581 / 976
短期滞在の過ごしかた 7
しおりを挟む
オリヴィエの悲鳴のような驚きの声に振り返った指揮者やバイオリン奏者の人達が驚くだけでは収まらず、車いすから立ち上がったジョルジュはそのまま花束をオリヴィエに渡し、驚きのままなんでここにジョルジュがと言いたげな視線がすぐに俺を捕まえて、何かいろいろと飲み込むように納得するのだった。
もちろん俺もマイヤーの所で知り合った人たちと目が合えば手を振って挨拶。振り返された手ににこにことジイちゃんバアちゃんイチコロのスマイルを振りまく横で、オリヴィエは感極まって膝をついてジョルジュに手を伸ばして舞台の上からその頭を抱きしめていた。
ジョルジュもあやすように伸ばされた手が何度も背中を叩いている様子に何か眩しい物を見るような瞳で指揮者が手を叩けばそれは広がって会場からの春の優し雨のように二人に降り注いでいた。
俺もきっとオリヴィエにとって二度と忘れられないコンサートとなっただろうとかなり無理なスケジュールでもイギリスからフランス経由で来たかいがあったと拍手を送っていればいつまで続くか判らないこの温かな光景をそこは指揮者が仕切ってくれる。
二人に何か囁く言葉に驚くジョルジュだったが指揮者が上がって来いと言うように腕を振り上げる。
驚くオリヴィエとジョルジュだったが、タクトを握り指示を出すその動作に楽団の人達はアンコールを促す、ではない物のジョルジュにリクエストする様に熱を込める。
「ああ、仕方がないなぁ」
呟くジョルジュの言葉には決意が聞き取れた。
「少し行ってくる」
そう俺に一言残して舞台のそでから舞台に上がればオリヴィエが迎えに来てくれた。
すぐにスタッフがジョルジュの為に椅子を持って来てくれて座らせてくれる。車いす効果からの気遣い、さすがだと俺も壁際まで下がってその様子を見守った。
指揮者が何やらマイクを持って来てくれて挨拶を一言と促してくれた。
だけどそこは往年の演奏家。すぐにマイクを受けとり
「お久しぶりです、ジョルジュ・エヴラールです」
それだけで歓迎する様に拍手が沸き上がり、すぐに指揮者がお客様に向かって静かにと言う指示を出せばさざ波のような苦笑が広がりながらも拍手は収まる。
「夏に体調を崩してから大人しく家で引っ込んでいたけど最近は体調も良く久しぶりに遠出をしてみようと本日は弟子のステージをこっそりと覗きに来たつもりだったはずなんだが」
言葉を濁せばステージのどこからか「全然こっそりじゃないぞ!」なんてヤジが飛ぶ。ジョルジュはその声で誰か察したと言う様に恥ずかしそうな顔を隠さずに宙を殴るふりをして黙れと言う。
なんというか、ジョルジュ・エヴラールと言うストイックな演奏家からはとても想像の付かない姿に突然姿を現して緊張させた空気を一瞬で霧散させたのだった。
もっとも俺達がジョルジュの総てを知るわけではなく、寧ろこの舞台に居る人達の方が本来の姿をよく知っているのだろうと理解すればこの流れを見守る方が楽しめると言う物。この中の大多数の一人と言う観客に徹し用途ステージを見守る。
「オリヴィエのステージを見にきたつもりだったが、本日の指揮者の顔をどこかで見たと思えばイタリアで初ステージを踏んだ時はまだガチガチだった小僧だったな。少し会わない間に随分とふけたな」
どこか子憎たらしい口調だが、指揮者は覚えてくれていた事に感動し、でも当時の未熟だった過去に恥ずかしそうに顔を手で仰ぎながらもジョルジュと握手を交わして拍手をまた貰う。だけどそこで何やら二人は会話をし、その声が聞こえる周囲は色めき立つようにざわついて、第一バイオリンのコンサートマスターがバイオリンをジョルジュに差し出そうとした所で、オリヴィエが自分のバイオリンをジョルジュに渡し、代わりにそのバイオリンを借り受けるのだった。
「しかも随分とずうずうしくなって折角ステージに上がったのなら一曲弾いて行けと言う。
だが先ほど言われたのだが主役は最後に登場するらしい。
覚悟しろ、登場した以上期待は裏切らないつもりだ」
わぁ!
そんな歓喜と拍手に包まれるホールにジョルジュとオリヴィエは調律をしながらその波が引くのを待つ。
「折角の小僧のステージに乱入したのだから何か思い出になる曲と思うもきっと皆さん耳が肥えているから何を聞いても面白くないだろう」
ここは面白さを求める物なのかと思うも背後に並ぶ演奏者の人達は何故かうんうんと頷いていた。どうやらそう言う物らしい。
「ならばここは私がオリヴィエを弟子にして以来毎日課題にしている練習曲を折角だから披露したいと思う。
これは大学時代からの友人でもあるマイヤー・ランドルートに作らせたバイオリンの技術を詰めこませた、曲と言うには疑問の残る通称マイヤーの練習曲と私達の中では呼んでいる」
山奥の鳥小屋の二階から何時も響いていた曲の謂れをへーっと聞く。
「指の運動とするには十分すぎる意地の悪い曲だが、それでも私とて今でも弾くぐらいに馴染みある曲をお聞きください」
そう言ってマイクを指揮者に返せばオリヴィエはマイヤーに向かって立つように位置どってバイオリンを構えて、誰が合図するわけでもなく弓をしょっぱなから力いっぱい引くと言う、練習曲と言うには荒々しく激しく音の嵐と言うようなテクニックとスピードが狂ったかのような幅の広い音域に息を飲んでしまう。
指の運動と言ったがそんな物じゃないだろうと初めて面と向かって聞く二挺のバイオリンから奏でられる音は狂い無くピタリと揃っていて、キラキラとした色合いは一切なくただ圧倒される迫力にのみこまれれてしまった。
さっきの色気だらだらの少年と青年の狭間の顔をしていたオリヴィエはまるで何かと戦う戦士のように、または狂気に取りつかれた音楽家のように呼吸をしているのかさえ不明な空気の中、ふとした所で同時に二人の目が合い、お互いを愛しむかのように笑みを浮かべた。
ああ、これは闘いじゃないのだ。
これがこの二人の師弟と言う関係の中の会話なのだと理解した。
マイヤーも良く二人を理解していると感心しながらも楽譜にすればものすごい数のオタマジャクシが言葉の代わりに踊り狂っているのだろうと頭の中に描いては失笑。
演奏する方も演奏する方だが良くもこれだけの情報を詰め込んだと逆に関心をする。
病に倒れてふくよかだった身体をここまでやせ衰えさせてしまったのにどこにそんな力があるのか、だけどオリヴィエはこれ以上とないくらい嬉しそうな顔で、ステージの上でジョルジュと共に演奏が出来る喜びを隠しきれないと言う様な無邪気な笑みを隠しきれなく、お前の「氷像の貴公子」なんて二つ名はどこに行ったんだと心の中で何度も繰り返し問いかけるそんな夢のような時間もわずか三分ちょっとの時間で終わりを迎えた。
始まりも全速力なら終わりも全速力。
なんて乱暴な曲なんだと思うも、僅か三分で二人は汗だくになり、抱き合ってこの一瞬の夢の時間に感謝して、あまりに圧倒された客席から一拍遅れての盛大な拍手の嵐の中、指揮者とコンマスを始めステージから下がる間に並ぶバイオリン奏者達とジョルジュは握手をしながら興奮冷めやらないステージから消えるのだった。
俺はそれを見届けて車いすを運びながらボックス席に戻ればすぐにオリヴィエのマネージャーのデューリーが迎えに来て俺達は楽屋へと案内されるのだった。
もちろん俺もマイヤーの所で知り合った人たちと目が合えば手を振って挨拶。振り返された手ににこにことジイちゃんバアちゃんイチコロのスマイルを振りまく横で、オリヴィエは感極まって膝をついてジョルジュに手を伸ばして舞台の上からその頭を抱きしめていた。
ジョルジュもあやすように伸ばされた手が何度も背中を叩いている様子に何か眩しい物を見るような瞳で指揮者が手を叩けばそれは広がって会場からの春の優し雨のように二人に降り注いでいた。
俺もきっとオリヴィエにとって二度と忘れられないコンサートとなっただろうとかなり無理なスケジュールでもイギリスからフランス経由で来たかいがあったと拍手を送っていればいつまで続くか判らないこの温かな光景をそこは指揮者が仕切ってくれる。
二人に何か囁く言葉に驚くジョルジュだったが指揮者が上がって来いと言うように腕を振り上げる。
驚くオリヴィエとジョルジュだったが、タクトを握り指示を出すその動作に楽団の人達はアンコールを促す、ではない物のジョルジュにリクエストする様に熱を込める。
「ああ、仕方がないなぁ」
呟くジョルジュの言葉には決意が聞き取れた。
「少し行ってくる」
そう俺に一言残して舞台のそでから舞台に上がればオリヴィエが迎えに来てくれた。
すぐにスタッフがジョルジュの為に椅子を持って来てくれて座らせてくれる。車いす効果からの気遣い、さすがだと俺も壁際まで下がってその様子を見守った。
指揮者が何やらマイクを持って来てくれて挨拶を一言と促してくれた。
だけどそこは往年の演奏家。すぐにマイクを受けとり
「お久しぶりです、ジョルジュ・エヴラールです」
それだけで歓迎する様に拍手が沸き上がり、すぐに指揮者がお客様に向かって静かにと言う指示を出せばさざ波のような苦笑が広がりながらも拍手は収まる。
「夏に体調を崩してから大人しく家で引っ込んでいたけど最近は体調も良く久しぶりに遠出をしてみようと本日は弟子のステージをこっそりと覗きに来たつもりだったはずなんだが」
言葉を濁せばステージのどこからか「全然こっそりじゃないぞ!」なんてヤジが飛ぶ。ジョルジュはその声で誰か察したと言う様に恥ずかしそうな顔を隠さずに宙を殴るふりをして黙れと言う。
なんというか、ジョルジュ・エヴラールと言うストイックな演奏家からはとても想像の付かない姿に突然姿を現して緊張させた空気を一瞬で霧散させたのだった。
もっとも俺達がジョルジュの総てを知るわけではなく、寧ろこの舞台に居る人達の方が本来の姿をよく知っているのだろうと理解すればこの流れを見守る方が楽しめると言う物。この中の大多数の一人と言う観客に徹し用途ステージを見守る。
「オリヴィエのステージを見にきたつもりだったが、本日の指揮者の顔をどこかで見たと思えばイタリアで初ステージを踏んだ時はまだガチガチだった小僧だったな。少し会わない間に随分とふけたな」
どこか子憎たらしい口調だが、指揮者は覚えてくれていた事に感動し、でも当時の未熟だった過去に恥ずかしそうに顔を手で仰ぎながらもジョルジュと握手を交わして拍手をまた貰う。だけどそこで何やら二人は会話をし、その声が聞こえる周囲は色めき立つようにざわついて、第一バイオリンのコンサートマスターがバイオリンをジョルジュに差し出そうとした所で、オリヴィエが自分のバイオリンをジョルジュに渡し、代わりにそのバイオリンを借り受けるのだった。
「しかも随分とずうずうしくなって折角ステージに上がったのなら一曲弾いて行けと言う。
だが先ほど言われたのだが主役は最後に登場するらしい。
覚悟しろ、登場した以上期待は裏切らないつもりだ」
わぁ!
そんな歓喜と拍手に包まれるホールにジョルジュとオリヴィエは調律をしながらその波が引くのを待つ。
「折角の小僧のステージに乱入したのだから何か思い出になる曲と思うもきっと皆さん耳が肥えているから何を聞いても面白くないだろう」
ここは面白さを求める物なのかと思うも背後に並ぶ演奏者の人達は何故かうんうんと頷いていた。どうやらそう言う物らしい。
「ならばここは私がオリヴィエを弟子にして以来毎日課題にしている練習曲を折角だから披露したいと思う。
これは大学時代からの友人でもあるマイヤー・ランドルートに作らせたバイオリンの技術を詰めこませた、曲と言うには疑問の残る通称マイヤーの練習曲と私達の中では呼んでいる」
山奥の鳥小屋の二階から何時も響いていた曲の謂れをへーっと聞く。
「指の運動とするには十分すぎる意地の悪い曲だが、それでも私とて今でも弾くぐらいに馴染みある曲をお聞きください」
そう言ってマイクを指揮者に返せばオリヴィエはマイヤーに向かって立つように位置どってバイオリンを構えて、誰が合図するわけでもなく弓をしょっぱなから力いっぱい引くと言う、練習曲と言うには荒々しく激しく音の嵐と言うようなテクニックとスピードが狂ったかのような幅の広い音域に息を飲んでしまう。
指の運動と言ったがそんな物じゃないだろうと初めて面と向かって聞く二挺のバイオリンから奏でられる音は狂い無くピタリと揃っていて、キラキラとした色合いは一切なくただ圧倒される迫力にのみこまれれてしまった。
さっきの色気だらだらの少年と青年の狭間の顔をしていたオリヴィエはまるで何かと戦う戦士のように、または狂気に取りつかれた音楽家のように呼吸をしているのかさえ不明な空気の中、ふとした所で同時に二人の目が合い、お互いを愛しむかのように笑みを浮かべた。
ああ、これは闘いじゃないのだ。
これがこの二人の師弟と言う関係の中の会話なのだと理解した。
マイヤーも良く二人を理解していると感心しながらも楽譜にすればものすごい数のオタマジャクシが言葉の代わりに踊り狂っているのだろうと頭の中に描いては失笑。
演奏する方も演奏する方だが良くもこれだけの情報を詰め込んだと逆に関心をする。
病に倒れてふくよかだった身体をここまでやせ衰えさせてしまったのにどこにそんな力があるのか、だけどオリヴィエはこれ以上とないくらい嬉しそうな顔で、ステージの上でジョルジュと共に演奏が出来る喜びを隠しきれないと言う様な無邪気な笑みを隠しきれなく、お前の「氷像の貴公子」なんて二つ名はどこに行ったんだと心の中で何度も繰り返し問いかけるそんな夢のような時間もわずか三分ちょっとの時間で終わりを迎えた。
始まりも全速力なら終わりも全速力。
なんて乱暴な曲なんだと思うも、僅か三分で二人は汗だくになり、抱き合ってこの一瞬の夢の時間に感謝して、あまりに圧倒された客席から一拍遅れての盛大な拍手の嵐の中、指揮者とコンマスを始めステージから下がる間に並ぶバイオリン奏者達とジョルジュは握手をしながら興奮冷めやらないステージから消えるのだった。
俺はそれを見届けて車いすを運びながらボックス席に戻ればすぐにオリヴィエのマネージャーのデューリーが迎えに来て俺達は楽屋へと案内されるのだった。
144
お気に入りに追加
2,655
あなたにおすすめの小説
家賃一万円、庭付き、駐車場付き、付喪神付き?!
雪那 由多
ライト文芸
恋人に振られて独立を決心!
尊敬する先輩から紹介された家は庭付き駐車場付きで家賃一万円!
庭は畑仕事もできるくらいに広くみかんや柿、林檎のなる果実園もある。
さらに言えばリフォームしたての古民家は新築同然のピッカピカ!
そんな至れり尽くせりの家の家賃が一万円なわけがない!
古めかしい残置物からの熱い視線、夜な夜なさざめく話し声。
見えてしまう特異体質の瞳で見たこの家の住人達に納得のこのお値段!
見知らぬ土地で友人も居ない新天地の家に置いて行かれた道具から生まれた付喪神達との共同生活が今スタート!
****************************************************************
第6回ほっこり・じんわり大賞で読者賞を頂きました!
沢山の方に読んでいただき、そして投票を頂きまして本当にありがとうございました!
****************************************************************
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
真夏の温泉物語
矢木羽研
青春
山奥の温泉にのんびり浸かっていた俺の前に現れた謎の少女は何者……?ちょっとエッチ(R15)で切ない、真夏の白昼夢。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福論。〜飯作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
西園寺若葉
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
姉らぶるっ!!
藍染惣右介兵衛
青春
俺には二人の容姿端麗な姉がいる。
自慢そうに聞こえただろうか?
それは少しばかり誤解だ。
この二人の姉、どちらも重大な欠陥があるのだ……
次女の青山花穂は高校二年で生徒会長。
外見上はすべて完璧に見える花穂姉ちゃん……
「花穂姉ちゃん! 下着でウロウロするのやめろよなっ!」
「んじゃ、裸ならいいってことねっ!」
▼物語概要
【恋愛感情欠落、解離性健忘というトラウマを抱えながら、姉やヒロインに囲まれて成長していく話です】
47万字以上の大長編になります。(2020年11月現在)
【※不健全ラブコメの注意事項】
この作品は通常のラブコメより下品下劣この上なく、ドン引き、ドシモ、変態、マニアック、陰謀と陰毛渦巻くご都合主義のオンパレードです。
それをウリにして、ギャグなどをミックスした作品です。一話(1部分)1800~3000字と短く、四コマ漫画感覚で手軽に読めます。
全編47万字前後となります。読みごたえも初期より増し、ガッツリ読みたい方にもお勧めです。
また、執筆・原作・草案者が男性と女性両方なので、主人公が男にもかかわらず、男性目線からややずれている部分があります。
【元々、小説家になろうで連載していたものを大幅改訂して連載します】
【なろう版から一部、ストーリー展開と主要キャラの名前が変更になりました】
【2017年4月、本幕が完結しました】
序幕・本幕であらかたの謎が解け、メインヒロインが確定します。
【2018年1月、真幕を開始しました】
ここから読み始めると盛大なネタバレになります(汗)
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
裏路地古民家カフェでまったりしたい
雪那 由多
大衆娯楽
夜月燈火は亡き祖父の家をカフェに作り直して人生を再出発。
高校時代の友人と再会からの有無を言わさぬ魔王の指示で俺の意志一つなくリフォームは進んでいく。
あれ?
俺が思ったのとなんか違うけどでも俺が想像したよりいいカフェになってるんだけど予算内ならまあいいか?
え?あまい?
は?コーヒー不味い?
インスタントしか飲んだ事ないから分かるわけないじゃん。
はい?!修行いって来い???
しかも棒を銜えて筋トレってどんな修行?!
その甲斐あって人通りのない裏路地の古民家カフェは人はいないが穏やかな時間とコーヒーの香りと周囲の優しさに助けられ今日もオープンします。
第6回ライト文芸大賞で奨励賞を頂きました!ありがとうございました!
隣の古道具屋さん
雪那 由多
ライト文芸
祖父から受け継いだ喫茶店・渡り鳥の隣には佐倉古道具店がある。
幼馴染の香月は日々古道具の修復に励み、俺、渡瀬朔夜は従妹であり、この喫茶店のオーナーでもある七緒と一緒に古くからの常連しか立ち寄らない喫茶店を切り盛りしている。
そんな隣の古道具店では時々不思議な古道具が舞い込んでくる。
修行の身の香月と共にそんな不思議を目の当たりにしながらも一つ一つ壊れた古道具を修復するように不思議と向き合う少し不思議な日常の出来事。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる