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第二章 約束の場所
25夢か現実か
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メルティアはなるべく火照った顔が見えないように、うつむきつつ振り返る。
目が合うと、ジークはハッと息を飲んで、素早くメルティアから手を離した。
「いえ。なんでもありません。……申し訳ありません、メルティア様」
「う、ううん。助けてくれてありがとう」
「……」
少しの気まずさを感じながら、メルティアはジークの膝の間から元いたジークの隣りへと移動する。
甘く感じた空気は霧散し、逆に重苦しい空気がただよった。
今のは、何だったのだろう。
妄想?
でも、たしかに引き寄せられたはずだ。
おなかにあった腕の感触は残っているし、耳元で囁くように呼ばれた名前が鼓膜にこびりついている。
背中にあたった温もりだって。
なによりも、心臓がドキドキしている。
顔の熱が、まだ引かない。
メルティアは資料を読むふりをしながら、横目にジークを見た。
ジークは黙り込んで、どこか放心したように自分の手のひらを見つめていた。
そうして、強く手のひらを握ると、目を閉じて深く息を吐いた。
まるで精神統一でもしているみたいだ。
ジークは今、何を考えているのだろう。
ジークには好きな人がいる。
その相手はメルティアではない、はずだ。
それでも、「もしかしたら」なんて淡い期待が過ぎってしまうほど、「メルティア様」と、そう呼んだ声は、とても大切な人を呼ぶ声のように思えた。
メルティアは少しだけ迷って、ジークが目を開けるより前に声をかける。
「じ、ジーク」
ピクっと小さくジークの手が反応して、ゆっくりと黒い瞳が顔をのぞかせる。
「……どうしました?」
「えっと、えっと。お、お昼、なに食べる?」
無鉄砲に突っ込んだ結果、ろくな質問にならなかった。
ジークは目を細めて「朝から食べものの話ばかりですね」とかすかに微笑む。
「街と街の間に食事処があるのでこちらで昼食の予定ですよ。そろそろ着くかと」
「そ、そっか」
メルティアはもじもじと手を合わせてうつくむ。
ジークの笑い方が優しいような。でも気のせいのような。
「着いたら起こしてぇ~とか言ってもたれかかったらいいだろ」
「うわぁっ!?」
「メルティア様?!」
急にチーの声が肩元から聞こえて、メルティアは飛び上がった。
緊迫感のある険しい顔でジークがメルティアを見る。今にも剣を抜きそうな勢いだ。
「あ、だ、大丈夫。チーくんが急に話しかけてくるから」
ジークがほっとしたように息をついて肩の力を抜いた。
「せっかくいい感じだったのにな」
「えっ。そ、そうかな?」
「そうさ。そのままイチャつくかと思ったぜ」
「な、し、しないもん」
だってあのジークだ。天地がひっくり返ってもない気がする。
チーは面白がるように目を細めて、チラリとジークを見てからニヒルに笑う。
「そりゃあメルはジークの顔見てなかったからな」
「え、何かあったの?」
「さぁな」
クックックと可笑しそうに笑ってチーはジークの肩に乗った。
もちろんジークには見えていないから重さも感じていないだろう。
それよりもチーの言葉が気になる。
チーから見たジークはどうだったのだろうか。そもそも、チーは知っているのだろうか。
ジークの好きな相手が誰なのかを。
「チーくんはさ、その……知ってるの?」
それだけで、チーはメルティアの言いたいことがわかったようで、ニタリと妖しく笑った。
「さぁ? どうだろうな?」
「……いじわる」
メルティアはむっと顔の中心にしわを集めた。
「そういうのはあれだろ? プライベートってやつさ。オイラにも言えないことがあるってわけよ」
「前は教えてくれたのに……」
ジークの結婚という情報は教えてくれたのに気まぐれな妖精だ。
ふてくされて視線を動かすと、パッとジークと目が合う。
メルティアはドキリとした。
今の会話は聞かれても大丈夫なものだっただろうか?
何か言われるかとドキドキ身構えるが、ジークはふとメルティアの頭越しに窓の外を見て「そろそろ着きますよ」と言った。
しばらくすると、ジークの言う通り馬車が停まった。
どうやら目的の休憩地点に着いたようだ。
先にジークが降りて周囲を確認し、メルティアに手を差し出す。
メルティアは大きな手に自分の手を重ねて、ゆっくり馬車から降りた。
そして、すぐ目の前にある大きなログハウスに興味が引かれる。
深い茶色の丸太を使用した外観と、周囲には色とりどりの花たち。綺麗に陳列して咲き誇っている。
そして、空を突くように飛び出ている茶色の煙突からは、白い煙が立ち上り、風に乗って香ばしい香りが漂ってきた。
メルティアは鼻を動かして匂いを嗅いで、未知の体験に瞳を輝かせる。
「街の外にはこんな素敵なお店があるんだね」
「俺たちがよく行く街は一応王都ですからね。交通の関係でこの辺りの店は繁盛するそうですよ」
メルティアたちの馬車を囲んでいた護衛兵たちも、馬を繋いで戻ってくる。
この店の利用客は多いのか、あちこちに馬車が停まっていた。
「空いてるかな?」
「おそらくは。急だったため事前連絡などはしていませんが……大丈夫でしょう」
目が合うと、ジークはハッと息を飲んで、素早くメルティアから手を離した。
「いえ。なんでもありません。……申し訳ありません、メルティア様」
「う、ううん。助けてくれてありがとう」
「……」
少しの気まずさを感じながら、メルティアはジークの膝の間から元いたジークの隣りへと移動する。
甘く感じた空気は霧散し、逆に重苦しい空気がただよった。
今のは、何だったのだろう。
妄想?
でも、たしかに引き寄せられたはずだ。
おなかにあった腕の感触は残っているし、耳元で囁くように呼ばれた名前が鼓膜にこびりついている。
背中にあたった温もりだって。
なによりも、心臓がドキドキしている。
顔の熱が、まだ引かない。
メルティアは資料を読むふりをしながら、横目にジークを見た。
ジークは黙り込んで、どこか放心したように自分の手のひらを見つめていた。
そうして、強く手のひらを握ると、目を閉じて深く息を吐いた。
まるで精神統一でもしているみたいだ。
ジークは今、何を考えているのだろう。
ジークには好きな人がいる。
その相手はメルティアではない、はずだ。
それでも、「もしかしたら」なんて淡い期待が過ぎってしまうほど、「メルティア様」と、そう呼んだ声は、とても大切な人を呼ぶ声のように思えた。
メルティアは少しだけ迷って、ジークが目を開けるより前に声をかける。
「じ、ジーク」
ピクっと小さくジークの手が反応して、ゆっくりと黒い瞳が顔をのぞかせる。
「……どうしました?」
「えっと、えっと。お、お昼、なに食べる?」
無鉄砲に突っ込んだ結果、ろくな質問にならなかった。
ジークは目を細めて「朝から食べものの話ばかりですね」とかすかに微笑む。
「街と街の間に食事処があるのでこちらで昼食の予定ですよ。そろそろ着くかと」
「そ、そっか」
メルティアはもじもじと手を合わせてうつくむ。
ジークの笑い方が優しいような。でも気のせいのような。
「着いたら起こしてぇ~とか言ってもたれかかったらいいだろ」
「うわぁっ!?」
「メルティア様?!」
急にチーの声が肩元から聞こえて、メルティアは飛び上がった。
緊迫感のある険しい顔でジークがメルティアを見る。今にも剣を抜きそうな勢いだ。
「あ、だ、大丈夫。チーくんが急に話しかけてくるから」
ジークがほっとしたように息をついて肩の力を抜いた。
「せっかくいい感じだったのにな」
「えっ。そ、そうかな?」
「そうさ。そのままイチャつくかと思ったぜ」
「な、し、しないもん」
だってあのジークだ。天地がひっくり返ってもない気がする。
チーは面白がるように目を細めて、チラリとジークを見てからニヒルに笑う。
「そりゃあメルはジークの顔見てなかったからな」
「え、何かあったの?」
「さぁな」
クックックと可笑しそうに笑ってチーはジークの肩に乗った。
もちろんジークには見えていないから重さも感じていないだろう。
それよりもチーの言葉が気になる。
チーから見たジークはどうだったのだろうか。そもそも、チーは知っているのだろうか。
ジークの好きな相手が誰なのかを。
「チーくんはさ、その……知ってるの?」
それだけで、チーはメルティアの言いたいことがわかったようで、ニタリと妖しく笑った。
「さぁ? どうだろうな?」
「……いじわる」
メルティアはむっと顔の中心にしわを集めた。
「そういうのはあれだろ? プライベートってやつさ。オイラにも言えないことがあるってわけよ」
「前は教えてくれたのに……」
ジークの結婚という情報は教えてくれたのに気まぐれな妖精だ。
ふてくされて視線を動かすと、パッとジークと目が合う。
メルティアはドキリとした。
今の会話は聞かれても大丈夫なものだっただろうか?
何か言われるかとドキドキ身構えるが、ジークはふとメルティアの頭越しに窓の外を見て「そろそろ着きますよ」と言った。
しばらくすると、ジークの言う通り馬車が停まった。
どうやら目的の休憩地点に着いたようだ。
先にジークが降りて周囲を確認し、メルティアに手を差し出す。
メルティアは大きな手に自分の手を重ねて、ゆっくり馬車から降りた。
そして、すぐ目の前にある大きなログハウスに興味が引かれる。
深い茶色の丸太を使用した外観と、周囲には色とりどりの花たち。綺麗に陳列して咲き誇っている。
そして、空を突くように飛び出ている茶色の煙突からは、白い煙が立ち上り、風に乗って香ばしい香りが漂ってきた。
メルティアは鼻を動かして匂いを嗅いで、未知の体験に瞳を輝かせる。
「街の外にはこんな素敵なお店があるんだね」
「俺たちがよく行く街は一応王都ですからね。交通の関係でこの辺りの店は繁盛するそうですよ」
メルティアたちの馬車を囲んでいた護衛兵たちも、馬を繋いで戻ってくる。
この店の利用客は多いのか、あちこちに馬車が停まっていた。
「空いてるかな?」
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