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予想外は本当に無防備な想定外で俺を巻き込むなと言いたいけど何故あとヨロで済ますと怒りながらも付き合う俺素敵だと思う 6
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深山の家に帰って来た日はとにかく寝まくった。
旅の疲れ、二日酔いと言う肉体的な体力減少に時差ボケもあると思う。
いや、かなり。
授業が終わってロードに挨拶に行ってからフランスに渡り、それから帰って来たのだ。その間イギリスの家で遅れがちになる勉強をしたいからと本を見せてほしいと言うジェムとクリフにならば代わりに家のメンテナンスを頼んだり、フランスの城の方にはケリーとアレックス、ウィルがフランスの語学の勉強も兼ねて住み込みのバイトをお願いして来たのでオリオールに押し付けてきた。
卒業までこのパターンが続きそうだなと少し不安だけどとりあえず面倒を押し付け……ではなく好きに使っていいからとお願いして帰って来たのだが
「空気が薄い……」
畑仕事をしていたらすぐに息が上がった。
普通に歩いていても息が上がった。
なんてこったい……
狭いとは言えない敷地内で簡単にばててしまった。
「高地トレーニングしていると思えば当然ですから。体がなじむまで少しゆっくりした方がいいですよ」
「うん、それは判っているんだけどね。ゆっくりできるのはせいぜい飯田さんがいる間だけだから。動かしながら馴染ませていくよ」
言いながらも草刈り機を取り出して雑草を刈りだして行く。
「陸斗君達も大学が夏休みに入ってから手伝いに来てくれてるみたいだけど実桜さんに手伝ってくれってお願いされてるみたいだから」
「だよね。それなりに軌道に乗ってるけどそれ以上に管理が大変だから」
出荷の方はお寺に手伝いに来る奥様に協力をお願いして雇用している。
どの方も精力的で圧倒的に足りない人数は奥様ネットワークで補充をお願いした。なんでも最低条件があるらしく、俺には教えてくれないけどその顔触れはどれも吉野と関係がある人達の奥様だと言うような気がしてしょうがない。
俺は実桜さんの仕事は元より圭斗の会社についても全くのノータッチだけどそれなりに大株主として口は出している。
「ちゃんと休日は休めよ」
会社を立ち上げさせた身としてブラックなんて冗談じゃないとみんなの健康には気を付けて声をかけてるけど
「綾人に言われる言葉でこれほど白々しい言葉はないな」
半眼の圭斗に言われてしまえば目を反らすしかない。
仕方ないじゃん。今は学生の身分だけど自称農家を詐称していた頃は労働時間なんて考えた事なかったし。とは言えだ。
「やっぱり家にいると何か仕事しなくちゃって思うんだよ」
「弥生さんの勤労さのおかげですね」
「物理的に山に呑みこまれるし。緑の浸食との戦いに休んでる暇はない」
「いいえ、さすがに今日は休んでください。
そんなにも働きたいのならモーター付きの機械の仕事までです」
「うーん、働くなと言いつつガッツリやって来いと言うように聞こえる不思議ー」
「草刈り機を振り回す簡単なお仕事ですよ」
「まあね。確かにそうだけどね」
となればさっさとやってしまえと言うように準備してエンジンを回した所で麓から車が上がってくる音が聞こえた。
何だと思うも見覚えのない車だったから少し警戒してしまえば
「ああ、先生の車ですね。先日猪に突撃されて廃車になったので買い替えたばかりなんですよ」
「あー、車より猪の数の方が多いからね」
それは仕方がないと頷く間に手作りの建てつけの悪くなった門を開けて渋いグリーンの車が入って来た。
「飯田さん知ってる?統計学の話しだけど緑色の車が一番鳥フン落とされるんだって」
「初耳です。どうでもいい事ですが鳥フンはお断りなので緑色の車は買わない事にします」
なん手どうでもいい事を話しながらもちゃんと門を閉ざす所を見守り、自分の事は適当なのに律儀だよなと思いつつしなかったら叩きだすと言ったのは俺なので未だにちゃんと守ってる先生素敵ーとどうでもよさ気に思ってみた。
それからいつもの定位置に車を停車すれば……
「よう!お帰り綾人」
「ただいま……」
何て返事をしながらもわらわらと三人の子供が車から降りてきた。
これは一体何なんだなんて考えなくても判る。
「綾人、悪いがこいつら頼む」
「なんか懐かしい光景なんだけど!」
「察しが良い!今の学校で理科部を発足させて巻き込んだ部員なんだ」
「しかもまた理科部!!!理科部好きだな!!!」
「理科の先生だもん。それに労働力は欲しいだろ?」
「確かにね!だけどね!!!」
「じゃああとよろしく」
「くそっ!またいつもの通りかよ!!!」
なんて叫べば不安そうな子供達は鞄からタオルを取り出して五右衛門風呂に一直線に向かう先生の背中を黙って見送っていた。
口悪く言い合いしてしまったけど、人気のないこんな山奥に突然ポンと取り残されてどれだけ不安か何て想像は容易いので
「ようこそこの何もない深山まで。じゃ、まず自己紹介。
