574 / 976
踏み出す為の 11
しおりを挟む
「やあエドガー。悪いな来てもらって」
「なに、近くにいたからすぐに来れただけだよ。
皆様お久しぶりです」
礼儀正しく一礼してみせるも実は何かあった時の為に裏の隠れ家でオラスとリヴェット達と待機してもらってただけだ。じっくりともったいぶる様に城の裏から車で出てぐるりと正面から回ってやって来たのだろう。
いかにも食事が終わる頃来て貰うようなタイミングでの到着はそう言ったふうに聞こえるだろうが、そんなうまくタイミングが合うはずはないのでエドガーにはジョルジュたちが来る前から既に待機してもらうのだった。勿論しっかりとその間の時間も料金が発生するが、この効果的なタイミングを狙う為だと思えば安い物だろう。
俺が席を進めれば飯田さんがすぐに飲み物を用意してくれる。
満足げにコーヒーの香りを楽しみながら一口飲んで
「それで、今回はどのようなお買い物をなされたのです?」
前回城を買ったりバイオリンを買ったりと中々の散財を披露したので今回もどんなお買い物をしたんだいと茶化す言葉は良く判ってらっしゃると褒め称える所だろうか。
少しだけ肩をすくめて
「ジョルジュからバイオリンを二挺お買い上げしただけだよ。金額は前回のストラドと同額。保険の手続きと振込先は口座を一つ作ってそちらに」
多分前半はどうでもよいのだろうが、後半の口座を一つ作ると言う所に眉間を狭めた。
「こう言っては何ですが、大変失礼ですがエヴラール氏に新たに口座を作る必要性が見受けられないのですが……」
寧ろ整理するべきだと言う言葉に
「奥様はどうやら共有財産の紐が緩いようで」
ふむと難しい顔をしてエドガーはゆっくりと奥様へと視線を向ける。
共有財産と言う所が曖昧なのだろうが
「もしお子様にお使いしたとしたら金額によっては贈与税が発生しますが大丈夫でしょうか?」
たぶん大丈夫ではありません。
俺もしれっとコーヒーを飲んでいる間の奥様の冷汗は見ないふりをしておく。
「もし気になられたら後ほどエヴラール氏の弁護士に相談してください。すぐ対処してくれましょう。
さて、では早速ですが前回同様依頼書を作成させていただきます」
カタカタとノートパソコンを取り出してキーボードを打つ音、そしてプリントアウトされる書類。
正式な書類は後ほど送られてくる、これも前回と同じ。
「あとはバイオリンの受け渡しと振込ですね」
パンと手を叩いてエドガーは俺とジョルジュを見れば
「マイヤー、悪いが持って来てもらえるだろうか」
その声と共に奥様は涙を流し、マイヤーは家に行ってくると車のキーを持って出かけるのだった。ストラディバリウスを売り払った為に他のも売り払われる前に、だったら、なんて事件が起こらないように出来た対策は誰よりも信頼する人物に預けると言う何とも悲しい選択だったようだ。
時間にして十数分。
その間エドガーによってスマホで口座を開設していつでも入金できるように準備をしておく。その間に戻ってきたマイヤーの手には二挺のバイオリンとそれに関係する書類も用意してあった。元から売りつけるつもりだったと今更ながら理解する。たとえ予想はついていてもだ。
俺はエドガーとジョルジュの二人に見える様にスマホからジョルジュの口座に振り込んで、ジョルジュの方で確認した所で受け渡しは完了とする。
ジョルジュに見える様にバイオリンのケースを開けて最後にと言う様に見せれば、ジョルジュは手にとり指先だけでバイオリンの弦をはじきだした。
その曲を聞いてマイヤーも嬉しそうな顔でもう一挺のバイオリンを手に取りジョルジュに向かって破顔しながら同じようにバイオリンの弦をはじいて行く。
ジョルジュも顔に深い皺を寄せて微笑み、そしてマイヤーも指揮者としてウインクしたり何か言いたげな表情をして、それに合わせてジョルジュが笑顔で受け応える。
「指でバイオリンを弾く曲もあるのですね」
ポツリとつぶやく飯田さんに
「ヨハン・シュトラウス二世のピチカートポルカだ。
美しく青きドナウなら一度は耳にした事ある有名な曲と同じ作曲家だよ。
ピチカートって言う指で弾く技法だから弓も要らない三分ぐらいのちょっと他には見かけない楽しい曲だよね」
あまり気取って無くって好きなんだと言う綾人の知識は放置された家庭環境の中で覚えた割には幅が広くて無駄に知識だけはある。
たとえどれひとつ演奏できなくてもだ。
お互い視線を合わせての音の語り合いはこの曲のように二人ともどこか少年のような心で楽しんでいるようにも見えるのは何十年と言う親友との最後の演奏になるから、とは思いたくない。
だけどどんな曲にも終わりがあって、最後には駆け足のような音からの弾ける様は無邪気な子供のようで。
二人は余韻に浸る間もなくバイオリンを置いて泣きながら抱き合っていた。
まるでこの演奏が最後とでも言わんばかりな、でもお互いそこには触れずに静かに黙って涙を流す様子はこの素晴らしい演奏に対して贈る拍手をさせてもらえずただ見守るだけ。
やがて落ち着いた二人が丁寧にバイオリンを片付けて俺へと差し出した。
「本当はただでくれてやってもいいと思ってた。
だけどオリヴィエの周りはまだ油断できないからアヤト、お前が正当な理由を付けて持っていた方が安心だ」
どこか鼻にかかった声の本音は確かにと言う様に頷く。
「しばらくは預かっておきます。
然る後にオリヴィエに渡そうと思います」
「ああ、綾人がそれが良いと思うのならタイミングは任せる」
そっとケースに手を置いて目を瞑る。
何十年と言うバイオリン奏者としての思い出がよみがえっているのだろう。
片手でごしごしと顔を拭いながら
「さあ、マイヤー。 お前が自慢したオリヴィエの練習場を見せてくれ!
あの動画の景色を楽しみに来たんだ!」
そんな弾ける声にマイヤーはついて来いと言う様にウインクする二人に
「ああ、練習場に行くのに手ぶらで行くなんて!」
俺はバイオリンを二人に押し付ける。
「今日は誰も練習する事のない練習場なので。おやつの時間になったら呼びに行きますのでゆっくりしてください!」
そう言って二人の顔を見ないように背中を押して送り出す。
その背中が見えなくなった所で奥様は涙を流し、オリオールの手に引かれて台所の方へと案内された。
俺と飯田さんとエドガーだけが残されたこの部屋で俺はこの行為が本当に良かったのかと疲れたように深く椅子に座っていた。
「なに、近くにいたからすぐに来れただけだよ。
皆様お久しぶりです」
礼儀正しく一礼してみせるも実は何かあった時の為に裏の隠れ家でオラスとリヴェット達と待機してもらってただけだ。じっくりともったいぶる様に城の裏から車で出てぐるりと正面から回ってやって来たのだろう。
いかにも食事が終わる頃来て貰うようなタイミングでの到着はそう言ったふうに聞こえるだろうが、そんなうまくタイミングが合うはずはないのでエドガーにはジョルジュたちが来る前から既に待機してもらうのだった。勿論しっかりとその間の時間も料金が発生するが、この効果的なタイミングを狙う為だと思えば安い物だろう。
俺が席を進めれば飯田さんがすぐに飲み物を用意してくれる。
満足げにコーヒーの香りを楽しみながら一口飲んで
「それで、今回はどのようなお買い物をなされたのです?」
前回城を買ったりバイオリンを買ったりと中々の散財を披露したので今回もどんなお買い物をしたんだいと茶化す言葉は良く判ってらっしゃると褒め称える所だろうか。
少しだけ肩をすくめて
「ジョルジュからバイオリンを二挺お買い上げしただけだよ。金額は前回のストラドと同額。保険の手続きと振込先は口座を一つ作ってそちらに」
多分前半はどうでもよいのだろうが、後半の口座を一つ作ると言う所に眉間を狭めた。
「こう言っては何ですが、大変失礼ですがエヴラール氏に新たに口座を作る必要性が見受けられないのですが……」
寧ろ整理するべきだと言う言葉に
「奥様はどうやら共有財産の紐が緩いようで」
ふむと難しい顔をしてエドガーはゆっくりと奥様へと視線を向ける。
共有財産と言う所が曖昧なのだろうが
「もしお子様にお使いしたとしたら金額によっては贈与税が発生しますが大丈夫でしょうか?」
たぶん大丈夫ではありません。
俺もしれっとコーヒーを飲んでいる間の奥様の冷汗は見ないふりをしておく。
「もし気になられたら後ほどエヴラール氏の弁護士に相談してください。すぐ対処してくれましょう。
さて、では早速ですが前回同様依頼書を作成させていただきます」
カタカタとノートパソコンを取り出してキーボードを打つ音、そしてプリントアウトされる書類。
正式な書類は後ほど送られてくる、これも前回と同じ。
「あとはバイオリンの受け渡しと振込ですね」
パンと手を叩いてエドガーは俺とジョルジュを見れば
「マイヤー、悪いが持って来てもらえるだろうか」
その声と共に奥様は涙を流し、マイヤーは家に行ってくると車のキーを持って出かけるのだった。ストラディバリウスを売り払った為に他のも売り払われる前に、だったら、なんて事件が起こらないように出来た対策は誰よりも信頼する人物に預けると言う何とも悲しい選択だったようだ。
時間にして十数分。
その間エドガーによってスマホで口座を開設していつでも入金できるように準備をしておく。その間に戻ってきたマイヤーの手には二挺のバイオリンとそれに関係する書類も用意してあった。元から売りつけるつもりだったと今更ながら理解する。たとえ予想はついていてもだ。
俺はエドガーとジョルジュの二人に見える様にスマホからジョルジュの口座に振り込んで、ジョルジュの方で確認した所で受け渡しは完了とする。
ジョルジュに見える様にバイオリンのケースを開けて最後にと言う様に見せれば、ジョルジュは手にとり指先だけでバイオリンの弦をはじきだした。
その曲を聞いてマイヤーも嬉しそうな顔でもう一挺のバイオリンを手に取りジョルジュに向かって破顔しながら同じようにバイオリンの弦をはじいて行く。
ジョルジュも顔に深い皺を寄せて微笑み、そしてマイヤーも指揮者としてウインクしたり何か言いたげな表情をして、それに合わせてジョルジュが笑顔で受け応える。
「指でバイオリンを弾く曲もあるのですね」
ポツリとつぶやく飯田さんに
「ヨハン・シュトラウス二世のピチカートポルカだ。
美しく青きドナウなら一度は耳にした事ある有名な曲と同じ作曲家だよ。
ピチカートって言う指で弾く技法だから弓も要らない三分ぐらいのちょっと他には見かけない楽しい曲だよね」
あまり気取って無くって好きなんだと言う綾人の知識は放置された家庭環境の中で覚えた割には幅が広くて無駄に知識だけはある。
たとえどれひとつ演奏できなくてもだ。
お互い視線を合わせての音の語り合いはこの曲のように二人ともどこか少年のような心で楽しんでいるようにも見えるのは何十年と言う親友との最後の演奏になるから、とは思いたくない。
だけどどんな曲にも終わりがあって、最後には駆け足のような音からの弾ける様は無邪気な子供のようで。
二人は余韻に浸る間もなくバイオリンを置いて泣きながら抱き合っていた。
まるでこの演奏が最後とでも言わんばかりな、でもお互いそこには触れずに静かに黙って涙を流す様子はこの素晴らしい演奏に対して贈る拍手をさせてもらえずただ見守るだけ。
やがて落ち着いた二人が丁寧にバイオリンを片付けて俺へと差し出した。
「本当はただでくれてやってもいいと思ってた。
だけどオリヴィエの周りはまだ油断できないからアヤト、お前が正当な理由を付けて持っていた方が安心だ」
どこか鼻にかかった声の本音は確かにと言う様に頷く。
「しばらくは預かっておきます。
然る後にオリヴィエに渡そうと思います」
「ああ、綾人がそれが良いと思うのならタイミングは任せる」
そっとケースに手を置いて目を瞑る。
何十年と言うバイオリン奏者としての思い出がよみがえっているのだろう。
片手でごしごしと顔を拭いながら
「さあ、マイヤー。 お前が自慢したオリヴィエの練習場を見せてくれ!
