852 / 976
無垢なる綿に包まれて 3
しおりを挟む
ピコン、ピコン……
そんな機械音に意識が浮上して寝たまま音源のスマホを探り当てて今すぐにでも閉じそうな瞼を無理やりこじ開ける。
確認したらまた寝ようと思って一応と言うように画面を見ればぐわっと目を見開いてしまった。
どれだけの数送られたか判らないと言うくらいの膨大の写真はお母さんからの物。
アイヴィーに着物を着せて前から後ろから斜めから庭に連れ出されたり茶室でお茶を頂いてたりなんていろんな角度の写真を撮っては俺に送ってくれていた。
「なっ、なっ……」
反射的にスマホを持って駆けだしていた。
最新の写真の部屋の雰囲気から前におうち訪問と言って探検してたのでどの部屋かは想像が付いたのでまだ開店前だったのもありダッシュで母屋からお店の方へと駆けて行けば
「ああーん!やっぱり女の子って華があっていいわぁ!
私が嫁いだ時に来た飯田家の花嫁衣装だけど、アイちゃん肌が白いから良く似合うわぁ!
早々、ちょっと濃い色の紅をさしましょうね……」
「お母さん何やってるんですか!!!」
スパーンと障子を開けてお邪魔すればそこには……
挙動不審になって何が悪い。
幾つもの着替えた着物や帯が衣紋掛けに掛けられて部屋を囲っていた。
部屋にはお母さんとおもちゃにされてるアイヴィー、それに仲居さんも着物をたたんだりと忙しそうに、でも満面の笑顔でアイヴィーを構い倒していた。
「あら綾人さん。もう大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃなくなった。って言うかこれは一体……」
「私が娘の頃の着物よ。成人式の着物から大学卒業の袴だったり、嫁入りのときに持たせてもらった着物から義母様に用意してもらった着物もあるのよ。若い頃の着物だからもう着れない物もあるから折角だしアイちゃんに来てもらってるのよ」
楽しい!そんな満面の笑顔に眩暈を覚えながら
「アイちゃんって……」
「アイヴィーちゃんって長いじゃない。仲良くしたいのならニックネームで呼ばないとね?」
判るような理解したくないようなお母さんの法則には無視をしても視線はアイヴィーに釘づけだ。
真っ白な綿雪のような花嫁衣装に包まれたどこか儚げな姿にお母さんや仲居さんの存在はもう俺の視界から消え去っている。
『綾人どうかな?似合う?』
花嫁衣装を着てそう問われて似合わないと言う野郎が居たらまずフルボッコにするべし。そんな言葉がある以上俺の言葉はただ一つ。
『良く似合う。驚いて言葉が出ない……』
心からの本音だがボキャブラリーを育ててこなかった事をここで恨む。もっと誉めるべき言葉があるだろうと脳内では俺が俺を叱りつけていた。
そんな俺に気付かないように似合うと言われてほんのりと頬を染めてはにかむ様子にさらに挙動不審となる俺。
他にもっとたくさんかける言葉があるあろうけど、思考は停止してのポンコツ状態。
『たくさん着物着せてもらったよ。振袖も綺麗だったけどこれもすごく綺麗ね!』
『白無垢って多分いうんだけど……』
『真っ白で綺麗ね!何かお嫁さんみたい』
頬を染めて何とか言いきった言葉の後そっと顔を背けられてしまった。
はい確定。
お母さん確信犯決定!
思わず俺はお母さんを見ればやっぱり老舗の女将を務めるだけ語学堪能なお母さんは俺と目が合ったとたんニヤニヤする辺り俺が起きる時間を見計らって着せたのだろう。
「お母さん、笑えない冗談はダメですよ?」
思わず笑顔で言ってしまうけど老舗の女将を務めるお母さんには全く通用せず
「だってこんなにもかわいい子に花嫁衣装を一生着させない方が冗談で済ませられる問題じゃないでしょ?」
にっこりと笑うも内心オコなのが嫌でも判ってしまうくらいの綺麗な笑顔だった。
「綾人さんの事は薫からも聞いています。
アイちゃんも何を着ているのか判っているとは思うけど、生涯この姿を綾人さんに見せれないより気付かないふりをしても女の子が一番綺麗な姿を見てもらいたいと思うのは当然なのよ」
今まで着せた着物を片付けながら俺に視線は気にしないと言うお小言に俺は反論できないでいる。
「綾人さんの環境も、心の事も薫から聞いてはいるけど、綾人さんを慮ってアイちゃんだけが我慢するのは間違いだと思うの。
だから、こう言う場で流れに乗って勢い位付けないとこんなにも綺麗なアイちゃんを綾人さんは一生知らないまま過ごすの、すごく勿体ないと思うの」
着物をたたみ終えて和紙で包んだ所で俺を見上げる。
今は隣で並ぶのは難しくても、こう言うのを着させてあげる事ぐらいは許すべきよ。アイちゃんに対しても、自分に対しても」
凛とした佇まいからの視線は説得以上の言葉を語る。
男なら好いた相手を輝かせてあげなさい、そんな忠告。
もちろん日本に帰る前にアイヴィーと食事した時に買ったドレス姿が綺麗だった事にドキッとしたのも確かだし、今目の前の綿帽子をかぶる白無垢姿も真っ白な雪に融けてしまうのではないかと言う儚さに抱きしめて繋ぎとめたいと言う思いも膨れ上がっている。
実際お母さん達が居なかったらそうしただろう。
はたと気づいて顔が真っ赤になる。
アイヴィーは仲居さん達に写真を撮ってもらってご満悦だし、お母さんは俺がどうなってるか判っていてあえて視線を合わせてくれない。
一人泥沼にはまって両手で顔を覆ってバレバレなこの感情をどうするべきか悶々としていれば派手にドアが開く音が遠くから聞こえ、どこからか全力疾走する足音が段々と近づいてくるのを理解した。
速度とその力強い足音から誰か想像するのは計算しなくても判ってしまう。
「綾人さん無事ですか!」
スパーンと音を立てて襖を開けた場所にはデジャブと言う様に飯田さんが息を切らして立って居た。
「白旗たてた所。
飯田さんはどうして……」
「花嫁衣装を綾人さんに着せるとかどうとか……」
そこで沈黙。
ちょっと待て。
何でそこに俺に花嫁衣裳なんだよと思ってお母さんを見るもなぜか急に慌ただしそうに着物を片付けだす始末。
「母さん!」
「だってねえ、うちの子みんなおっきいから綾人さんぐらいだと可愛らしいかと思って?」
「何バカな事言ってるんです」
真顔で言ってしまうも
「だって折角アイちゃんに着せようと思って出したのだから綾人さんにも着せたいって言う親心じゃないの」
何やら壮大な危険な思惑があったらしい。逃げたい……
そんな機械音に意識が浮上して寝たまま音源のスマホを探り当てて今すぐにでも閉じそうな瞼を無理やりこじ開ける。
確認したらまた寝ようと思って一応と言うように画面を見ればぐわっと目を見開いてしまった。
どれだけの数送られたか判らないと言うくらいの膨大の写真はお母さんからの物。
アイヴィーに着物を着せて前から後ろから斜めから庭に連れ出されたり茶室でお茶を頂いてたりなんていろんな角度の写真を撮っては俺に送ってくれていた。
「なっ、なっ……」
反射的にスマホを持って駆けだしていた。
最新の写真の部屋の雰囲気から前におうち訪問と言って探検してたのでどの部屋かは想像が付いたのでまだ開店前だったのもありダッシュで母屋からお店の方へと駆けて行けば
「ああーん!やっぱり女の子って華があっていいわぁ!
私が嫁いだ時に来た飯田家の花嫁衣装だけど、アイちゃん肌が白いから良く似合うわぁ!
早々、ちょっと濃い色の紅をさしましょうね……」
「お母さん何やってるんですか!!!」
スパーンと障子を開けてお邪魔すればそこには……
挙動不審になって何が悪い。
幾つもの着替えた着物や帯が衣紋掛けに掛けられて部屋を囲っていた。
部屋にはお母さんとおもちゃにされてるアイヴィー、それに仲居さんも着物をたたんだりと忙しそうに、でも満面の笑顔でアイヴィーを構い倒していた。
「あら綾人さん。もう大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃなくなった。って言うかこれは一体……」
「私が娘の頃の着物よ。成人式の着物から大学卒業の袴だったり、嫁入りのときに持たせてもらった着物から義母様に用意してもらった着物もあるのよ。若い頃の着物だからもう着れない物もあるから折角だしアイちゃんに来てもらってるのよ」
楽しい!そんな満面の笑顔に眩暈を覚えながら
「アイちゃんって……」
「アイヴィーちゃんって長いじゃない。仲良くしたいのならニックネームで呼ばないとね?」
判るような理解したくないようなお母さんの法則には無視をしても視線はアイヴィーに釘づけだ。
真っ白な綿雪のような花嫁衣装に包まれたどこか儚げな姿にお母さんや仲居さんの存在はもう俺の視界から消え去っている。
『綾人どうかな?似合う?』
花嫁衣装を着てそう問われて似合わないと言う野郎が居たらまずフルボッコにするべし。そんな言葉がある以上俺の言葉はただ一つ。
『良く似合う。驚いて言葉が出ない……』
心からの本音だがボキャブラリーを育ててこなかった事をここで恨む。もっと誉めるべき言葉があるだろうと脳内では俺が俺を叱りつけていた。
そんな俺に気付かないように似合うと言われてほんのりと頬を染めてはにかむ様子にさらに挙動不審となる俺。
他にもっとたくさんかける言葉があるあろうけど、思考は停止してのポンコツ状態。
『たくさん着物着せてもらったよ。振袖も綺麗だったけどこれもすごく綺麗ね!』
『白無垢って多分いうんだけど……』
『真っ白で綺麗ね!何かお嫁さんみたい』
頬を染めて何とか言いきった言葉の後そっと顔を背けられてしまった。
はい確定。
お母さん確信犯決定!
思わず俺はお母さんを見ればやっぱり老舗の女将を務めるだけ語学堪能なお母さんは俺と目が合ったとたんニヤニヤする辺り俺が起きる時間を見計らって着せたのだろう。
「お母さん、笑えない冗談はダメですよ?」
思わず笑顔で言ってしまうけど老舗の女将を務めるお母さんには全く通用せず
「だってこんなにもかわいい子に花嫁衣装を一生着させない方が冗談で済ませられる問題じゃないでしょ?」
にっこりと笑うも内心オコなのが嫌でも判ってしまうくらいの綺麗な笑顔だった。
「綾人さんの事は薫からも聞いています。
アイちゃんも何を着ているのか判っているとは思うけど、生涯この姿を綾人さんに見せれないより気付かないふりをしても女の子が一番綺麗な姿を見てもらいたいと思うのは当然なのよ」
今まで着せた着物を片付けながら俺に視線は気にしないと言うお小言に俺は反論できないでいる。
「綾人さんの環境も、心の事も薫から聞いてはいるけど、綾人さんを慮ってアイちゃんだけが我慢するのは間違いだと思うの。
だから、こう言う場で流れに乗って勢い位付けないとこんなにも綺麗なアイちゃんを綾人さんは一生知らないまま過ごすの、すごく勿体ないと思うの」
着物をたたみ終えて和紙で包んだ所で俺を見上げる。
今は隣で並ぶのは難しくても、こう言うのを着させてあげる事ぐらいは許すべきよ。アイちゃんに対しても、自分に対しても」
凛とした佇まいからの視線は説得以上の言葉を語る。
