121 / 147
忍び寄る影
エリィ様
しおりを挟む 10時。
何だかんだ久々に見る国王の話の後、祭り開始の宣言がされた。
「へー………ほんとに人多いんだなぁ」
「そうですね。いつもよりも他国からの観光客や商人もかなり増えてますからね」
「ほー……」
開会式の国王の護衛をしながら街を見渡す。
楽しそうに祭りを楽しむ者達ばかり………羨ましい………。
「ソウイさん!!」
「おっ、エリィ様久しぶり」
「お久しぶりです」
まあ国王の護衛してたから近くにエリィ様もいるの見えてたけど。
話すのは久々。流石にお互い忙しいし特に用事もない限り会うこともなかった。しかしたまに会って話したり、というのはしていた。
そしてこの呼び方。
なんとエリィ様が呼び捨てにしろとずっと言ってきてそれは出来ないと言っていてしばらくお互い譲らなかったが結局この呼び方で落ち着いたのだ。
「アナラスもご苦労さま」
「ありがたきお言葉」
恭しく頭を下げるアナラス。
「ソウイさんもこの後街に行かれるのですか?」
「そうだなぁ………まあ警備の仕事あるから…仕事はちゃんとしねえとこいつに怒られるからな」
「ふふっ、それは大変ですね」
「だろ~?」
「仕事はしっかりしてください」
「し、してるだろ!!」
「どうでしょうか?いつもサボってお出かけになるのはどなたでしょう」
おっと、雲行きが怪しくなってきたぞ????
「ふふふ、そうね、大変ねアナラスも」
「え、エリィ様まで…………」
やばい。ここは俺が孤島に立たされている。
「と、ところでエリィ様も街に出かけるのか?」
「そうですね………他国からのお客様もいらっしゃって対応も行わなければいけないので少し難しいのですね」
寂しそうに言うエリィ様に共感する。
「俺と同じで仕事か…………………辛いなほんと………遊びたかった俺も遊びたかったんだよ………………」
「団長????」
「さ、お仕事お仕事たのしーなー」
「ふふふ、」
「さて、団長」
「う、……………はーい…………じゃそろそろ行くわ」
「はい、頑張って下さいね」
「お互いね」
俺たちはエリィ様とわかれて街へと向かう。
「これさー…………もしかしてずっと歩いたり立ってたりして不審者いたら捕まえてー……ってこと繰り返すの?」
「はい、勿論です」
「うえぇぇぇぇぇ………………地獄やん」
「しっかり働いてくださいね」
やばい。アナラスと二人でいるとずっと仕事モードだ。やばい。少しもサボれない。
や、警備するよ?大事だからね。でもさ!!なんか食いたいじゃん!ちょっと見たいじゃん!!!それも出来ないよ。アナラスと一緒だと!!!
「………………………………」
よし。
「なぁ………」
「なんです?」
「こうやって歩いてても効率悪いからさ」
「はい?」
「二手に別れよう!!!バラバラに行動すりゃ全体をみて回れるからさ!」
「そんなこと言って……サボる気満々なの分かりきってますよ」
「そんなことない!!ということで、じゃ、俺あっち行ってきまーーす」
回れ右して全力ダッシュ。
捕まったら終了。
「あ!団長!!!!!!…………………………………………………………………………………………本当に逃げ足早い…………」
何だかんだ久々に見る国王の話の後、祭り開始の宣言がされた。
「へー………ほんとに人多いんだなぁ」
「そうですね。いつもよりも他国からの観光客や商人もかなり増えてますからね」
「ほー……」
開会式の国王の護衛をしながら街を見渡す。
楽しそうに祭りを楽しむ者達ばかり………羨ましい………。
「ソウイさん!!」
「おっ、エリィ様久しぶり」
「お久しぶりです」
まあ国王の護衛してたから近くにエリィ様もいるの見えてたけど。
話すのは久々。流石にお互い忙しいし特に用事もない限り会うこともなかった。しかしたまに会って話したり、というのはしていた。
そしてこの呼び方。
なんとエリィ様が呼び捨てにしろとずっと言ってきてそれは出来ないと言っていてしばらくお互い譲らなかったが結局この呼び方で落ち着いたのだ。
「アナラスもご苦労さま」
「ありがたきお言葉」
恭しく頭を下げるアナラス。
「ソウイさんもこの後街に行かれるのですか?」
「そうだなぁ………まあ警備の仕事あるから…仕事はちゃんとしねえとこいつに怒られるからな」
「ふふっ、それは大変ですね」
「だろ~?」
「仕事はしっかりしてください」
「し、してるだろ!!」
「どうでしょうか?いつもサボってお出かけになるのはどなたでしょう」
おっと、雲行きが怪しくなってきたぞ????
「ふふふ、そうね、大変ねアナラスも」
「え、エリィ様まで…………」
やばい。ここは俺が孤島に立たされている。
「と、ところでエリィ様も街に出かけるのか?」
「そうですね………他国からのお客様もいらっしゃって対応も行わなければいけないので少し難しいのですね」
寂しそうに言うエリィ様に共感する。
「俺と同じで仕事か…………………辛いなほんと………遊びたかった俺も遊びたかったんだよ………………」
「団長????」
「さ、お仕事お仕事たのしーなー」
「ふふふ、」
「さて、団長」
「う、……………はーい…………じゃそろそろ行くわ」
「はい、頑張って下さいね」
「お互いね」
俺たちはエリィ様とわかれて街へと向かう。
「これさー…………もしかしてずっと歩いたり立ってたりして不審者いたら捕まえてー……ってこと繰り返すの?」
「はい、勿論です」
「うえぇぇぇぇぇ………………地獄やん」
「しっかり働いてくださいね」
やばい。アナラスと二人でいるとずっと仕事モードだ。やばい。少しもサボれない。
や、警備するよ?大事だからね。でもさ!!なんか食いたいじゃん!ちょっと見たいじゃん!!!それも出来ないよ。アナラスと一緒だと!!!
「………………………………」
よし。
「なぁ………」
「なんです?」
「こうやって歩いてても効率悪いからさ」
「はい?」
「二手に別れよう!!!バラバラに行動すりゃ全体をみて回れるからさ!」
「そんなこと言って……サボる気満々なの分かりきってますよ」
「そんなことない!!ということで、じゃ、俺あっち行ってきまーーす」
回れ右して全力ダッシュ。
捕まったら終了。
「あ!団長!!!!!!…………………………………………………………………………………………本当に逃げ足早い…………」
10
お気に入りに追加
594
あなたにおすすめの小説
スキルを極めろ!
アルテミス
ファンタジー
第12回ファンタジー大賞 奨励賞受賞作
何処にでもいる大学生が異世界に召喚されて、スキルを極める!
神様からはスキルレベルの限界を調査して欲しいと言われ、思わず乗ってしまった。
不老で時間制限のないlv上げ。果たしてどこまでやれるのか。
異世界でジンとして生きていく。
【創造魔法】を覚えて、万能で最強になりました。 クラスから追放した奴らは、そこらへんの草でも食ってろ!
久乃川あずき(桑野和明)
ファンタジー
次世代ファンタジーカップ『面白スキル賞』受賞しました。
2022年9月20日より、コミカライズ連載開始です(アルファポリスのサイトで読めます)
単行本は現在2巻まで出ています。
高校二年の水沢優樹は、不思議な地震に巻き込まれ、クラスメイト三十五人といっしょに異世界に転移してしまう。
三ヶ月後、ケガをした優樹は、クラスメイトから役立たずと言われて追放される。
絶望的な状況だったが、ふとしたきっかけで、【創造魔法】が使えるようになる。
【創造魔法】は素材さえあれば、どんなものでも作ることができる究極の魔法で、優樹は幼馴染みの由那と快適な暮らしを始める。
一方、優樹を追放したクラスメイトたちは、木の実や野草を食べて、ぎりぎりの生活をしていた。優樹が元の世界の食べ物を魔法で作れることを知り、追放を撤回しようとするが、その判断は遅かった。
優樹は自分を追放したクラスメイトたちを助ける気などなくなっていた。
あいつらは、そこらへんの草でも食ってればいいんだ。
異世界で活躍する優樹と悲惨な展開になるクラスメイトたちの物語です。
クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
見よう見まねで生産チート
立風人(りふと)
ファンタジー
(※サムネの武器が登場します)
ある日、死神のミスにより死んでしまった青年。
神からのお詫びと救済を兼ねて剣と魔法の世界へ行けることに。
もの作りが好きな彼は生産チートをもらい異世界へ
楽しくも忙しく過ごす冒険者 兼 職人 兼 〇〇な主人公とその愉快な仲間たちのお話。
※基本的に主人公視点で進んでいきます。
※趣味作品ですので不定期投稿となります。
コメント、評価、誤字報告の方をよろしくお願いします。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
クラスまるごと異世界転移
八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。
ソレは突然訪れた。
『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』
そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。
…そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。
どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。
…大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても…
そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。
器用貧乏の意味を異世界人は知らないようで、家を追い出されちゃいました。
武雅
ファンタジー
この世界では8歳になると教会で女神からギフトを授かる。
人口約1000人程の田舎の村、そこでそこそこ裕福な家の3男として生まれたファインは8歳の誕生に教会でギフトを授かるも、授かったギフトは【器用貧乏】
前例の無いギフトに困惑する司祭や両親は貧乏と言う言葉が入っていることから、将来貧乏になったり、周りも貧乏にすると思い込み成人とみなされる15歳になったら家を、村を出て行くようファインに伝える。
そんな時、前世では本間勝彦と名乗り、上司と飲み入った帰り、駅の階段で足を滑らし転げ落ちて死亡した記憶がよみがえる。
そして15歳まであと7年、異世界で生きていくために冒険者となると決め、修行を続けやがて冒険者になる為村を出る。
様々な人と出会い、冒険し、転生した世界を器用貧乏なのに器用貧乏にならない様生きていく。
村を出て冒険者となったその先は…。
※しばらくの間(2021年6月末頃まで)毎日投稿いたします。
よろしくお願いいたします。
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる