125 / 147
忍び寄る影
現状
しおりを挟む
徹は6人パーティーで行動している。
リーダーは1番力量を持つ徹。そして本田 祐介。齋藤 玲。原西 達也。青木 玲奈。佐々田 菜花。
男子4人、女子2人。徹、祐介は前衛、玲と達也は中衛、女子2人は後衛と決めている。このパーティーは勇者達の中でも上位の人間で組まれている。そのため、主力パーティーとして1番期待されている。バランスが良いパーティーで今までも魔物などしっかりと、確実に倒して経験値を稼いできた。しかし魔王という存在は遠い。この世界の人間よりもスペックが高いがそれでも元高校生。戦いと縁のない生活を送ってきた彼らが魔王というラスボスを倒すことはまだまだ先のことだろう。
そして彼ら、勇者達は魔族、魔人の存在を知らない。これが何を意味するか。
情報というものはそこらの宝石なんかよりもよっぽど価値がある。情報を持ってるものは生き、持っていないものは死ぬ。情報というものは生死をも分ける。
彼らが魔族や魔人の存在を知らないままそれらに出会うとどうなるか。
対応策など分かるはずもなく、初見の相手と戦わなければいけないのだ。それも自分よりもレベルが遥かに上の敵。
彼らが魔人や魔族と今まで会ってないというのは不幸か、もしくは幸福か。
勇者の存在を知れば普通はそちらに狙いをつける。しかしこの一年以上勇者達の前に姿を現したことは無い。
それは全てソウイの元に行っているからだ。
魔族達は情報伝達能力も優れている。ソウイがこの世界に来て魔族、魔人を倒しているという情報はもう既に全魔族魔人が知っている。
そして彼らは戦闘狂。強い者と戦いたがる。
ならば噂のみの勇者達なんかよりもよっぽど確かなソウイの元に行くというのは不思議ではなかった。
そしてそれをソウイは知っていた。そして心のどこかでその状況に安心していた。
まだ勇者達は魔人達と戦えるレベルではないこともしっかりと分かっていたから。
しかしいつかは戦わなければいけない時がくる。経験をつむことも生きることと同じ。
ソウイはそういった事情に頭を悩ませていた。
「あ、これうめぇ」
「団長!あっちも美味しそうです!」
「なんだと!?!?!?よし、調査してこよう!」
「そうこなくっちゃ!」
それから俺たちはお祭りを楽しく周………………ゴホンッ…街を警備していた。
特に目立ったことは無い。
こういった日に犯罪は逆になかなか少ないらしい。
犯罪者も沢山遊びたいんだね、うんわかる。俺も仕事より遊びたい。
「ねえソウイ」
「ん?」
「さっきの人達って勇者とかいう人達?」
「そうそうよく知ってんなー」
それがどうした?と首を傾げるとソラが難しそうな顔をする。
「勇者ってさ………魔王を倒すんでしょ?」
「そーーーーだねぇ…………」
あ、この豚まん美味しい。後でもう1個買ってこよ。
「出来るの?」
「ん?」
「あの人たち、弱いでしょ?」
「……………………………」
「確かに普通の人よりは強そうだったけどそれでもまだ全然弱そうだった……………」
「へぇ…………………」
凄いな、あんな遠目で、しかも一瞬見てそれだけの情報を抜き取れたのか。
観察眼も凄いな……………。
「確かにそうだな……………」
「ソウイの方が全然強い…………」
「おっ、褒めてくれんのか??嬉しいねぇ」
頭をグリグリ乱暴に撫でると髪の毛がボサボサになって反論してくる。
あ、今静電気きた。バチって。
「きっとすぐ強くなるよ…俺なんかよりも、さ」
「ふーーーーーーーーーん」
無理だと思うけどなぁ、とボヤきながら腰にある短剣を触る。
「俺は強くなるからね!ソウイよりも!」
「期待してるぞ!!!!」
「うん!!!」
リーダーは1番力量を持つ徹。そして本田 祐介。齋藤 玲。原西 達也。青木 玲奈。佐々田 菜花。
男子4人、女子2人。徹、祐介は前衛、玲と達也は中衛、女子2人は後衛と決めている。このパーティーは勇者達の中でも上位の人間で組まれている。そのため、主力パーティーとして1番期待されている。バランスが良いパーティーで今までも魔物などしっかりと、確実に倒して経験値を稼いできた。しかし魔王という存在は遠い。この世界の人間よりもスペックが高いがそれでも元高校生。戦いと縁のない生活を送ってきた彼らが魔王というラスボスを倒すことはまだまだ先のことだろう。
そして彼ら、勇者達は魔族、魔人の存在を知らない。これが何を意味するか。
情報というものはそこらの宝石なんかよりもよっぽど価値がある。情報を持ってるものは生き、持っていないものは死ぬ。情報というものは生死をも分ける。
彼らが魔族や魔人の存在を知らないままそれらに出会うとどうなるか。
対応策など分かるはずもなく、初見の相手と戦わなければいけないのだ。それも自分よりもレベルが遥かに上の敵。
彼らが魔人や魔族と今まで会ってないというのは不幸か、もしくは幸福か。
勇者の存在を知れば普通はそちらに狙いをつける。しかしこの一年以上勇者達の前に姿を現したことは無い。
それは全てソウイの元に行っているからだ。
魔族達は情報伝達能力も優れている。ソウイがこの世界に来て魔族、魔人を倒しているという情報はもう既に全魔族魔人が知っている。
そして彼らは戦闘狂。強い者と戦いたがる。
ならば噂のみの勇者達なんかよりもよっぽど確かなソウイの元に行くというのは不思議ではなかった。
そしてそれをソウイは知っていた。そして心のどこかでその状況に安心していた。
まだ勇者達は魔人達と戦えるレベルではないこともしっかりと分かっていたから。
しかしいつかは戦わなければいけない時がくる。経験をつむことも生きることと同じ。
ソウイはそういった事情に頭を悩ませていた。
「あ、これうめぇ」
「団長!あっちも美味しそうです!」
「なんだと!?!?!?よし、調査してこよう!」
「そうこなくっちゃ!」
それから俺たちはお祭りを楽しく周………………ゴホンッ…街を警備していた。
特に目立ったことは無い。
こういった日に犯罪は逆になかなか少ないらしい。
犯罪者も沢山遊びたいんだね、うんわかる。俺も仕事より遊びたい。
「ねえソウイ」
「ん?」
「さっきの人達って勇者とかいう人達?」
「そうそうよく知ってんなー」
それがどうした?と首を傾げるとソラが難しそうな顔をする。
「勇者ってさ………魔王を倒すんでしょ?」
「そーーーーだねぇ…………」
あ、この豚まん美味しい。後でもう1個買ってこよ。
「出来るの?」
「ん?」
「あの人たち、弱いでしょ?」
「……………………………」
「確かに普通の人よりは強そうだったけどそれでもまだ全然弱そうだった……………」
「へぇ…………………」
凄いな、あんな遠目で、しかも一瞬見てそれだけの情報を抜き取れたのか。
観察眼も凄いな……………。
「確かにそうだな……………」
「ソウイの方が全然強い…………」
「おっ、褒めてくれんのか??嬉しいねぇ」
頭をグリグリ乱暴に撫でると髪の毛がボサボサになって反論してくる。
あ、今静電気きた。バチって。
「きっとすぐ強くなるよ…俺なんかよりも、さ」
「ふーーーーーーーーーん」
無理だと思うけどなぁ、とボヤきながら腰にある短剣を触る。
「俺は強くなるからね!ソウイよりも!」
「期待してるぞ!!!!」
「うん!!!」
10
お気に入りに追加
594
あなたにおすすめの小説
スキルを極めろ!
アルテミス
ファンタジー
第12回ファンタジー大賞 奨励賞受賞作
何処にでもいる大学生が異世界に召喚されて、スキルを極める!
神様からはスキルレベルの限界を調査して欲しいと言われ、思わず乗ってしまった。
不老で時間制限のないlv上げ。果たしてどこまでやれるのか。
異世界でジンとして生きていく。
クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
俺の職業は『観光客』だが魔王くらいなら余裕で討伐できると思ってる〜やり込んだゲームの世界にクラス転移したが、目覚めたジョブが最弱職だった件~
おさない
ファンタジー
ごく普通の高校生である俺こと観音崎真城は、突如としてクラス丸ごと異世界に召喚されてしまう。
異世界の王いわく、俺達のような転移者は神から特別な能力――職業(ジョブ)を授かることができるらしく、その力を使って魔王を討伐して欲しいのだそうだ。
他の奴らが『勇者』やら『聖騎士』やらの強ジョブに目覚めていることが判明していく中、俺に与えられていたのは『観光客』という見るからに弱そうなジョブだった。
無能の烙印を押された俺は、クラスメイトはおろか王や兵士達からも嘲笑され、お城から追放されてしまう。
やれやれ……ここが死ぬほどやり込んだ『エルニカクエスト』の世界でなければ、野垂れ死んでいた所だったぞ。
実を言うと、観光客はそれなりに強ジョブなんだが……それを知らずに追放してしまうとは、早とちりな奴らだ。
まあ、俺は自由に異世界を観光させてもらうことにしよう。
※カクヨムにも掲載しています
落ちこぼれの烙印を押された少年、唯一無二のスキルを開花させ世界に裁きの鉄槌を!
酒井 曳野
ファンタジー
この世界ニードにはスキルと呼ばれる物がある。
スキルは、生まれた時に全員が神から授けられ
個人差はあるが5〜8歳で開花する。
そのスキルによって今後の人生が決まる。
しかし、極めて稀にスキルが開花しない者がいる。
世界はその者たちを、ドロップアウト(落ちこぼれ)と呼んで差別し、見下した。
カイアスもスキルは開花しなかった。
しかし、それは気付いていないだけだった。
遅咲きで開花したスキルは唯一無二の特異であり最強のもの!!
それを使い、自分を蔑んだ世界に裁きを降す!
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
器用貧乏の意味を異世界人は知らないようで、家を追い出されちゃいました。
武雅
ファンタジー
この世界では8歳になると教会で女神からギフトを授かる。
人口約1000人程の田舎の村、そこでそこそこ裕福な家の3男として生まれたファインは8歳の誕生に教会でギフトを授かるも、授かったギフトは【器用貧乏】
前例の無いギフトに困惑する司祭や両親は貧乏と言う言葉が入っていることから、将来貧乏になったり、周りも貧乏にすると思い込み成人とみなされる15歳になったら家を、村を出て行くようファインに伝える。
そんな時、前世では本間勝彦と名乗り、上司と飲み入った帰り、駅の階段で足を滑らし転げ落ちて死亡した記憶がよみがえる。
そして15歳まであと7年、異世界で生きていくために冒険者となると決め、修行を続けやがて冒険者になる為村を出る。
様々な人と出会い、冒険し、転生した世界を器用貧乏なのに器用貧乏にならない様生きていく。
村を出て冒険者となったその先は…。
※しばらくの間(2021年6月末頃まで)毎日投稿いたします。
よろしくお願いいたします。
「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした
御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。
異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。
女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。
――しかし、彼は知らなかった。
転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる