タイプではありませんが

雪本 風香

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13.挫折したことあるんだ?

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痛い。痛いのに。
何もつけていない星野の肉棒の熱さと、追い出そうとしているのに、奥に奥にと進んでいこうとする力強さに。
「いったぁ……っく!あっん!!……あっ!だめぇ……っあぁ!」
「駄目?めっちゃイヤらしい声出てるのに?」
「んんっ!!ひぁっ!!……ちがっ!んっ!!いぃっ!!んっ!!」
トプっと奥から垂れた愛液が入口辺りで肉を掻き分けている星野の先に絡みつく。
数回腰を回し、先端に粘液をまとわせた星野だが、おもむろに肉棒を引き抜いた。
「あっ」
楓から名残惜しそうな声が上がった瞬間、星野の反り返ったモノが貫いた。
楓の愛液で滑りが良くなった星野の肉棒は、ゴツンと勢いをつけて奥を突き刺す。
「んん!!!イッ!!くうぅ!!!」
耐える間もなかった。ビクッと背中を浮き上がらせた楓はそのまま達する。
だが、星野は止まらなかった。

パチュンパチュン、と水音と肉がぶつかる。2つのそれが混じった音が響く程激しく突いては引き、引いては突く。
「あっ……んっ!!イっ!!いいのっ!んっ。ふぅ……んっ!!」
過去の男性のモノよりも大きな男根。それが薄いゴムに包まれることなく楓の腟内を犯していく。
反り返った棒の熱さも、カリ首の擦る強さも、そして星野の激しい腰の動きも。
そして相反するように苦しそうに眉を寄せる星野の表情も。
一つ一つが楓のツボにハマるのに、全て合わさったら……。
「もっ!!ダメっ!!イっくぁぁ!!……とまんなっ!んっ!!」
腟内で男根を、全身でしがみついている星野の体をぎゅうぎゅうに締め付ける。
星野の意外と筋肉質な胸板が、楓の胸を押しつぶす。
抱きついている腕、絡めている足。女の自分とは違う筋肉の付き方。
そう変わらない身長なのに、明らかに自分とは違う男の体。
「強引にされたいんやろ?こんな風に」
耳元でささやきながら、ドチュンと奥を突き刺されたら。
「んっ!!っ!くぅ!あっ!!んっんん!!あぁっ!」
ぎゅっ、と締め付けながら呆気なく達してしまう。
「っつ!……はっ」
「んんっ!あっ!あぁ……」
ドクッと星野の精液が注がれる。ビクビクと脈打つ肉棒に、楓は再び頂に登る。

「……っ。はぁっ。はぁ、はぁ」
絶頂の際、呼吸するのを忘れていた楓の体は脱力すると同時に息をつく。
呼吸に合わせてナカが小刻みに震える。
力を入れていたつもりはないのに、柔らかくなった肉棒に楓のナカは緩く刺激を与えてしまっていた。
「……まだ欲しいんだ」
「ちがっ!んっ……ふぁ」
ナカでグンッと反り返るソレに楓の腰が揺れる。そんなことをしたら、ますますいきり立つだけなのに。
案の定、硬さを取り戻した星野のモノを楓は小さく喘ぎながら下の口で美味しそうにしゃぶった。

「あっ……んっ!」
「やらしいなぁ。……自分で擦り付けて」
「んっ……やっ!……ホッシーもっ……うごいっん!!」
動いた瞬間、楓は自らの弱いポイントに肉棒を当ててしまった。
今までは自分で動いてもうまく当たらなかったのに。
星野の精液と楓の愛液が混じって滑りが良くなったのと、一度萎えた肉棒が膨らんだ際に挿入角度が微妙にズレたこと。
2つが重なったことで、楓は星野の手を借りなくても自らを限界に追いやることができる。

