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行動力ある引きこもり程面倒でしょうがない 12
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パブは宿泊客用とそうでない観光客用に分かれていた。
まぁ、悪しき風習と言うか今も残ってたのかと言う構造の驚きだったが…… 今の使い方としては高いお金を出して頂いている宿泊客と一般の観光客が同レベルであっていいわけがないと言うオーナーの気配り。別々の入り口は荘園の御邸から入れる仕組みになっていて、そんな仕分けに気付いてなかった俺はしっかりとこの泊り客ルートでパブに入って行ったのだ。
立ち席はなくありがたい事にしっかりとしたテーブル席となっていて椅子に座ってラガーを注文。その時に甘さが残ってる気がしてしょうがない口の中の為にもフィッシュ&チップスも追加。うん、塩気が欲しいんだ。そこにビールがあればさらに最高!
無限に繰り返されること間違いなし!
カラアゲとは言わないけど動物性たんぱく質も欲しく思いますのでソーセージの盛り合わせを追加と同時にエールも注文。
「しゅわしゅわ最高!」
言えば俺のご陽気なテンションに既に出来上がってるお隣のテーブルの人達も笑いながらしゅわしゅわイエーッ!とグラスをカチンと鳴らしてくれた。
ごめんなさい変な言葉を教えてしまって……
柵の向こう側には同じ日本人の観光客が居てこちらをちらちらと見ていた。
ふっ、俺は昨日学んだ。
お前らここの空いた椅子に座りたいだけだろう。
んなわけじゃないだろけど。
国を離れたこの地で同郷のよしみではないが声をかけたいと言う所だろうが、せっかくだけど俺は異文化を堪能する事にしている。グラスを重ねたご陽気な夫婦と子供達夫婦かな?そんな彼らに話しかけられたりしながら盛り上がる事でスルーするのだった。
隣の席の夫妻にお薦めのビールをもう一杯頼んだ所で俺は部屋に戻り、明日の探索の計画を立てる事にした。
そんな中でスマホには俺を心配する飯田さんのメッセージが山ほど溜まっていて……
「ドーバー海峡の下を通る電車に乗る前に連絡します」
とりあえずそんなメッセージを送って時差ボケを無理やりこの時間に合わせる為に無視していた疲れだした体を休ませるためにベットに潜り込むのだった。
そして朝、食堂で優雅な朝食を食べていれば昨夜お会いし秘書兼執事のオールバックの人がやってきて、今日は顔も目も笑っていて逃げ出す事無く朝の挨拶を交わし
「昨夜は当主の我が儘にお付き合い下さいありがとうございました」
「いえ、正直言えばアビーのケーキを半分も引き受けてくれて本当に助かりました」
思わず本音を言えば苦笑する秘書兼執事さん。アビーの極甘ケーキは有名なのかと思うも
「彼女はかつてはここでパティシエとして働いていて、主の体をあんなふうにした張本人でして」
わーお。
「世間って狭いなー」
「はい。ですが、彼女が今もケーキを焼き続けていることを聞いて私も嬉しく思います」
それだけを言って去って行った秘書兼執事さんを見送りながらポーチドエッグを食べて、早々に荘園を後にした。
本来ならもっと時間までゆっくりする所なのだろうが、俺には見たい物が色々とある。その為の時間は限られていて……
イギリスのロンドンからフランスのパリまで二時間ちょっとの旅。
車窓だけの景色を堪能するも俺の感覚より日の入り時間が遅い世界はまだまだ明るく、俺の感覚では日が暮れてライトアップされていたはずだった頃に着く予定の駅で直ぐに飯田さんと合流が出来た。
「飯田さん!」
特徴の長身はこの国では埋もれかけてしまうものの、この国ではあまり聞かない言語にすぐに俺を見つけ出してくれた飯田さんは駆け足で俺の元に来てくれて
「綾人さん無事でしたか!」
「えー……」
なぜか首をネコ掴みで捕獲されてしまい、鞄から手を離せない俺は無防備にも素直にされるがままの状態だ。
「今日の宿泊予定地は?」
「夜をうろつき回りたくなかったので駅すぐ側のホテルに」
すぐに見えたホテルを指させばそのままずるずると連行されて行って……
まるで当然と言う様にヨーロッパまで来たのにイギリスに二泊の寄り道してから来るなんて聞いてませんと説教が始まったのは、俺がこっちに来るまでは麓の町に出るのもめんどくさがる引きこもり体質が災いしていると思う事にして置いた。
まぁ、悪しき風習と言うか今も残ってたのかと言う構造の驚きだったが…… 今の使い方としては高いお金を出して頂いている宿泊客と一般の観光客が同レベルであっていいわけがないと言うオーナーの気配り。別々の入り口は荘園の御邸から入れる仕組みになっていて、そんな仕分けに気付いてなかった俺はしっかりとこの泊り客ルートでパブに入って行ったのだ。
立ち席はなくありがたい事にしっかりとしたテーブル席となっていて椅子に座ってラガーを注文。その時に甘さが残ってる気がしてしょうがない口の中の為にもフィッシュ&チップスも追加。うん、塩気が欲しいんだ。そこにビールがあればさらに最高!
