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歴史と共になんてただの腐れ縁だろうがそれでも切っても切り離されない縁は確かにある 3
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ここに連れて来て見せたかいは在った。
来た時とは全然違う顔つきと目つき。麓の家で見せた周囲を窺い欲しい答えを探すような部分何て今はもう見当たらない。だけど跡を継ぐ年齢になるまでにこれからいろいろな事が起きるだろうし、その時はその時でこの思いを越える物なんだとたくさんの選択がある現実を受け止めるしかないと未来はまだ決まってない事だけは俺は誰よりも理解するよう自分に言い聞かせる。
「さて、次は母屋の探索だ」
「まだあるの?!」
「母屋の方が一見古く見えるけど一番新しい建築物らしい。他にも馬小屋とか、烏骨鶏の小屋とか見る所沢山だ」
「そんなにも?!」
「すごいのは全部内田が作った建物なんだぞ」
「マジ?!爺ちゃん達すげえ!」
「何気のお父さんはぶられてるとかw」
「親父も作ったの?」
「いや、浩太さんはこの離れが初めての参加だ」
「じゃあやっぱり爺ちゃんが達凄い、だ!」
「困った。否定できなくなって来たぞ?」
頑張れ浩太さんと言う様にここから先は受験生の勉強の場だからとそーっと入っていく。そして古民家と言う家の作り、かつて吉野が林業していた時の名残の間取りや古民家特有の田の字型の間取り、昔ながらの急な階段と広い縁側。
なによりも自慢するべきは
「裏の山から切り出した大黒柱をバアちゃんが毎日磨いていた頃と違ってくすみかけているのが当代の特徴です」
言えば室内にも聞こえていたのか
「綾っち、ちゃんと毎日磨いてください!大黒柱様もそうおっしゃってます!」
園田のツッコミに皆さん笑うのは当然だ。
「いや判ってるんだが、週一で磨いてるので許してください」
「毎日綺麗にしてくれる事をリクエストしますと大黒柱様はおっしゃってます!」
「だったらこの休みの間は園田担当を任命する。大黒番長よろしくお願いします!」
「マジか?!ってか番長って何www」
「それぐらいしても罰はあたらないぞ」
「仕方ないなぁ。綾っち頼りないから大黒柱はまかされたぞ」
妙なコミカルな会話と共に囲炉裏のある部屋に入り新入り三人の問題用紙の様子を見れば俺が想定する高校生の問題から徐々に躓いているのを見てそろそろ終わる所。
「よし、お前ら今取りかかってる用紙が終わったら休憩だ。
体ほぐす為にも草刈りに参加していいぞー」
「綾っちそれじゃあ休憩になりませーん」
園田が手を上げれば
「じゃあご飯作るの手伝ってくれる?」
いつの間にか宮下が現れて、少し早いけどと奥様料理隊を呼ぶ。
「ジャガイモの皮剥きます!」
速攻でこの場から逃げ出した園田に続く形で陸斗も向かえばほぼほぼ料理初心者の新入り三人組も続いて土間台所へと向かい誰もいなくなった所で幸治に
「お前はこのテストやってみろ」
毎度受けさせる高校生なら楽勝なはずの小学生レベルのテストと中一レベルのテストを渡せば当然ながら中一レベルは全くできていなかった。仕方がない。まだ中一になって一ヶ月、小学校の復習をしている時だ。それどころか小学生レベルもちょっと複雑な分数辺りから怪しくなっていて……
「先生、久しぶりの難物がこんな近い所に居ました」
その結果をみて先生も黙り込む始末。
「とりあえず、今日は家に帰るまでは勉強会だ」
「ええ?!まだ見てない所が……」
「お前は地元の人間だからそれはまた今度で良い。ゴールデンウィーク中は毎日来るように。お前それだけ酷い事自覚あるか?」
自覚はあるようで視線はもう涙目だ。
「まだまだ取り返しがつくから、綾人、やるぞ」
「ういっす」
この話は台所の方にも聞こえていて、陸斗が困ったような顔をしていたけどこの救いようのないレベルの内容を耳にして陸斗はそれは困った、そんなにもできない方が困ったぞと言う様に真に勉強に興味のない人間を初めて見たのかものすごく動揺しているのを見て、なんとなくこの二人の突破口を見つけるのだった。
「因みに水野や植田、今日は卒業してっていないけど上島辺りもかなり同レベルできびしかったから。ちゃんと大学行けるレベルまで上げた実績があるから頼っていいぞ?」
