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第二章「王国の五大騎士家」
第17話 友達をはじめよう
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街外れの道を馬車は走っていた。
その中で緊張した面持ちでエリカは座っている。
「カルミアさん。ルルディ先生ってどんな方ですか?」
大好きな物語の作者に会えるとカルミアから教えられて数日、エリカは緊張と興奮でなかなか寝られなかった。
何を話そうか。どんなことを言おうか。
そもそも先生はどんな人物なのだろうか。
そんなことばかりが頭の中でぐるぐる回っていた。
「とても明るくて気さくな方ですよ」
「そ、そうですか」
手元にある本を胸に抱え込む。
ルルディ=ファミーユの著作の中でも特にお気に入りのものだ。
一緒に手紙も用意した。上手く喋れないかもしれないと思い、思いの丈を綴ったものだ。
深呼吸をして気持ちを落ち着ける。
「着いたようですね」
ドクンと心臓が跳ねた。
エリカは馬車を降りる。
ルルディ=ファミーユの家は森の側、草原が広がるのどかな雰囲気の中にあった。
たぶん春になれば色とりどりの花が咲き乱れる場所なのだろう。
そんな時期には一度訪れてみたいとエリカは思った。
家のドアの前に立つ。いよいよ対面の時が迫り、再びエリカの鼓動が大きくなる。
「カルミアです。ただいま到着しました」
ドアをノックしてカルミアが到着を告げる。
家の中から足音が近づいてくる。
息をのむ。鍵が外され、中から一人の人物が顔を見せた。
「こんばんはカルミアさん。お待ちしていました」
「いえ、ルルディ先生。本日はお招きいただき、ありがとうございます」
カルミアと笑顔で挨拶を交わす女性。
予想よりもずっと若い。カルミアよりも年下のようだ。
「え……あ……」
そして、エリカはその顔に見覚えがあった。
いや、その顔を知らないものなどこの国にいるのだろうか。
「あなたがエリカちゃんね。こんばんは」
ルルディ=ファミーユと思われる人物がエリカに笑顔を向けた。
エリカはと言うと、緊張をはるかに超えて驚きで言葉を失っていた。
「初めまして、ルルディ=ファミーユこと、トウカ=フロスファミリアです」
英雄トウカ。この年に行われた魔王討伐戦において王国騎士の姉、オウカ=フロスファミリアとともに魔王を討伐した英雄の一人。
「は、初めまして。エリカ=グラキリスです!」
緊張のあまり声が上ずってしまった。
練習していた挨拶も驚きでぎこちないものになっていた。
「カ、カルミアさん。英雄トウカ様がルルディ先生だったんですか!?」
「ええ。私も最初知った時は驚きました」
エリカにとってトウカ=フロスファミリアはルルディ=ファミーユに匹敵するほどの憧れの人物だ。
祖父の手前、公にするのは憚られたがフロスファミリア姉妹の英雄譚は色んな所で語られている。
その戦いの凄まじさ、戦いの中で一人の少女を救い出したことなど、憧れていた冒険物語のような話が現実に行われたことに胸を躍らせた。
その憧れの人物が同じ人物だったという事実はエリカにとっては大いに衝撃を受けることだった。
「あまり緊張しないで。こっちも緊張しちゃうから」
「は、はい。失礼しました!」
ガチガチになりながら、促されるままに家へと入る。
その中では、さらなる驚きがエリカを待っていた。
「あ、エリカだー!」
一人の少女がエリカと目が合うや否や、満面の笑顔で駆け寄ってきたのだ。
「マ、マリー!?」
先日、一方的に別れを告げた初めての友達、マリーだった。
「どうしてここに……まさか!?」
エリカはカルミアを見る。
「ああ、偶然ですねえ。まさかルルディ先生のお子さんがマリーさんだったなんて」
「ええ、私もびっくりしちゃった」
わざとらしくトウカとカルミアが言う。
元々これが狙いだったのだとエリカも気づいた。
「で、でもおじいさまの言いつけが……」
「気にする必要はないのではないでしょうか。だってマリーさんはルルディ=ファミーユ先生のお子さんなんですから」
「あ……」
フロスファミリアの者と関わってはいけないとは言われたが、作家ルルディ=ファミーユとは親交を深めることを勧められた。
本来ならこれは相反することではない。
「……おじいさまに知られたらただじゃすみませんよ?」
「その時は私がお叱りを受ければいいだけのことですよ」
「もう……」
「エリカ、何の話をしてるの?」
「ううん、何でもないんの。それより……この前はごめんね」
マリーの手を取り、頭を下げる。
「いいよ。それより、今日はいっぱい遊ぼうね」
「マリー……うん、遊ぼう!」
この間の態度は恨みの一言を言われても仕方ない。
だが、マリーはそんなことは気にせず、エリカが家に来てくれたこと自体を喜んでいた。
「ありがとうございます。カルミアさん。それと……ルルディ先生」
カルミアたちの思惑にまんまとはまってしまったことは悔しいが、マリーと再び会えたこと、仲直りできたことに嬉しさが込み上げていた。
「あ、来た来た」
トウカが窓の外を見て何かに気づく。
どうやらもう一人この家に訪れたらしい。
「すまない。今日は道に人が多くてな。遅くなった」
「え、英雄オウカ様!?」
唐突なオウカの登場に、エリカも驚きの声をあげてしまった。
「ああ、君がグラキリスの令嬢か。ようこそ、歓迎する」
遠目でしか見たことがなかった王国最強ともいわれる女性騎士。
この国の女性の憧れの的である人物が自分の前にいる。
「う……うきゅ~……」
「わああ、エリカー!?」
あまりに一度に驚きと喜びが重なりすぎたことで、遂にエリカが限界を迎えてしまった。
目を回してしまったエリカと、それを支えようとして悪戦苦闘しているマリーを見て、その場にいるものはつい笑みをこぼしてしまった。
楽しかったパーティも終わり、夜も遅い時間になった。
たっぷりと友達と遊び、美味しい料理を食べたエリカは、帰る頃には晴れやかな笑顔を見せていた。
「お料理、とても美味しかったです」
「ありがとう。また、マリーと遊んであげてね」
「はい。“ルルディ先生”のお子さんとならおじいさまも許してくださいますから」
その胸元には、トウカことルルディ=ファミーユ直筆のサインがされた本が抱えられていた。
「ふふ。これからも応援よろしくね」
「はい! マリーもまたね」
「うん、またねー!」
手を振りながら迎えの馬車に乗り込んだエリカにマリーも手を振り続ける。
馬車が動き出し、やがて見えなくなるまでマリーは彼女を見送っていた。
「マリー、体を冷やすといけない。そろそろ中に入ろう」
「うん。えへへ……」
オウカの呼びかけにマリーは頷く。
その顔は終始緩んだままだ。
よっぽど友達と一緒に遊べたことが嬉しかったのだろう。
「オウカ。あれ、騎士団の人じゃない?」
トウカが家に向かって近づいてくる影を見つけた。
家の明かりに照らされ、その姿が見えてくる。
騎士がトウカの家で馬を止めた。
「お帰りになられたばかりで申し訳ありません部隊長。すぐに国境の砦までお越し下さい」
「何があった」
騎士団がわざわざ家まで訪ねて来るとなればただ事ではない。
よほど重大な事態であることを察したオウカは、すぐに騎士の顔に戻る。
「シオン騎士団長から火急の知らせです……ですが、その……」
騎士はトウカとマリーの姿を見て言葉に詰まる。
救国の英雄とはいえトウカは一般人。
下手に機密になり得る情報を告げる訳にいかなかった。
「構わん、私の家族だ。口外はさせん」
「はっ……実は……」
緊張した面持ちで騎士は語り始める。
告げられた情報に、トウカとオウカは耳を疑った。
「魔物に国境が破られました」
その中で緊張した面持ちでエリカは座っている。
「カルミアさん。ルルディ先生ってどんな方ですか?」
大好きな物語の作者に会えるとカルミアから教えられて数日、エリカは緊張と興奮でなかなか寝られなかった。
何を話そうか。どんなことを言おうか。
そもそも先生はどんな人物なのだろうか。
そんなことばかりが頭の中でぐるぐる回っていた。
「とても明るくて気さくな方ですよ」
「そ、そうですか」
手元にある本を胸に抱え込む。
ルルディ=ファミーユの著作の中でも特にお気に入りのものだ。
一緒に手紙も用意した。上手く喋れないかもしれないと思い、思いの丈を綴ったものだ。
深呼吸をして気持ちを落ち着ける。
「着いたようですね」
ドクンと心臓が跳ねた。
エリカは馬車を降りる。
ルルディ=ファミーユの家は森の側、草原が広がるのどかな雰囲気の中にあった。
たぶん春になれば色とりどりの花が咲き乱れる場所なのだろう。
そんな時期には一度訪れてみたいとエリカは思った。
家のドアの前に立つ。いよいよ対面の時が迫り、再びエリカの鼓動が大きくなる。
「カルミアです。ただいま到着しました」
ドアをノックしてカルミアが到着を告げる。
家の中から足音が近づいてくる。
息をのむ。鍵が外され、中から一人の人物が顔を見せた。
「こんばんはカルミアさん。お待ちしていました」
「いえ、ルルディ先生。本日はお招きいただき、ありがとうございます」
カルミアと笑顔で挨拶を交わす女性。
予想よりもずっと若い。カルミアよりも年下のようだ。
「え……あ……」
そして、エリカはその顔に見覚えがあった。
いや、その顔を知らないものなどこの国にいるのだろうか。
「あなたがエリカちゃんね。こんばんは」
ルルディ=ファミーユと思われる人物がエリカに笑顔を向けた。
エリカはと言うと、緊張をはるかに超えて驚きで言葉を失っていた。
「初めまして、ルルディ=ファミーユこと、トウカ=フロスファミリアです」
英雄トウカ。この年に行われた魔王討伐戦において王国騎士の姉、オウカ=フロスファミリアとともに魔王を討伐した英雄の一人。
「は、初めまして。エリカ=グラキリスです!」
緊張のあまり声が上ずってしまった。
練習していた挨拶も驚きでぎこちないものになっていた。
「カ、カルミアさん。英雄トウカ様がルルディ先生だったんですか!?」
「ええ。私も最初知った時は驚きました」
エリカにとってトウカ=フロスファミリアはルルディ=ファミーユに匹敵するほどの憧れの人物だ。
祖父の手前、公にするのは憚られたがフロスファミリア姉妹の英雄譚は色んな所で語られている。
その戦いの凄まじさ、戦いの中で一人の少女を救い出したことなど、憧れていた冒険物語のような話が現実に行われたことに胸を躍らせた。
その憧れの人物が同じ人物だったという事実はエリカにとっては大いに衝撃を受けることだった。
「あまり緊張しないで。こっちも緊張しちゃうから」
「は、はい。失礼しました!」
ガチガチになりながら、促されるままに家へと入る。
その中では、さらなる驚きがエリカを待っていた。
「あ、エリカだー!」
一人の少女がエリカと目が合うや否や、満面の笑顔で駆け寄ってきたのだ。
「マ、マリー!?」
先日、一方的に別れを告げた初めての友達、マリーだった。
「どうしてここに……まさか!?」
エリカはカルミアを見る。
「ああ、偶然ですねえ。まさかルルディ先生のお子さんがマリーさんだったなんて」
「ええ、私もびっくりしちゃった」
わざとらしくトウカとカルミアが言う。
元々これが狙いだったのだとエリカも気づいた。
「で、でもおじいさまの言いつけが……」
「気にする必要はないのではないでしょうか。だってマリーさんはルルディ=ファミーユ先生のお子さんなんですから」
「あ……」
フロスファミリアの者と関わってはいけないとは言われたが、作家ルルディ=ファミーユとは親交を深めることを勧められた。
本来ならこれは相反することではない。
「……おじいさまに知られたらただじゃすみませんよ?」
「その時は私がお叱りを受ければいいだけのことですよ」
「もう……」
「エリカ、何の話をしてるの?」
「ううん、何でもないんの。それより……この前はごめんね」
マリーの手を取り、頭を下げる。
「いいよ。それより、今日はいっぱい遊ぼうね」
「マリー……うん、遊ぼう!」
この間の態度は恨みの一言を言われても仕方ない。
だが、マリーはそんなことは気にせず、エリカが家に来てくれたこと自体を喜んでいた。
「ありがとうございます。カルミアさん。それと……ルルディ先生」
カルミアたちの思惑にまんまとはまってしまったことは悔しいが、マリーと再び会えたこと、仲直りできたことに嬉しさが込み上げていた。
「あ、来た来た」
トウカが窓の外を見て何かに気づく。
どうやらもう一人この家に訪れたらしい。
「すまない。今日は道に人が多くてな。遅くなった」
「え、英雄オウカ様!?」
唐突なオウカの登場に、エリカも驚きの声をあげてしまった。
「ああ、君がグラキリスの令嬢か。ようこそ、歓迎する」
遠目でしか見たことがなかった王国最強ともいわれる女性騎士。
この国の女性の憧れの的である人物が自分の前にいる。
「う……うきゅ~……」
「わああ、エリカー!?」
あまりに一度に驚きと喜びが重なりすぎたことで、遂にエリカが限界を迎えてしまった。
目を回してしまったエリカと、それを支えようとして悪戦苦闘しているマリーを見て、その場にいるものはつい笑みをこぼしてしまった。
楽しかったパーティも終わり、夜も遅い時間になった。
たっぷりと友達と遊び、美味しい料理を食べたエリカは、帰る頃には晴れやかな笑顔を見せていた。
「お料理、とても美味しかったです」
「ありがとう。また、マリーと遊んであげてね」
「はい。“ルルディ先生”のお子さんとならおじいさまも許してくださいますから」
その胸元には、トウカことルルディ=ファミーユ直筆のサインがされた本が抱えられていた。
「ふふ。これからも応援よろしくね」
「はい! マリーもまたね」
「うん、またねー!」
手を振りながら迎えの馬車に乗り込んだエリカにマリーも手を振り続ける。
馬車が動き出し、やがて見えなくなるまでマリーは彼女を見送っていた。
「マリー、体を冷やすといけない。そろそろ中に入ろう」
「うん。えへへ……」
オウカの呼びかけにマリーは頷く。
その顔は終始緩んだままだ。
よっぽど友達と一緒に遊べたことが嬉しかったのだろう。
「オウカ。あれ、騎士団の人じゃない?」
トウカが家に向かって近づいてくる影を見つけた。
家の明かりに照らされ、その姿が見えてくる。
騎士がトウカの家で馬を止めた。
「お帰りになられたばかりで申し訳ありません部隊長。すぐに国境の砦までお越し下さい」
「何があった」
騎士団がわざわざ家まで訪ねて来るとなればただ事ではない。
よほど重大な事態であることを察したオウカは、すぐに騎士の顔に戻る。
「シオン騎士団長から火急の知らせです……ですが、その……」
騎士はトウカとマリーの姿を見て言葉に詰まる。
救国の英雄とはいえトウカは一般人。
下手に機密になり得る情報を告げる訳にいかなかった。
「構わん、私の家族だ。口外はさせん」
「はっ……実は……」
緊張した面持ちで騎士は語り始める。
告げられた情報に、トウカとオウカは耳を疑った。
「魔物に国境が破られました」
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