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たまには色々と仕掛けをしておこうと思います 11
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「あの、ところで。
実桜と蒼君は一体どんなお仕事をされるのでしょう……」
母親が今更母親の顔をして不安げに心配をするも
「当面は篠田と一緒に内田さんについて仕事を学んでもらいます。
もちろん呼ばれればどこにでも行かせますし、内田さん以外の下でも働いて学んでもらおうと思ってます」
フランスまで来る二人のフットワークの軽さにここはひとつ当面黒字何て見込めない会社の立ち上げなのだからと開き直って沢山の人の下で学んでもらうのは当然だと思っている。
「内田さんには宮下の面倒をお願いしますね」
「なに。あの麓の家は温かいから世話を焼くのも楽しいわ」
何てさっきまでオコだったのにもかかわらずにこにことする俺の知る長沢さんになって涙がちょちょぎれそうなくらいホッとしてしまえば
「実桜さんには当面うちの庭師として働いてもらうつもりです。
安心してください。東京ドーム何個分何て言う広さがあるし、面倒を見てほしい樹木も数えきれないほどあります。
さらに言えば平均年齢の高いこの地域に庭師なんていないから山ほど需要はありますよ」
何て、隣の長沢さんが無表情のまま無言でなんで嘘をつくと訴えていた。
だけど俺は気にせずに
「基本は庭の手入ればかりになると思いますが、枝を切るのも伸びきった木を処分するのも若手の力はのどから手が出るほど欲しい地域なので」
嘘です。
村民全農民と言うくらい皆様パワフルです。
倉庫に並ぶ草刈り機、玄関開けたらチェーンソーなんて謎な田舎の常識は一家に一丁の猟銃完備と言うヤバい思想もあるけど、こちらは皆さん年齢と共に返納しているので実際の所猟友会で働いてる人しか持ってない。
だけどモデルガンやエアガンは意外と持ってる家が多い。
なんせ害獣撃退の為の装備品としておばあちゃんたちが畑に行く時持ち歩くのだから初めて見た時はドキッとした。勿論熊なんかはそれで逃げてはいってくれないので結局の所持ち歩いている鎌や鉈なんかで迎撃するらしいが、どっちにしても脅かすぐらいの効果しかないし動物達が警戒する距離では効果は今一つない。
そんなマダムやムッシュの居る世界に若手の手が必要とするのは電球の交換位。熊には立ち迎えれても老眼には敵わないようだ。ちょっと助けてくれと言われてお邪魔しらた家じゅうの電気交換を何度かやらされた覚えは今も忘れられない。
原因は
「うちの孫が電球を全部変えてくれて家じゅうが明るくなったわ」
何てバアちゃんの孫自慢。
一応バアちゃんの目が黒いうちはそんなお声はかからなかったもののバアちゃんが居なくなった途端のこの始末。
バアちゃん偉大だったなと思いながら宮下にやらせたんだっけ。大和さんも巻き込まれて尊い犠牲だと思う事にしている。
それはさておきそんな適当な説明で実桜さんのお母さんは納得して頂けたみたいで
「では長沢さん。このバカ息子達にはよーく言い聞かせておきます。
お手間を取らせてしまい申し訳ありませんでした」
「ああ、お前もな。
大きな仕事が出来ないのならつつましくても身の丈に合った仕事をしろ。
せっかく手に職を得たのなら体が痛いなんて言っておらずにさっさと仕事に戻れ。 もう誰もお前達に手を貸さないし、蒼の奴はわしらが面倒を見る。娘の夫を大切にしないような奴に使わせるにはもったいなさすぎるぞ。
実桜も蒼も吉野が世話をすると言ったのだから安心しろ」
実際吉野を知らない実桜の母親はこんな形で娘と別れる事に不安の表情を隠せないけど俺はそれがどんな意味の顔か知っている。
「安心してください。
実桜さんには当面春からの仕事場の準備と山の世話があるのでそちらのお手伝いなんて一切できないでしょう。
ですが、仕事としてお手伝いするわけではないので問題はありません。
今まで実桜さんの給料を自分の財布に入れてきた分をこちらは返せなんて言いません。なのでこれからは実桜さんに助けてなんて言う権利も当然ない事をよく覚えておいてください」
ピシリともう職場の違う人間同士馴れ合いは一切させないと言う様に言いきって俺はスマホを操る。
「今タクシーを呼びました。駅までお願いしましたのでどうぞお引き取りを」
と帰る様に言えば
「だけど、凛ちゃんのお顔をまだ見てないから……」
「凛ちゃんの為の未来のお金をむしり取ろうとした人が何で会えると思うのです?」
まだ何一つ確かな言葉を聞いた事はなかったけど何れ同居して周囲から羨む視線を浴びたかっただろう年代のお母様と当人達との話し合いになると絶対負ける内容なだけに、幸造さんが頭の上がらない長沢さんが見ている目の前で決着を付けておく。
襖一枚の隣で二人が息を殺してこの話を聞いてるのを感じながら
「安心してください。
当面盆も正月もなく二人は働く事になるので。
凛ちゃんが小学生になる時にはお祝いでもしていただければ会えるんじゃないのでしょうか?」
単にランドセルを用意して会いに来いと遠回しの落としどころ。
可愛い盛りの時に会えないなんてと涙をポロポロと落す実桜さんのお母さんとお婆さんの姿を見て娘を奴隷の如く使い続けた父親はやっと自分が犯した罪深さを理解するかのように両手をついて
「どうか、どうか、父と母から凛を取り上げないでください!」
「大切にしなかったのは貴方達じゃないですか。
資格もなく営業だけで職人よりも高い給料もらって。お爺さんも仕事をしてないと言うのに職人より高いお給料もらってるんだって?
真面目に働く人が馬鹿を見るそんな家の子供だなんて凛ちゃんには教えれないから。
凛ちゃんには両親が懸命に働いて幸せな家庭を築く家の子供になってもらいたいから。あなたたちのような人は凛ちゃんの教育には必要ないのでお帰り下さい」
そこまで言うかと言う長沢さんの目が痛かったけど、間違っても俺のように放置される子供にもなって欲しくないし。圭斗や陸斗のように物として扱われる子供にもなって欲しくない。
ここは絶対譲れないと言う様に睨みつけて自業自得で涙を流す一家に迎えに来たタクシーのクラクションの音を聞いてお帰り下さいと促すのだった。
実桜と蒼君は一体どんなお仕事をされるのでしょう……」
母親が今更母親の顔をして不安げに心配をするも
「当面は篠田と一緒に内田さんについて仕事を学んでもらいます。
もちろん呼ばれればどこにでも行かせますし、内田さん以外の下でも働いて学んでもらおうと思ってます」
フランスまで来る二人のフットワークの軽さにここはひとつ当面黒字何て見込めない会社の立ち上げなのだからと開き直って沢山の人の下で学んでもらうのは当然だと思っている。
「内田さんには宮下の面倒をお願いしますね」
「なに。あの麓の家は温かいから世話を焼くのも楽しいわ」
何てさっきまでオコだったのにもかかわらずにこにことする俺の知る長沢さんになって涙がちょちょぎれそうなくらいホッとしてしまえば
「実桜さんには当面うちの庭師として働いてもらうつもりです。
安心してください。東京ドーム何個分何て言う広さがあるし、面倒を見てほしい樹木も数えきれないほどあります。
さらに言えば平均年齢の高いこの地域に庭師なんていないから山ほど需要はありますよ」
何て、隣の長沢さんが無表情のまま無言でなんで嘘をつくと訴えていた。
だけど俺は気にせずに
「基本は庭の手入ればかりになると思いますが、枝を切るのも伸びきった木を処分するのも若手の力はのどから手が出るほど欲しい地域なので」
嘘です。
村民全農民と言うくらい皆様パワフルです。
倉庫に並ぶ草刈り機、玄関開けたらチェーンソーなんて謎な田舎の常識は一家に一丁の猟銃完備と言うヤバい思想もあるけど、こちらは皆さん年齢と共に返納しているので実際の所猟友会で働いてる人しか持ってない。
だけどモデルガンやエアガンは意外と持ってる家が多い。
なんせ害獣撃退の為の装備品としておばあちゃんたちが畑に行く時持ち歩くのだから初めて見た時はドキッとした。勿論熊なんかはそれで逃げてはいってくれないので結局の所持ち歩いている鎌や鉈なんかで迎撃するらしいが、どっちにしても脅かすぐらいの効果しかないし動物達が警戒する距離では効果は今一つない。
そんなマダムやムッシュの居る世界に若手の手が必要とするのは電球の交換位。熊には立ち迎えれても老眼には敵わないようだ。ちょっと助けてくれと言われてお邪魔しらた家じゅうの電気交換を何度かやらされた覚えは今も忘れられない。
原因は
「うちの孫が電球を全部変えてくれて家じゅうが明るくなったわ」
何てバアちゃんの孫自慢。
一応バアちゃんの目が黒いうちはそんなお声はかからなかったもののバアちゃんが居なくなった途端のこの始末。
バアちゃん偉大だったなと思いながら宮下にやらせたんだっけ。大和さんも巻き込まれて尊い犠牲だと思う事にしている。
それはさておきそんな適当な説明で実桜さんのお母さんは納得して頂けたみたいで
「では長沢さん。このバカ息子達にはよーく言い聞かせておきます。
お手間を取らせてしまい申し訳ありませんでした」
「ああ、お前もな。
大きな仕事が出来ないのならつつましくても身の丈に合った仕事をしろ。
せっかく手に職を得たのなら体が痛いなんて言っておらずにさっさと仕事に戻れ。 もう誰もお前達に手を貸さないし、蒼の奴はわしらが面倒を見る。娘の夫を大切にしないような奴に使わせるにはもったいなさすぎるぞ。
実桜も蒼も吉野が世話をすると言ったのだから安心しろ」
実際吉野を知らない実桜の母親はこんな形で娘と別れる事に不安の表情を隠せないけど俺はそれがどんな意味の顔か知っている。
「安心してください。
実桜さんには当面春からの仕事場の準備と山の世話があるのでそちらのお手伝いなんて一切できないでしょう。
ですが、仕事としてお手伝いするわけではないので問題はありません。
今まで実桜さんの給料を自分の財布に入れてきた分をこちらは返せなんて言いません。なのでこれからは実桜さんに助けてなんて言う権利も当然ない事をよく覚えておいてください」
ピシリともう職場の違う人間同士馴れ合いは一切させないと言う様に言いきって俺はスマホを操る。
「今タクシーを呼びました。駅までお願いしましたのでどうぞお引き取りを」
と帰る様に言えば
「だけど、凛ちゃんのお顔をまだ見てないから……」
「凛ちゃんの為の未来のお金をむしり取ろうとした人が何で会えると思うのです?」
まだ何一つ確かな言葉を聞いた事はなかったけど何れ同居して周囲から羨む視線を浴びたかっただろう年代のお母様と当人達との話し合いになると絶対負ける内容なだけに、幸造さんが頭の上がらない長沢さんが見ている目の前で決着を付けておく。
襖一枚の隣で二人が息を殺してこの話を聞いてるのを感じながら
「安心してください。
当面盆も正月もなく二人は働く事になるので。
凛ちゃんが小学生になる時にはお祝いでもしていただければ会えるんじゃないのでしょうか?」
単にランドセルを用意して会いに来いと遠回しの落としどころ。
可愛い盛りの時に会えないなんてと涙をポロポロと落す実桜さんのお母さんとお婆さんの姿を見て娘を奴隷の如く使い続けた父親はやっと自分が犯した罪深さを理解するかのように両手をついて
「どうか、どうか、父と母から凛を取り上げないでください!」
「大切にしなかったのは貴方達じゃないですか。
資格もなく営業だけで職人よりも高い給料もらって。お爺さんも仕事をしてないと言うのに職人より高いお給料もらってるんだって?
真面目に働く人が馬鹿を見るそんな家の子供だなんて凛ちゃんには教えれないから。
凛ちゃんには両親が懸命に働いて幸せな家庭を築く家の子供になってもらいたいから。あなたたちのような人は凛ちゃんの教育には必要ないのでお帰り下さい」
そこまで言うかと言う長沢さんの目が痛かったけど、間違っても俺のように放置される子供にもなって欲しくないし。圭斗や陸斗のように物として扱われる子供にもなって欲しくない。
ここは絶対譲れないと言う様に睨みつけて自業自得で涙を流す一家に迎えに来たタクシーのクラクションの音を聞いてお帰り下さいと促すのだった。
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