なぜかマジ?なんて驚きの悲鳴が台所から聞こえたけど、その隣に居る宮下は九九からやり直しだった事は今は黙っておく。
「さて、今の時代最低限の学力は避けて通れないから。これから難しくなる授業内容の対策にこのゴールデンウィークを利用してガッツリ勉強するぞ」
「ええっ?!」
「俺から浩太さんに言っておく。遊んでいる暇はないって」
言いながらスマホで連絡をした。
「……」
何とも言えない絶望した視線が俺を見るその横で
「綾人にばれたら最後だから。まぁ、夏休みもあきらめろ。部活をしてないのならちょうど良い」
暗黒な未来を先生は容赦なく予言するのだった。
とりあえず宮下家からもらった小学生の教科書を並べながら中学生の教科書も用意する。小学生レベルで躓いた場所から教科書を使って丁寧に教えて行く。
次第に勉強に集中する様子を黙って見守る。
国語や社会など調べればすぐにわかる事は教科書などにすぐ手を伸ばす物の計算自体が苦手なのだろう。算数はすぐに計算する事に手が止まる。その度に計算式の解き方の説明を入れれば丁寧に一つ一つ解いて行く様子を黙って見守る。これは一つ一つ積み上げる物なのだから、これが重要なのだから略してはいけないと先生にも何度も言われ続けた言葉。答えが頭の中で計算して分るんだから別にいいじゃん。なんて学ランを着ていた俺の反論にこの途中が大切なんだと切々と説く先生と数学は答えが一つなんだから答えが導きだせれば中身なんて大した事ないじゃんと言う俺の意見は未だ平行線。だけど世界の大多数を占める先生の意見に俺も学べと言われてそうする事にしている。
まだるっこしくって、叫びだしたいけど……圭斗と宮下の勉強を教えてから五年目を迎えてその過程が省略できない世界に俺は改めて自分のとの差を思い知らされて先生の意見が正しいかを知るのだった。
県内有数の学力を誇る学生ですら高校レベルの問題を所々省略しても過程を残して答えを導き出している。俺にとっては見ればわかるだろうと言う世界だけどどうやら俺は世界の少数派らしい事だけはいやでも理解して、幸治を見守り根気よく教える俺を先生が見守ると言う景色を最後まで気付かずにいるのだった。
来た時とは全然違う顔つきと目つき。麓の家で見せた周囲を窺い欲しい答えを探すような部分何て今はもう見当たらない。だけど跡を継ぐ年齢になるまでにこれからいろいろな事が起きるだろうし、その時はその時でこの思いを越える物なんだとたくさんの選択がある現実を受け止めるしかないと未来はまだ決まってない事だけは俺は誰よりも理解するよう自分に言い聞かせる。
「さて、次は母屋の探索だ」
「まだあるの?!」
「母屋の方が一見古く見えるけど一番新しい建築物らしい。他にも馬小屋とか、烏骨鶏の小屋とか見る所沢山だ」
「そんなにも?!」
「すごいのは全部内田が作った建物なんだぞ」
「マジ?!爺ちゃん達すげえ!」
「何気のお父さんはぶられてるとかw」
「親父も作ったの?」
「いや、浩太さんはこの離れが初めての参加だ」
「じゃあやっぱり爺ちゃんが達凄い、だ!」
「困った。否定できなくなって来たぞ?」
頑張れ浩太さんと言う様にここから先は受験生の勉強の場だからとそーっと入っていく。そして古民家と言う家の作り、かつて吉野が林業していた時の名残の間取りや古民家特有の田の字型の間取り、昔ながらの急な階段と広い縁側。
なによりも自慢するべきは
「裏の山から切り出した大黒柱をバアちゃんが毎日磨いていた頃と違ってくすみかけているのが当代の特徴です」
言えば室内にも聞こえていたのか
「綾っち、ちゃんと毎日磨いてください!大黒柱様もそうおっしゃってます!」
園田のツッコミに皆さん笑うのは当然だ。
「いや判ってるんだが、週一で磨いてるので許してください」
「毎日綺麗にしてくれる事をリクエストしますと大黒柱様はおっしゃってます!」
「だったらこの休みの間は園田担当を任命する。大黒番長よろしくお願いします!」
「マジか?!ってか番長って何www」
「それぐらいしても罰はあたらないぞ」
「仕方ないなぁ。綾っち頼りないから大黒柱はまかされたぞ」
妙なコミカルな会話と共に囲炉裏のある部屋に入り新入り三人の問題用紙の様子を見れば俺が想定する高校生の問題から徐々に躓いているのを見てそろそろ終わる所。
「よし、お前ら今取りかかってる用紙が終わったら休憩だ。
体ほぐす為にも草刈りに参加していいぞー」
「綾っちそれじゃあ休憩になりませーん」
園田が手を上げれば
「じゃあご飯作るの手伝ってくれる?」
いつの間にか宮下が現れて、少し早いけどと奥様料理隊を呼ぶ。
「ジャガイモの皮剥きます!」
速攻でこの場から逃げ出した園田に続く形で陸斗も向かえばほぼほぼ料理初心者の新入り三人組も続いて土間台所へと向かい誰もいなくなった所で幸治に
「お前はこのテストやってみろ」
毎度受けさせる高校生なら楽勝なはずの小学生レベルのテストと中一レベルのテストを渡せば当然ながら中一レベルは全くできていなかった。仕方がない。まだ中一になって一ヶ月、小学校の復習をしている時だ。それどころか小学生レベルもちょっと複雑な分数辺りから怪しくなっていて……
「先生、久しぶりの難物がこんな近い所に居ました」
その結果をみて先生も黙り込む始末。
「とりあえず、今日は家に帰るまでは勉強会だ」
「ええ?!まだ見てない所が……」
「お前は地元の人間だからそれはまた今度で良い。ゴールデンウィーク中は毎日来るように。お前それだけ酷い事自覚あるか?」
自覚はあるようで視線はもう涙目だ。
「まだまだ取り返しがつくから、綾人、やるぞ」
「ういっす」
この話は台所の方にも聞こえていて、陸斗が困ったような顔をしていたけどこの救いようのないレベルの内容を耳にして陸斗はそれは困った、そんなにもできない方が困ったぞと言う様に真に勉強に興味のない人間を初めて見たのかものすごく動揺しているのを見て、なんとなくこの二人の突破口を見つけるのだった。
「因みに水野や植田、今日は卒業してっていないけど上島辺りもかなり同レベルできびしかったから。ちゃんと大学行けるレベルまで上げた実績があるから頼っていいぞ?」
なぜかマジ?なんて驚きの悲鳴が台所から聞こえたけど、その隣に居る宮下は九九からやり直しだった事は今は黙っておく。
「さて、今の時代最低限の学力は避けて通れないから。これから難しくなる授業内容の対策にこのゴールデンウィークを利用してガッツリ勉強するぞ」
「ええっ?!」
「俺から浩太さんに言っておく。遊んでいる暇はないって」
言いながらスマホで連絡をした。
「……」
何とも言えない絶望した視線が俺を見るその横で
「綾人にばれたら最後だから。まぁ、夏休みもあきらめろ。部活をしてないのならちょうど良い」
暗黒な未来を先生は容赦なく予言するのだった。
とりあえず宮下家からもらった小学生の教科書を並べながら中学生の教科書も用意する。小学生レベルで躓いた場所から教科書を使って丁寧に教えて行く。
次第に勉強に集中する様子を黙って見守る。
国語や社会など調べればすぐにわかる事は教科書などにすぐ手を伸ばす物の計算自体が苦手なのだろう。算数はすぐに計算する事に手が止まる。その度に計算式の解き方の説明を入れれば丁寧に一つ一つ解いて行く様子を黙って見守る。これは一つ一つ積み上げる物なのだから、これが重要なのだから略してはいけないと先生にも何度も言われ続けた言葉。答えが頭の中で計算して分るんだから別にいいじゃん。なんて学ランを着ていた俺の反論にこの途中が大切なんだと切々と説く先生と数学は答えが一つなんだから答えが導きだせれば中身なんて大した事ないじゃんと言う俺の意見は未だ平行線。だけど世界の大多数を占める先生の意見に俺も学べと言われてそうする事にしている。
まだるっこしくって、叫びだしたいけど……圭斗と宮下の勉強を教えてから五年目を迎えてその過程が省略できない世界に俺は改めて自分のとの差を思い知らされて先生の意見が正しいかを知るのだった。
県内有数の学力を誇る学生ですら高校レベルの問題を所々省略しても過程を残して答えを導き出している。俺にとっては見ればわかるだろうと言う世界だけどどうやら俺は世界の少数派らしい事だけはいやでも理解して、幸治を見守り根気よく教える俺を先生が見守ると言う景色を最後まで気付かずにいるのだった。
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