父様で今では義父様と呼ばせて頂いている仲の人。
義父様が騎士団長をしていたのは結婚数年目にしての初耳です。
「とは言えしっかりと学ぶ環境は整えなくてはな。
歴史は勿論伝統も。そして新しい分野も開拓しなくてはな。
過去の慣習にとらわれて成長できないのでは何のための学びの場。
それでいいのなら家庭教師を雇って家に引っ込んでろという物だ」
その言葉に全員がうんうんと頷くような事をおっしゃったのは元国王様。
国の事は息子に任せて週に一日だけ教師として教壇に立っておられます。
さすがにビクトール様もバスク様もその他もろもろの人達から反対されましたが
「年若い学園長をフォローするのが我ら年寄りの役目。
そして先の長い学園長を育てるのも我らの役目。
ひよっ子共に我が学園を私物化して止められなかった者達の意見など聞く耳も持たん!」
王立学園ですものね。
理事長は国王ですものね。
今は委任されて前国王が理事長を務めてますが、国王の時のあの事件を二度と起こさないようにと乗り込んできましたよこの人……
革命の王様ですよこの人……
「さて、本年度ももうすぐ始まるが今年の目玉イベントは何するかな?」
経理のおじいちゃんがこれだけの予算があるのだから一つ何か盛り上がる事をしようと言えば既に俺の頭の中には形が出来ている。
「社交シーズンを迎える前頃に武術大会はいかがでしょう?
優勝者には騎士団の長、もしくは魔導院の長と戦う期会が与えられると内容で」
上には上がいる事を知るのも大切な事。
そしてみんなに俺の旦那様と義父様はこんなにもかっこいいんだと自慢もしたい。
思わずにへらと笑みを浮かべてしまえば誰ともなく咳払いされてしまうも
「ではそう言う方向で詰めていきましょう。
皆さんもよろしいですね?」
反対意見も無くすんなりと決まったお祭りのようなイベントは後にずっと続く事となる大イベントとなり、このイベントに参加する為に他国からも留学生が来るようになったのは嬉しい誤算。
そんな注目を浴びる事になる事も知らずにただかっこいい旦那様と義父様を見せびらかしたい事から始まったイベントの妄想を描いていればコンコンとノックの音。
「じい様方、そろそろうちの奥さんの帰る時間なので失礼しますよ」
「バスク様!」
みんなにももう帰りなさいと背中を押されてしまえば荷物を片付けて帰る準備をする。
この後皆さんイベントスケジュールを組み立てるけど、もう俺の存在なんて関係ないと言わんばかりに何やら書きだしていて義父様にも気を付けて帰るんだぞと言われた所で職場を後にした。
「学園長殿何やら楽しげな雰囲気だったけど何をたくらんでいるのですかな?」
腰に手を回して俺を引き寄せるバスク様を見上げて
「それはまだ内緒。
だけどひょっとしたらバスク様の手をお借りするかもしれないからその時はよろしくお願いします」
「それは楽しみだな?」
言いながらも俺を見るバスク様が近づいてくる。
周囲に生徒もいるのに、もう……
ちゅ……とキスをされれば俺からもキスを返す。
背後の護衛の人が盛大に咳き込み、周囲の生徒の冷やかしも聞こえるけど
「早くビクトール様を迎えに行きましょう」
「ブリュノは既におじいちゃんのお家でおじいちゃんのお誕生日パーティだって張り切ってたからな」
「お誕生日に驚かしたいからって朝から乗り込んでお手伝いをするなんて、肝心な時におねむになるのにねぇ」
「その為にも早く迎えに行かね……」
「フュリエネル嬢!貴女こそ私の愛を捧げる方!
このバラをこの私の愛を受け取ってください!」
この数年卒業する歳の学年の生徒達の間でプロポーズするのが流行っている。
貴族なのだろうか一抱えほどある深紅のバラを差し出して、それを贈られた女の子は顔を赤く染めて受け取っていた。
その周囲に偶然居合わせた人達が祝福の拍手を鳴らしていた。
何だあれ……と思うも発端は俺の腰を抱く人物が原因。
プロポーズする時に赤いバラを捧げると無事添い遂げると言う都市伝説がまことしやかに流れている。
確かに間違ってはないけど……とおもいながらも祝福の拍手を贈れば腰に回した手が強く引き寄せる。
「今度バラを贈ったら喜んで受け取ってくれるか?」
言われて思い出す。
よくよく考えたらあの事件以降一度もバスク様から花何て貰った事がない。
ひょっとしてと思って顔を覗けばそこには視線を彷徨わせるバスク様の顔。
突き返されたのが相当ショックだったろうとの推測に苦笑してしまえば
「ブリュノが悪戯して怪我したら大変だから良ければ棘のない花が良いかな?」
そんなリクエストにキラキラとした瞳のバスク様は
「王都中の花をフランに捧げるよ」
「ほんとにやったら離婚だからな?」
「ちょ、ちょっと大げさに言ってみただけだ!」
「判ったから。ブリュノが待ってるから早く義父様を拾いに行きましょう」
「うむ、だがその前に花屋に……」
「ブリュノが寝ちゃったら俺もそのままずっと実家にお泊りします」
「早くビッキーを迎えに行くぞ!」
必死な顔で言いながら何故か俺を抱え上げて義父様の居る魔導院まで駆け足で移動する近衛騎士の隊長様にこみ上げる笑いを抑えきれない俺は今確かに幸せだと恥ずかしさから声を大にして叫べない代わりにバスク様の首にしがみついてその頬にキスをするのだった。
何で特待生のフランがあんな負い目を追わなくてはいけないのか。
この国ではセントラルにあるセンチュリーと言う魔力の大食い機関の為に一人でも大な魔力持ちを確保する必要がある。
世間には知られてない事だが、主に貴族に魔力値の高いものが生まれるはずなのにここ数年残念な人数しか確保できていない。
だけどフランの言葉で疑問が沸き上がり、少し調べさせる前にフランの言葉で確信を持てた。
フランが入学する頃学園長が変わった。
調べればその頃からセントラルに派遣されるべき人数もへっていた。
さらに調べればその頃から学園の教師陣も大きく変わっていた。
たった数年で半数以上が変わるなんてとバスクと父を引き連れてアルベルトに親を連れて来いと言って調査結果を広げれば誰もが知った事実に頭を抱えるのは当然の結果だった。
現在の学園長はごってごての貴族至上主義かつ序列主義。
そして教師陣もその手下にすり替わっていた。
横領着服袖の下は勿論賄賂献金その金額次第という内容に良くこの数年気付かなかったものだと監視役を召喚して問えば彼が博打に嵌って借金を抱えている事を弱みにして黙らされていたという。
「自国の国名を冠る学院でこんな事が……」
国王はぱたりとソファーに倒れて妻のひざまくらをしてもらうと言う……
アルベルトよ、確かに親を連れてこいと入ったが両親揃えて連れてこいと言ってない事ぐら言判るだろ?と睨むも横に首を振る王太子様は側室腹違いの兄弟を追い出した事で侍女も整理して風通しのいい空間にしたら体調も良くなったからと散歩ついでに夫婦そろうのは良い事だろうと死んだ目で訴えられてしまった。
政略結婚とは言え結婚してすぐにアルベルトが生まれ一緒に育ててた時期もあった。
ただ周囲からの他にも王子を世継ぎをもっとと言う言葉に王妃は負けてしまったのだ。
だけど風通しの良い今はこうやって夫婦仲よろしくいちゃついてくれている。
知った仲と言うのもあるし、キュラーの為に王妃主導で後宮は今急ピッチで整えられてると言う。
あのキュラーが怯えてふるえるくらいの財をかけての大改造はまるで元側室達がいた名残を消すような位の大工事。
王様はそれで気が済むならどんどんやれとあおる始末。
まぁ、ツケはアルベルト達の時代に回ってくるからねと、でも後宮で籠ってて使わなかった分の予算費は積もり積もってこの国の一年の国家予算ほど。
美しい象牙の扇子を持って指示する様はさすが王妃様と言わんばかりの貫録だ。
そんな王妃様は美しい眉間を潜め
「何でフランはそのような目に合わされても言い返さなかったのでしょう」
かつての自分を思ってか零れ落ちる声は酷く暗い。
だけど答えは耳を疑う内容だ。
「あの子は学園に来るまで農家の牛小屋で過ごしてました。
農家の主と言うより奥方と子供からの嫌がらせの日々を比べるとそんな学園生活でも天と地ほどの生活だと言いまして……」
目を点にする王妃様はほどなくして出されたシャンパンでのどを潤していた。
酒でも飲んでないとやってらんないという意味合いに俺達も同様にワインを要求した。
赤のどっしりと重い奴を。
チーズやナッツ、チョコレートを齧りながら
「以降は寮の寮母達の話しになります」
机の上に書類を置いて全員で覗き込むように見る。
『フラン君の対応はおかしいとは思ってたのよ。
学園長が変わってから寮費の費用もどんどん削られて行ってねぇ。
けどうちの料理長の腕がいいからかさ増し料理で誤魔化してるけど毎月減って行くからそろそろ仕入れ先も検討しなくちゃって思ってた所なの』
思わず耳を疑う。
『あと制服。
私服もそうだけど貴族のこったら卒業したら毎年残して行くのを片付ける身にもなって欲しいわ。
売って寮費に計上して備品を買い替えたりするから文句は言わないけど。
え?フラン君の制服?
