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行動力ある引きこもり程面倒でしょうがない 1
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青山さんの店を出て電車を乗り継いで予約しておいた空港のホテルへと泊まる。
夜ご飯は青山さんが持たせてくれたお弁当を広げて食べながら予約した俺達の動画が始まるのを待って宮下と連絡を取って一緒に見ていた。
一応チェックは入れた物の確認の意味でもお互い必ず見ているけどこうやって一緒に見るのは今回のメインはゲストだからだと言う所。
そして今まで未成年だからという事で隠していたオリヴィエの顔を晒す事も決めた。オリヴィエは元々別に顔を隠さなくても良いと言ったが一応良心と言うか、この動画ではなるべく素顔を晒さないようにしている。
なんせ一年ほど宮下が県の皆様の税金を可能な限りの手段で給与としていただいていたので、仕事を辞めて動画撮影を初めて生活してるなんておおっぴらに出来ないと言うか申し訳ないと言う心理がそうさせていた。
一年目にして有給全消化、欠勤、その他もろもろの手段を使ってしっかりと給与と褒賞を頂きながら一年耐えた後なので顔を晒せないと言うか、晒す自信がないと言うのもあるし、俺も知り合いへの顔を隠したいと言う意見が一致したと言う事でスマホのアプリとかでよくある人の顔を認知して動物のオブジェでデコったりして遊んでいたら定着したと言うかなんというか。別に今更どうでもいいけど季節ごとに変化したり、この山に住む動物を紹介したり烏骨鶏の可愛さを見せつけたりと今ではそう言った感じで楽しんでもらえているので放置している懸案だ。
そうしている間に始まる時間。予約通り動画は始まり、いつものオープニングが数秒ほど流れて今回はいきなり高校生達の作戦会議から始まった。字幕では何かよからぬことをたくらむと言う不安をあおる字幕が出る物の、おもむろに円陣を組んで何やら気合いを入れていた。
そこからは俺も覚えている。忘られられない俺の記憶力はその何処か浮ついた中に緊張を孕む面々の顔に無理やり浮かべる笑顔。改めて本当に緊張してたんだなあと振り返りながらも画面の中で俺はオリヴィエの練習場となっていた烏骨鶏ハウスの二階に拉致られて部屋の真ん中の椅子に座らされいた。あの日、いくつかなくなっていた動画用のカメラがここに設置してあったかと、犯人は陸斗かと可愛いいたずらにこう言う事も出来るようになったかと成長ぶりにニヤニヤとしつつ開け広げられた窓から見える、見慣れた景色とは少し違う背景はまるでオリヴィエを祝福するかのように雲の切れ間から一筋の光を落してこの動画の中で子リスのキャラクターで通してきた仮面が落ちて素顔が晒された。
途端に湧き上がるコメントは無視する。というか俺はあまり知らなかったんだけどやっぱり有名人だったんだなという思いの方が強かっただけ。俺が訳したあまり面白味のないインタビューでも知られるオリヴィエから語られる雄弁な挨拶の後にバイオリンを構えて目を伏せて緊張するかのような一音目はそれでも伸びやかに室内に広がっていく。もともと二階の総てが養蚕場だったので一般民家のワンフロアとしては広く、だけどバイオリンが奏でる音に対しては狭すぎて、この素晴らしいバイオリンの魅力を総ては伝えきれないのだろう。それだけが残念だった。バイオリンには小さなマイクが付いているも小さな気にすれば気になる程度の雑音を拾い上げている。風の音だったり、木々の葉の擦れる音だったり。だけどそれが調和しているのがまたオリヴィエに降り注ぐコーラスにも聞こえる。
あの時は別れへの気持ちがいっぱいで、いつの間にか懐いた子供へ向ける感情ばかりがオリヴィエだけに向けられていて、今こうやって第三者の目で見る事が出来たからこそオリヴィエの感情豊かなバイオリンに再度涙を導き出してくれた。
途中から涙を流しながら、それでもバイオリンを操る手は止めず、だけど肌に触れる部分に挟んだハンカチが涙を吸い上げて行く。本当ならバイオリンの事を思えばよくないのだろうが、それでも最後まで曲を弾き終えて飛びつくように俺にしがみつくオリヴィエを受け止める俺。そこからの訳も映像もなく、ただいつの間にか朝を迎えた青空が広がって画面が暗くなって気が付けば動画は終わっていた。
概要欄には次の日チャリティーコンサートに向けて出発したオリヴィエの今後の活動を応援しますと書いておいた。
終わった瞬間からコメントが次々に更新される中、そのチャリティーコンサートが今日あった事を知る面々は悔しそうに唸る様子を吐露していたり、英語を始めとした海外のコメントも連なっていた。
今まで見る事のなかった溢れんばかりの感情を見せたオリヴィエに彼をよく知るクラッシックのファンは驚きの声を上げ、あまり表情を変えなかった彼の豊かな表情は……
大人と子供の狭間の母性擽るまだ幼さの残る、山で健康的な生活を続けたせいか肉付きと肌艶も良くなった顔立ちに女性の心をガッツリつかみ、事務所の力だけじゃないと母親とあんなことがあったと言うのに一ヶ月この山でひたすらストイックに練習し続けた集中力からの実力はバイオリンを知る方々を唸らせていた。というか実力的にはどっちが上かなんてこう言うのは大体下からのマウントだと思うがそこはスルー。英語ではない外国の言葉が並んでいるので視聴者の大半はこの国の方だから問題ないと気になるコメントだけ返信をしておく。
