どん底から頂点を目指しました

ゆめ

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祝☆10歳

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 いや、年月が経つのは早いな。 
 うん。
 ということで早五年が経過し、俺は遂に10歳の誕生日を迎えた。
 五年前話していたとおり俺は冒険者ギルドへ入ることを再度母さんに伝えた。
 母さんはこの五年で俺の気が変わることを期待していた。だが、五年経っても揺るがぬ俺の決意にいってらっしゃい、と見送ってくれた。
 それはそうだろう。
 冒険者などこの世界での職業に関する死亡率No.1なのだから。
 それだけ危険なものなのだ。技量がなければ死ぬ。シビアな世界だ。
 それに俺は冒険者登録ができる歳になったとはいえ、まだ10歳。前世でいえばまだ小学生だ。そんな子供を死ぬ可能性がある仕事に進んでいかせる親などどれだけ冷酷だかアホだか…
 まぁ、とりあえず登録をしなければいけない。
 母さんの病気は年々少しずつ悪くなっている。
 あんな所ではなくもっと綺麗な所に移してやりたい。だが、いままでの魔物や鉱山での収入だけでは毎日の薬を買うだけで精一杯だった。
「すみませーん」
 冒険者ギルドのカウンターをバシバシ叩いてアピールする。
「冒険者登録したいんですけどー」
「あ、はい!遅くなり大変申し訳ありません」
 慌てて奥から若い女性が出てきた。
 俺を見つけて流石に驚いた顔をする。
「えっ、と………年齢を教えていただいても…?」
 ちなみに言うが俺の身長はこの世界の10歳児としては少し小さい。いいか!少しだ!
 そもそもここの世界の子供の平均身長が高いんだ!前世だとこれは普通だからな。
「10歳です」
「あ、失礼しました」
「やっぱり…俺の歳の登録者は少ないんですか?」
「少ない、というレベルではありませんね」
 苦笑しながら女性は教えてくれる。
「冒険者にはやはりある程度の技量が必要不可欠となってきていますので規則で10歳から可能とはいえ、実際に登録をしてくる方々は成人する15歳が多いですね。10歳は私が担当した中ではあなたが初めてです」
 なるほど、と頷く。
 この世界は前世より五年早い15歳で成人を迎える。身長からいえば20だろ、と思うのだが…
 それにしても本当に10歳で登録などいない事がわかる。
 いやぁ、つまり冒険者は俺より全員年上。先輩か。
 目をつけられないよう当分大人しくしてよ…
 そう心に決めるが最早10歳が登録していると時点で注目の的とは不幸か幸いか気が付かなかった。
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