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身体が動く季節なので皆さん働こうではないか 6
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上島さんに送られて圭斗の家で下ろして貰えばちょうど弁当組が帰って来た所だった。駐車場で一緒になったけど、上島さんは家で奥さんがお昼作ってくれるからと行ってさっさと帰って行ってしまった。
「あれ絶対もまめと遊びたいからなんだぜ」
「綾っち先輩ん所のワンコと遊んできたんだ」
「そりゃ遊ぶに決まってるだろ。
あと川上、綾っち言うな」
葉山達が往復して弁当を運ぶ横で車の免許を取ったばかりの川上の運転の練習を兼ねてのお買い物はそれなりのスリルがあったようで皆さんエキサイトしていた。
そんな賑やかな声を響かせながら圭斗の家の居間に潜り込めば
「何だ、この弁当の山……」
「欲望まみれで笑えるだろ」
圭斗が今回俺が用意したお茶のペットボトルの残りを机の一角に用意すれば誰ともなく手に取り何故か全員弁当二個を確保して早く食べよう、おなかすいたと言うワンコ同様の視線は俺の許可を待つそれと同じ。
とりあえず俺は自分の分と机のど真ん中に置かれたから揚げの山を冷めた目で見ながらもそれ以上にみんな大好きから揚げを熱望する視線に今は何を言っても無駄な事を悟るしかなかった。
「じゃあ、いただきます」
「「「「「「いただきまーっす!!!」」」」」」
割り箸を割って食べようとすれば俺と同じくここまでテンションを上げられないと言うか、上げる理由がわからない一樹はその歓喜にびくっとする始末。
わかるぞ。なんで全国チェーンの弁当屋でこんなにテンション上げられると言う疑問理解できるし何故弁当二つと言う暴挙に出られるかという理解に苦しむと言う視線も判るぞと俺も弁当を食べ始めれば一瞬にして机の真ん中に置かれたから揚げがなくなっていた。
嘘だ……
陸斗も一つ確保できたと言う様に自分の弁当の上に鎮座していると言うのに俺も一樹もなく……
「綾人から揚げ食べないのか?」
先生の箸にはなぜか一本ずつにから揚げがぶっ刺さっていた。
「あんた一応教師なんだから全員にいきわたるように采配位しろよ」
そう言うと
「あー、一樹とれなかったか。
ほら、俺の箸の奴まだ口付けてないから持って行け」
山田が箸の一本に二つ付けたから揚げを箸事交換していた。
「そうじゃないだろ……」
言うも
「綾っち、この世は弱肉強食の世界だって教えてくれたのは綾っちじゃないか。
から揚げ戦争に平等も平和もない事は当然じゃないか!」
から揚げ弁当に更にから揚げをプラスさせていた園田の力説に
「ああ、そうだな。
これなら午後の仕事もガッツリやっても大丈夫そうだな」
俺は冷静に考える。
「例えばそのプラス特から揚弁当1211キロカロリーと一瞬で食べつくしたカルビ焼肉弁当1078キロカロリー、合わせておおよそ2200キロカロリーだがお前の一日の必要カロリーは一般に2650キロカロリーとされている。
さらに追加のから揚げと陸斗の野菜たっぷりの一見ヘルシーに見える味噌汁を合わせたらこの昼飯だけで一日のカロリーを得る事となる」
俺は陸斗が漬けてくれた漬物を齧りながら
「肉体労働をしたとは言え明らかにカロリーオーバーだ。
午後からはガッツリ働かせてやるからガッツリと食べておけ」
「うわーん!綾っち―、折角のご飯なのに謎の勉強させないでえええ!!!」
「綾っち言うな!
アホみたいに欲望まみれの弁当を食べる方が悪い!」
確かにと言う先生も二つ食べている。
一番反省も欠片のない先生はお茶を飲んで
「だから、午後はアナログで竹を切ると良い。良い運動になるぞ」
「いやー!!!」
鋸で竹を切る面倒を知る面々は畳の上をゴロゴロと転がり出す物の、さすが篠田家の住人は食べ物を前にして真剣に食事をしていた。
「良いか陸斗。裏を返せばしっかりと働けば金もくれるし弁当も食べ放題だ。
今のうちに色々なメニュー試しておけ」
「うん圭ちゃん。
それよりもチキン南蛮って美味しいね。欲張ってカレー付きだけどお子様ランチみたいで楽しいね」
それは違う。
篠田家の事情を知らない一樹以外陸斗の一言に顔を背けながら涙を手の甲で拭いながらカツカツと弁当を食べる。
否、もはや飲みこむと言う弁当は飲み物ではありませんと言うべきなのだろうが
「園田、来週ももう一度竹伐るぞ。
その時には前もって予約しておくからオードブルを買って来い」
「っす。一番大きいのでお願いします」
ちゃっかりしてやがると思うもこの食欲なら一瞬で消え去るのだろうと想像は容易いが、綾人が弁当一つ食べ終える間に二つ食べきった面々を見てやっぱりこれは必要カロリーなのかと考えつつ、この食生活が続く先の未来を予見すれば絶対ダメな奴で……
「先生、十代と同じような食生活をしていると絶対五年後辺りから結果が出始めますよ」
「嫌な事言うな。一瞬俺様だって考えたんだから……」
その場のノリでカットステーキ重とナポリタンを食べきっていた先生は満足そうにテレビをつけてごろりと寝転んでテレビを見ているただのどこにでもいるおやじスタイルにみんなすっかり慣れていて何も思わなくなっていたけど一樹のこれが先生?と言う視線に何だか申し訳なさが溢れるのだった。
そんなお昼も終わり、食後の運動と言わんばかりにみんなで片づけをしていれば
ピンポーン
篠田家のチャイムの音に
「陸、台所頼むな」
「任せて!」
洗い物は陸、そして拭く係は全員と言う謎の配置だが、案外それが適正なのが理解できないでいた物の何だか玄関が賑やかになり、賑やかさが足音に現れる様にその正体が居間へと現われた。
「あれ?岡野さんじゃない」
園田の呼びかけに先生も慌てて起き上がって胡坐を組む。俺は適当に座布団を並べて
「圭斗、何があったの?」
しかめっ面と言うか、何でと言う顔の圭斗に聞くよりも早く
「綾人さん、俺達家族を養ってください!」
蒼さんの謎の言葉の意味が解らなかったけど
「凛ちゃーんお久しぶり!
覚えてるかなー?綾兄ちゃんでちゅよー!」
一瞬にして周囲をどん引きさせた空間の中で凛ちゃんは正しく不審者が怖いと言う様に実桜さんの胸の中に顔を埋めるのだった。
「あれ絶対もまめと遊びたいからなんだぜ」
「綾っち先輩ん所のワンコと遊んできたんだ」
「そりゃ遊ぶに決まってるだろ。
あと川上、綾っち言うな」
葉山達が往復して弁当を運ぶ横で車の免許を取ったばかりの川上の運転の練習を兼ねてのお買い物はそれなりのスリルがあったようで皆さんエキサイトしていた。
そんな賑やかな声を響かせながら圭斗の家の居間に潜り込めば
「何だ、この弁当の山……」
「欲望まみれで笑えるだろ」
圭斗が今回俺が用意したお茶のペットボトルの残りを机の一角に用意すれば誰ともなく手に取り何故か全員弁当二個を確保して早く食べよう、おなかすいたと言うワンコ同様の視線は俺の許可を待つそれと同じ。
とりあえず俺は自分の分と机のど真ん中に置かれたから揚げの山を冷めた目で見ながらもそれ以上にみんな大好きから揚げを熱望する視線に今は何を言っても無駄な事を悟るしかなかった。
「じゃあ、いただきます」
「「「「「「いただきまーっす!!!」」」」」」
割り箸を割って食べようとすれば俺と同じくここまでテンションを上げられないと言うか、上げる理由がわからない一樹はその歓喜にびくっとする始末。
わかるぞ。なんで全国チェーンの弁当屋でこんなにテンション上げられると言う疑問理解できるし何故弁当二つと言う暴挙に出られるかという理解に苦しむと言う視線も判るぞと俺も弁当を食べ始めれば一瞬にして机の真ん中に置かれたから揚げがなくなっていた。
嘘だ……
陸斗も一つ確保できたと言う様に自分の弁当の上に鎮座していると言うのに俺も一樹もなく……
「綾人から揚げ食べないのか?」
先生の箸にはなぜか一本ずつにから揚げがぶっ刺さっていた。
「あんた一応教師なんだから全員にいきわたるように采配位しろよ」
そう言うと
「あー、一樹とれなかったか。
ほら、俺の箸の奴まだ口付けてないから持って行け」
山田が箸の一本に二つ付けたから揚げを箸事交換していた。
「そうじゃないだろ……」
言うも
「綾っち、この世は弱肉強食の世界だって教えてくれたのは綾っちじゃないか。
から揚げ戦争に平等も平和もない事は当然じゃないか!」
から揚げ弁当に更にから揚げをプラスさせていた園田の力説に
「ああ、そうだな。
これなら午後の仕事もガッツリやっても大丈夫そうだな」
俺は冷静に考える。
「例えばそのプラス特から揚弁当1211キロカロリーと一瞬で食べつくしたカルビ焼肉弁当1078キロカロリー、合わせておおよそ2200キロカロリーだがお前の一日の必要カロリーは一般に2650キロカロリーとされている。
さらに追加のから揚げと陸斗の野菜たっぷりの一見ヘルシーに見える味噌汁を合わせたらこの昼飯だけで一日のカロリーを得る事となる」
俺は陸斗が漬けてくれた漬物を齧りながら
「肉体労働をしたとは言え明らかにカロリーオーバーだ。
午後からはガッツリ働かせてやるからガッツリと食べておけ」
「うわーん!綾っち―、折角のご飯なのに謎の勉強させないでえええ!!!」
「綾っち言うな!
アホみたいに欲望まみれの弁当を食べる方が悪い!」
確かにと言う先生も二つ食べている。
一番反省も欠片のない先生はお茶を飲んで
「だから、午後はアナログで竹を切ると良い。良い運動になるぞ」
「いやー!!!」
鋸で竹を切る面倒を知る面々は畳の上をゴロゴロと転がり出す物の、さすが篠田家の住人は食べ物を前にして真剣に食事をしていた。
「良いか陸斗。裏を返せばしっかりと働けば金もくれるし弁当も食べ放題だ。
今のうちに色々なメニュー試しておけ」
「うん圭ちゃん。
それよりもチキン南蛮って美味しいね。欲張ってカレー付きだけどお子様ランチみたいで楽しいね」
それは違う。
篠田家の事情を知らない一樹以外陸斗の一言に顔を背けながら涙を手の甲で拭いながらカツカツと弁当を食べる。
否、もはや飲みこむと言う弁当は飲み物ではありませんと言うべきなのだろうが
「園田、来週ももう一度竹伐るぞ。
その時には前もって予約しておくからオードブルを買って来い」
「っす。一番大きいのでお願いします」
ちゃっかりしてやがると思うもこの食欲なら一瞬で消え去るのだろうと想像は容易いが、綾人が弁当一つ食べ終える間に二つ食べきった面々を見てやっぱりこれは必要カロリーなのかと考えつつ、この食生活が続く先の未来を予見すれば絶対ダメな奴で……
「先生、十代と同じような食生活をしていると絶対五年後辺りから結果が出始めますよ」
「嫌な事言うな。一瞬俺様だって考えたんだから……」
その場のノリでカットステーキ重とナポリタンを食べきっていた先生は満足そうにテレビをつけてごろりと寝転んでテレビを見ているただのどこにでもいるおやじスタイルにみんなすっかり慣れていて何も思わなくなっていたけど一樹のこれが先生?と言う視線に何だか申し訳なさが溢れるのだった。
そんなお昼も終わり、食後の運動と言わんばかりにみんなで片づけをしていれば
ピンポーン
篠田家のチャイムの音に
「陸、台所頼むな」
「任せて!」
洗い物は陸、そして拭く係は全員と言う謎の配置だが、案外それが適正なのが理解できないでいた物の何だか玄関が賑やかになり、賑やかさが足音に現れる様にその正体が居間へと現われた。
「あれ?岡野さんじゃない」
園田の呼びかけに先生も慌てて起き上がって胡坐を組む。俺は適当に座布団を並べて
「圭斗、何があったの?」
しかめっ面と言うか、何でと言う顔の圭斗に聞くよりも早く
「綾人さん、俺達家族を養ってください!」
蒼さんの謎の言葉の意味が解らなかったけど
「凛ちゃーんお久しぶり!
覚えてるかなー?綾兄ちゃんでちゅよー!」
一瞬にして周囲をどん引きさせた空間の中で凛ちゃんは正しく不審者が怖いと言う様に実桜さんの胸の中に顔を埋めるのだった。
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