幽霊祓い

akade

文字の大きさ
上 下
221 / 236
第3章 ゴースト・キング編

第221話 人を救う術は悪用される

しおりを挟む
かつて、見えない力で人を助ける者がいた。その者が使っていた術が幽使術。しかし、何人もの幽使術使いが世に生まれていく中で全員が正義だったわけではない。幽使術を使って悪さをする者も現れ始めた。そしていつしか、人を助けるために使用されていた幽使術は、人を傷つけるために使用される術になっていってしまったのだ。しかし、どれだけ幽使術を使用して悪さをしたとしても、ガブリス・モートル以外の幽使術使いは力を得ようとはしなかった・・・。

蒼天術・拳そうてんじゅつ  けんッ!!」

雷轟を交わしながらガブリスとの距離を詰め、拳を使ったが、片手で止められてしまった。

「ガブリスッ、何でこんなことをするんだよッ!!ゴースト・キングを使ってまで、これだけ破壊して何がしたいんだよッ」

「俺はこの世界が嫌いだ。俺の親は術使いに殺された。でも、誰もその術使いのことが悪いとは言わないッ!!悪いのはお前だッと言って、皆が俺の事を責めるッ!!そんな世界、壊して当たり前だろッ」

ガブリスの体内で生まれる怒りにより、大量の霊気が辺りに放たれた。優牙は全身に切り傷を負った。霊気の放出、これは恐山決戦の時に凪澤が見せたものと同じだった。

「優牙、大丈夫かッ」

「えぇ、これくらいは全然大丈夫です」

優牙も日々、成長を重ねている。霊気の放出による攻撃はそこまで強くないというのもあるが、優牙も多少の切り傷は余裕で耐えれるレベルにタフになっていた。

「本郷さん、俺たち以外の人はまだここには来ませんかね?」

「早く来て欲しいものだがな」

「待たせたな」

そう聞こえたので、横を見てみると、アメリカGEA一帝のエルバスが立っていた。

「ここからは全員でガブリスやつを倒すッ!!」
しおりを挟む

処理中です...