俺はこの家の吉野綾人で、こちらの人は東京から遊びに来てくれる友達の飯田さん。で?」
聞けば荷物を握る手がギュッと力いっぱい握りしめていた子供達の自己紹介が始まるのだった。
旅の疲れ、二日酔いと言う肉体的な体力減少に時差ボケもあると思う。
いや、かなり。
授業が終わってロードに挨拶に行ってからフランスに渡り、それから帰って来たのだ。その間イギリスの家で遅れがちになる勉強をしたいからと本を見せてほしいと言うジェムとクリフにならば代わりに家のメンテナンスを頼んだり、フランスの城の方にはケリーとアレックス、ウィルがフランスの語学の勉強も兼ねて住み込みのバイトをお願いして来たのでオリオールに押し付けてきた。
卒業までこのパターンが続きそうだなと少し不安だけどとりあえず面倒を押し付け……ではなく好きに使っていいからとお願いして帰って来たのだが
「空気が薄い……」
畑仕事をしていたらすぐに息が上がった。
普通に歩いていても息が上がった。
なんてこったい……
狭いとは言えない敷地内で簡単にばててしまった。
「高地トレーニングしていると思えば当然ですから。体がなじむまで少しゆっくりした方がいいですよ」
「うん、それは判っているんだけどね。ゆっくりできるのはせいぜい飯田さんがいる間だけだから。動かしながら馴染ませていくよ」
言いながらも草刈り機を取り出して雑草を刈りだして行く。
「陸斗君達も大学が夏休みに入ってから手伝いに来てくれてるみたいだけど実桜さんに手伝ってくれってお願いされてるみたいだから」
「だよね。それなりに軌道に乗ってるけどそれ以上に管理が大変だから」
出荷の方はお寺に手伝いに来る奥様に協力をお願いして雇用している。
どの方も精力的で圧倒的に足りない人数は奥様ネットワークで補充をお願いした。なんでも最低条件があるらしく、俺には教えてくれないけどその顔触れはどれも吉野と関係がある人達の奥様だと言うような気がしてしょうがない。
俺は実桜さんの仕事は元より圭斗の会社についても全くのノータッチだけどそれなりに大株主として口は出している。
「ちゃんと休日は休めよ」
会社を立ち上げさせた身としてブラックなんて冗談じゃないとみんなの健康には気を付けて声をかけてるけど
「綾人に言われる言葉でこれほど白々しい言葉はないな」
半眼の圭斗に言われてしまえば目を反らすしかない。
仕方ないじゃん。今は学生の身分だけど自称農家を詐称していた頃は労働時間なんて考えた事なかったし。とは言えだ。
「やっぱり家にいると何か仕事しなくちゃって思うんだよ」
「弥生さんの勤労さのおかげですね」
「物理的に山に呑みこまれるし。緑の浸食との戦いに休んでる暇はない」
「いいえ、さすがに今日は休んでください。
そんなにも働きたいのならモーター付きの機械の仕事までです」
「うーん、働くなと言いつつガッツリやって来いと言うように聞こえる不思議ー」
「草刈り機を振り回す簡単なお仕事ですよ」
「まあね。確かにそうだけどね」
となればさっさとやってしまえと言うように準備してエンジンを回した所で麓から車が上がってくる音が聞こえた。
何だと思うも見覚えのない車だったから少し警戒してしまえば
「ああ、先生の車ですね。先日猪に突撃されて廃車になったので買い替えたばかりなんですよ」
「あー、車より猪の数の方が多いからね」
それは仕方がないと頷く間に手作りの建てつけの悪くなった門を開けて渋いグリーンの車が入って来た。
「飯田さん知ってる?統計学の話しだけど緑色の車が一番鳥フン落とされるんだって」
「初耳です。どうでもいい事ですが鳥フンはお断りなので緑色の車は買わない事にします」
なん手どうでもいい事を話しながらもちゃんと門を閉ざす所を見守り、自分の事は適当なのに律儀だよなと思いつつしなかったら叩きだすと言ったのは俺なので未だにちゃんと守ってる先生素敵ーとどうでもよさ気に思ってみた。
それからいつもの定位置に車を停車すれば……
「よう!お帰り綾人」
「ただいま……」
何て返事をしながらもわらわらと三人の子供が車から降りてきた。
これは一体何なんだなんて考えなくても判る。
「綾人、悪いがこいつら頼む」
「なんか懐かしい光景なんだけど!」
「察しが良い!今の学校で理科部を発足させて巻き込んだ部員なんだ」
「しかもまた理科部!!!理科部好きだな!!!」
「理科の先生だもん。それに労働力は欲しいだろ?」
「確かにね!だけどね!!!」
「じゃああとよろしく」
「くそっ!またいつもの通りかよ!!!」
なんて叫べば不安そうな子供達は鞄からタオルを取り出して五右衛門風呂に一直線に向かう先生の背中を黙って見送っていた。
口悪く言い合いしてしまったけど、人気のないこんな山奥に突然ポンと取り残されてどれだけ不安か何て想像は容易いので
「ようこそこの何もない深山まで。じゃ、まず自己紹介。
俺はこの家の吉野綾人で、こちらの人は東京から遊びに来てくれる友達の飯田さん。で?」
聞けば荷物を握る手がギュッと力いっぱい握りしめていた子供達の自己紹介が始まるのだった。
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