その作業をしていれば一通のメールが届いた。
夜ご飯は青山さんが持たせてくれたお弁当を広げて食べながら予約した俺達の動画が始まるのを待って宮下と連絡を取って一緒に見ていた。
一応チェックは入れた物の確認の意味でもお互い必ず見ているけどこうやって一緒に見るのは今回のメインはゲストだからだと言う所。
そして今まで未成年だからという事で隠していたオリヴィエの顔を晒す事も決めた。オリヴィエは元々別に顔を隠さなくても良いと言ったが一応良心と言うか、この動画ではなるべく素顔を晒さないようにしている。
なんせ一年ほど宮下が県の皆様の税金を可能な限りの手段で給与としていただいていたので、仕事を辞めて動画撮影を初めて生活してるなんておおっぴらに出来ないと言うか申し訳ないと言う心理がそうさせていた。
一年目にして有給全消化、欠勤、その他もろもろの手段を使ってしっかりと給与と褒賞を頂きながら一年耐えた後なので顔を晒せないと言うか、晒す自信がないと言うのもあるし、俺も知り合いへの顔を隠したいと言う意見が一致したと言う事でスマホのアプリとかでよくある人の顔を認知して動物のオブジェでデコったりして遊んでいたら定着したと言うかなんというか。別に今更どうでもいいけど季節ごとに変化したり、この山に住む動物を紹介したり烏骨鶏の可愛さを見せつけたりと今ではそう言った感じで楽しんでもらえているので放置している懸案だ。
そうしている間に始まる時間。予約通り動画は始まり、いつものオープニングが数秒ほど流れて今回はいきなり高校生達の作戦会議から始まった。字幕では何かよからぬことをたくらむと言う不安をあおる字幕が出る物の、おもむろに円陣を組んで何やら気合いを入れていた。
そこからは俺も覚えている。忘られられない俺の記憶力はその何処か浮ついた中に緊張を孕む面々の顔に無理やり浮かべる笑顔。改めて本当に緊張してたんだなあと振り返りながらも画面の中で俺はオリヴィエの練習場となっていた烏骨鶏ハウスの二階に拉致られて部屋の真ん中の椅子に座らされいた。あの日、いくつかなくなっていた動画用のカメラがここに設置してあったかと、犯人は陸斗かと可愛いいたずらにこう言う事も出来るようになったかと成長ぶりにニヤニヤとしつつ開け広げられた窓から見える、見慣れた景色とは少し違う背景はまるでオリヴィエを祝福するかのように雲の切れ間から一筋の光を落してこの動画の中で子リスのキャラクターで通してきた仮面が落ちて素顔が晒された。
途端に湧き上がるコメントは無視する。というか俺はあまり知らなかったんだけどやっぱり有名人だったんだなという思いの方が強かっただけ。俺が訳したあまり面白味のないインタビューでも知られるオリヴィエから語られる雄弁な挨拶の後にバイオリンを構えて目を伏せて緊張するかのような一音目はそれでも伸びやかに室内に広がっていく。もともと二階の総てが養蚕場だったので一般民家のワンフロアとしては広く、だけどバイオリンが奏でる音に対しては狭すぎて、この素晴らしいバイオリンの魅力を総ては伝えきれないのだろう。それだけが残念だった。バイオリンには小さなマイクが付いているも小さな気にすれば気になる程度の雑音を拾い上げている。風の音だったり、木々の葉の擦れる音だったり。だけどそれが調和しているのがまたオリヴィエに降り注ぐコーラスにも聞こえる。
あの時は別れへの気持ちがいっぱいで、いつの間にか懐いた子供へ向ける感情ばかりがオリヴィエだけに向けられていて、今こうやって第三者の目で見る事が出来たからこそオリヴィエの感情豊かなバイオリンに再度涙を導き出してくれた。
途中から涙を流しながら、それでもバイオリンを操る手は止めず、だけど肌に触れる部分に挟んだハンカチが涙を吸い上げて行く。本当ならバイオリンの事を思えばよくないのだろうが、それでも最後まで曲を弾き終えて飛びつくように俺にしがみつくオリヴィエを受け止める俺。そこからの訳も映像もなく、ただいつの間にか朝を迎えた青空が広がって画面が暗くなって気が付けば動画は終わっていた。
概要欄には次の日チャリティーコンサートに向けて出発したオリヴィエの今後の活動を応援しますと書いておいた。
終わった瞬間からコメントが次々に更新される中、そのチャリティーコンサートが今日あった事を知る面々は悔しそうに唸る様子を吐露していたり、英語を始めとした海外のコメントも連なっていた。
今まで見る事のなかった溢れんばかりの感情を見せたオリヴィエに彼をよく知るクラッシックのファンは驚きの声を上げ、あまり表情を変えなかった彼の豊かな表情は……
大人と子供の狭間の母性擽るまだ幼さの残る、山で健康的な生活を続けたせいか肉付きと肌艶も良くなった顔立ちに女性の心をガッツリつかみ、事務所の力だけじゃないと母親とあんなことがあったと言うのに一ヶ月この山でひたすらストイックに練習し続けた集中力からの実力はバイオリンを知る方々を唸らせていた。というか実力的にはどっちが上かなんてこう言うのは大体下からのマウントだと思うがそこはスルー。英語ではない外国の言葉が並んでいるので視聴者の大半はこの国の方だから問題ないと気になるコメントだけ返信をしておく。
その作業をしていれば一通のメールが届いた。
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