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第二章「王国の五大騎士家」
第15話 初めての友達
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「しつれいしましたー」
マリーははっきりとした言葉で挨拶をし、検査室を退室する。
オウカから教わったとおりに、一つ一つの所作に気を付けて扉を閉める。
「つかれた……」
筆記試験、面接試験と緊張の一日がようやく終わった。
あとは控室にいる母たちの所へ向かうだけだ。
「えーっと、階段を上ってきて右に曲がって……あれ?」
迷った。
緊張しながらここまで来たので記憶が不確かだ。
頭の中は面接で言うことでいっぱいだったので記憶をしている余裕もなかった。
「どうしよう……こっちかな?」
マリーは歩き出す。
学院の広い廊下に自分だけだ。
初めて入る建物なのでどの通路も見覚えがない。
一度通った場所なのか、そうでないのかもよくわからなかった。
「ママ……おかあさん……どこー?」
せめて誰かいないものだろうか。
だんだん心細くなってきた。
「うう……ママぁ……ぐす」
とうとう中庭まで来てしまった。
自分がどこにいるのかさっぱりわからない。
「あれ、どうしたの?」
泣き出しそうになったその時、誰かがマリーに声をかけた。
「……え?」
「どうしたの、もしかして迷子になっちゃった?」
声をかけたのは同じくらいの年頃の少女だった。
肩まで伸びた長い黒髪。
品の良い佇まいと身なりから、貴族など高い身分の令嬢のような雰囲気を漂わせる。
マリーは涙を我慢しながら頷く。
「どこへ行こうとしてたの?」
「……『ひかえしつ』ってところ」
「あ、そこなら私わかるよ。連れて行ってあげる」
少女は手を差し出す。
マリーはその手を取り、二人で歩き出した。
中庭から校舎内に戻り、どんどん先へ進む。
迷いなく歩くその姿に手を引かれるマリーは安心し、次第に落ち着きを取り戻していた。
「ここをまっすぐ行けば着くよ」
「うん、ありがとう!」
ようやく見覚えのある場所に着いたことで安堵する。
廊下には控室に入っていく他の受験者の姿も見える。
マリーは笑顔でお礼を言った。
「私、マリー=フロスファミリア。あなたは?」
マリーの名乗りに、少女は少し驚いた表情を見せる。
しかし、すぐに微笑み返して自分の名を告げた。
「私は――」
「もうすぐ時間か……」
娘の試験が終わるまで、保護者は控室で待機していた。
この後は保護者面接が続けて行われる。
「こんな時間を父上たちも過ごしたのだな。なあトウカ」
妹に呼びかける。
しかし、トウカからの返事がない。
「えっと……まずノックをして入室。それから試験官の前まで行って着席を求められてから座って……ブツブツ」
念入りに学んだことを反復している妹がいた。
そろそろ面接の時間が来ることもあり、トウカはかなりの緊張を迎えている。
真剣な表情で何度も同じことを言っている姿は鬼気迫るものを感じてしまう。
「……怖いぞ」
「うう、だって不安で……」
「お前がそんなことでどうする」
呆れてしまうが、その気持ちもわからなくない。
姉妹の母も同じ気持ちだったのかもしれない。
そう思うと微笑ましくも感じるが。
「……おや、そこにいらっしゃるのは」
二人に声がかかる。
振り向くと、そこには覚えのある顔があった。
「カルミア?」
「カルミアさん」
「こんにちは、オウカ様。そして、お久しぶりです。トウカさん」
それは、オウカの副官を務めているカルミアだった。
トウカにとっては、あの魔王討伐戦の日以来の再会だ。
「あの時のケガは大丈夫でしたか?」
「ええ、あれから半年経っていますからね。もう何ともありません」
地下神殿でカルミアはノアから魔法攻撃を受けた。
だが、幸いにも復帰に時間はかからなかったと言う。
「それに、ウィステリア家のご子息のお陰で傷痕も残りませんでしたので」
フジの名前が出たことが友達として嬉しく感じる。
彼の力はここでも一人の人生を救っていたのだ。
「そう言えばカルミアさん。今日はどうしてここに?」
子供がいるような年齢には見えない。
そもそも結婚しているとオウカからも聞いたこともなかった。
「本日は本家御令嬢のお迎えとしてこちらに伺いました」
「本家?」
「ああ、そう言えばトウカさんに名乗ったことはありませんでしたね」
オウカが補足する。
「カルミアはラティフォリア家の者だ」
「ラティフォリアの方だったんですね……」
「はい。グラキリスの御令嬢がこちらで受験されるもので、私もこちらへ」
ラティフォリア家は主要五家の一つ、グラキリス家の分家の一つだ。
グラキリス家は五家の中でも最も古参で、主要五家筆頭とも言われる。
分家も多く、他の騎士、貴族の家に対する影響力も大きい家でもあった。
主要五家の一つ、ウルガリス家もこの家の分家だ。
「当主代行のサンスベリア様はお忙しい方ですから、面接後にすぐ執務に戻らなくてはならないもので……」
「なるほどな。それで分家のお前か」
「ラティフォリアは本家の補佐を務める家ですから」
「あれ、当主代行って……グラキリスの子のご両親は?」
トウカの何気ない質問にカルミアは表情を曇らせる。
「トウカ、その話は声を落とせ」
「え?」
囁くようにオウカが言う。
「グラキリスの当主は昨年、事故死している。長老のサンスベリア殿が今は当主代行だ」
「次期当主がまだ幼いこともあって、後を継ぐ訳には行きませんでしたから」
「ごめんなさい。知らなくて……」
「いえ、あまり外部には公表されていない話ですのでお気になさらず」
主要五家筆頭の当主の事故死ともなれば情報があまり表に出ないのも頷ける。
家の不祥事を表沙汰にせず、次の当主につつがなく権限移譲が行えるようにするための配慮だ。
だが、グラキリス家の次期当主はまだ六歳とあまりに若い。
そのため、一度は引退した長老が次期当主の成人まで当主の代行を務めているのだった。
「おや、こんな時間に。それでは私はこれで」
「ええ。お疲れ様です」
恭しく一礼し、カルミアは退室する。
それと入れ替わるようにマリーが入室してきた。
「お疲れマリー。ちゃんとできた?」
「うん。お母さんの教えてくれた通りにできた!」
「そうか、そうか」
マリーの言葉にオウカは満足そうだ。
「ならば、あとは私たちが頑張らなくてはな」
「うう……頑張ります」
「あ、そうだ。ねえママ、お母さん」
面接に向かおうとした二人をマリーが呼び止める。
「私、お友達できたの。明日遊ぶ約束もしたんだ!」
「友達?」
マリーの報告に二人は驚く。
試験会場で早くも友達ができたと言うのだ。
だが、マリーにとっては初めてできた同世代の友達だ。
入学後の交友関係は不安だったが、この様子ならすぐに友達が他にもできそうだ。
「へー、マリーのお友達か」
「うん!」
「名前は聞いたのか?」
「えっとね――」
「あ、カルミアさん」
「おや、ここまでいらっしゃったのですか?」
控室を後にしたカルミアは、待ち合わせ場所にいるはずの相手とすぐ出会えたことに驚く。
「うん。ここまで迷子の子を案内してあげたの」
「そうですか。それは良いことをされましたね」
少女は年の離れた兄の様な親戚の青年に、その子と友達になったこと、明日遊ぶ約束をしたことを教える。
グラキリス家の一人娘として育てられた彼女にとって、同年代の友達ができたことは初めてだ。
よほど嬉しかったのだろう。
興奮気味に話す少女を前に、カルミアは微笑んで頷き返す。
「後でその子のことを教えてくださいね」
「うん!」
「では、参りましょうか」
カルミアの手を握り、少女は軽い足取りで一緒に歩き出した。
「――エリカ=グラキリス。それがお名前だって」
マリーの告げた名に二人の母は驚く。
その子がどんな立場にあるのか。
そして、フロスファミリアを名乗るようになった自分がその子と共にあることがどんな意味を持つのか。
それを、まだ幼い彼女は知る由もなかった。
マリーははっきりとした言葉で挨拶をし、検査室を退室する。
オウカから教わったとおりに、一つ一つの所作に気を付けて扉を閉める。
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筆記試験、面接試験と緊張の一日がようやく終わった。
あとは控室にいる母たちの所へ向かうだけだ。
「えーっと、階段を上ってきて右に曲がって……あれ?」
迷った。
緊張しながらここまで来たので記憶が不確かだ。
頭の中は面接で言うことでいっぱいだったので記憶をしている余裕もなかった。
「どうしよう……こっちかな?」
マリーは歩き出す。
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初めて入る建物なのでどの通路も見覚えがない。
一度通った場所なのか、そうでないのかもよくわからなかった。
「ママ……おかあさん……どこー?」
せめて誰かいないものだろうか。
だんだん心細くなってきた。
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とうとう中庭まで来てしまった。
自分がどこにいるのかさっぱりわからない。
「あれ、どうしたの?」
泣き出しそうになったその時、誰かがマリーに声をかけた。
「……え?」
「どうしたの、もしかして迷子になっちゃった?」
声をかけたのは同じくらいの年頃の少女だった。
肩まで伸びた長い黒髪。
品の良い佇まいと身なりから、貴族など高い身分の令嬢のような雰囲気を漂わせる。
マリーは涙を我慢しながら頷く。
「どこへ行こうとしてたの?」
「……『ひかえしつ』ってところ」
「あ、そこなら私わかるよ。連れて行ってあげる」
少女は手を差し出す。
マリーはその手を取り、二人で歩き出した。
中庭から校舎内に戻り、どんどん先へ進む。
迷いなく歩くその姿に手を引かれるマリーは安心し、次第に落ち着きを取り戻していた。
「ここをまっすぐ行けば着くよ」
「うん、ありがとう!」
ようやく見覚えのある場所に着いたことで安堵する。
廊下には控室に入っていく他の受験者の姿も見える。
マリーは笑顔でお礼を言った。
「私、マリー=フロスファミリア。あなたは?」
マリーの名乗りに、少女は少し驚いた表情を見せる。
しかし、すぐに微笑み返して自分の名を告げた。
「私は――」
「もうすぐ時間か……」
娘の試験が終わるまで、保護者は控室で待機していた。
この後は保護者面接が続けて行われる。
「こんな時間を父上たちも過ごしたのだな。なあトウカ」
妹に呼びかける。
しかし、トウカからの返事がない。
「えっと……まずノックをして入室。それから試験官の前まで行って着席を求められてから座って……ブツブツ」
念入りに学んだことを反復している妹がいた。
そろそろ面接の時間が来ることもあり、トウカはかなりの緊張を迎えている。
真剣な表情で何度も同じことを言っている姿は鬼気迫るものを感じてしまう。
「……怖いぞ」
「うう、だって不安で……」
「お前がそんなことでどうする」
呆れてしまうが、その気持ちもわからなくない。
姉妹の母も同じ気持ちだったのかもしれない。
そう思うと微笑ましくも感じるが。
「……おや、そこにいらっしゃるのは」
二人に声がかかる。
振り向くと、そこには覚えのある顔があった。
「カルミア?」
「カルミアさん」
「こんにちは、オウカ様。そして、お久しぶりです。トウカさん」
それは、オウカの副官を務めているカルミアだった。
トウカにとっては、あの魔王討伐戦の日以来の再会だ。
「あの時のケガは大丈夫でしたか?」
「ええ、あれから半年経っていますからね。もう何ともありません」
地下神殿でカルミアはノアから魔法攻撃を受けた。
だが、幸いにも復帰に時間はかからなかったと言う。
「それに、ウィステリア家のご子息のお陰で傷痕も残りませんでしたので」
フジの名前が出たことが友達として嬉しく感じる。
彼の力はここでも一人の人生を救っていたのだ。
「そう言えばカルミアさん。今日はどうしてここに?」
子供がいるような年齢には見えない。
そもそも結婚しているとオウカからも聞いたこともなかった。
「本日は本家御令嬢のお迎えとしてこちらに伺いました」
「本家?」
「ああ、そう言えばトウカさんに名乗ったことはありませんでしたね」
オウカが補足する。
「カルミアはラティフォリア家の者だ」
「ラティフォリアの方だったんですね……」
「はい。グラキリスの御令嬢がこちらで受験されるもので、私もこちらへ」
ラティフォリア家は主要五家の一つ、グラキリス家の分家の一つだ。
グラキリス家は五家の中でも最も古参で、主要五家筆頭とも言われる。
分家も多く、他の騎士、貴族の家に対する影響力も大きい家でもあった。
主要五家の一つ、ウルガリス家もこの家の分家だ。
「当主代行のサンスベリア様はお忙しい方ですから、面接後にすぐ執務に戻らなくてはならないもので……」
「なるほどな。それで分家のお前か」
「ラティフォリアは本家の補佐を務める家ですから」
「あれ、当主代行って……グラキリスの子のご両親は?」
トウカの何気ない質問にカルミアは表情を曇らせる。
「トウカ、その話は声を落とせ」
「え?」
囁くようにオウカが言う。
「グラキリスの当主は昨年、事故死している。長老のサンスベリア殿が今は当主代行だ」
「次期当主がまだ幼いこともあって、後を継ぐ訳には行きませんでしたから」
「ごめんなさい。知らなくて……」
「いえ、あまり外部には公表されていない話ですのでお気になさらず」
主要五家筆頭の当主の事故死ともなれば情報があまり表に出ないのも頷ける。
家の不祥事を表沙汰にせず、次の当主につつがなく権限移譲が行えるようにするための配慮だ。
だが、グラキリス家の次期当主はまだ六歳とあまりに若い。
そのため、一度は引退した長老が次期当主の成人まで当主の代行を務めているのだった。
「おや、こんな時間に。それでは私はこれで」
「ええ。お疲れ様です」
恭しく一礼し、カルミアは退室する。
それと入れ替わるようにマリーが入室してきた。
「お疲れマリー。ちゃんとできた?」
「うん。お母さんの教えてくれた通りにできた!」
「そうか、そうか」
マリーの言葉にオウカは満足そうだ。
「ならば、あとは私たちが頑張らなくてはな」
「うう……頑張ります」
「あ、そうだ。ねえママ、お母さん」
面接に向かおうとした二人をマリーが呼び止める。
「私、お友達できたの。明日遊ぶ約束もしたんだ!」
「友達?」
マリーの報告に二人は驚く。
試験会場で早くも友達ができたと言うのだ。
だが、マリーにとっては初めてできた同世代の友達だ。
入学後の交友関係は不安だったが、この様子ならすぐに友達が他にもできそうだ。
「へー、マリーのお友達か」
「うん!」
「名前は聞いたのか?」
「えっとね――」
「あ、カルミアさん」
「おや、ここまでいらっしゃったのですか?」
控室を後にしたカルミアは、待ち合わせ場所にいるはずの相手とすぐ出会えたことに驚く。
「うん。ここまで迷子の子を案内してあげたの」
「そうですか。それは良いことをされましたね」
少女は年の離れた兄の様な親戚の青年に、その子と友達になったこと、明日遊ぶ約束をしたことを教える。
グラキリス家の一人娘として育てられた彼女にとって、同年代の友達ができたことは初めてだ。
よほど嬉しかったのだろう。
興奮気味に話す少女を前に、カルミアは微笑んで頷き返す。
「後でその子のことを教えてくださいね」
「うん!」
「では、参りましょうか」
カルミアの手を握り、少女は軽い足取りで一緒に歩き出した。
「――エリカ=グラキリス。それがお名前だって」
マリーの告げた名に二人の母は驚く。
その子がどんな立場にあるのか。
そして、フロスファミリアを名乗るようになった自分がその子と共にあることがどんな意味を持つのか。
それを、まだ幼い彼女は知る由もなかった。
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