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第三章「魔王の血族編」
第13話 それぞれのできること
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シオンは団長室で次々と舞い込む報告に頭を悩ませていた。王都で起きた問題という小さなものから、王へ報告するような重要なもの、騎士団の指揮、調練の状況と物資の配給や整備、施設の構築や維持、装備の補充ときりがない。
騎士団長と言う立場のため、補佐する者も多く抱えてはいるが、最終的な判断を王や大臣らに委ねる必要のある案件も多く、それらに謁見できる立場にある者は少ないことから、必然的にシオンの業務が増えてしまうのだ。
「シオン、少しいいか?」
「ああ、オウカか。入ってくれ」
次々と差し出される書類への署名を続ける中、扉がノックされる。馴染みのある声に少しばかり余裕を取り戻したシオンは、疲れていた体を伸ばし、入室を促した。
「シオン団長、キッカ=ラペーシュ=フロスファミリア入ります!」
「同じくレンカ=ロータス=フロスファミリア。参上しました」
キッカとレンカを伴い、オウカが部屋に入る。手を止めて、シオンは三人を出迎えた。
「そんなに畏まらなくていいよ。知らない仲じゃないんだし」
「は、はい……ですけど、公私の区別はつけるべきと思いまして」
「僕としては昔みたいに“シオンさん”と呼んでもらっても構わないんだけどね」
幼馴染であり、騎士団の要として会う機会の多いオウカはいつもと変わらぬ態度だが、まだ従騎士のキッカたちは騎士団のトップを前に緊張した面持ちだった。
「あまり団長が気さくすぎると部下にも示しがつかないぞ、シオン」
「はあ……立場というのは厄介だね。友人と気楽に話すのも難しい。どうだいオウカ、替わってみる気はないかい?」
「フッ、丁重にお断りさせていただく。今の王国騎士団はお前無しに成り立たんさ」
そう言われてしまえばシオンは謙遜のしようもない。そもそも本気で譲る気もないことをオウカは分かっていた。
そして、シオンは打ち合わせがあると言い、副官たちを退室させた。
「しかし忙しいことだな」
「収穫の時期や戦時中に比べればマシな方さ。だけど最近、特に忙しくなって来てね」
先程署名したばかりの書類を取り、オウカに差し出す。
「先日王国に避難してきた東の民の受け入れで大忙しさ」
「村が一つ壊滅した一件か……襲撃は魔族の手によるものと聞いているが?」
「ああ、もう情報は入っていたんだね。それなら話は早い」
シオンは壁にかかった地図に目を向ける。王国内の都市や城、砦などの拠点の位置が記載されているものだ。その東の地域を示して言う。
「現れた魔族は東の古城を拠点にしているみたいだ。この方角からやって来たと生き残った村人たちから証言を得ている」
「山中にある古城か。確か土地もあまり豊かでないことから長らく統治する者が不在だった土地だったな」
「お陰で魔族が棲みついているのを気づけず、今回の事態を招いてしまった。マリーちゃんが連れ去られたのは僕らの怠慢が招いたことでもある、すまない」
謝罪するシオンにオウカは頭を振って答える。
「お前が謝罪する必要はないさ。統治する側にも事情がある。マリーが連れ去られたのは私たちに力が足りなかったせいだ」
「マリーちゃんの行方はこちらも全力で捜すことを約束する。その為にも、現れた魔族がこの件に関わりがあるか確認する必要があると思うんだ」
魔族は人間に比べて強大な力を持ち合わせている代わりに、その数は極端に少ない。以前の魔王軍のように組織として動いていない限り、同じ時期に何人もの魔族が国内で活動することは非常に珍しいと言える。
「ちょうど今、ドラセナを中心に偵察部隊を編成している所だ。マリーちゃんを発見したらすぐに連絡するようにしておく」
「それでしたら、私も参加させて下さい、シオン団長!」
立場上、控えていたキッカが突如沈黙を破り、二人の間に割り込むように歩み出た。
「オウカ様やトウカ様が傷ついているのに、これ以上、王都で待っているなんて私にはできません……だから、お願いします。私に、マリーを助けるお手伝いをさせてください!」
その拳が強く握られていた、マリーが連れ去られ、思い出の詰まった家も燃え、塞ぎ込んだトウカと、それを必死に支えようとしたオウカ。二人が辛い思いをしている時に自分は見ていることしかできなかった。その悔しさは誰よりも強かった。
そして、そんな気持ちは彼女も同じだった。続いてレンカも前に出て頭を下げた。
「マリーを捜すのであれば、私も志願いたします。ドラセナ隊長以外にも事情に詳しい者がいるべきかと」
「……お前たち」
「勝手なことを言って申し訳ありません、オウカ様。でも、私……」
「いや、よく言ってくれた。シオン、しばらく私は動けなくなる。この子達を任せてもいいか?」
「どういうことだい?」
「マリーを取り戻すため、私はこれからしばらく剣と魔術の修行に入る。今日ここに来たのはそのことの報告と、その間この子たちをお前に頼もうと思ってな」
キッカとレンカが背筋を伸ばし、恭しく頭を下げる。
「……事情が事情だ、騎士団としても戦力が充実するに越したことはない。了解したよ、二人にも早速偵察部隊に入ってもらえるよう取り計らっておく」
「すまんな、シオン」
「いいさ。決戦の時には君の力も必要になると思う。その時にしっかり働いてもらうよ」
「ああ、私の方はそこまで長い時間を費やす予定はない。早くに仕上げておくさ」
「私の方は……と言うことは、トウカも一緒かい?」
唇の端を吊り上げて、オウカは自信に満ちた目でこくりと頷いた。
「ああ、今も父上にしごかれているはずだ。この数日、あいつはフロスファミリアの正統な剣技が当主直々に叩きこまれているよ」
トウカの剣技はベースがフロスファミリアのものだが、体得した技のほとんどは家を出てから独自の修行で完成させた我流のものだ。型の決まっていない自由な剣技と言えば聞こえはいいが、正統な家の剣技に比べれば粗が目立つ。
あくまでも一般人、正統な後継者ではない立場であるからこそ、あえて手を入れる必要も無かったのだが、マリーを救い出すため、魔族に負けないためにも彼女は自らの力に修正を加えることを選んだのだ。
「戦いを好まんあいつがそこまでするんだ。私もその思いに報いてやらなくてはな」
「母親も大変だね」
「茶化すな、馬鹿者」
「いや、感心しているのさ。君たちはマリーちゃんの母親になってとても強くなったと思う。今にして思えば、五年前に君に負けたのも納得いくよ」
シオンの言葉にキッカとレンカが驚きの眼差しでオウカを見る。キッカたちが巻き込まれたかつての事件の中でオウカとシオンが交戦したことを知る者は少ない。
王国最強と謳われるオウカだが、その一方でシオンもまた史上最強の騎士団長と誉れ高い。この二人が戦えばどちらが上かと言う話は国内でも上位の関心事だ。
「何を言うシオン、あれは引き分けだ。むしろ、私が負けていたと言えるくらいだ」
「そう言うことにしておくよ……そうだ、修行の前に一つだけ仕事をお願いしてもいいかな?」
「それは構わんが、何かあったのか?」
「避難民の中に君かトウカに会いたいと言う人がいてね」
オウカは首を傾げる。彼女が知る限り、東の地域に知り合いはいない。今回の件に関する情報提供ならば騎士団かシオンに報告が行くはずだ。オウカだけでなく騎士団に所属していないトウカも指名していることから、個人的な面会を求めていることが伺える。
「この国の者ではないみたいだ。数日前に酷い怪我をして倒れていた所を村人たちに助けられた旅人らしい」
話によれば彼が魔族の襲来をいち早く察知したことで多くの人が助かったそうだ。村が全滅しなかったのは彼のお陰と言える。
「本来なら感謝したいところなんだけど、身分を証明する物も関所の通行証も持っていなくて、どこの誰なのか、いつこの国に入ったのかもわからないんだ」
「不法入国というわけか」
シオンは頷く。村人の英雄とは言え、法は法だ。国の安全を守る者として素性の分からない人物を自由にするわけにはいかない。
「不法入国をするような奴に心当たりはないが……わかった、会ってみよう」
「ありがとう。今は怪我の治療でフジの所にいるから尋ねてくれ」
