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山の日常、これぞ日常 5
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「翔太に聞いたが一日寝てたそうだな」
長沢さんの笑い声にさすがに恥ずかしく笑って誤魔化す。
「あはははは……
さすがに寝過ぎました」
「疲れてたんじゃろ。わしも飯を食べた後はつい昼寝をしてしまう」
「バアちゃんも食後俺が片づけている時テレビ見ながらよく寝てました」
お年寄りあるあるなのか単なる糖尿病の前触れか。どちらかと言うとこの年齢で病気一つしてないと言うのは圭斗の会社で全員強制的に健康診断をしている結果。むしろどんどん若返っている気もするが、でも油断は禁物。人生何が起きるか判らないと言うのはジイちゃんの時で十分だ。
「今年も健康診断の結果は問題ないって聞いたばかりだけど体調には気を付けてくださいよ」
「何、わしよりも婆さんが気を付けてくれるから」
カカカと笑う顔は長年連れ添った妻への信頼感。ほんと仲がいいと年末年始の個展へ向けて話しをしてくれた。
そうやって個展の話しを聞いてるうちに内田さんもやってきて
「おう、吉野の。やっとお目覚めか」
「はははー、久しぶりの我が家は居心地がよくってw」
なんて笑って居れば
「それにしても随分と顔つきが変わったな」
「ん?前から男前だけど?」
なんてジョーク。そこは年配者の方々の方がよくわかってるらしく俺の背中をバンバンと叩きながら
「おう、おう。綾人は男前だ!」
二人して笑ってくれる様子はまだまだ手のかかる子供と言う所だろう。実際まだまだ色々と手を貸して貰わなくてはいけない未熟者なので甘えれるうちは甘えるのが若者の特権だと思う。
いつの間にか三十過ぎててもね。
つい先日まで植田達の背中をどつきながら騒いでいたのにあっという間に一部の医学系を進学した奴ら除いて全員社会人となって自分を養う位の稼ぎをちゃんとしている。俺の次の年代の奴らの中には結婚もして子供も生まれてたやつもいて
「そういやお盆に帰って来るって言ってたな」
何て考えていれば確かそいつとは山奥まで来てもらうのも悪いので先生の家で会うって約束になっていた。確か日付は……
「やば、明日来るじゃん」
何が?何て二人の視線を受けて簡単に説明。
そして慌てて先生の家へと向えば……
「しまった……
宮下と陸斗を家に待機しっぱなしだった……」
がくりと膝から崩れ落ちる。
東京からこっちにくる間、一足先に就職組が戻って来ていて家に顔を出してからずっと山に居たと聞いた。
先生は俺が帰って来る日に山に向かったと言っていて、そのわずかな微差がこの現状を生み出していた……
「先生は中々の御仁だな」
「ああ、リフォームしてた時に気が付いたが、こうやってできるのかと思うと納得だな」
毎日翔太が後ろをくっついて歩いてるわけだとわずか数日お目付け役が離れただけの部屋はさしずめ地獄の一丁目だろうか。
「まぁ、この家買った時よりは全然ましだからな」
俺はスマホを取出し
「あ、宮下?悪いんだけど植田達全員麓の家に派遣して?
水野は会議だからいいけど、先生やってくれたよ。悪いけど再び大掃除だ。今やらないと後で宮下が苦労するぞ?」
そんな脅迫、そして絶叫。
映像も付けて先生の家を披露すれば涙声での悲鳴。
黙って驚く長老たちの視線には気付いてませんと言う様にスマホを強制シャットダウンして
「折角なのでお茶入れますね」
俺は持ってきた土産と飯田さんが作ってくれた煮物を詰めたタッパーを思い出せば
「折角だからご飯でも炊こうかな……」
呟く俺に二人はただただ失笑していた。
長沢さんの笑い声にさすがに恥ずかしく笑って誤魔化す。
「あはははは……
さすがに寝過ぎました」
「疲れてたんじゃろ。わしも飯を食べた後はつい昼寝をしてしまう」
「バアちゃんも食後俺が片づけている時テレビ見ながらよく寝てました」
お年寄りあるあるなのか単なる糖尿病の前触れか。どちらかと言うとこの年齢で病気一つしてないと言うのは圭斗の会社で全員強制的に健康診断をしている結果。むしろどんどん若返っている気もするが、でも油断は禁物。人生何が起きるか判らないと言うのはジイちゃんの時で十分だ。
「今年も健康診断の結果は問題ないって聞いたばかりだけど体調には気を付けてくださいよ」
「何、わしよりも婆さんが気を付けてくれるから」
カカカと笑う顔は長年連れ添った妻への信頼感。ほんと仲がいいと年末年始の個展へ向けて話しをしてくれた。
そうやって個展の話しを聞いてるうちに内田さんもやってきて
「おう、吉野の。やっとお目覚めか」
「はははー、久しぶりの我が家は居心地がよくってw」
なんて笑って居れば
「それにしても随分と顔つきが変わったな」
「ん?前から男前だけど?」
なんてジョーク。そこは年配者の方々の方がよくわかってるらしく俺の背中をバンバンと叩きながら
「おう、おう。綾人は男前だ!」
二人して笑ってくれる様子はまだまだ手のかかる子供と言う所だろう。実際まだまだ色々と手を貸して貰わなくてはいけない未熟者なので甘えれるうちは甘えるのが若者の特権だと思う。
いつの間にか三十過ぎててもね。
つい先日まで植田達の背中をどつきながら騒いでいたのにあっという間に一部の医学系を進学した奴ら除いて全員社会人となって自分を養う位の稼ぎをちゃんとしている。俺の次の年代の奴らの中には結婚もして子供も生まれてたやつもいて
「そういやお盆に帰って来るって言ってたな」
何て考えていれば確かそいつとは山奥まで来てもらうのも悪いので先生の家で会うって約束になっていた。確か日付は……
「やば、明日来るじゃん」
何が?何て二人の視線を受けて簡単に説明。
そして慌てて先生の家へと向えば……
「しまった……
宮下と陸斗を家に待機しっぱなしだった……」
がくりと膝から崩れ落ちる。
東京からこっちにくる間、一足先に就職組が戻って来ていて家に顔を出してからずっと山に居たと聞いた。
先生は俺が帰って来る日に山に向かったと言っていて、そのわずかな微差がこの現状を生み出していた……
「先生は中々の御仁だな」
「ああ、リフォームしてた時に気が付いたが、こうやってできるのかと思うと納得だな」
毎日翔太が後ろをくっついて歩いてるわけだとわずか数日お目付け役が離れただけの部屋はさしずめ地獄の一丁目だろうか。
「まぁ、この家買った時よりは全然ましだからな」
俺はスマホを取出し
「あ、宮下?悪いんだけど植田達全員麓の家に派遣して?
水野は会議だからいいけど、先生やってくれたよ。悪いけど再び大掃除だ。今やらないと後で宮下が苦労するぞ?」
そんな脅迫、そして絶叫。
映像も付けて先生の家を披露すれば涙声での悲鳴。
黙って驚く長老たちの視線には気付いてませんと言う様にスマホを強制シャットダウンして
「折角なのでお茶入れますね」
俺は持ってきた土産と飯田さんが作ってくれた煮物を詰めたタッパーを思い出せば
「折角だからご飯でも炊こうかな……」
呟く俺に二人はただただ失笑していた。
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