男なら好いた相手を輝かせてあげなさい、そんな忠告。
もちろん日本に帰る前にアイヴィーと食事した時に買ったドレス姿が綺麗だった事にドキッとしたのも確かだし、今目の前の綿帽子をかぶる白無垢姿も真っ白な雪に融けてしまうのではないかと言う儚さに抱きしめて繋ぎとめたいと言う思いも膨れ上がっている。
実際お母さん達が居なかったらそうしただろう。
はたと気づいて顔が真っ赤になる。
アイヴィーは仲居さん達に写真を撮ってもらってご満悦だし、お母さんは俺がどうなってるか判っていてあえて視線を合わせてくれない。
一人泥沼にはまって両手で顔を覆ってバレバレなこの感情をどうするべきか悶々としていれば派手にドアが開く音が遠くから聞こえ、どこからか全力疾走する足音が段々と近づいてくるのを理解した。
速度とその力強い足音から誰か想像するのは計算しなくても判ってしまう。
「綾人さん無事ですか!」
スパーンと音を立てて襖を開けた場所にはデジャブと言う様に飯田さんが息を切らして立って居た。
「白旗たてた所。
飯田さんはどうして……」
「花嫁衣装を綾人さんに着せるとかどうとか……」
そこで沈黙。
ちょっと待て。
何でそこに俺に花嫁衣裳なんだよと思ってお母さんを見るもなぜか急に慌ただしそうに着物を片付けだす始末。
「母さん!」
「だってねえ、うちの子みんなおっきいから綾人さんぐらいだと可愛らしいかと思って?」
「何バカな事言ってるんです」
真顔で言ってしまうも
「だって折角アイちゃんに着せようと思って出したのだから綾人さんにも着せたいって言う親心じゃないの」
何やら壮大な危険な思惑があったらしい。逃げたい……
142
お気に入りに追加
2,670
あなたにおすすめの小説
家賃一万円、庭付き、駐車場付き、付喪神付き?!
雪那 由多
ライト文芸
恋人に振られて独立を決心!
尊敬する先輩から紹介された家は庭付き駐車場付きで家賃一万円!
庭は畑仕事もできるくらいに広くみかんや柿、林檎のなる果実園もある。
さらに言えばリフォームしたての古民家は新築同然のピッカピカ!
そんな至れり尽くせりの家の家賃が一万円なわけがない!
古めかしい残置物からの熱い視線、夜な夜なさざめく話し声。
見えてしまう特異体質の瞳で見たこの家の住人達に納得のこのお値段!
見知らぬ土地で友人も居ない新天地の家に置いて行かれた道具から生まれた付喪神達との共同生活が今スタート!
****************************************************************
第6回ほっこり・じんわり大賞で読者賞を頂きました!
沢山の方に読んでいただき、そして投票を頂きまして本当にありがとうございました!
****************************************************************
裏路地古民家カフェでまったりしたい
雪那 由多
大衆娯楽
夜月燈火は亡き祖父の家をカフェに作り直して人生を再出発。
高校時代の友人と再会からの有無を言わさぬ魔王の指示で俺の意志一つなくリフォームは進んでいく。
あれ?
俺が思ったのとなんか違うけどでも俺が想像したよりいいカフェになってるんだけど予算内ならまあいいか?
え?あまい?
は?コーヒー不味い?
インスタントしか飲んだ事ないから分かるわけないじゃん。
はい?!修行いって来い???
しかも棒を銜えて筋トレってどんな修行?!
その甲斐あって人通りのない裏路地の古民家カフェは人はいないが穏やかな時間とコーヒーの香りと周囲の優しさに助けられ今日もオープンします。
第6回ライト文芸大賞で奨励賞を頂きました!ありがとうございました!
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる