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公爵様、貴方が学園の生徒の時ちゃんと寮生活できてましたか?
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寮はさすが見栄を張りたがる両親なだけにちゃんとした広い部屋を用意してくれていた。
ただし何日も前に送り出したはずの荷物はどこにもない。
予想通りで泣きたくなるも、俺の荷物を持ってくれた人は
「おかしいなあ?
他の貴族のこの家はとっくに荷物届けてくれているのに……
ちょっと待っててね」
俺と荷物を置いてどこかへ行ってしまった。
ぽつんとこの広い部屋に残された俺は持ってきた鞄の中から最低限必要になるだろう物をクローゼットに片づける。
数枚の下着と靴下。替えのシャツとズボンと上着は一枚ずつ。
家庭教師達が不安を覚えて持たしてくれた文房具。
残りは俺が要らない子だと気づいてから集めたお金が一袋。
学校で必要になった物を買うのに足りるだろうかと不安しかないこれが総てだった。
教材は既に机の上に置いてある。
僅か数分で片づけた部屋はがらんとして何処か寒々しい。
小さな水場があるのにその水を飲むコップすらないみじめな状況に石鹸も無い事を気づいて早速お金を使わなくてはならない状況にこれから足りない物を買うとなると全くお金が足りない事に気づいてしまった。
こみ上げる不安にまたも涙が溢れだせば
「お待たせ。
寮母さんにお願いしてお家の方に問い合わせてくれるって。
寮母さんももうすぐ授業が始まるから荷開きは寮母さん達でやるから安心してって言ってたよ」
言いながらこの先輩はダンボールを持ってきて
「毎年じゃないけどうっかりなお家が時々見えるからそう言ったお家の子達に貸し出すセットがあるからそれでよければ荷物が届くまではこれを使ってだって」
中にはコップやタオル、石鹸、下着に靴下身の回りの物がすべて入っていた。
「一人でお家の方も居ない中不安だったね。でももう大丈夫だよ。
もし何かあったら寮母さんに言うんだよ。
あ、その前に寮母さんにありがとうを言おう。
礼儀正しい子の味方だから何かあったらこれからも寮母さんを頼ってね」
他にも迷っている子とか、辻馬車で来て門を前にして迷っている子とかを案内しないといけないからと言って去って行ってしまった先輩に碌な挨拶を言えずにとりあえず涙でぐしゃぐしゃになった顔を洗ってまずは寮母さんにありがとうと感謝の言葉を伝えに行った。
寮母さんは俺の顔を見てぱあと明るい笑みを浮かべ
「先ほどはありがとうございました。
家への連絡も何から何までありがとうございます。
大変助かりました」
「ふふふ、いいのよ。
数年に一度はこう言う事あるから気にしちゃだめよ」
寮母さんを始めとする寮の為に働く人達は食事の準備をしながらにこにこと俺の顔を見ながら仕事をしてた。
「所でよろしいでしょうか?
先ほど私を案内して下さった方のお名前を聞きそびれてしまいました。
学年とお名前を教えて頂けましょうか?」
聞けば寮母さんはちょっと困った顔をして
「彼はフラン・フライレって言ってね、今年の卒業生なの。
卒業しちゃったけど席だけはまだこの学園の子だからね、新入生の案内ってバイトで今日は居るだけだよ」
ショックに思考が固まった。
「え、じゃあ……」
この学園の生活の唯一の楽しみが無くなった瞬間だ。
そんな不純な気持ちで学園生活を送るつもりではないが、あまりのショックに寮母さんは少しだけ難しい顔をして
「彼はね、この春から魔導院の事務方のお仕事に付く事が出来たんだよ。
あんたも頑張れば魔導院の事務方のお仕事に付く事が出来るだろうから頑張りなさいよ」
と言って、仕事があるからと俺を寮母がいた食堂から追い出されたその足でショックを引きずる足で部屋に戻るのだった。
それから夜までに家から荷物が無事届いた。
見栄を張りたがる家族のおかげでこれ以上とないくらいの数の荷物が届けられた事に寮母さん達は溜息を吐くのだった。
一つの荷物に一つの物しか入ってない。
とんだ見栄っ張りだねぇと笑ってくれた笑顔に随分と助けられた。
ただし何日も前に送り出したはずの荷物はどこにもない。
予想通りで泣きたくなるも、俺の荷物を持ってくれた人は
「おかしいなあ?
他の貴族のこの家はとっくに荷物届けてくれているのに……
ちょっと待っててね」
俺と荷物を置いてどこかへ行ってしまった。
ぽつんとこの広い部屋に残された俺は持ってきた鞄の中から最低限必要になるだろう物をクローゼットに片づける。
数枚の下着と靴下。替えのシャツとズボンと上着は一枚ずつ。
家庭教師達が不安を覚えて持たしてくれた文房具。
残りは俺が要らない子だと気づいてから集めたお金が一袋。
学校で必要になった物を買うのに足りるだろうかと不安しかないこれが総てだった。
教材は既に机の上に置いてある。
僅か数分で片づけた部屋はがらんとして何処か寒々しい。
小さな水場があるのにその水を飲むコップすらないみじめな状況に石鹸も無い事を気づいて早速お金を使わなくてはならない状況にこれから足りない物を買うとなると全くお金が足りない事に気づいてしまった。
こみ上げる不安にまたも涙が溢れだせば
「お待たせ。
寮母さんにお願いしてお家の方に問い合わせてくれるって。
寮母さんももうすぐ授業が始まるから荷開きは寮母さん達でやるから安心してって言ってたよ」
言いながらこの先輩はダンボールを持ってきて
「毎年じゃないけどうっかりなお家が時々見えるからそう言ったお家の子達に貸し出すセットがあるからそれでよければ荷物が届くまではこれを使ってだって」
中にはコップやタオル、石鹸、下着に靴下身の回りの物がすべて入っていた。
「一人でお家の方も居ない中不安だったね。でももう大丈夫だよ。
もし何かあったら寮母さんに言うんだよ。
あ、その前に寮母さんにありがとうを言おう。
礼儀正しい子の味方だから何かあったらこれからも寮母さんを頼ってね」
他にも迷っている子とか、辻馬車で来て門を前にして迷っている子とかを案内しないといけないからと言って去って行ってしまった先輩に碌な挨拶を言えずにとりあえず涙でぐしゃぐしゃになった顔を洗ってまずは寮母さんにありがとうと感謝の言葉を伝えに行った。
寮母さんは俺の顔を見てぱあと明るい笑みを浮かべ
「先ほどはありがとうございました。
家への連絡も何から何までありがとうございます。
大変助かりました」
「ふふふ、いいのよ。
数年に一度はこう言う事あるから気にしちゃだめよ」
寮母さんを始めとする寮の為に働く人達は食事の準備をしながらにこにこと俺の顔を見ながら仕事をしてた。
「所でよろしいでしょうか?
先ほど私を案内して下さった方のお名前を聞きそびれてしまいました。
学年とお名前を教えて頂けましょうか?」
聞けば寮母さんはちょっと困った顔をして
「彼はフラン・フライレって言ってね、今年の卒業生なの。
卒業しちゃったけど席だけはまだこの学園の子だからね、新入生の案内ってバイトで今日は居るだけだよ」
ショックに思考が固まった。
「え、じゃあ……」
この学園の生活の唯一の楽しみが無くなった瞬間だ。
そんな不純な気持ちで学園生活を送るつもりではないが、あまりのショックに寮母さんは少しだけ難しい顔をして
「彼はね、この春から魔導院の事務方のお仕事に付く事が出来たんだよ。
あんたも頑張れば魔導院の事務方のお仕事に付く事が出来るだろうから頑張りなさいよ」
と言って、仕事があるからと俺を寮母がいた食堂から追い出されたその足でショックを引きずる足で部屋に戻るのだった。
それから夜までに家から荷物が無事届いた。
見栄を張りたがる家族のおかげでこれ以上とないくらいの数の荷物が届けられた事に寮母さん達は溜息を吐くのだった。
一つの荷物に一つの物しか入ってない。
とんだ見栄っ張りだねぇと笑ってくれた笑顔に随分と助けられた。
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