「あっ……んっ!……あっあぁ!!んっくぅ!っく!!」
星野は自分の下で顔を真っ赤にしながら腰を振る楓をしばらく見つめていた。
好きな女のこんなあられもない姿。興奮しないわけない。
だが、その一方で頭の片隅はやけに冷めていた。
「前の男に教えられた?」
「んっ!くぅ。……あっ!んっひぁ!!ふぁんん!」
冷たい星野の声に、楓は不覚にも感じてしまう。
その姿に、星野は腹が立った。
「山下、俺のことタイプじゃないんでしょ」
返事の代わりにきゅうっと肉棒が締め付けられる。
「なのにこんなに感じるんだ?」
「あっ……んっ!」
「濡れてないのに強引にねじ込まれるのも、ナマでするのも、中出しされるのも」
星野はグイッと腰を挿し込む。小さく悲鳴のような息を吐いた楓は星野を見上げた。
「全部前の男の好み?」
復活した星野の肉棒が奥を叩きつける。そして、そのまま激しく出し入れをする。
「あっ……んっ!っくう!!ふぁ……あっ!!んんんんっ!イくのっ!イってるぅ」
「そう」
星野の冷めた声とは裏腹に顔は何かに耐えるように歪む。

ドチュン。ドッチュン。

一突き一突きが重い。奥を抉る男根に楓は絶頂から降りてこれなくなる。
「ああっ!!イって……っん!またっ!……んんっ!おくっ!奥突かれるのっ!……んっくぅ!!好きぃ……んっ!!きちゃう!!止まんなっ」
「イってよ、好きなだけ。……前の男に教えられたやつ、全部上書きするから」
苦しそうな表情をする星野。気持ちよくなって半分意識が朦朧としている楓だったが、星野のその顔はやけに印象に残った。

「も……してるからっ!んっ!!あっ」
「……なにを」
「うわがきっ……んっあ!ふぁん!んっくぅ!激しっ!!イっちゃ」
楓が言い終わる前に星野の動きが変わった。楓を犯す動きではなく、自分が高みに上り詰めるための動きに。
「はっ……ほんとズルい」
ぐりんぐりんと、腰を小刻みに動かしてカリ首で子宮の入口を刺激する。
もう何度も絶頂に押し上げられている楓は、その動きだけで達する。
「そう言われると、ますます……」
星野は言葉を切る。イったばかりの蕩けた目で楓は彼を見つめた。
眉間のシワは相変わらずだけど、目元の険は取れた。
いつもの星野の表情。いや、普段より熱っぽい視線で楓を見つめる。
その顔がやけに色気があって、楓はそれだけで軽く達してしまった。
イく直前に締まり、達した瞬間緩まる。息をつく間もなく次の刺激でまた締まってくるナカ。
肉棒をやわやわと揉む腟内に星野の二度目の限界も近い。
「はぁ……。好きだよ、楓。っつ……。めちゃくちゃに……したい」
星野のささやきに、興奮でブルリと身を震わせた楓の奥から愛液が溢れてくる。
急に増した潤いに、星野のモノは更に反り立つ。

「ごめん」
短く詫びると星野は一度肉棒を抜き、おもむろに楓の右足を掴んだ。
つかんだ手を外に開きガバっと足を大きく開く。
「やっ……はずかっ!んんっ!!深っい!!イっ!!っくうぅ!!」
楓の足と交差するように自らの足の位置を変えた星野は、一気に突き刺した。
ズブリと貫いた肉棒は、楓の奥の更に先――今まで触れたことのない箇所を掠めた。
一瞬で上り詰める楓に構うことなく、星野は腰を動かす。

突かれる度、誰にも触られたことのないところを犯される。
秘められた奥底の快楽ポイントは、少し触れるだけでも深イキしてしまうのに。
ベッドが壊れるんじゃないかと思うくらい激しく突かれたら。
「あっ……あっ!!んんっ!!あああっ!!あ゛
ぁ!!あ゛あ゛っ!!ん゛っぐぅ」
楓は自分がどんな声を上げているのかわからなくなる。
ただ、頭を真っ白にしながら、星野の与えてくれる快感を享受するだけ。

「ゔっ……。出るっ」
短く星野の声が聞こえた後、ナカが熱くなる。
星野の動きが止まったと同時に楓は意識を手放した。



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