「了解した。それで、その人物の名前は?」
シオンは報告書に目を通して名を教える。そして、オウカは告げられたその名前に驚くのだった。
「アキレアというそうだよ」
騎士団長と言う立場のため、補佐する者も多く抱えてはいるが、最終的な判断を王や大臣らに委ねる必要のある案件も多く、それらに謁見できる立場にある者は少ないことから、必然的にシオンの業務が増えてしまうのだ。
「シオン、少しいいか?」
「ああ、オウカか。入ってくれ」
次々と差し出される書類への署名を続ける中、扉がノックされる。馴染みのある声に少しばかり余裕を取り戻したシオンは、疲れていた体を伸ばし、入室を促した。
「シオン団長、キッカ=ラペーシュ=フロスファミリア入ります!」
「同じくレンカ=ロータス=フロスファミリア。参上しました」
キッカとレンカを伴い、オウカが部屋に入る。手を止めて、シオンは三人を出迎えた。
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「は、はい……ですけど、公私の区別はつけるべきと思いまして」
「僕としては昔みたいに“シオンさん”と呼んでもらっても構わないんだけどね」
幼馴染であり、騎士団の要として会う機会の多いオウカはいつもと変わらぬ態度だが、まだ従騎士のキッカたちは騎士団のトップを前に緊張した面持ちだった。
「あまり団長が気さくすぎると部下にも示しがつかないぞ、シオン」
「はあ……立場というのは厄介だね。友人と気楽に話すのも難しい。どうだいオウカ、替わってみる気はないかい?」
「フッ、丁重にお断りさせていただく。今の王国騎士団はお前無しに成り立たんさ」
そう言われてしまえばシオンは謙遜のしようもない。そもそも本気で譲る気もないことをオウカは分かっていた。
そして、シオンは打ち合わせがあると言い、副官たちを退室させた。
「しかし忙しいことだな」
「収穫の時期や戦時中に比べればマシな方さ。だけど最近、特に忙しくなって来てね」
先程署名したばかりの書類を取り、オウカに差し出す。
「先日王国に避難してきた東の民の受け入れで大忙しさ」
「村が一つ壊滅した一件か……襲撃は魔族の手によるものと聞いているが?」
「ああ、もう情報は入っていたんだね。それなら話は早い」
シオンは壁にかかった地図に目を向ける。王国内の都市や城、砦などの拠点の位置が記載されているものだ。その東の地域を示して言う。
「現れた魔族は東の古城を拠点にしているみたいだ。この方角からやって来たと生き残った村人たちから証言を得ている」
「山中にある古城か。確か土地もあまり豊かでないことから長らく統治する者が不在だった土地だったな」
「お陰で魔族が棲みついているのを気づけず、今回の事態を招いてしまった。マリーちゃんが連れ去られたのは僕らの怠慢が招いたことでもある、すまない」
謝罪するシオンにオウカは頭を振って答える。
「お前が謝罪する必要はないさ。統治する側にも事情がある。マリーが連れ去られたのは私たちに力が足りなかったせいだ」
「マリーちゃんの行方はこちらも全力で捜すことを約束する。その為にも、現れた魔族がこの件に関わりがあるか確認する必要があると思うんだ」
魔族は人間に比べて強大な力を持ち合わせている代わりに、その数は極端に少ない。以前の魔王軍のように組織として動いていない限り、同じ時期に何人もの魔族が国内で活動することは非常に珍しいと言える。
「ちょうど今、ドラセナを中心に偵察部隊を編成している所だ。マリーちゃんを発見したらすぐに連絡するようにしておく」
「それでしたら、私も参加させて下さい、シオン団長!」
立場上、控えていたキッカが突如沈黙を破り、二人の間に割り込むように歩み出た。
「オウカ様やトウカ様が傷ついているのに、これ以上、王都で待っているなんて私にはできません……だから、お願いします。私に、マリーを助けるお手伝いをさせてください!」
その拳が強く握られていた、マリーが連れ去られ、思い出の詰まった家も燃え、塞ぎ込んだトウカと、それを必死に支えようとしたオウカ。二人が辛い思いをしている時に自分は見ていることしかできなかった。その悔しさは誰よりも強かった。
そして、そんな気持ちは彼女も同じだった。続いてレンカも前に出て頭を下げた。
「マリーを捜すのであれば、私も志願いたします。ドラセナ隊長以外にも事情に詳しい者がいるべきかと」
「……お前たち」
「勝手なことを言って申し訳ありません、オウカ様。でも、私……」
「いや、よく言ってくれた。シオン、しばらく私は動けなくなる。この子達を任せてもいいか?」
「どういうことだい?」
「マリーを取り戻すため、私はこれからしばらく剣と魔術の修行に入る。今日ここに来たのはそのことの報告と、その間この子たちをお前に頼もうと思ってな」
キッカとレンカが背筋を伸ばし、恭しく頭を下げる。
「……事情が事情だ、騎士団としても戦力が充実するに越したことはない。了解したよ、二人にも早速偵察部隊に入ってもらえるよう取り計らっておく」
「すまんな、シオン」
「いいさ。決戦の時には君の力も必要になると思う。その時にしっかり働いてもらうよ」
「ああ、私の方はそこまで長い時間を費やす予定はない。早くに仕上げておくさ」
「私の方は……と言うことは、トウカも一緒かい?」
唇の端を吊り上げて、オウカは自信に満ちた目でこくりと頷いた。
「ああ、今も父上にしごかれているはずだ。この数日、あいつはフロスファミリアの正統な剣技が当主直々に叩きこまれているよ」
トウカの剣技はベースがフロスファミリアのものだが、体得した技のほとんどは家を出てから独自の修行で完成させた我流のものだ。型の決まっていない自由な剣技と言えば聞こえはいいが、正統な家の剣技に比べれば粗が目立つ。
あくまでも一般人、正統な後継者ではない立場であるからこそ、あえて手を入れる必要も無かったのだが、マリーを救い出すため、魔族に負けないためにも彼女は自らの力に修正を加えることを選んだのだ。
「戦いを好まんあいつがそこまでするんだ。私もその思いに報いてやらなくてはな」
「母親も大変だね」
「茶化すな、馬鹿者」
「いや、感心しているのさ。君たちはマリーちゃんの母親になってとても強くなったと思う。今にして思えば、五年前に君に負けたのも納得いくよ」
シオンの言葉にキッカとレンカが驚きの眼差しでオウカを見る。キッカたちが巻き込まれたかつての事件の中でオウカとシオンが交戦したことを知る者は少ない。
王国最強と謳われるオウカだが、その一方でシオンもまた史上最強の騎士団長と誉れ高い。この二人が戦えばどちらが上かと言う話は国内でも上位の関心事だ。
「何を言うシオン、あれは引き分けだ。むしろ、私が負けていたと言えるくらいだ」
「そう言うことにしておくよ……そうだ、修行の前に一つだけ仕事をお願いしてもいいかな?」
「それは構わんが、何かあったのか?」
「避難民の中に君かトウカに会いたいと言う人がいてね」
オウカは首を傾げる。彼女が知る限り、東の地域に知り合いはいない。今回の件に関する情報提供ならば騎士団かシオンに報告が行くはずだ。オウカだけでなく騎士団に所属していないトウカも指名していることから、個人的な面会を求めていることが伺える。
「この国の者ではないみたいだ。数日前に酷い怪我をして倒れていた所を村人たちに助けられた旅人らしい」
話によれば彼が魔族の襲来をいち早く察知したことで多くの人が助かったそうだ。村が全滅しなかったのは彼のお陰と言える。
「本来なら感謝したいところなんだけど、身分を証明する物も関所の通行証も持っていなくて、どこの誰なのか、いつこの国に入ったのかもわからないんだ」
「不法入国というわけか」
シオンは頷く。村人の英雄とは言え、法は法だ。国の安全を守る者として素性の分からない人物を自由にするわけにはいかない。
「不法入国をするような奴に心当たりはないが……わかった、会ってみよう」
「ありがとう。今は怪我の治療でフジの所にいるから尋ねてくれ」
「了解した。それで、その人物の名前は?」
シオンは報告書に目を通して名を教える。そして、オウカは告げられたその名前に驚くのだった。
「アキレアというそうだよ」
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