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俺達山の留守番隊 2
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無限に続く草刈に終わりはあるのだろうか。否、ない。
道路から駐車場までコンクリート流した理由に納得するし、霧が降った後、雨が降った後、真っ先に乾くコンクリートの上が荷物置き場に出来る便利な場所が在って泥だらけにならなくてホッとしている。ただし、烏骨鶏達が荷物の上で寝ていなければ問題ないのだが、烏骨鶏達にとってもあったかい場所として認めるぐらい快適な場所なのだろう。俺達が用意したパラソルの下を占領してなければ文句は言わん。
「それよりも圭ちゃん。野菜収穫しないと腐っちゃうよ」
「いや、もう食べたくないくらい俺達食べてるんだけどどうして減らないんだ……」
「そりゃあ、飯田さんがお持ち帰りする量がそのまま残ってるからね。お隣さんや
下田達にも持って帰って貰えば?」
「毎回やってるし長谷川さんや内田さんとこにも配りまくってる」
「うーん、今年は豊作の年だったか」
「店の前で即売場でもやるか?」
「止めてよ。売るような野菜みんな家で作ってるから誰も買わないんだから。母さんに邪魔だって怒られる。ので、頑張って食べようね」
夏休みで戻って来ていた宮下は笑いながらもいだトウモロコシの皮をはいで烏骨鶏達の目の前に放り投げれば争奪戦が発生して楽しそうだと笑っていたのを俺は頭を抱えてしまう。
「そうじゃない」
「じゃあ何だ圭斗」
草履を引っ掻けてトマトをもいできた先生は山水の水道で洗って夏の陽射しに蒸されたトマトをそのまま果汁をしたたらせながら満足げに食べてた後引きこんだ沢の水が冷やすビールを取り出してプシッとプルタブを開けて飲んでいた。相変わらずのダメおやじスタイルは進学校の教員になっても健全らしい。
「食べきらない量を作るのはもったいないと言う話しだ」
「いや、毎年と言うか毎回シェフの奴が大量に持ち帰ってるから食べきらないって言う事はないらしいぞ」
「どんだけもってったんですか……」
「さあ?研究やら何やらで貰って帰ってるらしいが、それで俺達も美味い飯を食わせてもらえる。最高のギブ&テイクだ」
否定できずに無言になってしまうも
「まぁ、大半は烏骨鶏の餌だ。宮下、綾人に保存食ぐらいは作っておいてやれ」
「だから今からトマト煮ちゃって瓶詰めするから。陸、畑のトマト一畝分とってきて」
「うん!」
元気よく陸斗が籠を持って畑に向かえば下田と葉山も手伝いにおいかける。
なんて平和な景色だ、そして一畝分のトマトって…… なんて実物の物量を見てそれは道の駅で売るのですかと是非とも聞きたい量だった。
「ほんとにそんなにも量が必要か?」
「意外とあっという間だよ。パスタでしょ?シチューでしょ?ピザに鍋になんて使ったら一瞬だ」
そりゃ一瞬だなと思う合間にも手際よく洗ってヘタを取り、そのまま二つに切っただけで寸胴鍋に放り込んでいく。最初は中火で焦げ付けないように、そして水分が出始めて実から皮が取れ始めたら弱火にして煮詰めていく。塩も入れずにゆっくりと焦げ付かないように鍋の底をかき混ぜながらもったりとするまで水分を飛ばす。その頃になるといつの間にか形も無くなり、鍋の半分の量もなくなってしまっていた。
