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第二章「王国の五大騎士家」
第28話 復讐の炎
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炎上するグラキリスの屋敷の中は、混乱の極致にあった。
突如起きた爆発。あっという間に火は燃え広がり屋敷を包む。
そして――。
「に、逃げろお!」
「馬鹿者。主人を置いて逃げるとは何事か!」
悲鳴を上げて護衛の騎士たちが逃げ惑う。
既に守るべき主人を置いて屋敷の外へ飛び出した者もいた。
彼らの前にはゆっくりと歩を進める襲撃者がいた。
剣を握る腕をだらりと下げ、幽鬼のように炎上する廊下を歩いてくる。
すぐ傍で燃えている火を物ともしていない様子だった。
「……ああ、聞いた通りだ」
腰を抜かす諸侯を前に、襲撃者は口を開いた。
「グーズベリー卿にゲンティウス卿……アジアンタム卿、コリウス卿……かつて勢力を誇った家の家長が勢ぞろいだ」
一際炎が強く燃え上がる。
その明かりに照らされて、襲撃者の顔を全員が認めた。
「き、騎士団長シオン……」
「こやつ……本当にあのアスターの小倅か……」
サンスベリアが驚愕の眼差しで彼を見た。
殺意を漲らせ、立ちはだかる物を蹴散らしながら進むその姿は城で見る彼とは明らかに違う。
「……兄さんを殺したのは誰だ?」
眼の合った者の顔が恐怖に引きつる。
炎の中でありながら寒気が走るほど、その視線はあまりにも冷たかった。
「ら、乱心じゃ! 彼奴は乱心している。討ち取れ!」
「そうだ。望みの物は何でもやるぞ!」
腰を抜かしながらも他の諸侯らも部下に命令を飛ばす。
護衛の騎士たちは身を奮い立たせ、シオンに斬りかかる。
「邪魔をするな……」
剣が一閃し、相手の剣が折れる。
そして、続けざまに剣を逆方向に薙ぐ。
鎧を砕き、相手が吹き飛んだ。
直後、後方から殺気を感じたシオンは剣を上に構える。
硬い音と共に二振りの剣が受け止められた。
その反応と攻撃予測に相手が驚くが、シオンはそのまま上から押されて動きを封じられてしまう。
その周囲に護衛の騎士たちが迫る。
「術式展開――――『纏化』」
シオンが呟く。
すると、突如足元で燃える炎が異様な揺らめきを見せ、宙にその先端を延ばす。
瞬く間に何重もの炎の渦となり、シオンを中心に廻り出す。
「ぎゃあああ!」
「熱い! 何で炎が⁉」
その炎が燃え上がる。
シオンを抑えていた二人の男に襲い掛かり、焼かれた男たちは転がってのたうち回る。
「ぜ、全員でかかれ!」
「そうだ。一度にかかればいくら奴でも!」
残る騎士達がシオンを囲む。
果たして彼らは主人の悪行を知っての行動なのか、それとも何も知らず忠義立てしているだけなのか。
――だが、そんな事はシオンには関係の無いことだ。
「邪魔をするなと言っているだろう……」
シオンが剣を天に掲げる。
「術式展開――――『圧縮』」
周囲に展開していた炎の渦がほどけ、剣の先に集って行く。
炎は集いて火球となり、炎を吸収するほどにその大きさを増していく。
「な、何を見ている。早く仕留めろ!」
主人の声に騎士たちが一斉に躍りかかる。
だが、その前にシオンの技は完成していた。
「――天昴烈火」
シオンが剣を振り下ろす。
火球が床に叩きつけられ、魔力によって圧縮された炎が解放される。
「うわああああ!!!」
解き放たれた力は放射状に広がり、シオンを爆心地に全てを吹き飛ばす。
爆風が収まった時、シオンだけが火の海の中で佇んでいた。
威力は調整していたお陰で死人は出ていない。
だが、満足に動ける者は誰もいなかった。
「化け物かよ、アンタ」
フロアに立ち込める煙を突き破り、何かが飛んでくる。
シオンは咄嗟に剣で弾き落とす。
足元に落ちたそれは、どこかで見た覚えのある短剣だった。
「もらった!」
短剣に気を取られた一瞬の隙を突き、シオンに何者かが迫る。
シオンは剣を振るうが、遅れた反応で繰り出されたその剣閃を掻い潜り、相手はすれ違い様に何かを振りまいた。
「これは……」
粉状の物がシオンの周りに漂い、突如襲う脱力感にシオンが膝をつく。
「いくらアンタでも効くみたいだな」
勝ち誇った顔でジョン=ウォートが振り向いた。
「こいつは『睡眠』の術式を結晶化させた物だ。撒けば術式を発動させたのと同じ効果がある」
ウォート家の秘術である『晶結』。
魔法も魔術も基本的に、その場で魔力を展開して発動させることが主な運用法となっているが、ウォート家はその魔力の結晶化・保存に成功した家だった。
魔術研究の黎明期に、術式を固定・保存することが可能なこの技術は家の繁栄に大いに貢献した。
だが、複雑な術式ほど結晶化することは非常に困難であり、各家の秘術たる魔術がそう提供される訳もなく、魔術の研究が進むにつれてその技術の有用性が失われていった。
そして魔王との戦いが長期化し、戦闘技術に劣ったウォート家は新興勢力のフロスファミリア家にその地位を奪われたのだった。
「さて、こいつでアスター家も終わりだな」
ジョンが短剣を抜き放つ。
霞む視界を堪えながらシオンは剣を支えに立ち上がろうとする。
だが、その様子を滑稽に思ったジョンが嘲笑う。
「ははは! まさか兄弟そろって同じ死に方になるなんてな」
その言葉は決定的な一言だった。
「お前か……」
「あ?」
見覚えのある短剣。
それは、兄の胸に突き刺さっていたものと同じ意匠。
「お前が兄さんを……」
相手を眠らせて無力化させることのできる術式。
それは、王国最強とも言われた兄を無抵抗で殺害せしめた力。
「お前が殺したのかああああ!」
シオンの絶叫が響き渡る。
怒りと共に魔力が吹き出し、術式が展開する。
周囲の炎が反応し、シオンに集い来る。
爆発的に燃え上がり、周りに漂う術式の結晶を一瞬で燃やし尽くした。
「おいおい嘘だろ⁉」
「見つけた……やっと見つけた」
そして、炎に包まれながらシオンが歩み出す。
「ちっ!」
炎を纏った剣が振り下ろされる。
ジョンは剣を抜き、それを受け止める。
だが次の瞬間、シオンの周囲に展開する炎が蠢き、ジョンに襲い掛かった。
「うわあああ⁉」
顔めがけて伸びた炎は目を襲う。
突如視界を奪われ、焼かれる熱さと痛みで剣も落としてジョンは悶絶する。
「目が……目が!」
「あの世で兄に詫びろ……」
「ひっ⁉」
冷めきった声が投げかけられる。
目を潰されたジョンにはシオンの位置は最早掴みようがない。
だが、その表情は容易に想像ができた。
「や……やめろ……やめろ!」
床に這いつくばりながら助けを求めて逃げ回る。
だが、すぐに行き止まりに突き当たる。
自分が壁に向かって逃げていたことを、ジョンはようやく悟った。
「お、俺は悪くない! 兄貴が、兄貴がやれって言ったんだ!」
迫る足音にジョンの恐怖が頂点に達する。
周囲の瓦礫を手当たり次第に掴んでは暗闇へと投げ続ける。
だが、シオンの位置がわからないためにいずれも的外れな方向へと飛んでいく。
「……こんな奴に兄さんが……」
その見苦しさはシオンの怒りをさらに煽った。
怒りに震える手を剣に添え、両手で振り被る。
「うわああああっ!」
「うわあーっ!」
怒りと憎しみと悔しさと悲しみ。
何もかもがごちゃ混ぜになって、剣が振り下ろされた——。
「術式展開――――『加速』」
その刹那、二人の間に影が飛び込む。
剣を振り上げ、シオンの剣をジョンの眼前で受け止める。
歯を食いしばり、彼女は全力の一撃を受け止めた衝撃を堪える。
「そこまでだ」
「オウカ……っ⁉」
止めたのはオウカだった。
「……もう、やめろシオン」
再会した友は、悲しげな表情でシオンを見つめていた。
突如起きた爆発。あっという間に火は燃え広がり屋敷を包む。
そして――。
「に、逃げろお!」
「馬鹿者。主人を置いて逃げるとは何事か!」
悲鳴を上げて護衛の騎士たちが逃げ惑う。
既に守るべき主人を置いて屋敷の外へ飛び出した者もいた。
彼らの前にはゆっくりと歩を進める襲撃者がいた。
剣を握る腕をだらりと下げ、幽鬼のように炎上する廊下を歩いてくる。
すぐ傍で燃えている火を物ともしていない様子だった。
「……ああ、聞いた通りだ」
腰を抜かす諸侯を前に、襲撃者は口を開いた。
「グーズベリー卿にゲンティウス卿……アジアンタム卿、コリウス卿……かつて勢力を誇った家の家長が勢ぞろいだ」
一際炎が強く燃え上がる。
その明かりに照らされて、襲撃者の顔を全員が認めた。
「き、騎士団長シオン……」
「こやつ……本当にあのアスターの小倅か……」
サンスベリアが驚愕の眼差しで彼を見た。
殺意を漲らせ、立ちはだかる物を蹴散らしながら進むその姿は城で見る彼とは明らかに違う。
「……兄さんを殺したのは誰だ?」
眼の合った者の顔が恐怖に引きつる。
炎の中でありながら寒気が走るほど、その視線はあまりにも冷たかった。
「ら、乱心じゃ! 彼奴は乱心している。討ち取れ!」
「そうだ。望みの物は何でもやるぞ!」
腰を抜かしながらも他の諸侯らも部下に命令を飛ばす。
護衛の騎士たちは身を奮い立たせ、シオンに斬りかかる。
「邪魔をするな……」
剣が一閃し、相手の剣が折れる。
そして、続けざまに剣を逆方向に薙ぐ。
鎧を砕き、相手が吹き飛んだ。
直後、後方から殺気を感じたシオンは剣を上に構える。
硬い音と共に二振りの剣が受け止められた。
その反応と攻撃予測に相手が驚くが、シオンはそのまま上から押されて動きを封じられてしまう。
その周囲に護衛の騎士たちが迫る。
「術式展開――――『纏化』」
シオンが呟く。
すると、突如足元で燃える炎が異様な揺らめきを見せ、宙にその先端を延ばす。
瞬く間に何重もの炎の渦となり、シオンを中心に廻り出す。
「ぎゃあああ!」
「熱い! 何で炎が⁉」
その炎が燃え上がる。
シオンを抑えていた二人の男に襲い掛かり、焼かれた男たちは転がってのたうち回る。
「ぜ、全員でかかれ!」
「そうだ。一度にかかればいくら奴でも!」
残る騎士達がシオンを囲む。
果たして彼らは主人の悪行を知っての行動なのか、それとも何も知らず忠義立てしているだけなのか。
――だが、そんな事はシオンには関係の無いことだ。
「邪魔をするなと言っているだろう……」
シオンが剣を天に掲げる。
「術式展開――――『圧縮』」
周囲に展開していた炎の渦がほどけ、剣の先に集って行く。
炎は集いて火球となり、炎を吸収するほどにその大きさを増していく。
「な、何を見ている。早く仕留めろ!」
主人の声に騎士たちが一斉に躍りかかる。
だが、その前にシオンの技は完成していた。
「――天昴烈火」
シオンが剣を振り下ろす。
火球が床に叩きつけられ、魔力によって圧縮された炎が解放される。
「うわああああ!!!」
解き放たれた力は放射状に広がり、シオンを爆心地に全てを吹き飛ばす。
爆風が収まった時、シオンだけが火の海の中で佇んでいた。
威力は調整していたお陰で死人は出ていない。
だが、満足に動ける者は誰もいなかった。
「化け物かよ、アンタ」
フロアに立ち込める煙を突き破り、何かが飛んでくる。
シオンは咄嗟に剣で弾き落とす。
足元に落ちたそれは、どこかで見た覚えのある短剣だった。
「もらった!」
短剣に気を取られた一瞬の隙を突き、シオンに何者かが迫る。
シオンは剣を振るうが、遅れた反応で繰り出されたその剣閃を掻い潜り、相手はすれ違い様に何かを振りまいた。
「これは……」
粉状の物がシオンの周りに漂い、突如襲う脱力感にシオンが膝をつく。
「いくらアンタでも効くみたいだな」
勝ち誇った顔でジョン=ウォートが振り向いた。
「こいつは『睡眠』の術式を結晶化させた物だ。撒けば術式を発動させたのと同じ効果がある」
ウォート家の秘術である『晶結』。
魔法も魔術も基本的に、その場で魔力を展開して発動させることが主な運用法となっているが、ウォート家はその魔力の結晶化・保存に成功した家だった。
魔術研究の黎明期に、術式を固定・保存することが可能なこの技術は家の繁栄に大いに貢献した。
だが、複雑な術式ほど結晶化することは非常に困難であり、各家の秘術たる魔術がそう提供される訳もなく、魔術の研究が進むにつれてその技術の有用性が失われていった。
そして魔王との戦いが長期化し、戦闘技術に劣ったウォート家は新興勢力のフロスファミリア家にその地位を奪われたのだった。
「さて、こいつでアスター家も終わりだな」
ジョンが短剣を抜き放つ。
霞む視界を堪えながらシオンは剣を支えに立ち上がろうとする。
だが、その様子を滑稽に思ったジョンが嘲笑う。
「ははは! まさか兄弟そろって同じ死に方になるなんてな」
その言葉は決定的な一言だった。
「お前か……」
「あ?」
見覚えのある短剣。
それは、兄の胸に突き刺さっていたものと同じ意匠。
「お前が兄さんを……」
相手を眠らせて無力化させることのできる術式。
それは、王国最強とも言われた兄を無抵抗で殺害せしめた力。
「お前が殺したのかああああ!」
シオンの絶叫が響き渡る。
怒りと共に魔力が吹き出し、術式が展開する。
周囲の炎が反応し、シオンに集い来る。
爆発的に燃え上がり、周りに漂う術式の結晶を一瞬で燃やし尽くした。
「おいおい嘘だろ⁉」
「見つけた……やっと見つけた」
そして、炎に包まれながらシオンが歩み出す。
「ちっ!」
炎を纏った剣が振り下ろされる。
ジョンは剣を抜き、それを受け止める。
だが次の瞬間、シオンの周囲に展開する炎が蠢き、ジョンに襲い掛かった。
「うわあああ⁉」
顔めがけて伸びた炎は目を襲う。
突如視界を奪われ、焼かれる熱さと痛みで剣も落としてジョンは悶絶する。
「目が……目が!」
「あの世で兄に詫びろ……」
「ひっ⁉」
冷めきった声が投げかけられる。
目を潰されたジョンにはシオンの位置は最早掴みようがない。
だが、その表情は容易に想像ができた。
「や……やめろ……やめろ!」
床に這いつくばりながら助けを求めて逃げ回る。
だが、すぐに行き止まりに突き当たる。
自分が壁に向かって逃げていたことを、ジョンはようやく悟った。
「お、俺は悪くない! 兄貴が、兄貴がやれって言ったんだ!」
迫る足音にジョンの恐怖が頂点に達する。
周囲の瓦礫を手当たり次第に掴んでは暗闇へと投げ続ける。
だが、シオンの位置がわからないためにいずれも的外れな方向へと飛んでいく。
「……こんな奴に兄さんが……」
その見苦しさはシオンの怒りをさらに煽った。
怒りに震える手を剣に添え、両手で振り被る。
「うわああああっ!」
「うわあーっ!」
怒りと憎しみと悔しさと悲しみ。
何もかもがごちゃ混ぜになって、剣が振り下ろされた——。
「術式展開――――『加速』」
その刹那、二人の間に影が飛び込む。
剣を振り上げ、シオンの剣をジョンの眼前で受け止める。
歯を食いしばり、彼女は全力の一撃を受け止めた衝撃を堪える。
「そこまでだ」
「オウカ……っ⁉」
止めたのはオウカだった。
「……もう、やめろシオン」
再会した友は、悲しげな表情でシオンを見つめていた。
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