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勝ち負けの線引きはどこにある?! 7
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「宮下君かなりショックを受けていたよ。
宮下君にとって綾人君はちょっと手のかかる完璧な……リーダーだから、そんな弱気な所がある何てうろたえていたよ」
「ちょっと手のかかるとか完璧なの後の謎の空白に一切信ぴょう性がないけどな」
飯田さんも苦笑する当たり映画監督の悪い癖なのだろう。
「綾人君も宮下君の事よく見てるねえ」
感心する声に
「そりゃあ宮下ほど面白い観察対象はないからな」
ぷっ……
飯田さんがくるりと反転して背中を向けるも震える肩が俺達の関係を物語るってやつ。
「宮下君そんなにも面白いの?」
「いや、宮下ほど予測のつかない奴っていないから。そのくせ頭の中駄々洩れで扱いやすいし。圭斗と違って素直だから弄ると逆にこっちが申し訳なくなるくらいってなんだよって感じだし、あ、圭斗は圭斗で自分の中で答えを出しているくせにうだうだ葛藤している様子が見ごたえがあってさw
それとは対照的に宮下はやれって言ったら文句言いながらもすぐ行動してくれるからいい奴だし」
「僕、綾人君の友情基準ってやつに不安を覚えるよ」
「二人とも俺の事面倒で次何しでかすかわからないよう注意人物ぐらいに思ってるからイーブンなんだよ」
「二対一でイーブンって綾人君全然イーブンじゃないと思うんだけど」
「そうですね。宮下君と圭斗君の二人で綾人さんの面倒を見れるとは思えませんね」
え?そっちなのと言う多紀さんに
「俺も混ざって三対一でしょうか」
「えー、飯田さんそっち側なのー?」
ブーブーと文句を言う綾人に飯田さんは綺麗に笑って
「お忘れかもしれませんが先生もどっちかと言えば宮下君と圭斗君側ですよ。邪魔くさいけど」
「あれ?高山君は邪魔なんだ」
不満と言う多紀さんに
「教師ですのでここは公平でいてほしいので」
「どれだけ先生を排除したいんだか」
相変わらずな犬猿の仲に笑うしかない。
「永遠でいいですよ」
きりっとしたきめ顔で言い切ってくれた。
ほんとこの二人仲悪すぎるだろうと多紀さんと二人ブルってしまう。
「ですが、この件に関しては長沢さんも鉄二さんもそれこそアイヴィーや亡きロードも宮下君達の仲間ですから」
長沢さんどころかアイヴィー、ロードの名前を出すなんて卑怯だよなとどこか飄々とした顔で皿を洗いながら俺が勝てない人達の名前を出すあたり無駄に説得力持ってこないでよと口をとがらして睨んでしまう。
だけどそんな俺の不満すら飯田さんは心地よいと言うように勝者の笑みを浮かべ
「綾人さんは今回の多紀さんのお願いは聞くべきです」
「この状態で?」
フルーツを詰めたとはいえジョッキの半分ほどになってしまったシャンパンは十分綾人を酔っ払いにさせる量に達している。
「あと四時間ほどゆっくりできるのでぎりぎりで乗り込みましょう」
「寝癖と涎の跡を直すぐらいの時間は下さい」
「なんでしたら体も洗って差し上げますよ」
「すみませんでした。秒で準備する時間で十分です。それまで少し横にならせてください」
「はい。客間の方にお布団を準備してますのでそちらへどうぞ」
言いながら逃げるようにキッチンを出るも、すぐ後ろを多紀さんが付いてきた。
遠くで飯田さんが洗い物を片付ける音をしているので多紀さん一人なのは確実。
足音も一人分だしね。
なんかこの家って今も爺さんの気配があるって言うか、思い出が濃いって言うか、晩年の爺さんの話し相手代わりにちょくちょく来ただけあって記憶が在りし日と重なる。
爺さんと二人して息子さん二人をいじり倒した日々を……
いや、其れだからちょっとどころか面倒臭いほど手がかかるなんて認定されるんだよ……
だったらこれからも期待を裏切らないようにしたいし……
「いや、もう何も考えずに寝るから」
半分寝ぼけた顔で背後についてきた多紀さんに言い切ればそれがいいと言うようにうんうんと頷き
「起きたら詳しく話すつもりだけど、とりあえず今日の収録は瀬野とみんなに頼んでジャックするつもりで行くから。
宮下君にも綾人君の所からお肉持って来てもらって飯田君の所の職場で調理をお願いしているから準備はいろいろできてるから安心して休んで」
「安心して休む要素がどこにもないんだけど?!
むしろ現実逃避するために寝るしかないんだけど?!」
「とりあえず起きてから移動中に話を詰めよう?」
なんて人でなし監督だと一瞬顔を引きつらせるも客間に既に敷かれていた布団を見れば吸い込まれるように敷布団とタオルケットの間に挟まれて考える事を放棄して目をつむった。
宮下君にとって綾人君はちょっと手のかかる完璧な……リーダーだから、そんな弱気な所がある何てうろたえていたよ」
「ちょっと手のかかるとか完璧なの後の謎の空白に一切信ぴょう性がないけどな」
飯田さんも苦笑する当たり映画監督の悪い癖なのだろう。
「綾人君も宮下君の事よく見てるねえ」
感心する声に
「そりゃあ宮下ほど面白い観察対象はないからな」
ぷっ……
飯田さんがくるりと反転して背中を向けるも震える肩が俺達の関係を物語るってやつ。
「宮下君そんなにも面白いの?」
「いや、宮下ほど予測のつかない奴っていないから。そのくせ頭の中駄々洩れで扱いやすいし。圭斗と違って素直だから弄ると逆にこっちが申し訳なくなるくらいってなんだよって感じだし、あ、圭斗は圭斗で自分の中で答えを出しているくせにうだうだ葛藤している様子が見ごたえがあってさw
それとは対照的に宮下はやれって言ったら文句言いながらもすぐ行動してくれるからいい奴だし」
「僕、綾人君の友情基準ってやつに不安を覚えるよ」
「二人とも俺の事面倒で次何しでかすかわからないよう注意人物ぐらいに思ってるからイーブンなんだよ」
「二対一でイーブンって綾人君全然イーブンじゃないと思うんだけど」
「そうですね。宮下君と圭斗君の二人で綾人さんの面倒を見れるとは思えませんね」
え?そっちなのと言う多紀さんに
「俺も混ざって三対一でしょうか」
「えー、飯田さんそっち側なのー?」
ブーブーと文句を言う綾人に飯田さんは綺麗に笑って
「お忘れかもしれませんが先生もどっちかと言えば宮下君と圭斗君側ですよ。邪魔くさいけど」
「あれ?高山君は邪魔なんだ」
不満と言う多紀さんに
「教師ですのでここは公平でいてほしいので」
「どれだけ先生を排除したいんだか」
相変わらずな犬猿の仲に笑うしかない。
「永遠でいいですよ」
きりっとしたきめ顔で言い切ってくれた。
ほんとこの二人仲悪すぎるだろうと多紀さんと二人ブルってしまう。
「ですが、この件に関しては長沢さんも鉄二さんもそれこそアイヴィーや亡きロードも宮下君達の仲間ですから」
長沢さんどころかアイヴィー、ロードの名前を出すなんて卑怯だよなとどこか飄々とした顔で皿を洗いながら俺が勝てない人達の名前を出すあたり無駄に説得力持ってこないでよと口をとがらして睨んでしまう。
だけどそんな俺の不満すら飯田さんは心地よいと言うように勝者の笑みを浮かべ
「綾人さんは今回の多紀さんのお願いは聞くべきです」
「この状態で?」
フルーツを詰めたとはいえジョッキの半分ほどになってしまったシャンパンは十分綾人を酔っ払いにさせる量に達している。
「あと四時間ほどゆっくりできるのでぎりぎりで乗り込みましょう」
「寝癖と涎の跡を直すぐらいの時間は下さい」
「なんでしたら体も洗って差し上げますよ」
「すみませんでした。秒で準備する時間で十分です。それまで少し横にならせてください」
「はい。客間の方にお布団を準備してますのでそちらへどうぞ」
言いながら逃げるようにキッチンを出るも、すぐ後ろを多紀さんが付いてきた。
遠くで飯田さんが洗い物を片付ける音をしているので多紀さん一人なのは確実。
足音も一人分だしね。
なんかこの家って今も爺さんの気配があるって言うか、思い出が濃いって言うか、晩年の爺さんの話し相手代わりにちょくちょく来ただけあって記憶が在りし日と重なる。
爺さんと二人して息子さん二人をいじり倒した日々を……
いや、其れだからちょっとどころか面倒臭いほど手がかかるなんて認定されるんだよ……
だったらこれからも期待を裏切らないようにしたいし……
「いや、もう何も考えずに寝るから」
半分寝ぼけた顔で背後についてきた多紀さんに言い切ればそれがいいと言うようにうんうんと頷き
「起きたら詳しく話すつもりだけど、とりあえず今日の収録は瀬野とみんなに頼んでジャックするつもりで行くから。
宮下君にも綾人君の所からお肉持って来てもらって飯田君の所の職場で調理をお願いしているから準備はいろいろできてるから安心して休んで」
「安心して休む要素がどこにもないんだけど?!
むしろ現実逃避するために寝るしかないんだけど?!」
「とりあえず起きてから移動中に話を詰めよう?」
なんて人でなし監督だと一瞬顔を引きつらせるも客間に既に敷かれていた布団を見れば吸い込まれるように敷布団とタオルケットの間に挟まれて考える事を放棄して目をつむった。
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