私服はもちろん靴も下着もすべて賄えるくらいあるわよ~』
下着はやめてくれと切に願った。
『教科書も学園生の子達はみんな残して行くからねぇ、古本屋に売ってるわよ。
ええ、もちろんアルベルト王子の教科書は私達がちゃんと保管してますよ?
見ます?ペラペラ漫画を描いておいででなかなか面白いですよ?』
「お願いです!
それは取り上げて消去を……!」
「お前と言う奴はっ!!!」
復活した国王様が王太子様の頭に拳骨を落してました。
王妃様は口元を象牙の扇子で隠されて驚いてましたがとても眩しいようなものを見る目で二人を見守ってます。
『魔法の杖が貸し出されないって言ってたけど、貸し出し用の魔法の杖を学園長が売り払って懐に入れちゃったから貸す物も無いのは仕方がないよねぇ?
魔法の杖は高いからどの家の貴族の子達は絶対置いて行かなかったけど、教科書も制服もそれと同じ位大切にしてほしいわ』
学園に入学するに当たり何百と金貨を積んで購入する家が多いのも問題だと頭を抱えていた。
『とりあえずこの学園の悪い所は在学は身分と金次第って言う風潮よね』
そう言いきる寮母さん達は平民での元卒業生だ。
ちなみに密かに卒業する貴族の子息といい感じになったり、卒業の折りに卒業生の父親達の目に留まってその家に転職と言うステップアップの場でもある。
その為に彼女たちは良物件にアピールをしまくるというのも問題だが……
それなりに美味しい思いをした事もある面々はそっと視線をそらして王妃様の顰蹙を買うのは当然の出来事だ。
と言う前にそれは立派な窃盗と言う事を彼女らは理解してるのかが一番の問題だ。
「証拠はシメオンが十分すぎるほど集めている。
近く近衛に出動してもらってしょっ引いてもらうぞ」
「ああ、こんな事でフランの貴重な学園時代をめちゃくちゃにして許されると思ってるのか……」
公爵様の本気に「こわーい」とアルベルトは全く怖がってない顔で怖がるも
「所で弾劾するのはよろしいのですがその後は考えてるのですか?」
王妃の一言に俺は少し迷いながらも
「実は、学園長にフランを推薦しようかと思っております」
俺の一言に王族親子は驚きの顔をバスクに向けていた。
「まだまだ公爵の妻として未熟で魔道士としても未熟だ。
だけどそれ以上に世間にも無知すぎるフランの意識改革の為にもう一度社会の中に放り込まなくてはとビッキーはもちろんシメオンとサムソンとも話をしなくてはいけない状況になっている。
なんせ公爵夫人と言う立場なのにあいつの感覚はやっと辛うじて平民程度になったんだ。
侍女達の仕事の手伝いはもちろんブリュノを連れて庭師の手伝いまでしようとする。
下の者の気持ちは十分すぎるほど熟知している。
けど今のあいつに必要なのはもっと上の、責任ある立場と言うのを学ばなくてはならないと思ってまして」
王族夫婦はなるほどとやっと納得してくれた。
「もちろん抜けた穴は魔導院からもフランの事を知っていて護衛と言う役割も出来る者達を選りすぐって選出するつもりです。
未婚の若い者、引退して暇を持て余してる方ともにフル活用するつもりです」
「騎士団からも同様に」
結婚の斡旋と口うるさい暇な年寄りの遊び場の提供をするつもりという内容に国王もそれは素晴らしいと頷き
「では他の面の人材は儂が補充しよう。
優秀なのに遊んでいる者達が多いからな。
たまには若い者と触れ合うのもいい刺激になるだろう」
それは良い提案なのですか?などと王妃が象牙越しの扇子の向こうでおっしゃってますがとりあえずスルーして男共はひっそりと笑いあう。
はたから見れば悪役が顔を合わせほそく笑みながら悪だくみの会合をしているような光景だと後に王妃様が仰りましたが……
そんなたくらみがあったとは知らずに新学年を迎える季節が来た。
この季節を何度迎えてもまだ幼い顔立ちの子供が生意気な顔をして、でも少し不安さを覚えながらも胸を張ってこの門をくぐるのを微笑ましく見ていた。
相変わらず門の外で馬車から降ろされる子供や門の中に入れない辻馬車でやってくる子供達もいるし、少ない荷物を抱えて不安そうに歩いてくる子供もいる。
今でこそ懐かしいと当時の自分を思い出しながらも在校生達に声をかけてアルバイト代として学食の食券一人に付き五枚と引き換えに案内役を手伝わせていた。
心細そうな子供達に手を伸ばせばまるであの日のジェルのようにほっとしたかのように目元の涙を手の甲で拭う子供達を寮に案内し、そのまま寮生活の準備の手伝い、そして案内を手伝わせる。
もちろん食券狙いの貧乏学生は積極的に何度でも手伝ってくれてそれが切っ掛けでその後も手を引いた彼ら彼女らと何らかのつながりを作っていた。
さらに前年度の卒業生が残して行った制服は回収させてそう言った事情を抱えた子供達に渡していた。
当然余る分は成長期を迎えている在校生達にも交換と言う条件で渡したり、それでも余る分を売って新入生達に足りない物を貸す為の物資を購入する。
ちなみにお金がなければ働けばいい、と言っていつの間にか顔見知りはいなくなってしまった寮母さん達の手伝いで購入させる事にした。
寮母の入れ替わりは激しかったが何年か前に学園全体で横領事件があり大半が騎士団に連れて行かれたという噂話を聞いた。
あの優しい人達が変な事に巻き込まなければと願いながらも新たな仕事にそんな心配もいつの間にか追いやられてしまった。
俺が学園長に付いて色々と新体制になって予算を組まないといけなくなって本当に大変だったけど、俺と同じ年に来たばかりの経理の人が全体的に予算を見直すから今の内にしっかりと予算枠を作っちゃいましょうと結構な年齢のはずなのにちゃっちゃと予算を組んで、勉学の場は勿論寮生活に大切な物は買い替える準備をしてくれた。
もちろん一番高価になりやすい魔法の杖も経理の人が意見を述べてくれた。
「いっその事持ち込み禁止にして総て同一規格の魔法の杖を全員分用意するのはどうです?
当然剣もそうですよ?
みんな一緒で同じものという条件こそ学生らしいじゃありませんか。
それに騎士団だって魔導院だって入団したばかりは皆同じ条件でしょ?
先にそう言う自由のない環境を学ぶと言う意味合いでも十分理由になりますよ」
ビクトール様からここ数年の学園長の私物化と言う大まかな話を聞かされて任された時は驚く内容の話しだったが、俺には過ぎる人達をサポートに付けてもらって何とか学園の園長をさせてもらっている。
とは言え経理の人は深い皺を更に深くして申し訳なさそうな顔で「予算は馬鹿高くなりますが」と笑うもその分は横領した奴らから巻き上げ……じゃなくって返却させた金額から今も十分に賄う事が出来る。
どれだけ横領したんだよと頭の痛くなる話だが、知らなかったとはいえこうやって奪われた青春時代を自分の手で正しく新たな時代の子供達を育てようとしているフランは毎日が思考錯誤だけど充実していた。
もちろん経理の人の話を聞いて反対意見を言う人も言う。
「何バカな事を言ってるのです?!
騎士団魔道士の入団したばかりの条件と同じ?!
冗談はよしてくれ!」
どしょっぱなから机を叩いて真っ向から反対意見を述べる人もいた。
「何でこの栄えあるモリエンテス王立学園の卒業生がちょっと素質のある子供達ど同レベルだなんて冗談じゃない!
ここを卒業する時は最低条件として中級クラスの環境を与えて中級クラスの実力者にしなくては意味がないじゃないですか!
学園を出たらすぐに実戦に赴けるようにしなくては何の意味の学園時代でしょう!!」
この人も経理のおじいちゃんと負けずのおじいちゃんだったが誰よりも熱い人だった。
目の覚めるような答弁はこの一言をスタートに如何にこの昨今の卒業生が役に立たないのかを次々に語り続ける内容に俺達は顔を青ざめさせる。
フラン自身も在学していた時もそれなりに遊びの場と化していたがそれ以上にエスカレートしていたという話に現場からの直の言葉を聞いた俺達は授業よりも授業後、長期休暇の補習にも単位を与える代わりと言う条件と共に重きを置いて遅れる授業のフォローをしっかりとる内容も模索する。
当然金銭的な面でアルバイトをしないとと言う子供にも魔道具を作って学園の売店で売ると言う計画も模索したり、簡単なポーションと言った素材などを集めさせ作らせて学園に買い取らせるという、指導員を置いての計画も練る。
でも俺が一番重要としているのは
「いかに三年間学ぶ場を作り守るのが教師としての務めだと俺は思います」
その意見に先生方は誰もが強く頷いてくれてそれに合わせてざっと経理のおじいちゃんはざっくりと予算案を作ってくれた。
それを皆に配布して
「微調整の余地はまだあるがとりあえずこれぐらいでいきましょう。
足りない分は来年以降我らの成果と共に引き出させましょう」
経理のおじいちゃん事元学園長様はニヤリとした笑みを浮かべれば前前騎士団長様も
「後任に騎士団を任せて暇をしていたがちょうどいい」
孫がこの学園に入るそれまでにその腐った根性を一掃してやるとおっしゃっているのはバスク様のお父様で今では義父様と呼ばせて頂いている仲の人。
義父様が騎士団長をしていたのは結婚数年目にしての初耳です。
「とは言えしっかりと学ぶ環境は整えなくてはな。
歴史は勿論伝統も。そして新しい分野も開拓しなくてはな。
過去の慣習にとらわれて成長できないのでは何のための学びの場。
それでいいのなら家庭教師を雇って家に引っ込んでろという物だ」
その言葉に全員がうんうんと頷くような事をおっしゃったのは元国王様。
国の事は息子に任せて週に一日だけ教師として教壇に立っておられます。
さすがにビクトール様もバスク様もその他もろもろの人達から反対されましたが
「年若い学園長をフォローするのが我ら年寄りの役目。
そして先の長い学園長を育てるのも我らの役目。
ひよっ子共に我が学園を私物化して止められなかった者達の意見など聞く耳も持たん!」
王立学園ですものね。
理事長は国王ですものね。
今は委任されて前国王が理事長を務めてますが、国王の時のあの事件を二度と起こさないようにと乗り込んできましたよこの人……
革命の王様ですよこの人……
「さて、本年度ももうすぐ始まるが今年の目玉イベントは何するかな?」
経理のおじいちゃんがこれだけの予算があるのだから一つ何か盛り上がる事をしようと言えば既に俺の頭の中には形が出来ている。
「社交シーズンを迎える前頃に武術大会はいかがでしょう?