根気のいる作業だなと過程をずっと眺めていた俺に宮下は少し照れた顔をして
「これ、飯田さんが何時も作ってくれたのを真似しただけなんだ」
「さすがシェフと言う所か?」
三十分以上の作業を放り出さずにと感心していれば
「それでも飯田さんが作るトマトソースは程よい酸味とトマトの甘味が美味しいのに、不思議だよね」
取り皿にとって食べた顔はこれじゃないと言う顔。
「いつも『見よう見まねで真似できる物ではありませんので』なんてさらっと笑って言うけど、こうやってじっくり時間をかけても真似なんて出来ないから悔しいよね」
それがプロですと言う声がどこからか聞こえてきた気もするが、そこは首を振って幻聴だと言う事にして置いた。
出来上がったトマトソースを冷ませている間に梅酒の瓶を綺麗に洗って熱湯消毒した物を当たり前のように陸斗が準備するのを待った後、ざるを重ねた物に鍋のトマトソースを漉して行く。解けなかった塊りを木べらで綺麗漉して、種を取り除き、取り損ねた皮を除去して瓶一本分にもならない量のトマトソースが出来た。そしてそれとは別に大きめなジャムの瓶だろうか。それにも熱湯消毒したのちにトマトソースを詰めて
「陸、冷えたら蓋をしてね。家に持って帰ったら野菜庫で良いから冷蔵保存。一週間ぐらいを目安に食べきってね」
「うん。茄子とかズッキーニを炒めてパスタで食べるんだ」
「だったら猪の燻製肉があるから少し持っていくと良いよ、ベーコンの代わりになって美味しいから」
「ありがとうございます!」
なんて嬉しそうな顔をしてる陸斗を見て
「いいなー、せんせーも夜パスタが良ーいー。猪の燻製いっぱい入れてさ。シェフの奴が作った燻製なら絶対美味いの知ってるから今晩パスタ食べたいー」
「えー?この人数だと今作った分全部消化しちゃうよ」
「いや、そんなにも使う物か?」
思わずと言う様に圭斗は聞いてしまうが
「この後水野と植田がやっと夏休みで戻って来るから。あの二人には綾人が帰ってくるまで当面ここで住み込みのバイトしてもらうから、俺がいる時ぐらいご飯は食べさせてやるつもりだからさ」
どんな水野メシを作るか不安を伝えるような顔で言えばそれは周囲にも伝染して……
「先輩アレンジ料理は超美味いのにどうして一から作るとテロを起こそうとするんだか」
いつの間にかやって来ていた園田達が土間の囲炉裏を囲むように座っている姿はおなかすいたと言う様子。宮下は苦笑しながらパスタを茹でる準備を始めれば
プップー!
一応チャイム代わりのクラクションに川上達が出迎えに行く。
「先輩達やっと来た!」
「じゃあもう茹でても構わないね。陸達、簡単にサラダ作って。トマトにキュウリ、後はあるものでお任せするよ?」
「カニカマ使ってもいい?」
「果物入れても良いからね」
言えば嬉しそうに目をキラキラとさせればトマトとジャガイモを茹でだし、マカロニまで茹で始めたのを見ればマカロニサラダになるようだ。もし余るようならコロッケにしてあげようと膨大な量のジャガイモの皮を剥き始めた二年生三人組の様子を園田達さえ黙って見ていた。水野と違って味は保証できるからね。ぼちぼちジャガイモも食べきらないとねと言う様に見守っている間に
「こんにちは!遅くなりました!」
「お久しぶりです!
親父達から仏前にって預かってます。俺達の土産もあるので母屋の方お邪魔します」
一人暮らしをして何処か頼り気のある二人はちゃんとあいさつができるようになったようで
「おう、おつかれさん。
だったらまずは弥生さん達に挨拶だな」
ちょっと行ってくると言って今は風を通して掃除するしかお邪魔してない母屋に二人を案内すればもれなく宮下以外全員が付いてくると言う……
やっぱり慣れ親しんだこの古民家に誰ともなくホッとするような顔を見せ、全員で手を合わせた後は蓋をした囲炉裏の部屋でまったりと時間を過ごしてしまったのは、綾人が居なくても綾人が守るこの家が心安らぐ場所であると言う事だろう。
それは飯田さんから謎のメッセージが届くまでの平和な一時だった。
道路から駐車場までコンクリート流した理由に納得するし、霧が降った後、雨が降った後、真っ先に乾くコンクリートの上が荷物置き場に出来る便利な場所が在って泥だらけにならなくてホッとしている。ただし、烏骨鶏達が荷物の上で寝ていなければ問題ないのだが、烏骨鶏達にとってもあったかい場所として認めるぐらい快適な場所なのだろう。俺達が用意したパラソルの下を占領してなければ文句は言わん。
「それよりも圭ちゃん。野菜収穫しないと腐っちゃうよ」
「いや、もう食べたくないくらい俺達食べてるんだけどどうして減らないんだ……」
「そりゃあ、飯田さんがお持ち帰りする量がそのまま残ってるからね。お隣さんや
下田達にも持って帰って貰えば?」
「毎回やってるし長谷川さんや内田さんとこにも配りまくってる」
「うーん、今年は豊作の年だったか」
「店の前で即売場でもやるか?」
「止めてよ。売るような野菜みんな家で作ってるから誰も買わないんだから。母さんに邪魔だって怒られる。ので、頑張って食べようね」
夏休みで戻って来ていた宮下は笑いながらもいだトウモロコシの皮をはいで烏骨鶏達の目の前に放り投げれば争奪戦が発生して楽しそうだと笑っていたのを俺は頭を抱えてしまう。
「そうじゃない」
「じゃあ何だ圭斗」
草履を引っ掻けてトマトをもいできた先生は山水の水道で洗って夏の陽射しに蒸されたトマトをそのまま果汁をしたたらせながら満足げに食べてた後引きこんだ沢の水が冷やすビールを取り出してプシッとプルタブを開けて飲んでいた。相変わらずのダメおやじスタイルは進学校の教員になっても健全らしい。
「食べきらない量を作るのはもったいないと言う話しだ」
「いや、毎年と言うか毎回シェフの奴が大量に持ち帰ってるから食べきらないって言う事はないらしいぞ」
「どんだけもってったんですか……」
「さあ?研究やら何やらで貰って帰ってるらしいが、それで俺達も美味い飯を食わせてもらえる。最高のギブ&テイクだ」
否定できずに無言になってしまうも
「まぁ、大半は烏骨鶏の餌だ。宮下、綾人に保存食ぐらいは作っておいてやれ」
「だから今からトマト煮ちゃって瓶詰めするから。陸、畑のトマト一畝分とってきて」
「うん!」
元気よく陸斗が籠を持って畑に向かえば下田と葉山も手伝いにおいかける。
なんて平和な景色だ、そして一畝分のトマトって…… なんて実物の物量を見てそれは道の駅で売るのですかと是非とも聞きたい量だった。
「ほんとにそんなにも量が必要か?」
「意外とあっという間だよ。パスタでしょ?シチューでしょ?ピザに鍋になんて使ったら一瞬だ」
そりゃ一瞬だなと思う合間にも手際よく洗ってヘタを取り、そのまま二つに切っただけで寸胴鍋に放り込んでいく。最初は中火で焦げ付けないように、そして水分が出始めて実から皮が取れ始めたら弱火にして煮詰めていく。塩も入れずにゆっくりと焦げ付かないように鍋の底をかき混ぜながらもったりとするまで水分を飛ばす。その頃になるといつの間にか形も無くなり、鍋の半分の量もなくなってしまっていた。
根気のいる作業だなと過程をずっと眺めていた俺に宮下は少し照れた顔をして
「これ、飯田さんが何時も作ってくれたのを真似しただけなんだ」
「さすがシェフと言う所か?」
三十分以上の作業を放り出さずにと感心していれば
「それでも飯田さんが作るトマトソースは程よい酸味とトマトの甘味が美味しいのに、不思議だよね」
取り皿にとって食べた顔はこれじゃないと言う顔。
「いつも『見よう見まねで真似できる物ではありませんので』なんてさらっと笑って言うけど、こうやってじっくり時間をかけても真似なんて出来ないから悔しいよね」
それがプロですと言う声がどこからか聞こえてきた気もするが、そこは首を振って幻聴だと言う事にして置いた。
出来上がったトマトソースを冷ませている間に梅酒の瓶を綺麗に洗って熱湯消毒した物を当たり前のように陸斗が準備するのを待った後、ざるを重ねた物に鍋のトマトソースを漉して行く。解けなかった塊りを木べらで綺麗漉して、種を取り除き、取り損ねた皮を除去して瓶一本分にもならない量のトマトソースが出来た。そしてそれとは別に大きめなジャムの瓶だろうか。それにも熱湯消毒したのちにトマトソースを詰めて
「陸、冷えたら蓋をしてね。家に持って帰ったら野菜庫で良いから冷蔵保存。一週間ぐらいを目安に食べきってね」
「うん。茄子とかズッキーニを炒めてパスタで食べるんだ」
「だったら猪の燻製肉があるから少し持っていくと良いよ、ベーコンの代わりになって美味しいから」
「ありがとうございます!」
なんて嬉しそうな顔をしてる陸斗を見て
「いいなー、せんせーも夜パスタが良ーいー。猪の燻製いっぱい入れてさ。シェフの奴が作った燻製なら絶対美味いの知ってるから今晩パスタ食べたいー」
「えー?この人数だと今作った分全部消化しちゃうよ」
「いや、そんなにも使う物か?」
思わずと言う様に圭斗は聞いてしまうが
「この後水野と植田がやっと夏休みで戻って来るから。あの二人には綾人が帰ってくるまで当面ここで住み込みのバイトしてもらうから、俺がいる時ぐらいご飯は食べさせてやるつもりだからさ」
どんな水野メシを作るか不安を伝えるような顔で言えばそれは周囲にも伝染して……
「先輩アレンジ料理は超美味いのにどうして一から作るとテロを起こそうとするんだか」
いつの間にかやって来ていた園田達が土間の囲炉裏を囲むように座っている姿はおなかすいたと言う様子。宮下は苦笑しながらパスタを茹でる準備を始めれば
プップー!
一応チャイム代わりのクラクションに川上達が出迎えに行く。
「先輩達やっと来た!」
「じゃあもう茹でても構わないね。陸達、簡単にサラダ作って。トマトにキュウリ、後はあるものでお任せするよ?」
「カニカマ使ってもいい?」
「果物入れても良いからね」
言えば嬉しそうに目をキラキラとさせればトマトとジャガイモを茹でだし、マカロニまで茹で始めたのを見ればマカロニサラダになるようだ。もし余るようならコロッケにしてあげようと膨大な量のジャガイモの皮を剥き始めた二年生三人組の様子を園田達さえ黙って見ていた。水野と違って味は保証できるからね。ぼちぼちジャガイモも食べきらないとねと言う様に見守っている間に
「こんにちは!遅くなりました!」
「お久しぶりです!
親父達から仏前にって預かってます。俺達の土産もあるので母屋の方お邪魔します」
一人暮らしをして何処か頼り気のある二人はちゃんとあいさつができるようになったようで
「おう、おつかれさん。
だったらまずは弥生さん達に挨拶だな」
ちょっと行ってくると言って今は風を通して掃除するしかお邪魔してない母屋に二人を案内すればもれなく宮下以外全員が付いてくると言う……
やっぱり慣れ親しんだこの古民家に誰ともなくホッとするような顔を見せ、全員で手を合わせた後は蓋をした囲炉裏の部屋でまったりと時間を過ごしてしまったのは、綾人が居なくても綾人が守るこの家が心安らぐ場所であると言う事だろう。
それは飯田さんから謎のメッセージが届くまでの平和な一時だった。
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