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微妙な距離

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『そろそろ着きます』
晴人からのラインを既読にすると、加奈子は大きくため息をつく。
晴人を拒めなかったあの日から半年。なんとなく金曜日に晴人と会う日が続いていた。
付き合っては、ない。加奈子の家とホテル以外で晴人とは会わないことで、自分の中で無理矢理折り合いをつけている。晴人はいつでも遊びに来てほしいと言って合鍵を渡してきたが、1度も使われることなく玄関先にぶら下がっていた。


「え?岩田くんの家ってこの沿線じゃないよね?」
「…歩いたら30分くらいなので、ギリセーフです!」
半年前のあの日、帰る前に晴人がフェアじゃないので、と自分の家だとメモに書いた住所を見るなり加奈子は驚きの声をあげた。
同じ区内だが、加奈子の利用している沿線とは違う沿線の駅が最寄りだったからだ。
「そこは察してくださいよ」
笑いながら言う晴人に思わず本音が溢れる。
「馬鹿なの?」
会社では見せないような笑顔で晴人は答えた。
「結城さんの前ではそうかもしれませんね」



「っやぁ!…ゆるしてっ!」
手首を縛り付けられ、仰向けになっている加奈子は涙目で晴人を見上げる。その顔がますます晴人の支配欲を刺激しているのを加奈子はわかっているのだろうか?
サディスティックな気持ちになった晴人はトコトン加奈子を責める。
「だめです、許しません。…俺が気持ちよくしてあげるのに…また新しいおもちゃ買って。そんなにおもちゃ好きなら、ずっとこれで遊びなよ」
そう言って、乳首とクリトリスに固定しているローターの出力を上げる。
「ああー!っイっちゃう!イきたっ!」
1時間は焦らされているため、登りつめるのはあっという間だった。だが、あと少しで達するというところで、モーター音はパタッと動きを止める。
「…っ…イかして…イかしてください」
「まだダメだよ」
欲望をむき出しにした顔をする加奈子の表情に嬉しくなり、低く笑い声を上げる。

「そんな顔して…。イきたいの?」
全力で首を上下に振る加奈子の目の前にペニスを差し出す。
「舐めっ…!…っ!そんなにガッツいて…。逃げませんから」
全部言う前に加奈子は晴人のペニスを咥える。手を縛られているからか、最初は動きにくい様子だったが、直ぐにコツを掴んだようだ。
晴人のペニスを舌で舐め回す。
みっちりと晴人の好みを覚えさせられた加奈子の舌技は、晴人を感じるところを的確に捉える。
「っつ…。ほんとっ…上手くなりましたね…」
カリ裏を舐め、玉袋を口に含んで転がす。時々甘い声と共に漏れる息がペニスにかかるのがスパイスになる。

目の前で好きな女性の淫らな姿を見せられていたため、晴人のペニスは刺激に素直に反応する。
そっと加奈子につけているローターを微弱で動かす。それだけで加奈子は息を荒げ、腰を振る。だが、ペニスから口を離すことはない。体中熱くしながら、晴人の感じるところを必死で
探す。

「っう…そこっ!」
感じている晴人の反応に顔をあげた加奈子は蕩けた目を向ける。
その扇情的な表情を見た瞬間に、晴人は我慢の限界を超えた。
「っつ…すみません、余裕ないっ」
加奈子の頭を掴み、喉の奥までペニスを差し込む。一瞬苦しそうな顔をする加奈子だが、すぐに舌を絡め、軽く吸う。
無理矢理出し入れをしているのにも関わらず、歯を立てることもなく、必死に咥える加奈子の口に、思いっきり精を放った。

「っ!すみません!…吐き出して良かったのに」
晴人が放った精液を飲み込んだ加奈子は軽く咳き込みながら首を振る。
そんな加奈子の手首の拘束を取り、口づけをする。自分の放った精液の青臭さに思わず顔をしかめてしまう。
「…まずいじゃないですか」
「ふふっ…岩田くんだって、舐めてくれるじゃない」
晴人はサイドテーブルに置いているペットボトルの水を取ると、加奈子に渡す。美味しそうに水を飲み干すのを見守ると、晴人は加奈子を押し倒した。
「お待たせしました。…好きなだけイっていいよ」


 晴人のペニスを入れただけで軽く加奈子は達する。
「やぁ…もっと!」
散々焦らされていたからか、愛液は太ももまで垂れており、すんなり晴人のモノを受け入れる。刺激が足りないというように腰をくねらせる加奈子の膣内に導かれるように、奥へと進んで行く。
「っあ!…ひゃん!!あっー!ふぁ…んっ」
Gスポットを突き上げると直ぐにあえぎだす。加奈子の反応と膣内の動きで絶頂が近いことがわかる。
「やぁ…イっちゃ!…むりぃ…気持ちっいいっー!イっちゃ…うっ!」
「もうイくの?淫乱」
言葉とは裏腹に腰の動きを早める。涙目で見上げる加奈子は淫乱じゃない、というように必死に首を振るが、体は快楽を求めて登りつめる。
「イっ!!イっくぅ…ふぁん!!」
 達しても足りないというように膣内は更に締め付け、晴人の精を搾り取るように蠢く。大きい絶頂の合間にも晴人のペニスが出し入れをするのにあわせて、小刻みに小さい絶頂を迎えている。
「...もっと、感じてよ」
動きを止めていた胸とクリトリスにつけていたローターのスイッチをいれると、加奈子の体ははねあがる。
「...やぁ...っ!もっ...イっちゃ...!!んっ!!!だめぇ...あっ...こわれっ!」
いつもよりも一気に襲ってくる波に怖くなり、目の前の晴人にしがみついた加奈子は、何とか快楽を逃そうとするが、抗えないほどの熱量で襲ってくるものの前には無駄な抵抗に終わる。
「っ...こわれっ...!!でちゃ...っ!!なにかっ!!...イっちゃ...!んぁ!あっ...あーっ...でちゃう!!」
加奈子は愛液と潮を撒き散らしながら、激しい絶頂を迎える
「っ...出すよ!」
締め付けに導かれるように、晴人も加奈子の中で精を放った。
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