877 / 976
冬場は雪から家を守る為に動かずにいれば冬眠と言われるなんて知らないと思ったら大間違いだ! 1
しおりを挟む
視界が真っ白になる季節がやって来た。
一メートル先も見えない、そんな季節。
だけど飯田さんはやってくる。
休日は雪にも吹雪にもめげずにやってくる。
頼むからこんな日は大人しくしてくれと言いたくなるのは俺だけだろうか?
「確かに家に居ようと思ってたのですが、綾人さんがちゃんと食事をしているのではないか心配でして」
出会った頃の俺の食生活がどうやらトラウマを植えていたらしい。
まあ、食べてエネルギーに変換出来れば良いじゃん?
そう思っていたティーンズでしたが、高校卒業したてのろくに包丁を握った事のない子供が料理に目覚めると思ったら大間違いだと言ってやりたい。
いや、もう何度も言ったけどね。
俺を丸々と太らせる事に使命を得た飯田さんは今だ体形すら変わらない俺をどうすれば太らせるか頭を悩ませている。
うん。
頭を働かせる事ってエネルギーの消費が結構激しいからね。
食べた分消費できる俺の頭ほんと燃費悪くてごめんなさい。
寧ろ足りないです。
「ポテトグラタン食べさせて下さい」
「いやですねえ、別に食べさせてあげないわけじゃないですよ」
まるで意地悪しているみたいじゃないですかとあははと笑う飯田さんの目は完全に据わっていた。
さて、何でこんな事になったかと言うと、単に俺の仕事がのりにのって栄養無視してお湯と炊いたご飯だけで一週間を過ごしていたからだ。
いや、梅干しとかそう言うのももちろんつけている。
砂糖はなくても生きていけるけど塩分はないと命の危険があるから。命大事、この山のルールだ。
一週間前にフランスから帰ってきて
炊飯器に入った炊きたてのご飯に梅干しを投入したお釜とお湯を沸かしただけのポットを手に自室でひたすら黙々とプログラムの作成。
先日フランスから帰ってきてまだ治らない時差ボケにそれなら起きてようかとアメリカからもらった納品無期限のこんな感じで~と言う緩い依頼を受けていた物にとりかかってみれば意外となんか面白い形になるかもとお釜を抱えて作り始めればもうそれ以外目に入らないと言う俺の悪い癖が出て、飯田さんに怒られている所だった。
なんせ、一週間前フランスから帰ってきてここまで送ってくれて以来の姿があの日から変ってないのだ。
あまり人様に言えない話だが、こうやって夢中になるとお風呂とかもどうでもよくなる。
だけど本当なら週末先生が来て世話をしろと大騒ぎをするのだが、その日も今日のようなホワイトアウトする天候なので泣く泣く止めたと言う。
いや、檜風呂あれば良いだろ?
そうつっこめば雪景色の庭や街並みを眺めながら風呂を独占していたと言う。
なのでまずここでこの状態の俺は発見されなかった。
さらにいつもなら来ていた宮下が手に入れた家のお世話に家から足が遠のいた。
まあ、折角手に入れた家を可愛がりたい気持ちはわからないでもない。
先生が来なければ宮下も来ない。
動画の方は宮下の家の工事の動画が当分流れると言う家、宮下が俺の設計図(森下さん監修)で家のリフォームをコツコツ進めているらしい。
勿論圭斗や園芸部も手を貸してくれている。
雪が融ける頃皆さん呼ぶ理由無くなるんじゃね?とおもえど
「まだ屋根の張替が残ってるからな。これはさすがに人手が欲しい」
香奈も絡んでいるので圭斗の要求の厳しさに一人笑った。
一メートル先も見えない、そんな季節。
だけど飯田さんはやってくる。
休日は雪にも吹雪にもめげずにやってくる。
頼むからこんな日は大人しくしてくれと言いたくなるのは俺だけだろうか?
「確かに家に居ようと思ってたのですが、綾人さんがちゃんと食事をしているのではないか心配でして」
出会った頃の俺の食生活がどうやらトラウマを植えていたらしい。
まあ、食べてエネルギーに変換出来れば良いじゃん?
そう思っていたティーンズでしたが、高校卒業したてのろくに包丁を握った事のない子供が料理に目覚めると思ったら大間違いだと言ってやりたい。
いや、もう何度も言ったけどね。
俺を丸々と太らせる事に使命を得た飯田さんは今だ体形すら変わらない俺をどうすれば太らせるか頭を悩ませている。
うん。
頭を働かせる事ってエネルギーの消費が結構激しいからね。
食べた分消費できる俺の頭ほんと燃費悪くてごめんなさい。
寧ろ足りないです。
「ポテトグラタン食べさせて下さい」
「いやですねえ、別に食べさせてあげないわけじゃないですよ」
まるで意地悪しているみたいじゃないですかとあははと笑う飯田さんの目は完全に据わっていた。
さて、何でこんな事になったかと言うと、単に俺の仕事がのりにのって栄養無視してお湯と炊いたご飯だけで一週間を過ごしていたからだ。
いや、梅干しとかそう言うのももちろんつけている。
砂糖はなくても生きていけるけど塩分はないと命の危険があるから。命大事、この山のルールだ。
一週間前にフランスから帰ってきて
炊飯器に入った炊きたてのご飯に梅干しを投入したお釜とお湯を沸かしただけのポットを手に自室でひたすら黙々とプログラムの作成。
先日フランスから帰ってきてまだ治らない時差ボケにそれなら起きてようかとアメリカからもらった納品無期限のこんな感じで~と言う緩い依頼を受けていた物にとりかかってみれば意外となんか面白い形になるかもとお釜を抱えて作り始めればもうそれ以外目に入らないと言う俺の悪い癖が出て、飯田さんに怒られている所だった。
なんせ、一週間前フランスから帰ってきてここまで送ってくれて以来の姿があの日から変ってないのだ。
あまり人様に言えない話だが、こうやって夢中になるとお風呂とかもどうでもよくなる。
だけど本当なら週末先生が来て世話をしろと大騒ぎをするのだが、その日も今日のようなホワイトアウトする天候なので泣く泣く止めたと言う。
いや、檜風呂あれば良いだろ?
そうつっこめば雪景色の庭や街並みを眺めながら風呂を独占していたと言う。
なのでまずここでこの状態の俺は発見されなかった。
さらにいつもなら来ていた宮下が手に入れた家のお世話に家から足が遠のいた。
まあ、折角手に入れた家を可愛がりたい気持ちはわからないでもない。
先生が来なければ宮下も来ない。
動画の方は宮下の家の工事の動画が当分流れると言う家、宮下が俺の設計図(森下さん監修)で家のリフォームをコツコツ進めているらしい。
勿論圭斗や園芸部も手を貸してくれている。
雪が融ける頃皆さん呼ぶ理由無くなるんじゃね?とおもえど
「まだ屋根の張替が残ってるからな。これはさすがに人手が欲しい」
香奈も絡んでいるので圭斗の要求の厳しさに一人笑った。
136
お気に入りに追加
2,670
あなたにおすすめの小説
裏路地古民家カフェでまったりしたい
雪那 由多
大衆娯楽
夜月燈火は亡き祖父の家をカフェに作り直して人生を再出発。
高校時代の友人と再会からの有無を言わさぬ魔王の指示で俺の意志一つなくリフォームは進んでいく。
あれ?
俺が思ったのとなんか違うけどでも俺が想像したよりいいカフェになってるんだけど予算内ならまあいいか?
え?あまい?
は?コーヒー不味い?
インスタントしか飲んだ事ないから分かるわけないじゃん。
はい?!修行いって来い???
しかも棒を銜えて筋トレってどんな修行?!
その甲斐あって人通りのない裏路地の古民家カフェは人はいないが穏やかな時間とコーヒーの香りと周囲の優しさに助けられ今日もオープンします。
第6回ライト文芸大賞で奨励賞を頂きました!ありがとうございました!
家賃一万円、庭付き、駐車場付き、付喪神付き?!
雪那 由多
ライト文芸
恋人に振られて独立を決心!
尊敬する先輩から紹介された家は庭付き駐車場付きで家賃一万円!
庭は畑仕事もできるくらいに広くみかんや柿、林檎のなる果実園もある。
さらに言えばリフォームしたての古民家は新築同然のピッカピカ!
そんな至れり尽くせりの家の家賃が一万円なわけがない!
古めかしい残置物からの熱い視線、夜な夜なさざめく話し声。
見えてしまう特異体質の瞳で見たこの家の住人達に納得のこのお値段!
見知らぬ土地で友人も居ない新天地の家に置いて行かれた道具から生まれた付喪神達との共同生活が今スタート!
****************************************************************
第6回ほっこり・じんわり大賞で読者賞を頂きました!
沢山の方に読んでいただき、そして投票を頂きまして本当にありがとうございました!
****************************************************************
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた
久野真一
青春
最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、
幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。
堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。
猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。
百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。
そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。
男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。
とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。
そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から
「修二は私と恋人になりたい?」
なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。
百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。
「なれたらいいと思ってる」
少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。
食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。
恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。
そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。
夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと
新婚生活も満喫中。
これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、
新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる