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第一章「眠れる魔物と魔法使いの少女」
第00話 紅蓮の世界
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全てが紅蓮に包まれていた。
燃え上がった炎は天を焼き、夜に至ってもその勢いは衰えを知らない。
「お父さん……お母さん……どこ?」
まるで昼間のような明るさの中を一人の少女が彷徨っていた。様子の変わった村で、どこへ向かえばいいかもわからず、炎から逃れて走り、何度も倒れ、体中を傷だらけにしながら、両親を必死に探していた。
「ひっ!?」
道に倒れているものから思わず目を背ける。それは人――いや、もはや人であった名残すら残っていない、ただの肉塊だった。
少し前まで彼女に笑顔を向けてくれていた村人の誰かだろう。もう個人を判別することすらできないほどに原型は失われていた。鋭利なもので切断された傷口、力任せに引きちぎられて潰された傷口。焼けた肉の臭いと目の前の惨状に、少女は喉の奥からこみ上げる物を必死に堪えた。
「……私たちが何したっていうのよ」
身に降りかかったあまりの理不尽に少女が憤る。元々彼女の生まれ育った村はとても平和な場所だった。深い森の中で俗世を離れ、ひっそりと暮らしていた人々は心優しく、たまに町からやって来る商人が唯一の人の出入りと言えるほどだ。争いすらほとんど起こらない、小さなコミュニティではあったがそれ以上を望まず、営みは続いて行くはずだった。
だが、そんなのどかな日常は突如、暴力と炎の前に失われてしまった。しかし村を襲ったものは天災でも、人災でもない。
――竜だった。
数多くいる魔物の中でも頂点に君臨する存在。その巨体は天を突き、高い知性を持ち、強靭な鱗と怪力を誇り、その息吹は炎となって全てを焼き尽くす破壊の化身。そんな魔物がなぜこのようなのどかな村を襲ったのか、それは誰にもわからない。
いつもなら少女は午前中に家の手伝いをして、昼食後に森で友達と遊び、夕方に仕事帰りの大人たちと一緒に村に帰り、家で母の手料理を食べ、父と遊び、そして家族揃って眠りにつく。いつもと変わらないささやかながらも幸せな日になるはずだった。
「誰か、誰か返事をして」
だが、竜の襲撃によって村は地獄になり果てた。家は焼け、村人は逃げ惑う。竜はそんな村人を片端から襲って喰らった。
背を向けた者は後ろから爪で貫かれて殺された。
家に隠れていた者は家ごと焼き殺された。
命乞いをする者は容赦なく喰らわれた。
慈悲など微塵もない。竜にとって人間はただの餌、それ以上でもそれ以下でもなかった。
隣の家に住んでいる木こりの夫婦も、毎週やって来て各地の珍しい物を売ってくれる行商人も、怒ると怖いけど、時々森から木の実を持ち帰って来てくれる村長も少女を逃がしてその代わりに命を落とした。
「……うっ……うっ」
泣けるのなら思い切り泣きたかった。だがその声を少女は必死にこらえる。まだ竜は村のどこかにいるはず。居場所を知られる訳にはいかない。
「こほっ、ごほっ!」
煙に巻かれて思わずせき込む。少女はハッとし、手で口を押さえて周囲を見渡した。幸いにも竜に気付かれた気配はない。村は静まりかえっていた。
少女は不思議に思った。あれだけ大きな姿の竜が影も形も見えないのだ。一体どこへ行ってしまったというのか。
「あ!」
恐る恐る竜がいた広場を覗き込む。打ち捨てられた村人たちの亡骸。その中心に誰かがいた。もしかしたら竜から逃げ延びた村人かもしれない。父か母かもしれない。そう思った少女は思わず飛び出し、駆け寄って行った。
「……違う」
だが、すぐに違和感を覚え、少女が足を止めた。その瞬間炎が燃え上がり、その人物の顔を照らした。
「だ、誰!?」
小さい村だから基本的に皆顔見知りだ。だが、目の前の男は少女が村の中で一度も見たことがない顔だった。その人物は少女の存在に気付いてゆっくりと顔を向け、その眼が合った。
「子供か、まだ生き残っていたのか」
寒気を覚えるような冷たい声だった。男は、少女がそこにいるのにまるで人として彼女を見ていない。そんな見下した眼だ。
「――はどこだ」
「……そ、そんな人知らない」
問われたのは、聞いたことのない名前だった。少女は首を振って後ずさる。
「そうか」
男が右手を上げた。その甲には鮮やかな光を放つ紋章が刻まれていた。
「――Ignis」
紋章が赤く輝く。魔力は火の属性を与えられ、術者を中心に逆巻いて燃え上がる。そして男の意思に従い炎は走り、二人を囲む壁となって逃げ道をなくした。
「魔法……使い」
その存在を少女は知っていた。世界を司る火・水・風・地の四元を操る力を持ち、人の世を脅かす魔物を打ち倒すことのできる、人にして人を越えたもの。だが、その得た力の代償に人の世から忌み嫌われたもの。
「ならばその魂を喰らうのみ。我が糧となるがよい」
紋章が一際強く輝く。その身から膨大な魔力が溢れ出し、少女を吹き飛ばす。荒れ狂う暴風の如く魔力が渦巻き、その足下に魔法陣が展開する。
「棲獣開放――“竜は目覚めて全てを喰らう”」
その名を告げると、魔法陣から放出された光の柱に男の姿が溶け込んで行く。
人の形は消え果てて、その身は魔獣と化していく。
頭部には角が生え、鋭い牙を備える。
腕は太さを増し、強靭な鉤爪を得る。
その背には空に羽ばたく大翼を、その体には刃を通さぬ強靭な鱗を。
大蛇の如き尻尾を地に叩きつけ、その身は天を突くほど巨大になる。
光が消えるとともにその全貌が明らかになり、巨体の影が彼女を覆いつくす。
「ひっ!?」
見覚えのある姿と、その身から発せられる威圧感に少女が腰を抜かした。目の前にいた竜こそ、この村を襲った災厄の元凶だった。
そして、その姿は初めて見た時よりも一回り大きくなっていた。魔物は人の魂を喰らい、その力を高めることができると知られている。ただでさえ強大な力を持つ竜だが、村人たちを捕食してその力をより一層増していたのだ。
「さて、覚悟はいいか娘」
目の前に散らばる肉塊を踏み荒らしながら竜が一歩一歩少女に迫る。慌てて逃げ出そうとするが、竜のひと睨みで少女はすくみ上がった。家を上回る大きさの魔物は口から涎を滴らせて口を開く。
「あ……あ……」
目からは涙が溢れ出しているのに恐怖で歯が鳴る。言葉が出せない。助けを求める言葉が誰かに届かない。逃げたいのに足がすくんで一歩も動けない。
「だ、誰か」
それでも少女は喉の奥から言葉を絞り出す。食べられたくない。死にたくない。どんな奇跡でも良い。圧倒的な恐怖を前に、自分をこの場から救い出してくれる何かを、少女は願った。
巨体を揺らしながら竜は少女目掛けて一直線に駆ける。
「誰か助けて!!」
そして顎が開かれ、絶望の闇が広がった。
鋭い牙が眼前に迫り、少女は恐怖のあまり目を閉じる。
「お父さん! お母さん!」
そして、全てが赤く染まった。
燃え上がった炎は天を焼き、夜に至ってもその勢いは衰えを知らない。
「お父さん……お母さん……どこ?」
まるで昼間のような明るさの中を一人の少女が彷徨っていた。様子の変わった村で、どこへ向かえばいいかもわからず、炎から逃れて走り、何度も倒れ、体中を傷だらけにしながら、両親を必死に探していた。
「ひっ!?」
道に倒れているものから思わず目を背ける。それは人――いや、もはや人であった名残すら残っていない、ただの肉塊だった。
少し前まで彼女に笑顔を向けてくれていた村人の誰かだろう。もう個人を判別することすらできないほどに原型は失われていた。鋭利なもので切断された傷口、力任せに引きちぎられて潰された傷口。焼けた肉の臭いと目の前の惨状に、少女は喉の奥からこみ上げる物を必死に堪えた。
「……私たちが何したっていうのよ」
身に降りかかったあまりの理不尽に少女が憤る。元々彼女の生まれ育った村はとても平和な場所だった。深い森の中で俗世を離れ、ひっそりと暮らしていた人々は心優しく、たまに町からやって来る商人が唯一の人の出入りと言えるほどだ。争いすらほとんど起こらない、小さなコミュニティではあったがそれ以上を望まず、営みは続いて行くはずだった。
だが、そんなのどかな日常は突如、暴力と炎の前に失われてしまった。しかし村を襲ったものは天災でも、人災でもない。
――竜だった。
数多くいる魔物の中でも頂点に君臨する存在。その巨体は天を突き、高い知性を持ち、強靭な鱗と怪力を誇り、その息吹は炎となって全てを焼き尽くす破壊の化身。そんな魔物がなぜこのようなのどかな村を襲ったのか、それは誰にもわからない。
いつもなら少女は午前中に家の手伝いをして、昼食後に森で友達と遊び、夕方に仕事帰りの大人たちと一緒に村に帰り、家で母の手料理を食べ、父と遊び、そして家族揃って眠りにつく。いつもと変わらないささやかながらも幸せな日になるはずだった。
「誰か、誰か返事をして」
だが、竜の襲撃によって村は地獄になり果てた。家は焼け、村人は逃げ惑う。竜はそんな村人を片端から襲って喰らった。
背を向けた者は後ろから爪で貫かれて殺された。
家に隠れていた者は家ごと焼き殺された。
命乞いをする者は容赦なく喰らわれた。
慈悲など微塵もない。竜にとって人間はただの餌、それ以上でもそれ以下でもなかった。
隣の家に住んでいる木こりの夫婦も、毎週やって来て各地の珍しい物を売ってくれる行商人も、怒ると怖いけど、時々森から木の実を持ち帰って来てくれる村長も少女を逃がしてその代わりに命を落とした。
「……うっ……うっ」
泣けるのなら思い切り泣きたかった。だがその声を少女は必死にこらえる。まだ竜は村のどこかにいるはず。居場所を知られる訳にはいかない。
「こほっ、ごほっ!」
煙に巻かれて思わずせき込む。少女はハッとし、手で口を押さえて周囲を見渡した。幸いにも竜に気付かれた気配はない。村は静まりかえっていた。
少女は不思議に思った。あれだけ大きな姿の竜が影も形も見えないのだ。一体どこへ行ってしまったというのか。
「あ!」
恐る恐る竜がいた広場を覗き込む。打ち捨てられた村人たちの亡骸。その中心に誰かがいた。もしかしたら竜から逃げ延びた村人かもしれない。父か母かもしれない。そう思った少女は思わず飛び出し、駆け寄って行った。
「……違う」
だが、すぐに違和感を覚え、少女が足を止めた。その瞬間炎が燃え上がり、その人物の顔を照らした。
「だ、誰!?」
小さい村だから基本的に皆顔見知りだ。だが、目の前の男は少女が村の中で一度も見たことがない顔だった。その人物は少女の存在に気付いてゆっくりと顔を向け、その眼が合った。
「子供か、まだ生き残っていたのか」
寒気を覚えるような冷たい声だった。男は、少女がそこにいるのにまるで人として彼女を見ていない。そんな見下した眼だ。
「――はどこだ」
「……そ、そんな人知らない」
問われたのは、聞いたことのない名前だった。少女は首を振って後ずさる。
「そうか」
男が右手を上げた。その甲には鮮やかな光を放つ紋章が刻まれていた。
「――Ignis」
紋章が赤く輝く。魔力は火の属性を与えられ、術者を中心に逆巻いて燃え上がる。そして男の意思に従い炎は走り、二人を囲む壁となって逃げ道をなくした。
「魔法……使い」
その存在を少女は知っていた。世界を司る火・水・風・地の四元を操る力を持ち、人の世を脅かす魔物を打ち倒すことのできる、人にして人を越えたもの。だが、その得た力の代償に人の世から忌み嫌われたもの。
「ならばその魂を喰らうのみ。我が糧となるがよい」
紋章が一際強く輝く。その身から膨大な魔力が溢れ出し、少女を吹き飛ばす。荒れ狂う暴風の如く魔力が渦巻き、その足下に魔法陣が展開する。
「棲獣開放――“竜は目覚めて全てを喰らう”」
その名を告げると、魔法陣から放出された光の柱に男の姿が溶け込んで行く。
人の形は消え果てて、その身は魔獣と化していく。
頭部には角が生え、鋭い牙を備える。
腕は太さを増し、強靭な鉤爪を得る。
その背には空に羽ばたく大翼を、その体には刃を通さぬ強靭な鱗を。
大蛇の如き尻尾を地に叩きつけ、その身は天を突くほど巨大になる。
光が消えるとともにその全貌が明らかになり、巨体の影が彼女を覆いつくす。
「ひっ!?」
見覚えのある姿と、その身から発せられる威圧感に少女が腰を抜かした。目の前にいた竜こそ、この村を襲った災厄の元凶だった。
そして、その姿は初めて見た時よりも一回り大きくなっていた。魔物は人の魂を喰らい、その力を高めることができると知られている。ただでさえ強大な力を持つ竜だが、村人たちを捕食してその力をより一層増していたのだ。
「さて、覚悟はいいか娘」
目の前に散らばる肉塊を踏み荒らしながら竜が一歩一歩少女に迫る。慌てて逃げ出そうとするが、竜のひと睨みで少女はすくみ上がった。家を上回る大きさの魔物は口から涎を滴らせて口を開く。
「あ……あ……」
目からは涙が溢れ出しているのに恐怖で歯が鳴る。言葉が出せない。助けを求める言葉が誰かに届かない。逃げたいのに足がすくんで一歩も動けない。
「だ、誰か」
それでも少女は喉の奥から言葉を絞り出す。食べられたくない。死にたくない。どんな奇跡でも良い。圧倒的な恐怖を前に、自分をこの場から救い出してくれる何かを、少女は願った。
巨体を揺らしながら竜は少女目掛けて一直線に駆ける。
「誰か助けて!!」
そして顎が開かれ、絶望の闇が広がった。
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