あの動画の景色を楽しみに来たんだ!」
そんな弾ける声にマイヤーはついて来いと言う様にウインクする二人に
「ああ、練習場に行くのに手ぶらで行くなんて!」
俺はバイオリンを二人に押し付ける。
「今日は誰も練習する事のない練習場なので。おやつの時間になったら呼びに行きますのでゆっくりしてください!」
そう言って二人の顔を見ないように背中を押して送り出す。
その背中が見えなくなった所で奥様は涙を流し、オリオールの手に引かれて台所の方へと案内された。
俺と飯田さんとエドガーだけが残されたこの部屋で俺はこの行為が本当に良かったのかと疲れたように深く椅子に座っていた。
147
お気に入りに追加
2,670
あなたにおすすめの小説
家賃一万円、庭付き、駐車場付き、付喪神付き?!
雪那 由多
ライト文芸
恋人に振られて独立を決心!
尊敬する先輩から紹介された家は庭付き駐車場付きで家賃一万円!
庭は畑仕事もできるくらいに広くみかんや柿、林檎のなる果実園もある。
さらに言えばリフォームしたての古民家は新築同然のピッカピカ!
そんな至れり尽くせりの家の家賃が一万円なわけがない!
古めかしい残置物からの熱い視線、夜な夜なさざめく話し声。
見えてしまう特異体質の瞳で見たこの家の住人達に納得のこのお値段!
見知らぬ土地で友人も居ない新天地の家に置いて行かれた道具から生まれた付喪神達との共同生活が今スタート!
****************************************************************
第6回ほっこり・じんわり大賞で読者賞を頂きました!
沢山の方に読んでいただき、そして投票を頂きまして本当にありがとうございました!
****************************************************************
裏路地古民家カフェでまったりしたい
雪那 由多
大衆娯楽
夜月燈火は亡き祖父の家をカフェに作り直して人生を再出発。
高校時代の友人と再会からの有無を言わさぬ魔王の指示で俺の意志一つなくリフォームは進んでいく。
あれ?
俺が思ったのとなんか違うけどでも俺が想像したよりいいカフェになってるんだけど予算内ならまあいいか?
え?あまい?
は?コーヒー不味い?
インスタントしか飲んだ事ないから分かるわけないじゃん。
はい?!修行いって来い???
しかも棒を銜えて筋トレってどんな修行?!
その甲斐あって人通りのない裏路地の古民家カフェは人はいないが穏やかな時間とコーヒーの香りと周囲の優しさに助けられ今日もオープンします。
第6回ライト文芸大賞で奨励賞を頂きました!ありがとうございました!
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
超時空スキルを貰って、幼馴染の女の子と一緒に冒険者します。
烏帽子 博
ファンタジー
クリスは、孤児院で同い年のララと、院長のシスター メリジェーンと祝福の儀に臨んだ。
その瞬間クリスは、真っ白な空間に召喚されていた。
「クリス、あなたに超時空スキルを授けます。
あなたの思うように過ごしていいのよ」
真っ白なベールを纏って後光に包まれたその人は、それだけ言って消えていった。
その日クリスに司祭から告げられたスキルは「マジックポーチ」だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる