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公爵様、夜に訪問何て一体何しに来たんですか……
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トゥリエル嬢のドリルでひっぱたかれた夜遅くになってビクトール様はバスク様を連れて帰ってきた。
何で拾って帰ってきたのですかと恨めしく思うも夜の空気を纏う二人はパジャマ姿の俺にお帰りとハグをするけど若干一名俺を抱き上げてどこかの寝室へ連れ込もうとするのをビクトール様が阻止してくれた。
「いやぁ、あまりに可愛すぎて夢か現実か確かめないといけない気がしてな?
だって婚約者のパジャマ姿なんて見せられたらいくら婚前とは言え手を出さない方がおかしいぞ?」
不思議な事に抱きかかえられたと思った一瞬の合間にパジャマのボタンがすべて外れていた……
なんて魔法だよと思いながら慌てて前を隠すようにその腕から逃げるも
「バスクは婚約者じゃないしお前の婚約者は別にいる。
俺の可愛い息子に手を出したら明日がキュラーとの結婚日だ」
「申し訳ありませんでした」
側面に手をぴったりとあてて九十度きっちりと頭を下げる様はさすが近衛隊長と言う美しい姿……近衛隊長が頭を下げる?
そんなにもトゥリエル嬢との結婚は嫌なのかとどうでもいい疑問に頭を悩ましていればシメオンさんが
「ホットミルクでも飲みましょうか?
ハチミツも入れて、美味しいですよ」
「ありがとうございます!」
初めてはちみつ入りのホットミルクを貰った時はこんな美味しい物があるなんてと感動して以来バスク様がやってきて心荒れる時はこうやって甘やかしてくれるようになった。
あの甘さを思い出して幸せ~と既にお口の中が涎で溢れだしそうにして準備万端の俺にシメオンさんは俺の手を引いて特別にと言ってキッチンへと連れてくれるのだった。
ホットミルクは熱くなりすぎると膜を張る。
膜を張るのが嫌だとバスク様は言いますがどちらかと言えば俺は
「やっぱり食べたくなっちゃうんだよね」
何故か一緒にホットミルクを飲んでるバスク様とビクトール様のフレーバーはブランデー。
久しぶりに飲んだと二人は懐かしがっているその横で俺はスプーンの先っぽにひっかけて集めた膜をぺろりと堪能していた。
「おいしいですか?」
「うん!」
そうして膜が無くなってしまったミルクに息を吹き付けて飲めばシメオンさんは小さなクッキーまで出してくれた。
「夜なので少しですよ?」
「ありがとうございます!」
出してくれたのは俺の好きな紅茶の葉っぱを刻んだものを練り込んだクッキー。
ビクトール様がこういったお菓子を食べないので俺がこの家に来てから料理長が腕によりをかけて俺のおやつ作りに励んでくれているのだ。
「お菓子なんて贅沢だよなぁ」
俺の今までの暮らしを知ってるビクトール様達は目頭を押さえて
「菓子なんていくらでも食べさせてやる。
だからもっと我が儘言っていいんだぞ」
「ああ、俺が幸せって言う幸せを教えてやる。
だから早く家においで」
「俺はビクトール様のお家にいられるだけで幸せすぎているのでこれ以上は受け取れません」
オブラートにお断りすればシメオンさんも声を立てて笑う光景はとても暖かくて更に俺を幸せにしてくれる。
「では、魔法の勉強の途中なので先に失礼します」
「あまり遅くならないように注意するんだよ」
「はいおやすみなさい」
そう言ってビクトール様は首を少しだけ傾ける。
ひょっとしてここでやれと……
何だ?と言うように俺達を見て居たバスク様は少しだけ戸惑う俺の様子にその視線がひょっとしてと言うように見開いて行くのを見ないようにして目を瞑って一瞬だというようにビクトール様の頬にキスを一つ。
半分近くまで減ったホットミルクを持って二階にある自分の部屋に逃げる様に駆け込むのだった。
背後からビッキーそこに俺もキスさせろ!!!
なんて訳の分からない叫び声が響いてたけど何やら派手な物音と共に静かになったから大丈夫なんだろうと思う事にして置いた。
何で拾って帰ってきたのですかと恨めしく思うも夜の空気を纏う二人はパジャマ姿の俺にお帰りとハグをするけど若干一名俺を抱き上げてどこかの寝室へ連れ込もうとするのをビクトール様が阻止してくれた。
「いやぁ、あまりに可愛すぎて夢か現実か確かめないといけない気がしてな?
だって婚約者のパジャマ姿なんて見せられたらいくら婚前とは言え手を出さない方がおかしいぞ?」
不思議な事に抱きかかえられたと思った一瞬の合間にパジャマのボタンがすべて外れていた……
なんて魔法だよと思いながら慌てて前を隠すようにその腕から逃げるも
「バスクは婚約者じゃないしお前の婚約者は別にいる。
俺の可愛い息子に手を出したら明日がキュラーとの結婚日だ」
「申し訳ありませんでした」
側面に手をぴったりとあてて九十度きっちりと頭を下げる様はさすが近衛隊長と言う美しい姿……近衛隊長が頭を下げる?
そんなにもトゥリエル嬢との結婚は嫌なのかとどうでもいい疑問に頭を悩ましていればシメオンさんが
「ホットミルクでも飲みましょうか?
ハチミツも入れて、美味しいですよ」
「ありがとうございます!」
初めてはちみつ入りのホットミルクを貰った時はこんな美味しい物があるなんてと感動して以来バスク様がやってきて心荒れる時はこうやって甘やかしてくれるようになった。
あの甘さを思い出して幸せ~と既にお口の中が涎で溢れだしそうにして準備万端の俺にシメオンさんは俺の手を引いて特別にと言ってキッチンへと連れてくれるのだった。
ホットミルクは熱くなりすぎると膜を張る。
膜を張るのが嫌だとバスク様は言いますがどちらかと言えば俺は
「やっぱり食べたくなっちゃうんだよね」
何故か一緒にホットミルクを飲んでるバスク様とビクトール様のフレーバーはブランデー。
久しぶりに飲んだと二人は懐かしがっているその横で俺はスプーンの先っぽにひっかけて集めた膜をぺろりと堪能していた。
「おいしいですか?」
「うん!」
そうして膜が無くなってしまったミルクに息を吹き付けて飲めばシメオンさんは小さなクッキーまで出してくれた。
「夜なので少しですよ?」
「ありがとうございます!」
出してくれたのは俺の好きな紅茶の葉っぱを刻んだものを練り込んだクッキー。
ビクトール様がこういったお菓子を食べないので俺がこの家に来てから料理長が腕によりをかけて俺のおやつ作りに励んでくれているのだ。
「お菓子なんて贅沢だよなぁ」
俺の今までの暮らしを知ってるビクトール様達は目頭を押さえて
「菓子なんていくらでも食べさせてやる。
だからもっと我が儘言っていいんだぞ」
「ああ、俺が幸せって言う幸せを教えてやる。
だから早く家においで」
「俺はビクトール様のお家にいられるだけで幸せすぎているのでこれ以上は受け取れません」
オブラートにお断りすればシメオンさんも声を立てて笑う光景はとても暖かくて更に俺を幸せにしてくれる。
「では、魔法の勉強の途中なので先に失礼します」
「あまり遅くならないように注意するんだよ」
「はいおやすみなさい」
そう言ってビクトール様は首を少しだけ傾ける。
ひょっとしてここでやれと……
何だ?と言うように俺達を見て居たバスク様は少しだけ戸惑う俺の様子にその視線がひょっとしてと言うように見開いて行くのを見ないようにして目を瞑って一瞬だというようにビクトール様の頬にキスを一つ。
半分近くまで減ったホットミルクを持って二階にある自分の部屋に逃げる様に駆け込むのだった。
背後からビッキーそこに俺もキスさせろ!!!
なんて訳の分からない叫び声が響いてたけど何やら派手な物音と共に静かになったから大丈夫なんだろうと思う事にして置いた。
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