優勝者には騎士団の長、もしくは魔導院の長と戦う期会が与えられると内容で」
上には上がいる事を知るのも大切な事。
そしてみんなに俺の旦那様と義父様はこんなにもかっこいいんだと自慢もしたい。
思わずにへらと笑みを浮かべてしまえば誰ともなく咳払いされてしまうも
「ではそう言う方向で詰めていきましょう。
皆さんもよろしいですね?」
反対意見も無くすんなりと決まったお祭りのようなイベントは後にずっと続く事となる大イベントとなり、このイベントに参加する為に他国からも留学生が来るようになったのは嬉しい誤算。
そんな注目を浴びる事になる事も知らずにただかっこいい旦那様と義父様を見せびらかしたい事から始まったイベントの妄想を描いていればコンコンとノックの音。
「じい様方、そろそろうちの奥さんの帰る時間なので失礼しますよ」
「バスク様!」
みんなにももう帰りなさいと背中を押されてしまえば荷物を片付けて帰る準備をする。
この後皆さんイベントスケジュールを組み立てるけど、もう俺の存在なんて関係ないと言わんばかりに何やら書きだしていて義父様にも気を付けて帰るんだぞと言われた所で職場を後にした。
「学園長殿何やら楽しげな雰囲気だったけど何をたくらんでいるのですかな?」
腰に手を回して俺を引き寄せるバスク様を見上げて
「それはまだ内緒。
だけどひょっとしたらバスク様の手をお借りするかもしれないからその時はよろしくお願いします」
「それは楽しみだな?」
言いながらも俺を見るバスク様が近づいてくる。
周囲に生徒もいるのに、もう……
ちゅ……とキスをされれば俺からもキスを返す。
背後の護衛の人が盛大に咳き込み、周囲の生徒の冷やかしも聞こえるけど
「早くビクトール様を迎えに行きましょう」
「ブリュノは既におじいちゃんのお家でおじいちゃんのお誕生日パーティだって張り切ってたからな」
「お誕生日に驚かしたいからって朝から乗り込んでお手伝いをするなんて、肝心な時におねむになるのにねぇ」
「その為にも早く迎えに行かね……」
「フュリエネル嬢!貴女こそ私の愛を捧げる方!
このバラをこの私の愛を受け取ってください!」
この数年卒業する歳の学年の生徒達の間でプロポーズするのが流行っている。
貴族なのだろうか一抱えほどある深紅のバラを差し出して、それを贈られた女の子は顔を赤く染めて受け取っていた。
その周囲に偶然居合わせた人達が祝福の拍手を鳴らしていた。
何だあれ……と思うも発端は俺の腰を抱く人物が原因。
プロポーズする時に赤いバラを捧げると無事添い遂げると言う都市伝説がまことしやかに流れている。
確かに間違ってはないけど……とおもいながらも祝福の拍手を贈れば腰に回した手が強く引き寄せる。
「今度バラを贈ったら喜んで受け取ってくれるか?」
言われて思い出す。
よくよく考えたらあの事件以降一度もバスク様から花何て貰った事がない。
ひょっとしてと思って顔を覗けばそこには視線を彷徨わせるバスク様の顔。
突き返されたのが相当ショックだったろうとの推測に苦笑してしまえば
「ブリュノが悪戯して怪我したら大変だから良ければ棘のない花が良いかな?」
そんなリクエストにキラキラとした瞳のバスク様は
「王都中の花をフランに捧げるよ」
「ほんとにやったら離婚だからな?」
「ちょ、ちょっと大げさに言ってみただけだ!」
「判ったから。ブリュノが待ってるから早く義父様を拾いに行きましょう」
「うむ、だがその前に花屋に……」
「ブリュノが寝ちゃったら俺もそのままずっと実家にお泊りします」
「早くビッキーを迎えに行くぞ!」
必死な顔で言いながら何故か俺を抱え上げて義父様の居る魔導院まで駆け足で移動する近衛騎士の隊長様にこみ上げる笑いを抑えきれない俺は今確かに幸せだと恥ずかしさから声を大にして叫べない代わりにバスク様の首にしがみついてその頬にキスをするのだった。
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まとめての返信お許しを〜
なんか貴族的にOKでも、フランがかわいそうですね。慎ましい幸せを望んでいるでしょうに(´・ω・`)公爵様ってなんかお話が始まった頃より、好感度どんどん爆下がりなので徐々にフェードアウトしてほしいくらいです。勝手な感想でスミマセン。
知鶴様
感想ありがとうございます!
フランの幸せを目指して突き進んでおりますが某公爵が邪魔ばかりして困っております!
そして公爵に好感度があったこと自体驚きで……<これもひどい
とりあえずこれから公爵の好感度を上げていくので生暖かい目で公爵を見守ってください。
寧ろこう言った感想好きです!