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俺達山の留守番隊 6
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「上島、水野、植田、悪いが今すぐ俺は帰るからあと頼む。
圭斗達も夕方には帰って来るだろうから予定通り上島昼はお前が飯を担当、水野に飯を作らせるな」
綾人のメッセージを受け取ってすぐに上島兄弟と水野、植田コンビに家にすぐに集合と号令をかけこの俺の予想を上回る綾人のお願いに園田達は可哀想にと言う目さえもう向けてくれなくなっていた。
「綾っちなら先生を始めとした圭斗さん達を呼ぶのは俺達も予想できましたが、まさか先生だけ先に来い、そして圭斗さん達が来れる様になったら山に帰っていいぞなんてさすがに想像できませんでしたね」
「さすが効率厨。留守役と労力のバランスのとり方に無駄がねぇ。って言うかさ、先生が行って役に立つの?」
「さあ?どんなハイリスクを狙ってるんだか」
「何かを生贄にってなると現地の言葉がしゃべれない人が一番都合が良いですよね?」
「やめてよ~、綾人相手じゃしゃれにならん」
思わずマジ顔で返してしまうが
「それよりせんせー、早く行かなくって大丈夫ですか?今夜の便でしょ?家にパスポート取りに帰って新幹線で羽田行くなら早くしないと」
言いながら上島が車の中で食べる様にとおにぎりとペットボトルを持たせてくれた。
「悪い。宮下達が帰ってくるまで頼むな」
「はいはい。長谷川さん達も来るし、先生も運転気を付けて。お土産よろしく!」
そんな見送りに車に乗ってハンドルを握って家路を急ぐ。時間があれば国際免許を取りたかったがそんな時間もないらしい。
今はとにかく時短の為に家に電話をする。ありがたい事にハンドフリーの便利さに感謝をすれば山道が落ち着いた所で家に電話を入れる。すぐに出てくれたのはお袋で
「悪いけどちょっとフランスに行く事になったからトランク用意しておいて。一番大きい奴」
「はあ?」
「とにかく頼む」
一目散で信号のない村を駆け抜けて高速に続く国道に乗る。川沿いを走り、山間を抜ける高速に乗って休みなく車を走らせながらおにぎりを食べる。長閑な道もやがて車も多くなり、緑が減った町中へと入ればもう見慣れた道のりに家が近い事を察して、やがて見えた子供の頃から変わらない緑色の屋根の家の駐車場に車を止める。空っぽのペットボトルのゴミを下駄箱の上に置いて部屋へと駆け上がればありがたい事にトランクは用意してくれてあった。
とりあえず山から戻った時の荷物を全部移し替えて、一応スーツは一着位持って行く。ドレスシャツのネクタイの替えを持ち、革靴も一応入れて置く。
机の引き出しに新婚旅行で使ったきりのパスポートを見つけ出し、クレジットの確認と向こうで両替する為の現金、その前にスマホを取り出して海外でも使えるように設定を変える。
バタバタしている間に軽い足音が上がってきて
「昴、何があったの?」
お袋が様子を見に来た。
「何か教え子がフランスに行ってるんだけど来てくれって。トラブルに巻き込まれたわけじゃないんだがこうやって助けを求めて来るなんてよっぽどだから」
「山の子ね?それはいいけどフランスまでの飛行機代とかホテル代とか大丈夫なの?」
いきなり来いと言われていくのだから気になるのだろうが
「飛行機代と宿泊費は用意すると言ってるからそこは大丈夫」
弁護士も付いているし、シェフもいる。オリヴィエのバイオリンも無事手に入れて城まで買って、宮下達が準備出来るのを待てずに俺を呼ぶとは一体何があったんだと何故かお袋はスーパーの袋に入った荷物を俺に押し付けて
「向こうでもお茶ぐらいは飲みたいでしょう?」
他にも味噌汁のフリーズドライやインスタントラーメン、そして……
「これなに?」
「向こうの人に渡す手土産。折角なんだから和柄のグッズを集めてみたわ」
「女性受けしかしない内容なんだけど……」
「男性にはハンカチ代わりに手ぬぐいとか、浮世絵柄のセンスとか、駄菓子を用意したわ」
「……。ありがとう」
妙に気を使てくれてありがたいが
「お土産楽しみにしてるわね?」
どうせそんな事だろうと判ってただけに
「観光に行くわけじゃないから。空港の土産程度でも我慢してくれよ」
「空港の免税店で良いわ。バックでもお財布でも我が儘言わないから」
それで文句を言われたらどうしてくれるかと思うも
「まぁ、センスには期待しないでくれ」
そう言ってる合間にもピンポンとチャイムが鳴る。
あら?お客様かしらとぼやくもその前に聞こえた車の音に
「迎えのタクシーが来た。じゃあ、行ってくるから父さんにもよろしく」
「はい、行ってらっしゃい。一応風邪薬とか入れて置いたから」
気を付けなさいねとたったそれだけの短い会話。まるで仕事に行く前のようだと言うくらいの気軽さで送り出してくれて、今俺は無事綾人が予約してくれた飛行機に乗っている。
夏休みのせいか混雑はしていたが、用意してくれた席はそんな賑わいとは切り離された空間。快適なのだが妙な居心地の悪さだけは避けれないのは俺が庶民すぎるからだと思いたい。
「人生初で何度も乗る事はないだろうが、ファーストクラス、庶民には難易度が高すぎる」
とは言え長距離運転と電車での長距離移動。本日の移動距離はどれだけかだなんて飛行機に乗ってる時点で判るわけもなく……
ただひたすら動いた体は珍しく素直に睡眠を求めるが人の気配に意識はすぐに浮上する物の瞼を開ける事が出来ないくらい披露した身体は奇跡的にも六時間睡眠をこなしてくれるのだった。
圭斗達も夕方には帰って来るだろうから予定通り上島昼はお前が飯を担当、水野に飯を作らせるな」
綾人のメッセージを受け取ってすぐに上島兄弟と水野、植田コンビに家にすぐに集合と号令をかけこの俺の予想を上回る綾人のお願いに園田達は可哀想にと言う目さえもう向けてくれなくなっていた。
「綾っちなら先生を始めとした圭斗さん達を呼ぶのは俺達も予想できましたが、まさか先生だけ先に来い、そして圭斗さん達が来れる様になったら山に帰っていいぞなんてさすがに想像できませんでしたね」
「さすが効率厨。留守役と労力のバランスのとり方に無駄がねぇ。って言うかさ、先生が行って役に立つの?」
「さあ?どんなハイリスクを狙ってるんだか」
「何かを生贄にってなると現地の言葉がしゃべれない人が一番都合が良いですよね?」
「やめてよ~、綾人相手じゃしゃれにならん」
思わずマジ顔で返してしまうが
「それよりせんせー、早く行かなくって大丈夫ですか?今夜の便でしょ?家にパスポート取りに帰って新幹線で羽田行くなら早くしないと」
言いながら上島が車の中で食べる様にとおにぎりとペットボトルを持たせてくれた。
「悪い。宮下達が帰ってくるまで頼むな」
「はいはい。長谷川さん達も来るし、先生も運転気を付けて。お土産よろしく!」
そんな見送りに車に乗ってハンドルを握って家路を急ぐ。時間があれば国際免許を取りたかったがそんな時間もないらしい。
今はとにかく時短の為に家に電話をする。ありがたい事にハンドフリーの便利さに感謝をすれば山道が落ち着いた所で家に電話を入れる。すぐに出てくれたのはお袋で
「悪いけどちょっとフランスに行く事になったからトランク用意しておいて。一番大きい奴」
「はあ?」
「とにかく頼む」
一目散で信号のない村を駆け抜けて高速に続く国道に乗る。川沿いを走り、山間を抜ける高速に乗って休みなく車を走らせながらおにぎりを食べる。長閑な道もやがて車も多くなり、緑が減った町中へと入ればもう見慣れた道のりに家が近い事を察して、やがて見えた子供の頃から変わらない緑色の屋根の家の駐車場に車を止める。空っぽのペットボトルのゴミを下駄箱の上に置いて部屋へと駆け上がればありがたい事にトランクは用意してくれてあった。
とりあえず山から戻った時の荷物を全部移し替えて、一応スーツは一着位持って行く。ドレスシャツのネクタイの替えを持ち、革靴も一応入れて置く。
机の引き出しに新婚旅行で使ったきりのパスポートを見つけ出し、クレジットの確認と向こうで両替する為の現金、その前にスマホを取り出して海外でも使えるように設定を変える。
バタバタしている間に軽い足音が上がってきて
「昴、何があったの?」
お袋が様子を見に来た。
「何か教え子がフランスに行ってるんだけど来てくれって。トラブルに巻き込まれたわけじゃないんだがこうやって助けを求めて来るなんてよっぽどだから」
「山の子ね?それはいいけどフランスまでの飛行機代とかホテル代とか大丈夫なの?」
いきなり来いと言われていくのだから気になるのだろうが
「飛行機代と宿泊費は用意すると言ってるからそこは大丈夫」
弁護士も付いているし、シェフもいる。オリヴィエのバイオリンも無事手に入れて城まで買って、宮下達が準備出来るのを待てずに俺を呼ぶとは一体何があったんだと何故かお袋はスーパーの袋に入った荷物を俺に押し付けて
「向こうでもお茶ぐらいは飲みたいでしょう?」
他にも味噌汁のフリーズドライやインスタントラーメン、そして……
「これなに?」
「向こうの人に渡す手土産。折角なんだから和柄のグッズを集めてみたわ」
「女性受けしかしない内容なんだけど……」
「男性にはハンカチ代わりに手ぬぐいとか、浮世絵柄のセンスとか、駄菓子を用意したわ」
「……。ありがとう」
妙に気を使てくれてありがたいが
「お土産楽しみにしてるわね?」
どうせそんな事だろうと判ってただけに
「観光に行くわけじゃないから。空港の土産程度でも我慢してくれよ」
「空港の免税店で良いわ。バックでもお財布でも我が儘言わないから」
それで文句を言われたらどうしてくれるかと思うも
「まぁ、センスには期待しないでくれ」
そう言ってる合間にもピンポンとチャイムが鳴る。
あら?お客様かしらとぼやくもその前に聞こえた車の音に
「迎えのタクシーが来た。じゃあ、行ってくるから父さんにもよろしく」
「はい、行ってらっしゃい。一応風邪薬とか入れて置いたから」
気を付けなさいねとたったそれだけの短い会話。まるで仕事に行く前のようだと言うくらいの気軽さで送り出してくれて、今俺は無事綾人が予約してくれた飛行機に乗っている。
夏休みのせいか混雑はしていたが、用意してくれた席はそんな賑わいとは切り離された空間。快適なのだが妙な居心地の悪さだけは避けれないのは俺が庶民すぎるからだと思いたい。
「人生初で何度も乗る事はないだろうが、ファーストクラス、庶民には難易度が高すぎる」
とは言え長距離運転と電車での長距離移動。本日の移動距離はどれだけかだなんて飛行機に乗ってる時点で判るわけもなく……
ただひたすら動いた体は珍しく素直に睡眠を求めるが人の気配に意識はすぐに浮上する物の瞼を開ける事が出来ないくらい披露した身体は奇跡的にも六時間睡眠をこなしてくれるのだった。
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