幽霊祓い

弥生 啓

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第3章 廃病院編

第231話 廃病院

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優牙たちがゴースト・キングと戦っている頃、日本では・・・

「佐神君、君に一つ任務をお願いしたいのだが、いいかね?」

「はい、全然大丈夫ですよ。今回の任務ってどんなのですか?」

「すでに早見   緒莉はやみ  いおりが現場に向かっているんだが、大阪府のマルイ病院に行って欲しい。彼女の帰りが遅くてね。何かあったのかもしれない」

「分かりましたッ!!行ってきます」

斧戯田会長に言われ、俺はマルイ病院へと向かった。劣化した建物。辺りの空気はひんやりとしており、いかにも幽霊が出そうな雰囲気が漂っていた。

「早見さーんッ、どこですかーッ!!」

中に入って名前を呼んでみたが、返事は帰ってこなかった。階段を上がり、3階に着いたところで、話が進んだ。廊下に女性が頭から血を流して倒れているのだ。恐らく、早見さんだろう。俺はその女性に駆け寄った。

「早見さんですよね?大丈夫ですかッ!?」

「私の事はいいから、早く、逃げて・・・」

女性にそう言われたのと同時に俺は殴り飛ばされた。俺を殴り飛ばしたのは、

「武者の礎ッ!?」

かつて、八王子城跡の主霊だった武者の礎だった。でも、武者の礎は日本旋廻の時に・・・

「驚いたでしょ?これね、僕の術」

武者の礎の背後からフードを被った男が現れた。

「誰だ?お前」

「霊帝会No.9・國田   司くにだ  つかさだ」

「なんで、霊帝会がここにいる?」

「僕に与えられた今回の任務はここの主霊を回収すること。邪魔するなら・・・」

「倒されるのは、お前だからな?」

「へぇ~、強気じゃん。でも、見て分からない?そっちの女の子は僕たちに負けてるよ?君が勝てるわけがないでしょ。殺れ、武者の礎」

「上等だよ。やってやるッ」

武者の礎はこちらに向かってきた。
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