無限に繰り返されること間違いなし!
カラアゲとは言わないけど動物性たんぱく質も欲しく思いますのでソーセージの盛り合わせを追加と同時にエールも注文。
「しゅわしゅわ最高!」
言えば俺のご陽気なテンションに既に出来上がってるお隣のテーブルの人達も笑いながらしゅわしゅわイエーッ!とグラスをカチンと鳴らしてくれた。
ごめんなさい変な言葉を教えてしまって……
柵の向こう側には同じ日本人の観光客が居てこちらをちらちらと見ていた。
ふっ、俺は昨日学んだ。
お前らここの空いた椅子に座りたいだけだろう。
んなわけじゃないだろけど。
国を離れたこの地で同郷のよしみではないが声をかけたいと言う所だろうが、せっかくだけど俺は異文化を堪能する事にしている。グラスを重ねたご陽気な夫婦と子供達夫婦かな?そんな彼らに話しかけられたりしながら盛り上がる事でスルーするのだった。
隣の席の夫妻にお薦めのビールをもう一杯頼んだ所で俺は部屋に戻り、明日の探索の計画を立てる事にした。
そんな中でスマホには俺を心配する飯田さんのメッセージが山ほど溜まっていて……
「ドーバー海峡の下を通る電車に乗る前に連絡します」
とりあえずそんなメッセージを送って時差ボケを無理やりこの時間に合わせる為に無視していた疲れだした体を休ませるためにベットに潜り込むのだった。
そして朝、食堂で優雅な朝食を食べていれば昨夜お会いし秘書兼執事のオールバックの人がやってきて、今日は顔も目も笑っていて逃げ出す事無く朝の挨拶を交わし
「昨夜は当主の我が儘にお付き合い下さいありがとうございました」
「いえ、正直言えばアビーのケーキを半分も引き受けてくれて本当に助かりました」
思わず本音を言えば苦笑する秘書兼執事さん。アビーの極甘ケーキは有名なのかと思うも
「彼女はかつてはここでパティシエとして働いていて、主の体をあんなふうにした張本人でして」
わーお。
「世間って狭いなー」
「はい。ですが、彼女が今もケーキを焼き続けていることを聞いて私も嬉しく思います」
それだけを言って去って行った秘書兼執事さんを見送りながらポーチドエッグを食べて、早々に荘園を後にした。
本来ならもっと時間までゆっくりする所なのだろうが、俺には見たい物が色々とある。その為の時間は限られていて……
イギリスのロンドンからフランスのパリまで二時間ちょっとの旅。
車窓だけの景色を堪能するも俺の感覚より日の入り時間が遅い世界はまだまだ明るく、俺の感覚では日が暮れてライトアップされていたはずだった頃に着く予定の駅で直ぐに飯田さんと合流が出来た。
「飯田さん!」
特徴の長身はこの国では埋もれかけてしまうものの、この国ではあまり聞かない言語にすぐに俺を見つけ出してくれた飯田さんは駆け足で俺の元に来てくれて
「綾人さん無事でしたか!」
「えー……」
なぜか首をネコ掴みで捕獲されてしまい、鞄から手を離せない俺は無防備にも素直にされるがままの状態だ。
「今日の宿泊予定地は?」
「夜をうろつき回りたくなかったので駅すぐ側のホテルに」
すぐに見えたホテルを指させばそのままずるずると連行されて行って……
まるで当然と言う様にヨーロッパまで来たのにイギリスに二泊の寄り道してから来るなんて聞いてませんと説教が始まったのは、俺がこっちに来るまでは麓の町に出るのもめんどくさがる引きこもり体質が災いしていると思う事にして置いた。
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